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生涯を一ヶ所で過ごす岩ガキ!
生での海産物をあまり好まない西洋人も、『牡蠣(カキ)』には目がないようですね!
イタリア料理やフランス料理にも、フライなど熱を加えたものばかりではなく、むきたての生ガキにレモンをしぼって食べるものがあります。 カキを使った『オイスターソース』が有名ですが台湾料理にはカキをたっぷり入れた卵焼き『牡蠣餅』というものがあります。 松とうちゃんは、あまり品のいい食べ方はできませんが、海で採れたばかりのカキをそのまま何もつけずに食べたり、殻のまま焼いて食べるのが好きです! そうです!松とうちゃんは何を隠そう『カキ』にはうるさいのです!うるさいと言うより、大好きなのです! 遊び盛りのころ、『天然岩牡蠣』で有名な秋田県由利郡象潟町で育ち、小学生のころ、母親に言いつけられ夕飯のおかずに『天然岩牡蠣』を採りに行っていました。 西洋人も日本人も、海産物の中では、『カキ』を美味と評価する人が多いと思います。中には、『カキ』は苦手!恐い!と言われる方も、いると思いますが、『カキ』は海のミルクとも言うべき『美味しいもの』にランクされるのではないでしょうか! 日本の養殖ガキは、『マガキ』が主流で、『イボタガキ科』に分類されます。 普通、2枚貝類では『アカガイ』のように赤い血液のものが少なく、ほとんど無色に近い血液をもっています。『カキ』も血液は、無色に近く、体色は黒ずんだ灰色(黒銀色に近い)と白色です。 『カキ』も2枚貝で左右の殻が蝶番(ちょうつがい)状の歯でお互い連結し、しっかりと殻をつなぐ靱帯(じんたい)と左右の殻の内側についている閉殻筋(貝柱)と呼ばれるものがあります。 『カキ』は、呼吸・お食事時、少し開きますが、生きている貝を無理矢理開けようとしても頑固に閉まって開かないはずです。 2枚の殻を開こうとする動きは、殻をつなぐ靱帯(じんたい)が行います。また閉じる力は閉殻筋(貝柱)の筋力で働きます。この貝柱は筋肉に富、美味しい部分でもありますね! 『マガキ』は比較的塩分の低い湾内の岩や海中構造物に左殻で付着し、一生そこを離れることは有りません! つまり、稚貝のころ付着場所を探しいったん付着したら自分ではその場を移動することはないのです。生涯をそこで暮らすのですから凄いです! 二十歳前の2年間で7回も引っ越しをした松とうちゃんには、とても真似が出来ないことです。本当に凄い!(*^_^*) 現在、日本の食卓に出されているのは、『養殖マガキ』がほとんどで、その水揚げの半分が広島県、4分の1が宮城県です。瀬戸内海と三陸で約9割が水揚げされています。 特に有名なのが、広島産ガキで冬の季節に市場に出回ります。各地で成長率や放卵の時期、風味など味が異なり地方品種があります。広島産ガキと宮城産ガキでは、味も主に食べる時期も異なるのです。 水温が比較的高い19度~27度の夏が放卵・放精に適した時期で、日本海の『岩ガキ』はこの時期グリコーゲンたっぷり、ミルクたっぷりのまっ白い部分が発達しとても美味です! 三陸に、『カキ』の大きさを売り物にしているブランドがあります。高値で取引されているのですが、生産者はかなりの工夫と苦労をしているようです。 養殖いかだの下に吊した『養殖カキ』を、ある大きさの時期が来たらグループ内のカキの数を減らし、そして更に、吊す位置を替える配置替えを行うのです。それによって『養殖カキ』は、餌であるプランクトンを均等にそして豊富に取ることができ大きく成長できるそうです。それらの作業は本当に大変そうですね! 天然で育つ『岩ガキ』は河口近くの岩にまるで畳み敷きのように狭くひしめき合っていることが多く、小型で平べったいですが泥深いところにできる『カキ』は長大となり俗に『ながかき』と呼ばれています。 『カキ』は、美味しいばかりではなく栄養価も高く健康維持に役立つ食材です。美味しさや高品質を求めて養殖業者や研究者たちの努力により、その生態が解明されていく中、生涯を一ヶ所で過ごす『カキ』の忍ぶ人生(カキ生)に感銘を覚える松とうちゃんでした! -お生物講座049- |