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ぶりこはハタハタの子?
シリーズで始まる『親と子(卵)シリーズ』の第1回目です!
『秋田名物、八森ハタハタ、男鹿で男鹿ぶりこ♪~』と歌われた、秋田・山形の名産『ハタハタ』は『しょっつる鍋』で有名ですね! 『ハタハタ』は、『しょっつる鍋』の他、干物を焼いて食べる、米こうじとお酢で漬けたハタハタ寿司、身が崩れないようにさっと煮付けた煮物などで、その独特の味を楽しめます。身は薄く、白身の淡泊な味です。 松とうちゃんは小学低学年から中学までの多感の時期に秋田県由利郡の象潟町で暮らしていましたが、その当時は、『ハタハタ』が豊漁で浜を歩くと、海辺に生きている『ハタハタ』とその子供(卵)『ぶりこ』が潮で打ち上げられ、それらを拾って歩いたほど、豊漁な時期が続きました。 あまりの豊漁に値は下がり漁業関係者の頭を悩ませていたと思います。 『ハタハタ』は、スズキ目のワニギス亜目に分類され世界に2属2種しかありません。日本では1属1種のみです。日本海沿岸(秋田県・山形県)、アラスカ、韓国沿岸などその生息範囲は狭いと言われています。 『ハタハタ』の体表はうろこがなく、背びれは2基でいちじるしく離れている特徴があります。また、口を開くとほぼ直角になり、結構笑える顔です。ふだんは、水深100~400mの比較的深い砂泥底の泥の中にもぐって生息しています。しかし、11月~12月の産卵時期になりますと、群れで移動し浅瀬(2~10m)の海藻に卵を産みつけるのです。 この浅瀬に移動する時が漁の時期で、このころになると、お腹に卵がいっぱいの『ハタハタ』がスーパーなどの鮮魚コーナーにならびます。 メスの『ハタハタ』は、直径3mmくらいの卵とゼラチン状の粘液で浅瀬の海藻に、まるでゴルフボールのようにまん丸く産みつけます。 海藻にボールがぶら下がって、実がなっているような恰好です。この直径5cmくらいの卵のボールは潮の流れやうねりで海藻からはずれ、海底をころがり海岸に打ち上げられるわけです。これが、秋田地方で言う『ぶりこ』です。 打ち上げられた『ぶりこ』は、表面がやや硬くなっており、個々の卵がバラバラになることはありません。 たらこ、かずのこ、すじこ、からすみ、などは産卵前に漁獲し、腹をさいて加工しますが、『ハタハタ』の帝王切開により取り出した卵は、『ぶりこ』と呼びません。あくまでも自然に打ち上げられた産卵後の固まり(ボール状)のものをいいます。お腹の中の卵と『ぶりこ』は硬さも味も異なります。 『ぶりこ』は、酢醤油などで軽く炒めるのが一般的な料理方法でこの調理した『ぶりこ』を20分かかる通学路でガムのようにかみながら登校したものです。かむと、プチプチと卵から身が飛び出し口の中でその美味しさがひろがります。学校に到着するころにはかみ終わった『ぶりこ』が真っ白な発砲スチロールのようになります。 あ~ぁ~懐かしいな~ この大好きな『ハタハタ』も、めっきり漁獲高が減り、おらが郷土の名物を、民謡に歌われた『ハタハタ』を守ろうと漁師の思いきった決断が、数年前から3年間休漁という形で行われました。 結果は休漁の前と比較し、解禁後は6倍にもその数が復元されたという成功です。 この休漁策の成功は、全国の漁業関係者に波紋を呼び各地の漁で検討されているようです。 お魚自身の子孫繁栄のための努力と人間(漁師)の理性と知恵が、その種を絶滅させることなく生息数を維持させることになると思います。 今回は懐かしき35年前の暮らしを思い出しながら書いてみました! (*^_^*) -お生物講座021- |