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    からすみはだれの子?

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    シリーズで読める『親と子(卵)シリーズ』の第2回目です!

    長崎野母、壱岐、五島や台湾南部の名産に、珍味の『からすみ』がありますが、この『からすみ』何の子供(卵)かお分かりでしょうか?

    『からすみ』は、『ボラ』の卵で、中国では良質の墨『唐墨』に形が似ていることから、そのような名前で呼ばれるようになりました。
    松とうちゃんが駐在していた台湾では、『烏魚子』と呼ばれ、中国語の『唐墨』が日本語読みの『からすみ』になり、日本人の影響を受けた台湾では『カラス』が『烏(からす)』になり、魚の子供であることから『烏魚子』になったのではと松とうちゃんは思っています。

    前回の『ハタハタの卵ぶりこ』と違って『からすみ』は、産卵時期に親の『ボラ』の腹をさいて取り出した卵を水で血抜き、水きりした後、食塩をつけて1週間位寝かせ、そのあと真水につけ塩抜きし乾干して出来上がります。

    『からすみ』は薄皮をむいてお酒につけ軽くあぶり薄切りして『葉にんにく』や『だいこん』にはさんで食べると絶品です!知り合いで、台湾人のご老人に『からすみを食べながら飲むと悪酔いしないぞ!』と、どんどん紹興酒をすすめられ、よく二日酔いをしていました。

    ついつい大好きな『からすみ』のことになると話が長くなりますが、親の『ボラ』の生態についてお話しましょう!

    『ボラ』は、スズキ目に属し世界に17属72種、北海道以南の日本沿岸、世界の温暖海域に生息しています。日本以外にも広く分布しています。

    『ボラ』は、泳ぎが速く非常に機敏なお魚で汽水域などの浅瀬で海底表面の藻類や水中昆虫、小型魚類を餌にしています。
    泳ぎの速さと機敏さの秘密は、体型と背びれ、そしてうろこにあります。体型はやや紡錘形でまるで大型旅客機DC10のようです。それと、2基ある背びれは離れており、速く泳ぐ時は、体に沿って背びれをたたみ、たたんだ後のでっぱりが水の抵抗を受けるため、たたむ部分の両端のうろこは三角の形をしており、ちょうど背びれをたたむと体表がスムーズな形状になります。
    すごいですね~!
    また、一般的なお魚の側面にある側線(水の動きなどをキャッチする器官でその部分のうろこは穴があいている)でまわりの気配を感じますが、『ボラ』には側線がなく、全身のうろこに穴があいて、まさに全身で気配をキャッチすることができます。まるで、体表全面がセンサーですね!『ボラ』は、『マグロ』に匹敵する機敏性を持つお魚と知っている方は少ないのではないでしょうか!

    浅瀬で見る『ボラ』が時々頭を振るようにしている場合がありますが、これはヤスリのような細かい歯で海底の餌を切り取っている行動です。
    海底の泥と一緒に餌を食べることが多く『ボラ』は泥臭さがあるので日本ではあまり賞味されません。しかし冬に漁獲される寒ボラは刺身で食べると、これまた絶品で、たまりません!松とうちゃんが、八王子のある研究所に勤めていた時は、冬になると近くの居酒屋でよく好んで『ボラ』の刺身をいただいていました。美味しかったな~

    普段浅瀬で群れをなして泳いでいる『ボラ』が産卵の時期、どこに移動して産卵するのか、謎につつまれています。産卵時期の10月から翌年1月までは、どこか産卵場所に旅立つため、沖の黒潮や対馬暖流などの大きな潮の流れがあるところまで、とんでもなく大きな群れで移動するようです。
    伊豆半島のダイビングのメッカ『伊豆海洋公園』では海面から水深20mが群れで真っ黒(ボラは黒くありません)になるくらい大群の移動がみられるようです。まさか、産卵場に移動する前に漁獲し『からすみ』にしてしまうから産卵場所がいまだに分からない訳ではないと思います。

    『からすみ』は、デパートなどでひとはら2万5千円の値がつくほど高級な珍味ですが、その親『ボラ』は、日本では差ほど珍重されていません。海中でもダイバーは『あ~あの大きいの、ボラ!』というくらいで、あまり珍しい魚でもありません。しかし、ハワイでは高級魚扱い、タイでは有名なスープ『トムヤムプラー』に利用されています。

    日本沿岸の『ボラ』は、子供の才能価値は認めるけれど、その子を産んだ親の価値は軽視される!そんな現代の人間社会を現わすような気がしてなりません!
    本当は、素晴らしい子供(卵)を産んだ『ボラ』なのです。今度水中で見たら、しっかり観察してあげて下さい。
    -お生物講座022-