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    サクラダイは男性天国

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    前回このお生物講座で、オスからメスに性転換するクマノミの話をしましたが、海中の世界にはクマノミと逆のパターンでメスからオスへの性転換をし、我ら男性諸君がうらやむ「ハレム」をつくる魚がいます。「ハレム」と言うのは1匹のオスにたくさんのメスが群がる光景です。

    ハナダイ亜科のキンギョハナダイは、伊豆でもよく見られ、インド、西太平洋の熱帯から温帯の潮通し(流れのある)のよい岩礁や珊瑚礁の傾斜面に沿って群れている魚です。綺麗な水のところにいる、美しい魚です。漁業を対象にした場合は何の価値もない魚ですが、その生態が面白く、我々ダイバーにとっては、フィッシュウォッチングの絶好の対象となります。

    通常、キンギョハナダイは、群れを成し、1匹ないし少数匹のオスに数多くのメスが囲み、ハレムを形成しています。特に、ハナダイ亜科のサクラダイは、オスが鮮やかなオレンジ色の体色に白い斑点があり、メスより身体も大きく、身体の小さい無地(黄色)のメスと区別がつき易いので、ハレムを形成している様子が良く分かります。実は、このキンギョハナダイもサクラダイも生まれた時は、メスなのです。ハレムの中のオスが死んだりしますと、(少数オスの場合は不足したオスの数だけ)メスの中で一番大きいものが性転換してオスになります。その場合、メスは3匹以上いないと、メスはオスに性転換できません。卵巣が精巣に変化するというとても不思議な性転換です。ハレムを支配しているオスが不足しない限り、メスはオスになることはありません。つまり、メスだけの集団ではメスは生涯オスになることはありませんので、どこからかやってくる王子様の求愛行動を受け入れその集団に留ませる戦略をとらないとオスのポストはできません。ハレムを支配するオスはメスにとって魅力ある存在でなければなりません。

    キンギョハナダイのメスとオスはペアで産卵し、その産卵時期は伊豆などの温帯では、6~9月が多いと思います。その時期の夕方になると、オス同士はメスを巡ってケンカをしたり、群れの上方でメスたちに求愛行動をとったりします。オスはヒレをひろげ自分をアピールし、上方に泳ぎだし、途中でクルリと回ってメスの群れに近づきます。そして身体を振るわせるのです。その内、メスに気に入られるとペアとなって水面に向かって泳ぎだします。オスは、ハレムを支配しているとはいえ、産卵期はメスに気に入られなければなりません。ヒレをひろげたり、体色・斑紋を様々に変え美しく着飾ります。クマノミはたくさんの卵を生むために、メスはオスより大きく大きなメスより小さなオスへの性転換はできないと説明しました。なぜ、キンギョハナダイ、サクラダイはメスからオスへの性転換なのでしょう!ハレムをつくる彼らの習性は、オスが魅力的になるために、身体も大きく体色や斑紋を変え、その美しさの頂点に立ったオスはメスに戻れないのだと思います。ハレムを作るキンギョハナダイたちのオスは美しくならなければならない理由があります。それは、他のオスたちより勝って、メスたちの産卵相手に選ばれなければならないからです。オスの美しさは、涙ぐましい努力の美しさなのでしょうか?世の中の女性たちが、着飾り、化粧をして我々男性を魅了するのとは違うのでしょうか?

    美を誇るのは女性で、オスが美しいのは、サクラダイたちです。人間の社会では、大金をはたいて、女性に性転換する男性もおるようですが、それは、女性が美しいからでしょうか?いとも簡単に性転換する不思議な生態の魚たちに感心をしてしまいます。ハレムは羨ましいですが、産卵?相手に選ばれる努力をする自信はありません。他の男性諸君はどうですか?

    -お生物講座005-