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    2010年3月 2日


    2001年7月に「しんかい2000」を用いた富山湾調査により、オオグチボヤのコロニーを確認して以来、富山湾海底における底生生物分布の謎が広く知られるようになった。

    2005 年7月、再度「ハイパードルフィン」による富山湾深海領域における生物分布の確認を行う調査が実施され、富山湾深海海底において、広くオオグチボヤが継続的に生息することが確認された。
    この大口を開けたような奇妙な生き物「オオグチボヤ」は、原索動物でホヤ類のなかでもカラの無い内性の、亜種の少ない深海性の珍しい形態をしている。生きたまま捕獲に成功し、大気圧環境下での飼育し観察した結果、3秒程度の閉口行動と、1分程度の開口行動を繰り返すことがわかり、入水孔前部に存在する微細毛が刺激されることにより閉口することが確認されたそうです。

    投稿者 formosa : 21:17 | コメント (0) | トラックバック

    2008年11月22日


    <赤坂で贅沢なカニパーティー>

    ズワイガニのメス「せいこ蟹」を福井のカニ問屋「ますよね」さんから取り寄せました。


    毎年、この時期しかいただけない「せいこ蟹」、 11月20日発売の2008年ボジョレーを飲みながらいただく幸せ、なんとも言えません!
    ズワイガニは、クモガニ科ズワイガニ属ですが、そのメスを福井では「せいこ蟹」、京都では「コッペ蟹」、石川では「香箱蟹」鳥取では「親蟹」などと地域によって呼び名が違います。

    ズワイガニのメスはオスの五分の一と小さく足の身も少ないですが、メスが美々と好んで食べる方も多いようです。

    体は小さいですが、オスにはない濃厚で甘い「内子」とプチプチとして食感の「外子」がたっぷりとあり美味です。

    カニの寿命は普通五年くらいですが、寒海に生息するズワイガニは、性的に成熟するまで十年ほどかかると
    言われ資源保護のために、各地では11月上旬から1月上旬までの2ヶ月間の短い漁期間となっているようです。



    福井から届いた~


    美味そうな面々


    後ろ姿


    旨さ一丁


    卵がこぼれている?


    ボジョレーと一緒に


    食べた


    食べた


    食べた~

    投稿者 formosa : 13:18 | コメント (0) | トラックバック

    2008年2月17日


    20080216-01.jpgアンコウ料理と言えば、茨城が有名です。

    2月中旬、茨城県水戸市に仲間とアンコウ鍋をいただきに行って来ました。

    アンコウをいただく前に、アンコウの仲間で奇妙な生態をもつチョウチンアンコウのお話です。

    アンコウ目は、一般的に丸みをおびた大きな頭部で、背ビレが変化した釣り竿のような擬餌(ぎじ)状体を持ち、それで小魚をおびき寄せ、丸呑みする特異な生態であると以前にもお話したことがありますが、更に不思議な生態をもつチョウチンアンコウたちです。

    日本産のチョウチンアンコウは、ほとんど沖合いから外洋域の数百~数千mの深場に生息しています。チョウチンアンコウ類は、一般に体形が丸く浮遊生活に適した形で、浮遊したまま餌(えさ)を待つ『待ち伏せ型』の摂餌方法です。

    メスはオスより大きく頭部背面の擬餌状体は特に発達していて、一部を除き発光部をそなえています。大きなお魚を丸呑みするため、大きな口としっかりとした歯を持っています。更に食道と胃は、拡張性に富み、呑み込んだあとは、異様にお腹が膨らみヘビが獲物を丸呑みしたときのようです。

    メスは捕食・摂餌に関しては貪欲といった感じです!

    特に不思議なのがチョウチンアンコウ亜目の中の、ヒレナガチョウチンアンコウ科、オニアンコウ科、ミツクリエナガチョウチンアンコウ科などのオスの寄生です。

    メスよりかなり小さいオスが、メスの体表に食いつくように寄生するのです。オスがメスの体に寄生するのは脊椎動物では他に例をみないそうです。なんか恐いというか異様ですね!

    成魚のメスが120cmにも達し、『ビワアンコウ』のオスは、8~16cmの小さなもので、メスの体表(皮ふ)からの突起物に両顎が食いつくように癒合(ゆごう)し寄生します。

    メスが浮遊しているときも、餌を捕っているときも、食事しているときも、そして排泄しているときも、いつでもオスがくっついているのです!

    寄生したオスは、心臓や鰓は退化していないので自分で呼吸はできますが、メスの体表と顎(あご)が癒合していますので、歯と消化管は退化して食事はできないのです。

    一説によるとメスとオスの癒合部分でメスの血管とつながってオスが栄養をもらうとありますが、はっきりしません。寄生しないグループのオスが摂餌せず幼期にたくわえた栄養でメスの産卵時期まで生きつづけられることが知られていますからひょっとしたら寄生したオスもメスから栄養をもらっていないかもしれません。どちらにしても凄いです。

    メスの体にオスがず~っと着いていたら、うっとうしいと思うのですが、なぜ、このようにオスがメスに寄生するのでしょう?不思議です。その理由は、産卵時期まで確実にオス・メスが一緒にいるためと言われています。つまり、子孫繁栄のため『許嫁(いいなずけ)』のそばについているということでしょうか!

    「オスは小さくて食べるところがないんです。これはメスです。」とアンコウ料理の女将が説明しながら、アンコウ鍋をよそってくれました。

    もちろん、旨かった!

    投稿者 formosa : 09:54 | コメント (0) | トラックバック

    2008年2月11日


    20080209-02.jpg世界遺産の指定を受けるブラジル北東部に広がる世界一白いと言われる砂丘レンソイス(レンソイス・マラニェンセス国立公園)は、15万ヘクタールの真っ白な砂の大地「世界一白い砂丘」と言われています。

    初めての撮影許可を得たNHKから「ダーウィンが来た!」で放送紹介されました。

    半年ごとにやってくる雨季と乾季。雨季に大量の雨が降ると、真っ白な砂丘に青々とした無数の池が出現しますが11月の終わりにはほとんど池の水がなくなり池が消えてしまうのです。雨期の池にはお魚やカエル、カメがいます。

    不思議なのは、「お魚たちはどこからやってくるのでしょう?」アイコン

    その生態はよくわかっていないようですが、こんな説があります。

    砂丘レンソイスには、乾季でも残る池がわずかにあり、小さな石英の砂の下には粘土層との間に地下水があります。残る池に住むお魚たちは、雨期に現れる無数の池とつながり移動するのではないか?またそれぞれの池では乾季の前に卵を砂の中に産みつけ、その卵は湿った砂中で生き続け雨期にはふ化し現れた池中で泳ぎ出すといいます。カエルは湿った砂中のもぐり半年そこで暮らし、カメはわずかに残った池を探し歩き回ったり、砂中で冬眠ならぬ乾季眠するようです。

    世界一白く美しいと言われる砂丘レンソイスで、繰り広げられる生物たちの「生きる力」です。
    (画像はNHKダーウィンが来た!より)

    投稿者 formosa : 09:32 | コメント (0) | トラックバック

    2007年10月21日


    先日、テレビ番組でサカナ君が、「お魚名の由来」のクイズを出題していた。

    お魚の名前の由来を調べてみると結構面白い。

    お魚の名前だけでなく、「寿司」や「刺身」など調理法の名前も「へえ~~!!」と感心するものもあるので、この際と思いネットや文献でいろいろ調べてみた。

    そもそも「魚(サカナ)」はなぜ「サカナ」と呼ぶようになったのだろう?

    魚は、元々「酒菜(さかな)」と書き、「酒のつまみ」を意味していた。奈良時代から室町時代にかけて、「さかな」と呼ばれていたものは、「塩」「スモモ」「味噌」などで、江戸時代以降、酒の肴に魚肉が多く使われたため、魚肉を「さかな」と呼ぶようになった。本来、魚類全般は「いを」と言い、「いを」から「うを」、「うを」から「うお」へと変化した。しかし、「うお」では不安定な母音の連続になるため、海や川で泳いでいる魚類も「さかな」と呼ぶようになった。

    ・・・そうな。

    それまで魚は「うお」や「な」と呼ばれており、魚の総称を「うお」、
    食べ物としての魚を「な」と呼んでいたそうだ。

    面白いでしょう!

    以下、56種類の名前の由来を、アイウエオ順に並べてみた。
    ごらんあれ。


    アジ美味しい「味(アジ)」から由来
    あたりめ「するめ」の「する」を嫌って「当たり」に換えて「あたりめ」と呼びかえた
    アナゴ日中は岩穴や砂の中に棲む夜光性の魚だから「穴子」と呼ばれるようになった
    アメフラシ紫色の分泌物を出すことからアメフラシと言う名前がついた
    アユ秋に上流から下流に落ちる(あゆる)魚と言う意味の古語と言う説
    アンコウ大きな顎(あご)ばかりだと「アゴウオ」が訛って「アンコウ」に
    イクラロシア語で、「魚卵」・「小さくて粒々したもの」という意味
    イシモチ頭部に石のように固い肉塊がある
    伊勢海老威勢(いせい)がいい海老が縮まって「いせ海老」と呼ばれるようになったと言う説
    イワシ腐りやすいことから「弱し」から
    海老老人のように腰を丸くしていることから「海の老」海老(えび)となった
    カツオ保存食として堅魚(カタウオ)として用いられていた事からその略称でカツオ
    数の子ニシンを別名(アイヌ語)「鰊(かど)」と言い、その子なので「かどのこ」と言った
    カレイ片側にしか目がない片割れ魚(イオ)が訛った
    からすみ形が中国から渡来した墨「唐墨(からすみ)」に似ていたことから命名
    カワハギ皮が固いので加工前に皮をはがなければいけないから
    カンパチ正面から見たときに、目の間に黒っぽい八の字の紋様が見えるため
    キス味が淡白なことから「潔し」がキスになったと言う説
    キビナゴ鹿児島では帯のことを「きび」と呼び帯を持った小魚「キビナゴ」と名付けられたと言う説
    車海老縞模様が体を丸く曲げると車輪のように見えることに由来
    コマイ 鱈に比べて小さい(こまい)からこの名が付いた
    ※漢字で氷下魚と書くのは氷を割って釣るため
    サケ産卵ため海から川を逆(サカ)さまにさか(サケ)のぼるからと言う説
    刺身武家時代「切る」という語を嫌って「切り身」ではなく「刺身」が用いられるようになった「刺す」という表現は、包丁で刺して小さくすることからと思われる。
    サバ歯が他の魚に比べて小さい事から小歯(さば)がサバになったと言う説
    サヨリ沢山群泳して岸から川に寄るところから
    サワラ腹の部分が狭いから、狭腹となり「サワラ」となった
    サンマ細長い魚を意味する狭真魚(さまな)が変化してサンマになったと言う説
    シシャモアイヌ語で「スス(柳)ハム(葉)」が語源
    芝海老芝浦で活きのいい魚「芝物(しばもの)」と呼ばれ芝浦でとれる蝦「しばえび」と言われる説
    蝦蛄茹でた時にシャクナゲの花に似た紫褐色になることから
    ジンベイザメ体色が甚兵衛羽織の模様
    スケソウダラ大量に獲れるので助っ人(スケット)が要るタラだと言う説
    寿司「すっぱい」を意味する形容詞「酸し(すし)」の終止形で古くは、魚介類を塩に漬け込み自然発酵させた食品を言う
    スズキ魚肉がすすいだように白いから名付けられた
    タイ品位や味が上等な事から「大位」と呼ばれそれがタイになったと言う説(めでタイ魚)
    大正海老海老業者「大正組」が「大正海老」と名付けて市場に出荷
    タラ皮に斑「マダラ」模様があるのでと言う説
    鉄火巻真っ赤に熱した鉄をさし、マグロの赤い色と山葵の辛さを「鉄火」に喩えたもの
    トリ貝貝の中身が鳥の足に似ているからと言う説(鶏肉に似た味と言う説もある)
    ナメロウ盛った皿まで「なめる」ほど美味しいというので「ナメロウ」という名前がついた
    ニシン身を二つに裂いて保存するので二身という説
    ネンブツダイ口の中の卵に新鮮な水を送るため口をパクパクと動かす様子がまるで念仏を唱えている様に見えるため「念仏鯛」と呼ばれている
    ハゼ干潟をハゼるように跳ねているのでハゼ
    ハタハタ魚へんに神と書き雷神の古名とされる「霹靂神(はたたかみ)」に由来
    バッテラポルトガル語で小舟を意味する「bateria(バッテイラ)」
    ヒラマサ平たく真っ直ぐな柾目の魚「平鰤(ヒラマサ)」
    ヒラメ平たい魚の意味の「平魚」
    フグフクれるという古名「フクト」から
    ぶどう海老葡萄のような紫色が透けている
    ホッケ主産地である北海道がなまった「ホッケイドウ」から
    マグロ眼黒(マグロ)または真黒の意味と言う説
    ママカリあまりのおいしさにご飯が足りなく隣の家から「まま」(ご飯)を借りてきたため
    マンボウギリシャ語のMylos(挽き臼)が由来
    メヒカリ目が大きく、黄緑色に見えるため
    メヌケ獲れた時に水圧が急減するので目玉が飛び出すことから
    明太子韓国でスケトウダラを「明太(ミョンテ)」といいこれを「メンタイ」と呼んだ
    ワラサ英語で「黄色い尾」と言う意味

    投稿者 formosa : 19:16 | コメント (0)

    2007年2月 6日


    日本魚類学会が差別的な魚の名を32種類を改名しました。

    ダイバーに馴染みが多い「イザリウオ」の改名が一番印象深いですが、

    「カエルアンコウ」

    可愛さがなくなったような気がします。

    「イザル、イザリ」は既に死語になっているような気がしますが、改名発表があった以上、今後のホームページ掲載には新標準和名で記載するよう努力します。
    img_1478.jpg

    日本魚類学会より、2007年2月1日に
    「差別的語を含む標準和名の改名とお願い」が発表されました。

    「メクラ、オシ、バカ、テナシ、アシナシ、セムシ、イザリ、セッパリ、ミツクチ」の9つの差別的語を含む魚類の標準和名について、「1綱2目・亜目5科・亜科11属32種を含む51タクサ(分類単位)の標準和名を改名すべきである」と発表され、これらの標準和名の普及にご協力をとありましたので、日本魚類学会ホームページより、抜粋掲載します。


    ◆日本産魚類の差別的標準和名の改名最終勧告
    (2007年1月31日,日本魚類学会評議員会により承認; もとの和名は原則として中坊編(2000)による;そうでない場合は,説明を加えた;改名済み1種を含む)

    「種」(32種)のみ、改名前を赤色、改名後を青色にしました。

    【Myxini】
    Myxini メクラウナギ綱 → ヌタウナギ綱
    目・亜目Myxiniformesメクラウナギ目 → ヌタウナギ目
    科・亜科Myxinidaeメクラウナギ科 → ヌタウナギ科
    Myxineメクラウナギ属 → ホソヌタウナギ属
    M. garmaniメクラウナギ → ホソヌタウナギ
    M. paucidensオキナメクラ → オキナホソヌタウナギ
    M. atamiクロメクラウナギ → クロヌタウナギ
    新和名の説明・他綱から科までの名称は既存名を適用.属・種の名称はEptatretusヌタウナギ属よりも体が細いことによる.なお,中坊編(2000)では本科魚類に別属としてParamyxineクロメクラウナギ属が含まれているが,Fernholm (1998)によりMyxineの新参異名とされているので,ここではその見解に従った.
    【Chondrichthyes】
    Chondrichthyes軟骨魚綱
    目・亜目Carcharhiniformesメジロザメ目
    科・亜科Pseudotriakidaeオシザメ科 → チヒロザメ科
    Pseudotriakisオシザメ属 → チヒロザメ属
    P. microdonオシザメ → チヒロザメ
    新和名の説明・他深海性のサメであることから,深い海を表すチヒロ(千尋)を採用.
    【Osteichthyes】
    Osteichthyes 硬骨魚綱
    目・亜目Anguilliformesウナギ目  
    科・亜科Synaphobranchidaeホラアナゴ科 → リュウキュウホラアナゴ亜科
    Ilyophinaeメクラアナゴ亜科
    Dysommaメクラアナゴ属 → アサバホラアナゴ属
    D. anguillareメクラアナゴ → アサバホラアナゴ
    新和名の説明・他亜科名は本亜科にIlyophisリュウキュウホラアナゴ属を含むことによる.種名はホラアナゴ科魚類としては,比較的生息深度浅いことによる.
    Osteichthyes 硬骨魚綱
    目・亜目Anguilliformesウナギ目  
    科・亜科Cyematidaeセムシウナギ科 → ヤバネウナギ科
    Cyemaヤバネウナギ属  
    C. atrumヤバネウナギ  
    新和名の説明・他日本産本科魚類はヤバネウナギ1種のみであることから,科名についてもこの名称を採用.
    Osteichthyes 硬骨魚綱
    目・亜目Clupeiformesニシン目  
    科・亜科Clupeidaeニシン科 
    Spratelloidesキビナゴ属 
    S. atrofasciatusバカジャコ → リュウキュウキビナゴ
    新和名の説明・他本種は日本では沖縄県のみに分布することから.
    Osteichthyes 硬骨魚綱
    目・亜目Myctophiformesハダカイワシ目  
    科・亜科Myctophidaeハダカイワシ科 
    Nannobrachiumトンガリハダカ属 
    N. sp.1テナシハダカ → ヒレナシトンガリハダカ
    新和名の説明・他胸びれがないことから.
    Osteichthyes 硬骨魚綱
    目・亜目Ophidiiformesアシロ目  
    科・亜科Bythitidaeフサイタチウオ科 
    Oligopusセムシイタチウオ属 → セダカイタチウオ属
    O. robustusセムシイタチウオ → セダカイタチウオ
    新和名の説明・他他属に比較して体高が高いことから.
    Osteichthyes 硬骨魚綱 
    目・亜目Lophiiformesアンコウ目 → カエルアンコウ亜目
    Antennarioideiイザリウオ亜目
    科・亜科Antennariidaeイザリウオ科 → カエルアンコウ科
    Antennatusイザリウオモドキ属 → カエルアンコウモドキ属
    A. tuberosusイザリウオモドキ → カエルアンコウモドキ
    A. flagellatusムチイザリウオ → ムチカエルアンコウ
    新和名の説明・他本亜目魚類の形態がカエルを連想させ,また英名がfrogfishであることから本科の基幹名としてカエルアンコウを採用.「ヒメヒラタイザリウオ」は瀬能・川本(2002)で提唱された.なお,改名案にはイサリウオ(漁る魚の意)も検討されたが,旧名を連想させない名称が適切であるとの意見を重視した.
    Osteichthyes 硬骨魚綱 
    目・亜目Lophiiformesアンコウ目 → カエルアンコウ亜目
    Antennarioideiイザリウオ亜目
    科・亜科Antennariidaeイザリウオ科 → カエルアンコウ科
    Antennariusイザリウオ属 → カエルアンコウ属
    A. analisロケットイザリウオ → ロケットカエルアンコウ
    A. striatusイザリウオ → カエルアンコウ
    A. hispidusボンボリイザリウオ → ボンボリカエルアンコウ
    A. scriptissimusソウシイザリウオ → ソウシカエルアンコウ
    A. commersoniオオモンイザリウオ → オオモンカエルアンコウ
    A. maculatusクマドリイザリウオ → クマドリカエルアンコウ
    A. pictusイロイザリウオ → イロカエルアンコウ
    A. coccineusウルマイザリウオ → ウルマカエルアンコウ
    A. rosaceusエナガイザリウオ → エナガカエルアンコウ
    A. nummiferベニイザリウオ → ベニカエルアンコウ
    A. dorehensisカスリイザリウオ → カスリカエルアンコウ
    A. randalliヒメヒラタイザリウオ → ヒメヒラタカエルアンコウ
    新和名の説明・他本亜目魚類の形態がカエルを連想させ,また英名がfrogfishであることから本科の基幹名としてカエルアンコウを採用.「ヒメヒラタイザリウオ」は瀬能・川本(2002)で提唱された.なお,改名案にはイサリウオ(漁る魚の意)も検討されたが,旧名を連想させない名称が適切であるとの意見を重視した.
    Osteichthyes 硬骨魚綱 
    目・亜目Lophiiformesアンコウ目 → カエルアンコウ亜目
    Antennarioideiイザリウオ亜目
    科・亜科Melanocetidaeクロアンコウ科  
    Melanocetusクロアンコウ属  
    M. murrayiセムシクロアンコウ → クロアンコウ
    新和名の説明・他日本産本属魚類は本種のみであることから,属の既存和名を採用.
    Osteichthyes 硬骨魚綱 
    目・亜目Scorpaeniformesカサゴ目  
    科・亜科Scorpaenidaeフサカサゴ科  
    Scorpaenopsisオニカサゴ属  
    S. diabolusセムシカサゴ → ニライカサゴ
    新和名の説明・他本村ほか(2004)で改名済み.
    Osteichthyes 硬骨魚綱 
    目・亜目Scorpaeniformesカサゴ目  
    科・亜科Triglidaeホウボウ科  
    Chelidonichthysホウボウ属  
    C. ischyrusセッパリホウボウ → ツマリホウボウ
    新和名の説明・他近縁種に比較して前後に短縮した体形をしていることから.
    Osteichthyes 硬骨魚綱 
    目・亜目Scorpaeniformesカサゴ目  
    科・亜科Psychrolutidaeウラナイカジカ科  
    Malacocottusセッパリカジカ属 → コブシカジカ属
    M. gibberセッパリカジカ → ヤマトコブシカジカ
    新和名の説明・他日本産本属2種のうちの他種 M.zonurus コブシカジカの名称を属名に採用.種和名は日本海に固有であることから.
    Osteichthyes 硬骨魚綱 
    目・亜目Perciformesスズキ目  
    科・亜科Gerreidaeクロサギ科  
    Gerresクロサギ属  
    G. erythrourusセッパリサギ → セダカクロサギ
    新和名の説明・他同属他種に比較して体高が高いことによる.
    Osteichthyes 硬骨魚綱 
    目・亜目Perciformesスズキ目  
    科・亜科Zoarcidaeゲンゲ科  
    Bilabriaミツクチゲンゲ属 → ウサゲンゲ属
    B. ornataミツクチゲンゲ → ウサゲンゲ
    新和名の説明・他ウサは兎の意.顔つきの印象から.
    Osteichthyes 硬骨魚綱 
    目・亜目Perciformesスズキ目  
    科・亜科Zoarcidaeゲンゲ科  
    Lycodapusアシナシゲンゲ属 → ヤワラゲンゲ属
    L. microchirアシナシゲンゲ → ヤワラゲンゲ
    新和名の説明・他体が寒天質で柔らかいことから.
    Osteichthyes 硬骨魚綱 
    目・亜目Perciformesスズキ目  
    科・亜科Zoarcidaeゲンゲ科  
    Andriasheviaテナシゲンゲ属 → チョウジャゲンゲ属
    A. apteraテナシゲンゲ → チョウジャゲンゲ
    新和名の説明・他チョウジャは長者の意.属の学名の由来であるロシアの碩学アンドリアシェフに対する褒詞.
    Osteichthyes 硬骨魚綱 
    目・亜目Pleuronectiformesカレイ目  
    科・亜科Bothidaeダルマガレイ科  
    Neolaeopsセムシダルマガレイ属 → オオクチヤリガレイ属
    N. microphthalmusセムシダルマガレイ → オオクチヤリガレイ
    新和名の説明・他近縁属の Laeops ヤリガレイ属や Japonolaeops ヒナダルマガレイ属に比べて口が大きいことから.
    Osteichthyes 硬骨魚綱 
    目・亜目Tetraodontiformesフグ目  
    科・亜科Monacanthidaeカワハギ科  
    Rudariusアミメハギ属
    R. excelsusセッパリハギ → セダカカワハギ
    新和名の説明・他同属他種に比較して体高が高いことから;本種は答申時に採録漏れしていたもの.

    投稿者 formosa : 11:01 | コメント (0)

    2006年5月 1日


    スズキ目の中で2番目に数多く種を含むハゼ亜目のお魚についてお話します。な~んだ!ハゼかとガッカリしないでくださいね!

    ハゼというと、釣り魚の天ぷらで美味しいマハゼのほか、トビハゼ、ムツゴロウ、ヨシノボリ、ドロメなど多くの種類がありますが、汽水域に生息・底生性・エビと共生・ハレム型生活・性転換など多くの特徴を想像させてくれますが、皆さんのハゼに対するイメージはいかがでしょうか?

    一般に側線(感覚器官)は頭部側に発達し、テッポウエビ類との共生では、感覚の鋭い才能を買われ見張り役を任されているのです。

    また、ほとんどが岩や珊瑚などを這うように移動する底生活ですが、それらの動きに便利なように、多くは左右一対の腹ビレは癒合して吸盤状になっています。

    社会構造や性転換で不思議な特徴をもつ『オキナワベニハゼ』というお魚がいます。『ベニハゼ』は知っているけど…と言われる方も多いかと思いますが、『ベニハゼ』同様2~3cmと小さな体長の鮮やかな色彩をした可愛いお魚です。(吸盤はありません。)

    『オキナワベニハゼ』は、洞窟やオーバーハングの斜面などに生息し、体の大きなオスがグループを支配し一夫多妻性社会(ハレム)を構成していることがあります。なんとも羨ましい限りですが…

    産卵期は、6~9月ごろですが、メスはこの期間4~5日間隔で何回でも産卵するというからなんてご苦労さんな話しでしょう!

    苦労はメスばかりではありません。オスはメスを招き入れる産卵巣を用意し、一生懸命メスに求愛するのです。求愛に応じたメスは、岩穴などの産卵巣で約1時間くらいかけて約400個の卵を生みつけますが、産卵が終わるとソソクサと巣を離れてしまいます。

    その後は、オスが卵をふ化まで一生懸命保護するのです。

    あっちこっちで何回となく産卵しなければならないメスの苦労と産卵巣の用意からメスへの求愛と卵の保育を担当するオスの苦労、どっちが苦労かな~どっちだと思います?

    ふつう、ハレム型生活をしているお魚は、支配しているオスが倒れたり消失したとき、2番手のメスがオスへ性転換することは、過去に、この『松とうちゃんのお生物講座』で紹介したと思います。

    メスからオスに性転換するということは、ふつう卵巣組織から精巣組織に不可逆的に置き換わるということでもとに戻りません。

    しかし『オキナワベニハゼ』はとっても不思議な性転換をするのです。性転換が双方向の可能性があります。

    体長の異なるメス同士を同居させると、その中で一番大きなものが約一週間でオスに性転換し、逆にオス同士を同居させると約10日でメスになった実験報告があります。性転換したお魚には、発達して生殖腺と退化した生殖腺が両方あるようです。

    いったんはオスになってハレムを楽しんだけど、餌も食べずに卵の保育している間に、大きくなったメスに立場を逆転されメスに逆戻りということがあるのかも知れませんね!

    そんな厳しい現象、なんか人間社会にもありそうです!

    能力や力が認められ管理職に昇進したが、部下の管理にストレスを感じているうちに部下が力をつけ、いつの間にか…立場が逆転していたという笑えない話、ないですか~

    海中世界には、不思議な生態の生物が多いですが、人間社会にも不思議な生態の生物が多くなった気がします。



    -お生物講座100-

    投稿者 formosa : 16:56 | コメント (0)

    2006年4月30日


    今回は、海中でよく見かけ、まるで人工物のような不思議な形をした生物や卵塊をいくつかご紹介します。

    熟練ダイバーたちには、『あ~それ、知ってる!』ということになると思いますが、ダイバーに成り立ての方や海中世界を覗いたことのない方には、けっこう面白いかも知れません。

    ≪だ~れ?こんなところにカシパン置いたの?≫

    は~い!私はウニの仲間で、『タコノマクラ目』に所属しているスカシカシパンといいます。薄い円盤形で、鍵穴のような細長い5つの穴が開いていて不思議な形でしょう?普段は砂にもぐっていることが多いけど今度見つけてね!

    ≪この作りかけの砂茶碗、だれの作品だ~?≫

    す、すいませ~ん!私です。『タマガイ科』のツメタガイと申します。私の卵たちですが、砂の中で作ったもので、中には約200個くらい私の子どもたちが入っています。いつもはモグラのように砂の中にもぐって二枚貝を襲っては食べているのですが、アサリやバカガイの貝殻に穴を開けたのも私です。ごめんなさ~い!!

    ≪だれだー?こんなところに、おそば捨てたのは?≫

    おそばじゃあないよ~海そうめんっていうんだ~みんなが面白がって突っつくオレ、『アメフラシ』の卵塊だよ。今度、会っても突っつかないでちょうだいよ!お願いだからさ~

    ≪おぉ~きれいなスポンジのリボンじゃん!≫

    リボンじゃあないけどきれいでしょう!スパニッシュ・ダンサーとも呼ばれたことのある私『ミカドウミウシ』の子どもたちよ!卵からかえったら、私のように華麗に泳ぐのよ!

    ≪ん?だれか、そそうした?≫

    ごめんなさい!私がそそうしました。『ギボシムシ科』のワダツミギボシムシといいます。私が砂中からちょっとだけ肛門をのぞかして糞を出してしまいました。タマシキゴカイの糞と間違う人もいますけど、私の方が太くて立派でしょう?

    いかがですか?今回紹介したものは、海中で良く見かけるものばかりですが、『これが生物?これが卵?』と思うような不思議な形をしたものだと思います。

    海中生物って不思議なものが多いですね!


    -お生物講座099-

    投稿者 formosa : 17:39 | コメント (0)

    2006年4月29日


    東京の築地市場など大都市の市場では、ほとんど見ることのない『イガイ』は、地方では『せとかい』とか、『いのかい』と呼ばれ食用とされています。『イガイ』というとどんな貝かわかりにくいと思いますが、ムール貝の仲間といえば想像つきますよね。

    『イガイ』は北海道南部から九州まで分布し、波の荒いところの岩礁に足糸と呼ばれるもので群がって付着しています。

    殻長は13cm、殻高6cm、殻幅4cmくらいになりますが、貝の殻長・殻高・殻幅は、どれがどこかわかりますか?

    この生物講座で3回目のご紹介になりますが、

    2枚貝の場合、2枚の殻の付け根とも言うべき蝶番(ちょうつがい)歯の連結部分の靱帯(じんたい)を下にして上下方向を高さ、2枚の殻の厚さを幅と表現します。つまり、片方の殻を底にして反対側の殻を直角に大きく開いた状態にして、その時の高さを殻高と呼ぶのです。殻長は、蝶番(ちょうつがい)とほぼ平行方向の長さをいいます。

    『イガイ』の表面は漆黒色、内側は真珠光沢が強く、殻頂は尖った三角形状で多少わしばな状に曲がっています。

    産卵期は12~5月ごろで、1年で殻長が5cmくらいに成長し2~3年で殻長が13cmまでになります。

    食用で特にお馴染みなのがムール貝と呼ばれている『ムラサキイガイ』ですが、イガイ目イガイ科に属する貝です。

    ムール貝は、もともとヨーロッパ原産で今では、三陸以南の日本各地の港湾などに住み、防波堤やブイ、養殖施設、火力発電所などの取水管に群がって付着しています。

    このムール貝の本家は、昭和初期に神戸港で発見されて以来、あっという間に日本各地に広がり分布するようになったそうです。遠い異国の地からやってきた移民者なのです。

    北海道を中心とした寒海域の『キタノムラサキイガイ』と交雑種もあり、また、東南アジアからやってきた『ミドリイガイ』など今では、外地からの移入種が多く生息するようになり、貝の世界にも【国際化】が迫っているいるようです。

    ムール貝は、殻長は9cm、殻高5cm、殻幅3cmくらいで表面は、光沢の強い藍黒色で内側は『イガイ』と異なり、光沢はなく空色です。また腹縁はややふくらんでいます。

    松とうちゃんのムール貝のイメージとして残っているのが、東京に上京してきたころ、フランス料理店でいただいた高級なムール貝のホワイトソースかけを食べてみて、

    ≪どこにもいるカラス貝(淡水産のイガイの異名)じゃん!≫
    ≪こんなのも高級料理の材料になるんだ~≫
    ≪東京というところはすごいな~何でも高級だ!≫

    みそ汁のだしくらいにしか考えていなかったカラス貝がね~これがこんな高級なフランス料理に!と感心したものでした。

    美味しかったな~あのムール貝…

    実は、このカラス貝とムール貝の違いがわからなかったのです。

    そもそも牡蠣の養殖施設に付着し牡蠣の天敵だったムール貝を養殖し、高級食材とした漁師さんの知恵には脱帽です。

    ムール貝は、フランス料理などのように手をかけて調理するのも良いですが、塩ゆでしただけのムール貝をそのままいただくだけで、美味しい酒のつまみになります。本当に美味です!

    スーパーで見かけ急に食べたくなり思わず手に取っていました。そこで、このテーマにしてしまいました。
    さぁ、これからお鍋でお湯を湧かします。
    一緒にムール貝食べましょっ!


    -お生物講座098-

    投稿者 formosa : 18:17 | コメント (0)

    2006年4月28日


    幼・稚魚のころに流れ藻、漂流物、クラゲなどに乗って移動するお魚でイボダイ亜目のお魚をご存知でしょうか?

    イボダイ亜目は、イボダイ科、マナガツオ科、エボシダイ科など5科に分類されますが、イボダイ科の『イボダイ』は九州ではシズ、関西ではウボゼ、関東ではエボダイなどと呼ばれますので

    ≪あ~、バター焼き、塩焼き、煮付けなどにして美味しいあの魚ね!≫

    と思い出す方も多いと思います。

    イボダイ亜目のお魚の特徴は、

    咽頭部(のど)と食道の間に食道のうという袋をもつことで、この袋の内壁には肉質または角質の小突起が密集し消化機能があるのです。食べた餌は、この食道のうで完全に粘液化され、それから胃に送られるという不思議な構造をもっています。

    ほとんど成魚は、中・深層にすんでいますが、仔稚魚期には、表層のクラゲや流れ藻に乗って移動しますので、世界の暖海域に広く分布する流離いの旅人なのです。

    エボシダイ科に属する『エボシダイ』は幼魚のとき、強い毒をもつ有名なカツオノエボシの触手の間にすんでいます。成魚になるとカツオノエボシを離れ水深2000~1000mくらいの深場に移りますが、世界中の温帯と熱帯の海域に分布し、日本では夏に幼魚として見られます。

    この『エボシダイ』は、カツオノエボシの触手の間にすみついていながらカツオノエボシの触手を失敬して食べるふとどき者なのです。生まれつきカツオノエボシの毒に強いわけではなく、小さなころから少しづつ触手に接触し、徐々に免疫をつけていくといわれています。

    ながれ藻につくお魚としてはブリの稚魚が有名ですが、イボダイ科の『メダイ』も仔稚魚期にながれ藻につき移動します。

    『メダイ』は、北海道以南の太平洋側に多く生息しますが、伊豆半島、紀伊半島などの沖合い深場に多いことが知られています。

    松とうちゃんは、八丈島を訪れたとき地魚をネタにする島寿司を食べますが、決まってこの『メダイ』が出てきます。深場のお魚にしては、身がしまっていてとっても美味しいお魚です!

    九州南部や四国沖で産卵された『メダイ』の卵や稚仔は、ながれ藻に乗り黒潮によって、北の三陸沖合いに運ばれ、深場生活に入り成長とともに親潮に乗り換え南下し、産卵場所に戻るというパターンでまさに『流離いの旅人』といった感じです。

    ダイバーの方は海面付近でミズクラゲやアカクラゲの触手にイボダイ科の幼・稚魚が群れですみついている光景をみることがあると思います。
    癒し系といわれているクラゲの動きの中で可愛い小魚がすみついている様子をみたら、なんてファンタジックな世界だろうと感じると思います。


    -お生物講座097-

    投稿者 formosa : 17:33 | コメント (0)

    2006年4月27日


    あいつは、コバンザメのようなやつ!と例えるように、今回は大型種の生物などにピッタリくっついてくらしているお魚、『コバンザメ』のお話です。

    名前からしてサメの仲間のように思われている方もいるかも知れませんが、れっきとした硬骨魚類です。スズキ目のコバンザメ亜目に分類されるお魚です。

    『コバンザメ』とサメ類のようにまぎらわしい名前がついたのは、サメ類など大型種に子どものようにぴったりと吸着しながら一緒に行動しているからではないかと思います。

    昔は、分類学的にまぎらわしいというので『コバンイタダキ』とけったいな名前を別名にしていましたが、いつのまにか『コバンザメ』に統一されてしまったようです。

    学名のEcheneididaeは『船を引っ張り込む』という縁起の悪い意味があり、英語ではa sucking fish『吸引魚』とか、a shark sucker『サメの乳児』と呼ばれています。

    『あやかし』と呼ぶ地方もあるようですね。

    『コバンザメ』は、頭の後方、第一背ビレが変形した細長い小判状の吸盤があり、それで吸着主のお腹などにピッタリくっついています。

    吸着主の急な体勢の変化に応じて吸着場所の移動が行えるように、胸ビレは大きく機能的です。速く泳ぐ吸着主に振り落とされないように、水の抵抗が少ない細長い体形をしています。

    吸着主に吸盤でつく原理は、吸盤のふちを漏れないようにピッタリとくっつけ吸盤内を陰圧にすることによって吸着力を強くしています。

    『コバンザメ』が吸着主とするものはサメ、マンタ、マグロ、カジキ、ウミガメ、クジラなどで、時には動物以外の船や漂流物に吸着している事もあるようです。

    ダイバー松とうちゃんに吸着することもあるのです。ホントです!!
    太ももに、しっかり『コバンザメ』がついてしばらく水中遊泳を楽しんだ(?)こともあります。

    『コバンザメ』は、小魚やプランクトン、甲殻類を食べますが、吸着主の食べ残しや、体表や鰓(えら)に寄生しているものをいただいて御利益をもらっています。

    しかし、『コバンザメ』にくっつかれている吸着主は、何の御利益があるのでしょう?

    ≪オレは、こんなに子分を連れているんだよ~≫

    と扶養家族の数を誇示しているのでしょうか?

    そう言えば、松とうちゃんも『コバンザメ』がついたときは、悪い気持ちしなかったな~

    人間社会でもコバンザメのように大物にピッタリ寄り添っている者も、それらを引き連れて歩く大物もきっと双方にメリットがあるのでしょうね!

    -お生物講座096-

    投稿者 formosa : 17:24 | コメント (0)

    2006年4月26日


    今回は、日本人の最も好む貝のひとつ『サザエ』のお話です。サザエの壺焼きは有名で、これからの季節、海辺の屋台でよく見かけますよね。初夏が旬です!

    『サザエ』はこぶしのような形をした巻貝ですが北海道以南から日本全国の岩礁にすんでおり、特に暖流の影響を受けるところに多いようです。

    殻表には棘(とげ)が立ち上がっているものが多く、波静かで海藻類の少ない環境ではまったく棘のない『つのなし』のサザエもおります。波の荒いところのサザエは流されないようにふんばるためか、棘(角)が長いと言われています。

    昼間は磯の岩のすき間などにおりほとんど動きませんが、夜には活発に動き回り好物のテングサやホンダワラ、カジメなどを食べています。

    『サザエ』の口の中、見たことあります?小さな歯が何列もならんだ歯舌(しぜつ)と呼ばれるそしゃく器があり、これで固い海藻もおろし金ですりおろしたように食べるのです。
    不思議なのは、その歯舌はいつも新鮮で、次々に新しい歯舌がおくりだされてくるため、いつでも新しい鋭い歯で餌を食べることができるのです。

    人間で言うと『万年乳歯?』かな?

    小型のうちは潮間帯のクレパスなどで見られますが、大型のものになると水深20mを超すところにすんでいるものもあります。よく宮古島の北『八重干し』で夏の干潮時、サザエの潮干狩りに行ったという話を聞きますね。

    深いところの『サザエ』は潜水や長い竹竿での見突き、刺し網などで漁獲されます。伊豆大島の元町港では、40~50年前から『椿あんこ娘?』だったおばさんが、よく屋台で売っていたのを思い出します。

    皆さんもスーパーやお魚屋さんで買われることもあると思いますが、殻が白っぽくなっているのは、人工的に偏食させたものですのでご注意を!

    よくサザエの壺焼きなどで先っぽの黒や緑の肝を『にがいから嫌だ~』と食べない方がいますが、にがいのは、蓋(ふた)近くのふちにあるひだの部分だけです。このスカートのようなひだをとるとにがくなくなります。

    ★松とうちゃんの『エスカルゴ風サザエ炒め』をご紹介しましょう!

    まず、新鮮なサザエ(粘液で汚れていたら不新鮮)を白ワインで蒸 します。(もったいないですが、ここがポイント。)
    蒸し上がったら貝殻から身をとりだし、幾つかに切ります。
    フライパンにバターとニンニクのみじん切りを入れ軽く炒めサザエ の身と刻みネギをいれて炒め、白ワインを少々加えます。
    あとは塩・胡椒・赤唐辛子(一味でも可)・お醤油などで味を整え て終わり。そして召し上がるだけです。

    美味しいですよ~

    話がお生物講座からはずれてきましたので、元に戻しましょう!えっへん!学術的?なお話を…

    『サザエ』など魚介類を捕るべからず!

    の看板を海辺で見ることがあると思いますが、これは漁業関係者の権利を守るためのルールで具体的には、繁殖・増殖のため漁業関係者が高価な稚貝をまいて漁場を保護しているからでもあります。
    この稚貝も日本で不足する事態がおこることもあり、朝鮮サザエを輸入して補給することもあるようです。

    1年で1cmくらいしか大きくならない『サザエ』ですが繁殖過程で、日本産のものか朝鮮産のものかある変化が起こります。

    それは何か?皆さん、お分かりですか?

    もったいぶらずお教えしましょう!実は『サザエ』の蓋(石灰質)は、

    朝鮮生まれ→緑色っぽい
    日本生まれ→茶色っぽい

    緑色と茶色の違いがあります。完全に緑色が強いものは朝鮮生まれで、日本産と混じると緑色が薄くなっていきます。日本海側のものは、自然と混ざるのかほとんどの『サザエ』の蓋が少し緑色がかっているのではないでしょうか?日本海の方、わかったら教えて下さい。

    スーパーに行って『サザエ』を見つけたら、是非一度蓋を見て下さい。『あんたはどこから来たの?』と尋ねてみるのもいいかも知れません!
    (*^_^*)

    食べて美味しい『サザエ』も、そのルーツを探るのも楽しいかもしれませんね!

    螺旋(らせん)状に巻いている『サザエ』は、いろいろな名称に使われています。

    【さざえどう】

    内側の階段が螺旋はしごに似た構造になっている堂。現存する
       ものは福島県会津若松市の飯盛山のさざえ堂

    【さざえばしご】

    同じくサザエの殻のように螺旋状になった階段。

    【さざえわり】

    これは何か分からないでしょう!なんと、『ネコザメ』の異名です。

    ダイビングではただ眺めているだけの『サザエ』ですが、その生態やルーツを探ると結構楽しいかも知れませんね。

    ≪う~ん!でも~あんまり観察していると食べたくなる…≫

    そんなときはダイビング終えたら地元のスーパーで買って帰りましょ!

    -お生物講座095-

    投稿者 formosa : 17:07 | コメント (0)

    2006年4月25日


    今回は、多くの皆さまにお馴染みの『ヤドカリ』についてです。以前、ヤドカリとイソギンチャクの共生についてお話ししましたが、今回は『ヤドカリ』を主体にご紹介したいと思います。

    貝殻にすむ『ヤドカリ』はエビとカニの中間的な形をしており、お腹がねじれていることから異尾(いび)類という分類に入ります。

    異尾類には、貝殻生活をするものと、貝殻にすまないエビ型やカニ型のものがあります。

    ヤドカリ類はヤドカリ上科とホンヤドカリ上科の二つの大きなグループに分けられ、ホンヤドカリ上科には貝殻を放棄したあの美味なタラバガニが含まれます。

    冷たい北の海に多いホンヤドカリ上科は、右の鋏(はさみ)が大きい右利きが、暖かい海で繁殖したヤドカリ上科は、左利きが多いと言われているので、この二つのグループの区別は容易です。

    貝殻生活をする『ヤドカリ』は、野外では貝殻なしでは生きていけず、常に住居となる貝殻にすむか、探しているかのどちらかです。

    空の貝殻を見つけると『ヤドカリ』は、鋏(はさみ)で器用に、中の海藻などを出してすみつきます。砂が入っているときは、鋏(はさみ)で取り出すわけにもいかずやっかいです。貝殻の横(殻口の反対側)にいて鋏(はさみ)で押してころがすようにして回転させ、砂を外に出します。

    『ヤドカリ』は、成長とともに貝殻をより大きなものに換える必要がありますが、小さすぎる貝殻は成長を遅らせたり、産卵数を減らしたりする原因にもなります。

    我々人間が家に感心を持つように、『ヤドカリ』も貝殻に強い関心を持つようです。

    『ヤドカリ』が簡単に貝殻を手に入れる方法は、空の貝殻を見つけることですが、そうそう空の貝殻はありません。

    そこで、しばしば他の『ヤドカリ』の貝殻に激しく貝殻ごとぶつかり相手を追い出し、その貝殻に入ることがあります。追い出された『ヤドカリ』はより弱い(小さな)もので、相手がいらなくなった貝殻をもらうので、貝殻の交換となります。

    なんか乱暴で理不尽のように思えますが、体の大きいものが勝ち、より大きな貝殻に入るわけですから、お互いが適正な大きさの貝殻に入るわけで、双方が利益を得る交換と言われています。お互いが好適なものにならなければ交換はなりたたないということですね!

    『ヤドカリ』は殻口や殻頂が欠けたもの、壁に穴があいたもの、内側がなめらかでないものを嫌う傾向があるそうです。しかし、そうそう好みの貝殻ばかりあるわけではありません。ときには、不適な貝殻にすんでいることもあるのです。

    ある文献を読んでいましたら…

    【和歌山県白浜の海岸では8割のヤドカリが自分の殻に不満を持って いる調査結果がでている。】

    ≪ん?アンケート調査でもしたの?ヤドカリの国勢調査?≫

    実に不思議な調査結果ですが、どうもそうらしいです!(*^_^*)

    我々人間も、多少、今の家に不満を持ちながらも仕方なく住み続けていることもありますし、ヤドカリも一緒なのですね!

    『ヤドカリ』の間だけで貝殻交換をしていてもいずれは古くなったり、全体的に小さすぎたりしますよね。そこで、『ヤドカリ』は、弱った巻貝などをおそってすみつく場合もあるのです。

    ある『ヤドカリ』が新品の貝殻を手に入れると要らなくなった貝殻に別の『ヤドカリ』が入り更に要らなくなった貝殻に別の『ヤドカリ』が入り…という具合に連鎖的に引っ越しがおこるのです。

    ある地域で1個の新しい貝殻の発見はその地域全体の引っ越しを誘発し、『ヤドカリ』の平均的な住宅事情を良くするのです。

    ≪う~ん!誰かが新築したら…≫
    ≪その近所全体の住宅事情が良くなる?≫
    ≪なんかいいかも?それ!でも引っ越し貧乏?≫

    -お生物講座094-

    投稿者 formosa : 16:55 | コメント (0)

    2006年4月24日


    例えが悪いですが、中の綿がふんにゃりとした古くなった枕のような、海中生物『アメフラシ』を、ダイバーでしたらご存知と思います。

    ぐにゃぐにゃでナメクジのようなこの不気味な『アメフラシ』は、巻貝の仲間で、背中を広げて見ると、薄くて弾力性のある貝殻の痕跡とも思えるものが見えます。

    『アメフラシ』の仲間は成長につれて巻貝と同じくねじれて育ちますが、途中から反対方向にねじれが戻るようです。そのため鰓(えら)が心臓の後ろに移るので『後鰓類』と呼ばれています。

    ≪だ~れ?こんなところに黄色のソーメン捨てたの?≫

    そばやソーメンと見間違えてそう思った方、いませんか?

    海藻を食べる『アメフラシ』は、春に『うみそうめん』と呼ばれる卵塊を産みます。

    昔から『アメフラシ』をいじめると雨が降ったり、海がしけになるといういい伝えがあるようですが、実際に体を刺激すると紫色の液体を背面から分泌します。『アメフラシ』を見ると、ついついいじめたくなる人、いませんか~?

    ウミウシも含め後鰓類は、雌雄同体ですが、卵は交尾によって受精します。(自家受精もありますが…)

    ≪えっえ~~~???雌雄同体で交尾???≫

    混乱する人もいるかも知れません!(^_^;)

    ふつう交尾というのは、皆さんご存知のようにオスとメスが1対1で行うものですが『アメフラシ』は変わった交尾をすることがあります。

    見たことありませんか?アメフラシが3個も4個も連なっているの。実は、これって交尾の最中なのです!

    ≪えっ?雌雄同体でオス・メスどうなっているの?≫

    例えば、3個の『アメフラシ』が連なったとします。そして先頭がメスとします。そうすると列の一番後ろは、その前の『アメフラシ』に対してオスとして機能し、真ん中の『アメフラシ』は後ろに対してはメスとして、前に対してはオスとしての役割を果たします。

    複雑な交尾ですね~(いったいどれが卵を生むのでしょう?)

    この姿を人間など哺乳動物に例えて想像しないで下さい!あまりにも過激で恥ずかしくなってしまいます!(^_^;)

    『アメフラシ』の産む卵塊には、数十万個もの卵が含まれていると言われていますが、今度、海の中で見つけたら、よ~く観察してみて下さい。

    必ず『中心から左巻き』に産みつけられています。

    『アメフラシ』より更に進化した『ウミウシ』は、リボン状の卵塊を産みつけますが、これらも全て左巻きです。

    不思議な規則ですね~

    『アメフラシ』の仲間の『タツナミガイ』は、体が硬くて食用にしている地方があるようですが、『アメフラシ』食べて美味しかった!という話、聞きませんね。

    どなたか食べた方、教えて下さい!

    -お生物講座093-

    投稿者 formosa : 16:46 | コメント (0)

    2006年4月23日


    ハマサンゴなどに、まるで花壇のように様々な色で咲く?『イバラカンザシゴカイ』をご存知ですか?

    赤、黄、青、オレンジ、白、黒などいろいろな色があり、一つのハマサンゴにたくさん集まってついていることがあります。その光景を見ると、本当にお花畑のようで心がなごみます。

    釣りの餌として馴染みの深いゴカイやイソメはミミズのように細長く分類上は、多毛類に入ります。イソメ目のイワムシ、スゴカイは、釣りの万能餌虫としてご存知の方も多いと思います。

    『イバラカンザシゴカイ』はなんとこれら釣りの餌ゴカイやイソメと同じ多毛類なのです。多毛網のケヤリムシ目に属します。

    まるでお花(植物)のように見える『イバラカンザシゴカイ』は、立派な動物というからおどろきですね!

    『イバラカンザシゴカイ』はサンゴなどに石灰質でパイプ状の棲管をつくりその中で固着生活をします。

    棲管の口から多数の鰓糸からなるお花のような鰓冠を出しており、この鰓冠で呼吸やプランクトンなど餌を捕らえます。鰓糸の繊毛でプランクトンなどを捕らえる仕組みです。

    ダイバーが顔を近づけるとサッときれいな鰓冠は棲管に引っ込み出口を殻蓋(かくがい)で蓋をする念の入れようです。突っつくふりしてビックリさせ、中に引っ込んだあと、こちらが身をひそめていると、また出てきますので面白いです。

    このようにして捕食者から身を守りますが、様々な色彩を持つことで更に生存率を高めているようです。

    ある捕食者が、黄色の『イバラカンザシゴカイ』を食べたとします。そうするとその捕食者は『この餌は黄色』と認識し、他の色のものは餌としては対象外になるわけです。

    固着生活している生物はいったん捕食者から目をつけられ、餌として認識されると、同じような形・色のものはあっという間に捕食者にたいらげられてしまうのですね。

    『イバラカンザシゴカイ』が様々な色彩をもちカラフルなのは理由があったのですね!

    前述の画像のようにきれいな『イバラカンザシゴカイ』も捕食者から身を守り生存率を高めるためにいろいろと知恵をしぼっているのです。

    海中でだだ咲いているかのように見えるこの『イバラカンザシゴカイ』も、じっくり観察し、その生態を考えてみると面白い発見があるかも知れません。

    -お生物講座092-

    投稿者 formosa : 17:58 | コメント (0)

    2006年4月22日


    港のコンクリート桟橋やテトラポット、そして潮間帯の岩の上やクレパスの間に目にする笠貝の一種で『マツバガイ』を知っていますか~?えっ知らない?

    岩礁やコンクリートに固着したこの『マツバガイ』は、大きな吸盤状の足でしっかり吸いついているので、はがそうと思っても、そう簡単にははがれません!

    『マツバガイ』はツタノハガイ科に属し日本産の笠貝の中では、割合大きいほうで、笠のてんぺんから貝殻の縁にかけて放射状に赤褐色の帯が伸びているものが多いですが、編み目状の模様をもつものもあります。かなり、岩などにしっかり吸着しているので動かないのでは?と思っている方もいると思いますが、

    実は活発に動くのです!

    だいたい住む場所は決まってますが、食事のときは動きまわるのです。動きまわる距離は、1日に約1mにもおよぶといわれていますが、動いている姿は松とうちゃんも見たことありません。

    もともと鰓(えら)呼吸する貝ですので、海水をかぶっているとき動きやすいと思うのですが、夜間ですと干上がったときの方が、日中水につかっているときより活発に動くようです。

    ≪そんな貝、気にして見たことないよ!!≫

    そうです!海辺に住む方や磯遊びで度々でかける方でも、この『マツバガイ』は、あまり興味をもたれる貝ではないと思います。

    なぜ?松とうちゃんはそんな貝を紹介するかというと、

    それは、とっても美味し~いからです!(*^_^*)

    ナイフなどで岩からはがし、そのままいただいてもグッドです!極めつけは、ちょっと手を加えて更に美味しくいただく次の方法です。

    水洗いした『マツバガイ』をそのまま、みじん切りしたニンニクと赤唐辛子(生)入りのお醤油に約1時間漬け込むだけで即席中国(台湾)海鮮料理になるのです!

    紹興酒やビールのおつまみには最高です!(*^_^*)

    我々ダイバーなど漁業を営まない一般人がサザエやアワビを捕ったらルール違反ですが、『マツバガイ』捕りでお叱りをいただくことはありません。フジツボ同様、桟橋などをきれいにしてくれたと喜ばれるでしょう!(ホントかな~?)

    ちょっと話しが脱線して、読者の皆さんよりお叱りを受けそうなので話をお生物講座に戻します。(^_^;)

    さて、この『マツバガイ』の天敵は松とうちゃん以外にもいるのです。

    『イボニシ』というアクキガイ科の巻き貝でマツバガイやフジツボを好んで食べます。(やはり美味しい?)

    ※アクキガイは悪鬼貝と呼ばれ外部寄生性のものがいます。

    ダイバーの方なら、潮流れがある浅瀬の岩の下に気持ちの悪いほど群がっている様子を見たことがあると思います。たくさん集まって岩に卵のうを産みつけているのです。(6~8月の季節です。)

    この『イボニシ』は特殊な腺から酸を出して『マツバガイ』の貝殻を軟化させ歯舌で約1mmくらいの穴をあけ吻をさし込み食べるのです。

    しかし、『マツバガイ』も黙って食べられてばかりではありません。『イボニシ』が貝殻に取りつこうとすると、膜を貝殻の外まで突きだして広げ取りつけないように防御します。また、貝殻を左右にねじるように回転させ振りおとします。これらの反応は『マツバガイ』独特の防御方法です。

    『マツバガイ』を好み、彼らの独特な防御方法を攻略すべく攻撃戦略を練っている『イボニシ』ですが、最近、異変が起きていると、噂を聞きました。

    多くのメスの体がオス化(生殖器の変化)し、不妊になるという異常事態です。これは、船底塗料に使われていたスズ化合物などによる海洋汚染の影響ではないかと言われています。

    『イボニシ』も『マツバガイ』との戦いどころではなく、人間社会というとてつもなく大きな怪物と対戦しなくてはならないとは気の毒ですね!(人間の端くれとして申しわけない…)

    -お生物講座091-

    投稿者 formosa : 16:47 | コメント (0)

    2006年4月21日


    背ビレの棘に毒をもつことで有名なカサゴやオコゼ類はサソリ魚(英名:scorpionfish)やハチやアブオコゼなど刺すことにちなんだ名称もありますね!

    オニオコゼ科のお魚は、その毒の強さも強烈ですが、それらに積極的な毒の注入器官があるわけではなく背ビレの棘に何かが触れ刺さると背ビレにある毒腺が破壊されて毒が流れ込むようなしかけになっています。
    (へ~え、そうなんだ~)

    オニオコゼ科で有名なのは、『オニダルマオコゼ』、『オニオコゼ』、『ヒメオニオコゼ』ですが、

    『オニダルマオコゼ』は、サンゴ礁域にすみ、刺されて命を落とした例もあり、本当に恐~いお魚です。オニダルマとはよく言ったものですね!目がどこにあるかわかりませ~ん。

    『オニオコゼ』は、やはりサンゴ礁域の岩礁わきの砂底に体をうずめていることが多く、素足で浅瀬を歩くときなどは気を付けないと危険です。体長約20cmで奇妙な形で鬼を思わせるところからこの名がついたようですね。口の先が上方を向いているのが特徴です。環境によって色彩変異が多く、沿岸のものは濃黒褐色で、深海のものは赤色あるいは黄色が多いようです。

    さすがカサゴの仲間だけあって肉は白身で美味。高級魚として食用されているが、東京湾や瀬戸内海の小ぶりのものは空揚げで賞味されています。美味しさは有名ですので、各地のお魚屋さんでならぶこともありますが、もちろん背ビレは危険で切り取って売られています。

    『ヒメオニオコゼ』は砂から顔だけだしている滑稽いな感じのシーンがよくダイビング雑誌などの水中写真で見かけることがありますが、砂底に全身を出しているときも、体表に皮弁がたくさんあるので、まるで海藻でもついているのかと思わせることもあります。

    ほとんど動かず、尾ビレを左右どちらかに曲げていることが多いようですね。これは魚らしく見せない彼らのテクニックでしょう!胸ビレを広げて威嚇することもありますが、広げなくても十分恐いです。ヒメオニと名前がついたのは、胸ビレのきれいさと、皮弁がかんざしのように見えたからでしょうか?

    砂に潜って休むお魚は目立たないようにして敵から逃れるためですが、『ヒメオニオコゼ』たちの場合、砂に潜って身を隠すのは、外敵から身を守るのではなく、獲物を待ち伏せするためのものです。海底の砂の色とよく似せたカモフラージュは見事なものですね。

    オコゼは漢字で『虎魚』、オニオコゼは『鬼虎魚』。今は食用として養殖もされているようですが、天然ものは刺し網で漁獲されています。猛毒という武器をもち、鬼虎と名付けられたこのお魚を食する我々人間は鬼より恐い!とオニオコゼは思っているのでしょうね!(*^_^*)

    -お生物講座090-

    投稿者 formosa : 15:13 | コメント (0)

    2006年4月20日


    サンゴ礁や岩礁の潮の流れの速いところには、植物のシダのようにみえる生物『ウミシダ』がよくついています。

    この『ウミシダ』はイエロー、オレンジ、ブラックなどその色合いが鮮やかで、水中撮影では松とうちゃんの好きな被写体です。

    『ウミシダ』はウニやヒトデと同じく棘皮(きょくひ)動物の仲間で植物ではありません。実際、水中を舞ったり移動したりしている姿をみかけることがあります。

    ウミシダ類の骨格は、大きく分けて根もとの『萼(がく)』と呼ばれるところと、そこから何本か放射状に広がる『腕』に分けられます。『萼(がく)』には口や消化管などがある主要な部分で下側(背中側)には鉤状の巻枝が多数あり、それでサンゴなどにがっちりにぎるように付着し体全体を支えています。

    以前『ウニの不思議な数字5の持つ意味?』でも書きましたが、ウニやヒトデと同じように『ウミシダ』の根もとから腕がふつう5本、放射状にのびています。~これまた5本で不思議ですね~(ウミシダの種類によっては根もとから出ている本数が異なります)腕の先の方に向かって分岐を繰り返し本数を増やしています。

    腕には、薄い腕板というものが多数積み重なっていてそれぞれが関節でつながっていますが、関節には筋肉と靭(じん)繊維があり、腕が自由に動くようになっているのです。

    『ウミシダ』は何を食べて生きているのでしょう?

    『ウミシダ』は潮の流れなどにのって流れてくる海中のプランクトンを食べています。強い潮の流れに向けてまるで扇子を広げたようにし流れてくる餌をこしとっているのです。だから『ウミシダ』は流れの強いところにいるのですね。

    『ウミシダ』を間違ってクローブやウエットスーツにつけてしまったことないですか?腕の羽枝がバラバラにからみついてなかなかとれにくい思いをしたことがあると思います。

    『ウミシダ』は敵に捕まれたりすると、簡単に自らの腕を切り離す自切現象でトカゲのしっぽ切りと同じようにして敵からの難を逃れます。

    不思議なことにこの自切をする関節はどこにもあるわけではないのですが、敵から攻撃されたとき被害が最小限になるように計算配置されているのです。敵はランダムに攻撃するのにどうしたら被害が少ないように計算できるのだろう?『ウミシダ』は数学者?

    サンゴなどに付着している鉤状の巻枝や根もとの萼(がく)付近は、自切がほとんど行われません。大事な部分なのでしょうね。

    棘皮動物は一般に強い再生能力をもっていると言われ、『ウミシダ』も例外でなく自切で失った腕もすぐに再生されます。また口や消化管がある主要部分も再生できるというから驚きです。

    『ウミシダ』は何億年も前から進化を続けてきた生物と言われ、現在もなお世界に17科550種あまりも広範囲にわたって生息しているのは、強い再生能力を備えているからではないでしょうか?

    我々ダイバーが、ほとんどの海域で何気なく観察できる『ウミシダ』もその捕食方法や体の構造、そして再生機能などを観察すると意外と面白い発見ができるかも知れませんね!

    『ウミシダ』は漢字で『海羊歯』と書きます。羊の歯は、どんな形でしょうか?『ウミシダ』に似ているのかな?

    -お生物講座089-

    投稿者 formosa : 16:47 | コメント (0)

    2006年4月19日


    チョウチョウウオの仲間には、黄色の体色のものが多いですが、熱帯の海域から伊豆半島まで広く分布しているスズメダイ科のお魚にも、黄色の体色のものが数種類みられます。

    松とうちゃんがよく行く西伊豆の大瀬崎でもきれいな黄金色の『コガネスズメダイ』が見れるのです。ほとんどフトヤギ(ソフトコーラル)の仲間に単独でいることが多いですね!

    『コガネスズメダイ』は、スズキ亜目のコガネスズメダイ科のお魚で、沖縄から伊豆半島・伊豆諸島にかけて生息しています。パラオなどミクロネシアなどにも見られ、かなり広い範囲に分布しているのですが、ほとんどの海域で見られるのは、頭から尾ビレまで全体が黄色の体色をしているのに対して、不思議なことに伊豆半島で見られるのは、尾ビレが白いのです!

    当店のツアートピックスなどに掲載している『コガネスズメダイ』は、整理してみるとどれもこれも伊豆半島で撮影したもので、全て、尾ビレが白です。

    ほとんどの海水魚図鑑では『コガネスズメダイ』の尾ビレが黄色です。なぜ伊豆半島で見られるものだけが白いのか不思議です。

    幼魚ですが、尾ビレは、白ではなく黄色です。成長すると白に変化するのだと思いますが、いつ頃から尾ビレが白色に変化するのでしょうか?『コガネスズメダイ』の謎は深まるばかりです。

    これから夏になると『コガネスズメダイ』の繁殖期に入ります。単独でいるものの他、数匹でいる『コガネスズメダイ』も繁殖期になると、オスだけが海底に降りて縄張りを作り、岩や小石などの産卵床となるところを掃除し始めます。

    産卵床の準備ができると、オスはメスを誘って産卵させるのです。

    ほとんどのスズメダイや他のお魚の多くは事務的に産卵させ終わるとオスがメスを追い払い、別のメスを誘いますが、『コガネスズメダイ』の場合、産卵中、オスはメスを優しく見守り、時にはメスの体にキスするしぐさも見せます。このようにオスのメスに対する愛情を感じさせるのは珍しいことなのかも知れませんね!

    『コガネスズメダイ』の場合も他のスズメダイのように産卵床に産みつけられた卵をオスが守り続け、卵を狙う外敵から守ったり、新鮮な水を口で送ったり、子育てに必死です!

    やはり、オスが子育てをする『コガネスズメダイ』の繁殖行動は、オスである松とうちゃんにとっても興味深いです!(*^_^*)

    -お生物講座088-

    投稿者 formosa : 17:44 | コメント (0)

    2006年4月18日


    世界でも観賞魚として古くから人気が高く、美しいお魚の代名詞とも言うべきキンチャクダイ科のお魚は『天使の魚』=エンジェルフィッシュ(angelfish )と形容されるのもうなずける気がします。

    東京の銀座に、比較的幅の広い階段を下りお店を覗くと、カウンター側の壁に大きな海水魚の水槽があり、艶やかな海水魚が泳いで、何とも言えない雰囲気のバーがあります。松とうちゃんは、その中のサザナミヤッコを鑑賞しながらお酒を飲むのが好きです。

    先週の台湾ツアーでも、いくつものダイビングポイントで『サザナミヤッコ』をライブで見てきました。きれいですね~
    ≪どうです?私きれいでしょう~!≫

    上記の画像はドロップオフ途中水深30mのオーバーハングでの撮影です。通常キンチャクダイ科のお魚は、サンゴの切れ目や海底にある根などに生息しており、ダイバーや敵が近づくとすぐにサンゴや根のすき間に隠れてしまいます。

    キンチャクダイ科のお魚は発達した中脳と小脳をもち、同種に対してかなり強い縄張り意識があります。縄張りは、100~1000㎡と広範囲で、餌となる海綿や藻類をライバルである同種のお魚から守るためではないかと松とうちゃんは思っています。

    一夫多妻制のハレムをつくり、オスはハレム内のメスより大きいと言われていますが『サザナミヤッコ』のハレムはほとんど見たことない!(@_@)

    それどころか前記の画像のように縄張り意識が強いと言いながら仲間のタテジマキンチャクダイとサザナミヤッコが一緒にいるではないですか?この光景は何ヶ所ものポイントで見かけましたが、まるで恋人同士のようにいつも寄り添っていました!

    同種に対しては攻撃的ですが、仲間でも種が異なると親しくやっていけるのかも知れませんね。

    通称『ヤッコ』系のお魚は、同種を見分けるため、種独特の色模様・デザインがあります。縦縞模様のタテジマキンチャクダイ、体に6線のロクセンヤッコ、艶やかな体色のアデヤッコなどなど…皆きれいな独特模様です。

    松とうちゃんが、この話題を語り(書き)ながら、いつも抵抗があるのが『同種を敵とし見分けるための識別模様』の悲しさです。

    子までが、親から同種と見られないように親とちがうデザインに変身する彼らの知恵は悲しすぎます。

    キンチャクダイ科の幼魚はほとんど青地に多くの白色の弓形ないしは渦巻き模様をしており、とてもよく似ています。似たもの同士なので、どの親(成魚)の縄張りに入っても攻撃を受けることがありません。子どもたちも考えましたね~

    ≪おいらたち子どもも苦労しているわけよ~!≫

    ところで、主に黄色い衣装をまとっている『チョウチョウウオ』系のお魚と黄色のみならず青色や赤色をも大胆に着こなしている『ヤッコ』系のお魚、どちらがお好きですか?

    松とうちゃんは、どちらかと言うと、艶やか模様の『ヤッコ』系が好きかな。この『ヤッコ』系のお魚が、大きさ・色模様の他、『チョウチョウウオ』系と異なる特徴があります。

    よく見ると鰓蓋(エラブタ)の下の方に白く細く伸びた1本の棘(トゲ)が見えるでしょう。これが『チョウチョウウオ』系にない『ヤッコ』系の大きな特徴なのです。覚えました?ココがポイントです。後で試験にでますよ!(*^_^*)

    今回のキンチャクダイ科のお魚、オス・メスなどお互い繁殖相手の気を引くためのきれいな模様ではなく、ライバルとなる同種の識別のための模様というのは、人間社会で当てはまるものが考えにくいですね!ライバル店に『ウチはダイビングショップ!』と、ダイビング色の濃い看板を見せつけているようなものかな??

    -お生物講座087-

    投稿者 formosa : 16:37 | コメント (0)

    2006年4月17日


    お魚の世界には、『あんた!だれの子?』と問いかけたくなるほど、親と子が全く違う体色や体形をしているものが多いです。

    松とうちゃんも『この子は、あのお魚の子』というように多くを知っている訳ではないですが、今回はその違いで有名なものを幾つか紹介したいと思います。

    親子でもこんなに違う!というお魚たちの不思議な生態を今までご紹介しなかったのは、実際にそれらを見ないといくら『これこれこうでこんなに違う!』とメルマガで力説してもうまく伝わらないと思ったからです。

    そこで今回はまず、以下の画像を見てもらうことにしました。いずれも左に『幼魚』を、右に『成魚』というふうに親子で横並びになっています。

    ≪ヘヘ~おいらがだれの子かわかった~?≫

    すごいですね!親子でもこんなに違うんですね~初めてご覧になる方もいると思います。上から一つづつ説明を加えましょう。

    まず『ツユベラ』ですが、幼魚はオレンジ色の体色に黒いラインでふちどりした大きな白い水玉模様が入っています。毒のあるヒラムシやウミウシに似せて泳ぎも特徴があります。これらは捕食者から身を守る知恵ですね!大きくなるとだんだん黒っぽくなり、泳ぎ方も変わります。

    次は『カンムリベラ』です。一目で親子のデザインが大きく異なるのがわかると思いますが、幼魚は体の後方に目玉模様が二つあり、捕食者を混乱させます。大きくなると緑っぽく変化し目玉模様もなくなります。

    パラオなどミクロネシアの海で群れが見れる『マダラタルミ』ですが、幼魚は黒と白のパンダ模様の可愛いデザインです。やはり、ヒラムシやウミウシに似せた泳ぎ方です。大きくなると、はっきり言ってあまり可愛いとは言えませんね!

    続いて、『チョウチョウコショウダイ』の幼魚ですが、体色は薄い茶色で、濃いこげ茶のふちどりの中に大きな白い水玉模様でとっても可愛いです。大きくなるにつれて落ち着きのある泳ぎ方に変わり、こちらも親になると可愛いとは言えません。

    黒と黄色のストライプで可愛い『コロダイ』の幼魚も大きくなると全く異なる体形・体色となり、いかにも美味しそうな立派な体形になります。(食べたことはありませんが…)

    名前の由来になっている縦縞模様の『タテジマキンチャクダイ』の幼魚は、縦縞ではなく渦巻き模様です。こちらは親の縄張り意識の攻撃から身を守るため、『私はタテジマキンチャクダイではない』と訴えているのです。親の攻撃から身を守るための変装とは可哀想過ぎます。でも、幼魚可愛いですね!

    最後は『アカククリ』ですが、幼魚は毒のあるヒラムシそっくりの体色で泳ぎ方まで似ています。真っ黒い体色でオレンジ色のふちどりの幼魚が大きくなるにつれて体形と体色が変化していくのが不思議です。本当にすごいですね!

    ≪おいらたち幼魚は可愛いでしょう~!≫
    ≪でも、ただ可愛い子ぶっているんじゃないよ~!≫

    確かに、お魚の幼魚はデザインといい、色といい可愛いものが多いですね。これら親と異なる体形・体色・泳ぎ方は、無事に育つための知恵であり、重要な役割なのです。

    捕食者から食べられないように、毒のあるヒラムシやウミウシに似せたデザインや泳ぎ方をして、必死に育っているのですね!

    人間社会では、可愛かった幼い頃の子供が大人になるにつれて、親によそよそしくなるとともに、親に似てくるのは世の親共通の寂しさと喜びだと思いますが、お魚さんたちの親も同じ思いでしょうか?

    -お生物講座086-

    投稿者 formosa : 15:34 | コメント (0)

    2006年4月16日


    前回は隠れて身を守る方法として、岩のすき間や穴の中に隠れるお魚を紹介しましたが、『お魚もなかなか考えているな~』と、うならせる隠蔽(いんぺい)工作をお話しましょう!

    ≪ヘヘヘ、それほどたいしたことやっていないけど~≫

    いやいや、お魚さん!知らず知らずに自然と理にかなった方法で隠蔽(いんぺい)工作をしていますよ。

    まずは、比較的簡単な『シルエットを消す方法』からですね。いくら保護色などでカモフラージュして、『うまく隠れた?』と思っていても、影ができて輪郭がはっきりすればバレちゃいます。その点ヒラメやカレイは体が薄いので影はできにくいですね。

    シルエットを消す画期的な方法をとる、コバンヒイラギの発光が有名です。浅海性のヒイラギ科のお魚は、エラの後ろに発光細菌の共生による発光器をもっており、体の中から発光させることにより、まるでレントゲン撮影のように骨や筋肉を半透明にし光を透過しやすくしています。これにより、下から覗かれたとき輪郭をぼやかすことができるのです。すごいですね!!

    海面近くを群で泳ぐイワシやサンマは、背ビレ側が青黒く、お腹側は、白っぽくなっています。海上で狙っている鳥たちから海色にとけこみ目立たなくしており、下から狙う捕食者たちには、明るい水面にあわせてシルエットがでにくくしています。

    ひかりもののお魚が嫌いなアナタ!これで、海面近くを泳ぐお魚が、なぜ背が青黒く腹が白いか?おわかりいただけましたよね!いろいろ考えているんですよ~

    では、次の問題はどうでしょう?

    ツノダシやハタタテダイなど南の海に多いチョウチョウウオ類のお魚は、縞(帯)模様が多いのはなぜでしょう?

    周囲の色にとけ込む保護色での隠れ方は、動きの活発なお魚には不向きです。なぜなら、場所が変われば、かえって目立つことがあるからです。黒幕の前で目立たないようにしている黒子が、知らないうちにバックの幕が白幕に変わっていたらどうでしょう?

    うまく隠れているつもりが、

    ≪ありゃ~ぁ~!!≫

    ですね。そんな欠点を補うのが縞(帯)模様です。帯状に分断されたお魚の体色は、周囲の色彩が変わっても、体の輪郭がぼけて見え、捕食者たちには一匹の魚に見えにくいのです。更にそれらが群れていると効果覿面です。

    群れのシマウマを追いかけるライオンやチーターは、なかなか一匹に集中できないのも分断色の迷彩効果ですね!

    いかがですか?お魚さんたちは身を守るためにいろいろ工夫しているでしょう!連載でお魚さんたちの『身を守る・隠れる』をご紹介してきましたが、このシリーズはこの辺にしておき次回はおもむきの違うお話をしましょうね!何が出てくるかな?

    -お生物講座085-

    投稿者 formosa : 17:31 | コメント (0)

    2006年4月15日


    前回までお魚さんたちの防衛手段、隠れる・身を守るの方法として、擬態を中心にお話してきましたが隠れる部分についてお話ましょう!

    ≪お魚の隠れるは奧が深いと先週言ったよね?≫

    そうですね!まず、ちょっと整理し復習してみましょう!

    【お魚さんたちの防衛手段】
    (隠れる・身を守る)

    ●岩のすき間などに隠れる
    ●岩、砂、海藻などにカムフラージュ
    ●自分の身に他の生物をつけて擬装する
    ●わざと目立つようにして他に化ける(擬態)
    1.ベイツ型擬態(有毒なものに化ける)
    2.ミュラー型擬態(似たものに化ける)
    3.ペッカム型擬態(助けるふりしてむしばむ)

    ≪何度も出てきたから、いい加減覚えちゃったよ~≫

    ん~!、それはありがたい。

    ●岩のすき間などに隠れる

    隠れると言うと単純に、岩のすき間や穴などの隠れ家で生活しているお魚たちがいますね!例えば、岩の穴などに住む『ギンポ』や、砂底の穴に住む『チンアナゴ』などがそうです。彼らは、それらの場所で捕食者の眼から逃れているのですが、穴から出ずにず~とそこで生活しているのでしょうか?

    なんか運動不足で、足腰が弱り、体もぶくぶく太りそうですね!

    ≪心配ご無用!うまくやっているよ!≫

    『ギンポ』などは、食事のときや、繁殖行動のときは、外に出かけるようです。しかし、『チンアナゴ』は頑固に穴に閉じこもり、砂底から体の一部だけを出し、ゆらり、ゆらりと体を動かしながら潮に流されているプランクトンを食べて暮らしています。

    ●岩、砂、海藻などにカムフラージュ

    この場合、周囲に応じて自分の体色を変えるタイプと、自分の体色にあった環境にいるタイプの二通りがあります。

    有名なのが、岩や砂の模様にそっくりになるカレイやヒラメですが、こちらは前者のタイプで、ヒラメの皮膚にはたくさんの色素細胞があり、自由自在に色と濃淡を変えることができます。

    その体色変化は実に不思議ですが、ちょっと飛び出し気味の目玉で周囲の色を感じとり、2~3時間かけて完全に周囲の岩や砂の模様に変えます。せっかく時間をかけて体色を変えたのに、我々ダイバーに見つかり、すごい勢いで逃げ去り別の場所に隠れるときは、また、やり直しです。ヒラメさん、ご苦労さまです!(*^_^*)

    でもよく見ていると、ヒラメさんも体色変化に時間がかかって面倒なのか、さっきいた岩と同じ色や模様の岩に着底しますね!

    後者は、藻類にそっくりな模様をしている『ハナオコゼ』などです。

    こういった隠蔽(いんぺい)色を利用して隠れているお魚たちは、捕食者が近づくまでギリギリ『フリージング(凍りつく)の状態』でほとんど動きません。もちろん、いよいよの時は、素早く逃走します。

    あなたのコンピュータも、よくフリーズしません?ちょっと関係ありませんでしたね。失礼しました!

    岩、砂、海藻などにカムフラージュするお魚は、同類で近くにいることは少なく、その理由は、隠れているのが見破られると、次から次と仲間が見つかるからと言われています。

    そう言えば、『ヒラメが群れでいたよ!』などというのは聞きません。

    周囲の模様にとけ込んでいても、泳いでいるようなお魚は、影でシルエットがはっきりしたり、輪郭がはっきりする場合がありますが、何か対策を講じているのでしょうか?

    それについては、結構面白いので次回お話しましょうね!

    -お生物講座084-

    投稿者 formosa : 16:28 | コメント (0)

    2006年4月14日


    お魚さんたちの防衛手段、隠れる・身を守るの『カムフラージュ(模倣)と擬態』、連載でお届けしています。

    【お魚さんたちの防衛手段】
    (隠れる・身を守る)

    ●わざと目立つようにして他に化ける(擬態)
    1.ベイツ型擬態(有毒なものに化ける)
    2.ミュラー型擬態(似たものに化ける)
    3.ペッカム型擬態(助けるふりしてむしばむ)

    有毒・味がまずい・恐ろしいなどに見せかける擬態を『ベイツ型擬態』といい、有毒・味がまずい同士が共通のデザインを持つことを、ミュラー型擬態とお話しました。今回は、ペッカム型擬態です。

    ≪前置きはいいから…さっさと話してよ!!≫

    まあ、あせらないで下さい!

    以前、ホンソメワケベラがお魚の体についた寄生虫を食べてクリーニングしてくれるお話をしました。随分前ですので続けてお読みいただいている方は少ないと思いますが…

    それらクリーナーと呼ばれるお魚に、体形やデザイン、そして泳ぎ方まで真似て、クリーニングを希望するお魚に近づきクリーニングするふりをして、ヒレをかじり取ったりするひどいやからがいます。

    ≪オレの真似をして、そんなひどいことするのは誰だ!≫

    その名は、『ニセクロスジギンポ』です。

    そもそも、ホンソメワケベラは『クリーニング屋さんの看板(商標)』として、口先から尾びれにかけて黒い帯(帯の周りは黄色と青色)があり、頭をやや下に向けて後部を上下しながら泳ぐのが特徴です。お魚たちはそのクリニーグ屋さんの看板(商標)を知っている訳ですが、それに似せた『ニセの商標』を出しているのが、ニセクロスジギンポです。

    助けてあげるふりして皮膚や鱗をかじって失敬していくのです。ニセクロスジギンポは、捕食者に狙われずにすむ他、餌まで頂戴する抜け目ないやつです。これらの擬態をペッカム型擬態と言うのです。

    前回、前々回の擬態は、『身を守るための擬態』ですが、ペッカム型擬態は、変装して悪さをするずうずうしい擬態です。

    (ニセクロスジギンポ )
    ≪そんな悪く言うけど、人間社会にもあるだろう!!≫

    う~ん!確かに…

    老人介護保険制度の申請をしてやると言って、お金を騙し取る詐欺…落ち込んでいる人や酔っぱらって気分の悪くなっている人に、『きみ、大丈夫?』と優しく近づくオオカミ○○○…

    人間社会では、ペッカム型擬態は犯罪または、嫌われる行為ですが、お魚の世界ではこれも身を守り、生きるための彼らの知恵ですね!

    身を守るために、わざと目立つようにして他に化ける擬態について、だいぶ理解してくれたと思いますが、いかがですか?

    『えっ?やっぱりわかりにくい?』

    それではもっと単純に、見つからないように隠れてしまえ~!!この隠れる方法を最初に戻ってお話しましょうね。この隠れると言うのは、人間のかくれんぼうと違って奥が深いのです!

    どう奧が深いのかは、次回お話しましょうね!

    -お生物講座083-

    投稿者 formosa : 17:23 | コメント (0)

    2006年4月13日


    お魚さんたちの防衛手段、隠れる・身を守るの『カムフラージュ(模倣)と擬態』ですが、

    【お魚さんたちの防衛手段】
    (隠れる・身を守る)

    ●わざと目立つようにして他に化ける(擬態)
    1.ベイツ型擬態(有毒なものに化ける)
    2.ミュラー型擬態(似たものに化ける)
    3.ペッカム型擬態(助けるふりしてむしばむ)

    前回は、有毒・味がまずい・恐ろしいなどに見せかける擬態『ベイツ型擬態』をお話しましたが、今回は、ミュラー型擬態(似たものに化ける)についてお話します。

    ≪ミュラーさんね!今度はなんて言ってるの?≫

    食べると、まずいゾ~! 毒があるゾー! とはったりをかまし、警告している無毒なものや、まずくないお魚の擬態が、『ベイツ型擬態』でしたが、学習能力のないやからが間違って食べてみると、本当にまずかったり、有毒のものがあります。

    彼らは、そもそも有毒だったり、味がまずいのに、なぜ似る必要があるのでしょう?

    ≪世の中には、学習能力の弱いやつが多くてね~≫
    ≪それに一度食べられてみないと覚えてもらえないのもね~≫

    そうなんです!捕食者は一度食べてみて『このデザインは、まずい!』
    と後悔し学習します。次にまた別のデザインのお魚を食べ『ありゃ~こいつもまずいぜ~!』と、次々に後悔をしながらまずいお魚を覚えていき、それらを2度と食べなくなります。

    失敗の経験を重ねて、学習し知識や技術を身につけることは良いことです。松とうちゃんも何度となく失敗を繰り返してきました。

    失敗すれば、後悔し2度と同じ過ちをしなければいいのですが、食べられる方は、たまったものではありません!

    ≪そうだよ~~よく気がついてくれました!≫
    ≪そこで、オレたち魚も、いろいろ考えたわけよ~≫
    ≪人間社会でもあるだろ~?優良マークとか…≫
    ≪オレたちも共通した『まずいよマーク』を作ったわけよ≫

    同じ特徴のお魚が、有毒です!まずいです!という共通した商標をつけていることによって捕食者は、その共通商標を1回食べることで、学習しますので、食べられる側の犠牲者は最小限に抑えることができます。

    有毒・味がまずい同士が共通のデザインを持ち、似せ合うことをミュラー型擬態といいます。

    このミュラー型擬態は、近縁種同士に多くみられ、例えば、背ビレの棘に強い毒を持つ、ミノカサゴの仲間は、みんな長い背ビレを広げ、海中を優雅にただよい毒を強調しあいます。これらはミュラー型擬態と言えると思います。

    また、ミアミラウミウシやニシキウミウシなどは、お互い似た美しい警告色彩で強調し、アオウミウシなども強烈な青色の警告色彩で毒性物質をもつことを強調しており、これらもミュラー型擬態と言えるのではないかと思います。

    若葉マークをつけた車をみれば、『あっ!初心者マークだ、気をつけよう!』という風に、共通マークや共通商標で、同じ性質を知らしめることができますが、お魚達やウミウシのミュラー型擬態も同じようなものではないでしょうか!

    ≪難しいことはわかんないけど、そんなとこかな…≫

    ≪ところで、ペッカム型擬態ってのは何だい?≫

    それは、次回にしましょう!

    -お生物講座082-

    投稿者 formosa : 16:48 | コメント (0)

    2006年4月12日


    前回紹介したお魚さんたちの防衛手段、隠れる・身を守るの『カムフラージュ(模倣)と擬態』を、ちょっと整理しましょう!

    【お魚さんたちの防衛手段】
    (隠れる・身を守る)

    ●岩のすき間などに隠れる
    ●自分の身に他の生物をつけて擬装する
    ●岩、砂、海藻などにカムフラージュ
    ●わざと目立つようにして他に化ける(擬態)
    1.ベイツ型擬態(有毒なものに化ける)
    2.ミュラー型擬態(似たものに化ける)
    3.ペッカム型擬態(助けるふりしてむしばむ)

    おやおや、またまたいつものようにお勉強口調になってきましたよ!
    松とうちゃんの悪い癖ですね~!反省、反省!(*^_^*)

    ≪ベイツ?ミュラー?ペッカム?、何んだ~それ?≫

    生物学者が生物の擬態について発表した概念ですが、それぞれの生物学者の名前がつけられているのですね。

    わざと目立つようにして他に化ける(擬態)の中で、まずご紹介したいのが、『ベイツ型擬態』です。

    有名なのが、毒を持つ『シマキンチャクフグ』にそっくりになる、毒のない『ノコギリハギ』は、このベイツ型擬態と言えます。

    ≪なんでまねすんだよ~?≫

    お魚社会の捕食者たちは学習能力によって『シマキンチャクフグ』に毒があるのを知っています。当然、捕食者達は『シマキンチャクフグ』を襲わないわけですがそれに目をつけた無毒の『ノコギリハギ』は、

    ≪あいつに似せたら襲われないじゃん!!≫

    と考え、『シマキンチャクフグ』そっくりのデザインとなったのです。このデザイン(色)は、標識色(警告色)で、

    ≪このデザインのオレを食べたら危ないゾ!!≫

    と『シマキンチャクフグ』の有毒という登録商標を勝手に利用し、本当は無毒でありながら、有毒という警告をしているのです。

    このように、わざと注目をひいて、有毒・味がまずい・恐ろしいなどに見せかける擬態を、イギリスの生物学者ヘンリー・W・ベイツは、論文発表し、『ベイツ型擬態』と言われています。

    恐そうな『ハナビラウツボ』に、そっくりな模様の『シモフリタナバタウオ』もベイツ型擬態ですね。

    でもまねされたシマキンチャクフグは迷惑でないのかな?

    ≪そうなんだよな!!間違って、まぬけなやつがだよ…≫
    ≪あいつ(ノコギリハギ)を食べて…≫
    ≪な~んだ!このデザイン食べても平気じゃん!≫
    ≪てなことになったら、オレ様に毒のあること忘れて≫
    ≪襲ってくるんじゃないかと、心配で心配で…≫

    その時は、アンタに毒があるからいいんじゃないの?

    ≪何言ってるんだよ~いくら食べて相手が学習するといっても≫
    ≪一度は食べられる、オレ様の身になってみろよ~!≫

    たぶん真似されたシマキンチャクフグやハナビラウツボは、迷惑を被ることはないと松とうちゃんは思っています。

    このような目立つように警告色をするものは、私たち人間社会でもありますね!

    例えば、警備会社の車や制服がパトカーやお巡りさんの制服に似せているのは、だだ恰好をつけているのではなく、悪者に『おっと警察?やばい!!』とけん制させる意味もあるのだと思います。これらも動物学的にはベイツ型擬態です。

    ≪じゃあ、松とうちゃん!ミュラー型擬態って?≫

    その話は、長くなるのでまたこの次にしましょう!

    -お生物講座081-

    投稿者 formosa : 16:02 | コメント (0)

    2006年4月11日


    このお生物講座も今回で第80回を迎え、お魚たちの不思議な生態もだいぶわかってきたのでは…

    お魚たちの声を代弁すると、≪まだまだ、そんなもんじゃないよ!≫
    ≪オレたちの不思議な世界は海より深いんだよ~!!≫

    そんなお魚たちにハッパをかけられながら、松とうちゃんは第100回を目指して頑張るのです!(^_^)

    そこで、今回から、生物の防衛手段(隠れる・身を守る)とも言える『カムフラージュと擬態』をシリーズでお届けしていきます。連載で気張って書きますので楽しみに読み続けて頂戴ね!!

    そもそも、『カムフラージュと擬態』ってな~に?そんなところから始めましょうか。でも難しい話しは止めにしましょうね!(*^_^*)

    カムフラージュは、保護色などでその存在を目立たせないこと。(本当の姿、心情を悟られないようにし人目をごまかすこと)擬態は、何かに化けてたり似せたりすることですよね!

    カムフラージュ(模倣)と擬態は、  ゴッチャになってどっちがどっちかわけわからん!!

    ≪そんなこと言うなよ~人間社会にもあるんじゃあないの?≫

    そうです!お魚さんが言うように私達のもありますね。例えば迷彩色でジャングルにとけ込む軍人さん、これは間違いなくカムフラージュですよね。

    田舎道を車で飛ばしていて、お巡りさんの恰好をした立ち看板や廃車になったと思われるパトカーを見て、ついブレーキペダルに足をかけることありませんか?

    これらは、本当のお巡りさんや動くパトカーに似せた『擬態』とも言える警察の知恵です。(たいしたことない?)

    う~ん~!それでもわからん!!

    ◆ カムフラージュ(模倣)-隠蔽(いんぺい)的機能

    何かに似せて隠れてしまう工作

    ◆ 擬態-標識的機能

    何かに似せてわざと目立たせる工作

    ヒラメやカレイが砂や岩と保護色になって目立たなくするのも、カミソリウオやタツノオトシゴが海藻とそっくりになるのも、岩とほとんど見分けのつかないイザリウオやオニダルマオコゼも、そして、毒のあるシマキンチャクフグに似せているノコギリハギも、日本語的には、みんな『擬態(他に似せる)』になるのですが、

    動物学的に区別すると、カムフラージュ(模倣)と擬態に分かれるのです。

    ますます分かんない!(?_?) 混乱させるな~!!

    はい、ごもっとも。分かりづらくしているのは、松とうちゃんです。ごめんなさいです!前述の例で言うとノコギリハギ以外は動物学的に言うと全て、カムフラージュ(模倣)となります。つまり、ノコギリハギは毒のあるシマキンチャクフグに似せて積極的に見つかるようにしています 。これを標識的機能(擬態)として区別しているのです。

    ≪ほれ、人間社会にもあったでしょう?≫

    お魚さんが言うのは、以前あったこんな事件です。有名なメーカー、『LION』の商標に似せて『NOI7』という登録商標をとって、品質の悪いにせ商品(歯磨き)を販売し、消費者は上下反対にして手にとると『LION』に見えることから、ライオンに品質の悪さを苦情する→メーカーはやむを得なく登録商標を買い取る。目的は違いますが、積極的に似せて目立つようにする動物学的な『擬態』です。

    ん?今回のテーマで表題の『お魚の登録商標』はどこでつながるの?とお思いでしょうが、その辺のお話は次回で詳しく!

    -お生物講座080-

    投稿者 formosa : 17:52 | コメント (0)

    2006年4月10日


    ハゼとの共生関係で有名な『テッポウエビ』は、砂泥底などに開けた穴に住んでいる種の他、その仲間にサンゴやウミシダ類、ウニ類に住んでいるものがいます。

    『テッポウエビ』は、テッポウエビ科のエビで各地の沿岸に分布し、砂泥底に穴を掘って住み、体長約五センチメートル、甲殻は平滑で、額は退化して短く、はさみ脚はどちらか一方が強大となり、ぱちぱちと特有の鋭い破裂音をさせます。

    『テッポウエビ』の仲間に『ムラサキヤドリエビ』というエビがいますが、性転換などその生態が面白いです。

    『ムラサキヤドリエビ』はムラサキウニの棘(とげ)のすき間に住み、ムラサキウニと同じく紫色をしています。この紫色は、ウニから離して飼育するとだんだん色あせていくことから、ウニの体の一部を食べ色素源を得ているではないかと言われています。

    『ムラサキヤドリエビ』の繁殖行動は、ムラサキウニにオス・メスがペアで住んでいるか、その時だけ一緒のウニにいて行われます。

    生まれた稚エビは、繁殖中のオスやメスと同じウニに居れますが、大きくなると大型のオスから追い出されてしまうようです。

    小さなエビはみなオスで、大型のオスから攻撃を受けないようにと棘の間のとても狭いすき間に入り込んでいます。徐々に成長していくオスはやがて大型のオスと、交尾相手のメスをめぐって戦わなければなりませんが、差ほど大きくなれず戦いに敗れたエビは、オスとしての生きる道を失いメスに性転換していきます。

    全てがオスからメスに性転換するわけではなく、繁殖チャンスを狙って小型オスのまま大型オスと同居しているものもいます。体の小さいオスは、メスになっても数個の卵しか産めませんので、大型オスの生殖能力が衰えるケースを期待し、バックアップとして待機しているのかも知れません。

    クマノミなどのオスからメスへの性転換は、いわば出世ですが、このエビの場合は、昇進席のポストを無くした敗者の性転換と言えるのではないでしょうか?

    それにしても、この『テッポウエビ』の仲間、『メスとして生きるべきか?オスとして生きるべきか?』繁殖の損得勘定で性転換を決めているのには驚きです。

    -お生物講座079-

    投稿者 formosa : 16:47 | コメント (0)

    2006年4月 9日


    身は脂に富み、お刺身や煮付けで食べると美味しい『キンメダイ』は、美しい体色から『タイ』同様にお祝い事に用いられることがあるようです。

    『キンメダイ』は北海道釧路以南、世界の暖海域に生息していますが、松とうちゃんの故郷青森では、スーパーなどでおなじみのお魚で、キンメダイの煮付けが大好きでした!

    成魚は水深200~800mの深い岩礁域に生息していることから、我々ダイバーは水中でほとんど目にすることはありませんが、たてはえなわ漁などで漁獲されるそうです。

    スーパーの鮮魚コーナーやお魚屋さんで並んでいる『キンメダイ』は、全体が鮮紅色で美しい色をしていますが、海中で泳いでいるときは、背が朱色、腹は真っ白でなお艶やかです。

    『キンメダイ』は、光の弱い深海でも、少ない光でものを見ることができます。網膜の色素上皮層にタペータムと呼ばれるグアニンからなる光の反射層をもっていて、眼に入ってきた少ない光を反射させ、出ていくときにもう一度その反射光を利用するという原理です。

    『キンメダイ』は目が大きく瞳孔は緑色ですが、水上では金色に光って見えることからこの名があります。

    背びれは一つで、しりびれは前後に長く、おもに胸ビレを使って泳ぎます。

    産卵期は7~10月で抱卵数は100万~500万粒と多く数十万粒ずつ数回に分けて産卵します。稚魚から幼魚までは背ビレと腹ビレの軟条の一部が糸状に突出し、この時期のものが『糸引きキンメ』と呼ばれているのです。

    先日伊豆半島の稲取というところで、地物の『キンメダイ』が縁起ものとして紹介されていましたが、『タイ』より高級魚になった『キンメダイ』は、お刺身にして良し!シャブシャブで食べても良し!もちろん、煮付けて良し!と聞かされ、松とうちゃん、キンメダイがとっても恋しくなりました!

    -お生物講座078-

    投稿者 formosa : 15:40 | コメント (0)

    2006年4月 8日


    トゲウオ科の仲間に、イトヨ君、トミヨ君のようにまるで人の名前のようなお魚がいますが、繁殖行動が面白いので紹介します。

    『イトヨ』は、体長6~9cmで背ビレに発達した3本の棘(トゲ)と1対の腹ビレの棘をもち、体側には大きな鱗(うろこ)が尾の付け根までならんでいます。

    トゲウオ科のお魚は、淡水で一生すごす陸封型、淡水と海を往復する回遊型、そして海で一生をすごす海水型がいますが、陸封型イトヨは、福島県会津の河川や湖沼に生息、また、福井県の生息地は国の天然記念物に指定されています。

    『イトヨ』のオスは、春から夏にかけて、水底にスリバチ型の穴をつくり、そこに水草の茎や葉をトンネル状にして産卵巣をかまえます。巣草を固めるために、自らの腎臓で分泌される粘液を接着剤として使うのです。
    巣は一方だけに直径1cmほどの入口を用意し、1~3日くらいかけて作ります。

    巣の用意ができると、オスはジグザグダンスと呼ばれる求愛行動でメスを巣に誘い、それに応じるとメスは一人(一匹?)で巣にはいり卵を産みつけるのですが、生み終わると、さっさとオスに巣から追い払われます。
    そして産卵という一大事業を終えたメスは悲しいかな、まもなく死ぬのです。

    これから先は、オスが懸命に卵を守り、ふ化し巣の外に仔魚が元気に泳ぎでるまで保護するのです。一切を男手ひとつで育て上げます。オスは無事に幼魚を育て上げてからほどなく死んでしまいます。

    オスはときには、数尾のメスに産卵させるのですが、一緒に巣に入ることはなく、1回もメスと交わることはありません。求愛行動でメスを呼び、産卵させ、そしてすぐメスを追い払い、男手で育てる。これらの繁殖行動は、子孫繁栄のためとはいえ、ちょっと寂しさを感じるのは松とうちゃんだけでしょうか?

    -お生物講座077-

    投稿者 formosa : 16:28 | コメント (0)

    2006年4月 7日


    三宅島や八丈島の浅い岩礁地で、ときには大きな群れとなって泳いでいる『ニザダイ』は、ダイバーには見慣れたお魚と思います。

    伊豆七島や伊豆半島などでも普通に見られるので、あまり気にかけることもないと思うのですが、数百匹の群れで回遊しているときに遭遇しますとかなり圧巻です!

    『ニザダイ』は『ニザダイ亜目』の『ニザダイ科』に属するのですが、『ニザダイ亜目』にはなんと、ツノダシ科、アイゴ科、アマシイラ科がつらね、チョウチョウウオの体形に似ているツノダシ科魚類と同じグループとは驚きです!

    ちょっと脱線しますが、ツノダシの和名はどうしてついたかおわかりでしょうか?

    ☆鎌のような曲線を描いて伸びる背ビレが特徴でその名がついた説、
    ☆眼の近くに突き出ている一対の角(つの)からその名がついた説

    というのがありますが、松とうちゃんはどちらかわかりません!いつもどうしてツノダシ?と考えてしまいます。

    さて『ニザダイ亜目』のお魚は、共通して体がいちじるしく側扁し、口は小さく、主に熱帯~亜熱帯域のサンゴ礁や岩礁に生息しています。

    『ニザダイ』は、日本中部以南から台湾の岩礁域に生息しますが、沖縄では少ないのではないでしょうか?あまり見ませんね!

    『ニザダイ』の体長は30~40cmに達し、体高は比較的高いのが特徴です。尾ビレの付け根には鋭い棘(とげ)が体表の溝にしまってあり、ナイフのような突起をもつ骨質板というものもあります。磯釣りなどで釣り上げることもあると思いますが、不用意につかむと手を切る可能性がありますので注意が必要です。

    この尾ビレの付け根にある4枚の骨質板はそのうち3枚が白く顕著で、漁師の間では、『サンノジ』と呼んでいます。

    歯は小さいが鋭く岩についた藻類を食べています。そのせいもあって、藻食魚独特の磯臭さがあり、あまり食用にはむかないようです。先日、八丈島で誰かが『いや食べますよ!』と言っていたのを思い出しました。地方によっては美味しく食べる料理法があるのかも知れませんね。

    『ニザダイ』の成魚は黒に近いグレーといった体色ですが、幼魚は半透明で体高もより高く、背ビレと尻ビレの棘(とげ)がとても長く、『アクロヌルス期』という独特の時期を過ごします。

    この幼魚と成魚の変化はかなり特徴的で面白いのですが、写真などでお見せできないのが残念です。

    ごく普通にみられるお魚も、その生態など良く観察すると結構新しい発見があるかと思います。皆さん!いかがでしょう?

    -お生物講座076-

    投稿者 formosa : 15:02 | コメント (0)

    2006年4月 6日


    先日、行きつけの寿司屋さんのカウンターで、幸せそうなカップルが、『ハマグリ4個焼いてくれる?』と注文すると、板さんが『高いけど、4個もいいのかい?』と心配しながら焼いていました。

    出された焼きハマグリを見て、『すごい!こんなに大きいの?』そのカップルが喜んで言うとすかさず板さんは『これでも小さい方だよ!昔はもっと大きかったんだよ!』

    そんな会話を聞いていたら、『ハマグリ』について紹介したくなり、今回のテーマとなりました。

    『ハマグリ』は、皆さんご存知、海岸の屋台や浜食堂でよく焼きものなどとして売られている二枚貝ですね。

    『ハマグリ』の貝殻は、上等な碁石の白石の材料になっていました。それだけ、貝殻は厚く、そして堅く大きかったのです。最上の材料となっていたのは、チョウセンハマグリですが、今ではそのチョウセンハマグリも少なくメキシコハマグリにとって代わられたようです。

    『ハマグリ』は『マルスダレガイ科』に属し、北海道南部以南の日本全土の沿岸に分布し淡水のまじる湾内干潟にすんでいますが、沿岸の都市化による干潟の減少や環境汚染で、現在では生息地が大幅に減少してしまいました。

    25年前ごろには年間1万トンもの水揚げあり、庶民の友として食卓に普通に並んでいたようですが、今では『希種』な存在です。

    『ハマグリ』は、殻長8cm、殻高6cm、殻幅4cmぐらいまで成長し、形は亜三角形で丸みがあります。以前にも紹介しましたが、殻長・殻高・殻幅、どこの長さかおわかりになりますか?

    2枚貝の場合、2枚の殻の付け根とも言うべき蝶番歯の連結部分の靱帯(じんたい)を下にして上下方向を高さ、2枚の殻の厚さを幅と、表現します。つまり、片方の殻を底にして反対側の殻を直角に大きく開いた状態を想像して、その時の高さを殻高と呼ぶのです。

    殻表は光沢の強い殻皮に覆われ、色彩や模様は変化に富みます。平安時代に行われた遊び『かいあわせ(貝合せ)』に、ハマグリの貝殻を使っていたのは、いろんな模様があって奇麗だったからでしょうね!ちなみに『ハマグリ』は隠語で女性を、『かいあわせ』は、女性の同性愛を意味するそうです!

    松とうちゃんが、幼いころは、『ハマグリ』の貝殻に飴などを入れたお菓子が駄菓子屋さんでよく売っていました。

    貝殻を合わせると毛抜きの代わりになって便利ですよ!おっと!どんどん脱線していきましたので、この辺で『ハマグリ』の産卵と成長と、不思議な生態をちょっと紹介しましょう!

    体外受精をし産卵期は6~10月、卵の直径は60マイクロメートルと小さく、殻長2cmくらいになるのに約1年かかります。寿命は7~8年くらいですが、大きな『ハマグリ』に成長するには何年もかかるのです。

    呼吸や食事のため入水管と出水管で水の出し入れをしています。

    『ハマグリで海をかえる』という言葉があります。ハマグリの貝殻で海の水を汲み出し、海の水をかえると言う意味で、いくら努力しても無駄なことのたとえです!

    『ハマグリ』も『アサリ』も同じ淡水が流れ込む湾内干潟にすんでいますが、なぜ『ハマグリ』だけが、激減したのでしょうか?

    『ハマグリ』は『アサリ』より環境汚染に敏感で、環境が大きく変化すると新しい良い環境を求めて大移動をします。二枚貝の『ハマグリ』がどのようにして大移動するのでしょうか?

    まず、環境が激変したなと感じると(ハマグリが…)多量の粘液を出し、それが1~3mの長さの紐(ひも)状になり、その紐が抵抗板として働き、落潮流に引かれいっきに長距離を移動(流れに乗って)すると言う特殊な能力を持っているのです。

    皆さんご存知と思いますが、光の異常屈折現象で、砂漠で遠くにオアシスが見えるような『蜃気楼(しんきろう)』は、その昔、蜃(大はまぐりのこと)が気を吐いて楼閣を描くと考えて名づけられたものなのです!先ほどの『ハマグリ』の出す粘液の紐が、蜃気楼の名付け親だったのです!どうです?ビックリでしょう!

    漢字で書くと『蛤(浜栗)』、英名はclamshell 、クラムチャウダーで有名な『ハマグリ』が庶民の友から手の届かない伝説の貝になってしまわないかと松とうちゃん、ちょっと心配になりました!

    -お生物講座075-

    投稿者 formosa : 17:12 | コメント (0)

    2006年4月 5日


    皮をはがないと食べられないことからその名がついたお魚『カワハギ』は冬の鍋物としてお目見えすることが多いと思います。
    松とうちゃんは『カワハギ』と聞くと、頭と皮をとって開いた干物を思い浮かべますが、軽くあぶっておやつに食べるのが好きでした!

    『フグ目』の『カワハギ科』に属するフグに近い仲間だけあって、肝をつぶして一緒にお刺身として食べればその美味しさは逸品です。松とうちゃんは、フグより美味しいと思っていますし、大好きです!

    お魚屋さんや、スーパーなどの鮮魚コーナーにほとんど並んでいますのでひし形をした『カワハギ』の体形はよくご存知のことと思います。また、おちょぼ口で餌盗り名人として釣り人には馴染みが深いお魚と思いますが、ダイバー以外、その泳ぐ姿や行動パターンについては、よく知られていないのではないでしょうか?

    ほとんどのお魚は一対の腹ビレがありますが、『カワハギ』は、短く動く棘(トゲ)を持つ単一の腹ビレが特徴です。

    前の背ビレには、立てたりたたんだりできる長い棘(トゲ)があり、敵を威嚇(いかく)したり、身を守るのに便利そうです。

    甲殻類・貝類などを好んで食べますが海中で観察しているとおちょぼ口の突きだした口で、砂底に水を吹きかけ突っついて餌を探す姿が、よく見られます。やや斜めに口を下に尾ビレを上にした恰好ですが、そんなお食事タイムには触れるのではないかと錯角におちいるほど、夢中になって食べています。

    ここで『カワハギ』のオス・メスの区別の仕方をご紹介しましょう!

    長い棘(トゲ)の後方に続く2番目の背ビレの前側にスジがはみ出し長く伸びているのがオスです。メスにこの伸びたスジはありません。

    『カワハギ』のオスは、岩礁まじりの砂底に大きな縄張りを形成し、隣あう縄張りのオス同士が境界線で出会うとお互い威嚇しあいます。威嚇するときは一瞬のうちに体表に黒い斑点が現れ、それぞれが相手の尾ビレを追いかけるようにしますので、クルクルと小さな円を描いて回ります。まるでイヌが自分の尻尾を追いかけて回っているときのように奇妙です。

    オスの大きな縄張りの中には、数匹のメスの縄張りがあり、その中で繁殖行動がとられます。つまり、一夫多妻制なのです。『カワハギ』のオスさん、なんて羨ましい制度でしよう!(*^_^*)

    『カワハギ』の産卵は、春から初夏にかけて観察されるようですが、その産卵行動についてお話します。

    産卵の1時間前くらいになると、メスは砂底の砂を口に出し入れし、産卵場所を整えます。やって来たオスは、背ビレの棘(とげ)を立てたり閉じたりして求愛し、産卵場所が確認されたらお互いお腹をあわせるようにしてペア産卵をします。

    放精・放卵は2~3秒ですが、生み出される卵の数は約3万個とものすごい数です。

    産卵を終えるとオスはその場を離れますが、メスは産卵したばかりの砂底の真上で体を斜めに傾け、ヒレで砂をかき混ぜ、卵が外敵にやられないようにしてから立ち去ります。ふ化までは約3日間です。

    産卵時期になると、縄張りを持たないメスも、オスの縄張りにやってきて産卵し、産卵を終えると立ち去っていく訪問メスもいるようです。

    一夫多妻制の他に訪問メスまでお相手をする『カワハギ』のオスは、幸せものでしょうか?それともお疲れさん?どちらにしても子孫繁栄のため、一所懸命なのですね!

    東京上野の『アメ横』に、カワハギの干物がたくさん並んでいるのを初めて見たときは、たくさんいるお魚だな~と思ったものでしたが、海中では、一所懸命子孫繁栄に努力しているカワハギさんでした!

    -お生物講座074-

    投稿者 formosa : 16:08 | コメント (0)

    2006年4月 4日


    一般的に食用にはしませんが、水族館などで鑑賞用として、また、ダイバーのフィッシュウオッチングの対象として人気の高い『ヘコアユ』というお魚をご存知でしょうか?

    頭を下にし逆立ちした恰好で浮遊姿勢をとる変わったお魚です。

    『ヨウジウオ目』の『ヘコアユ科』に属するお魚で、太平洋西部からインド洋、日本では相模湾以南に分布し、沖縄などでは、サンゴ礁の浅瀬にいるガンガゼ(棘の長いウニの仲間)のトゲの間に隠れていることが多いです。

    数匹から数十匹で群れで、サンゴ礁や砂地を逆立ちしながら泳いでいる姿を見かけると、奇妙でちょっと楽しいですね!

    『ヘコアユ』は、体を左右から押しつぶしたように平らで、うろこはなく、甲板と呼ばれる背骨とつながった固くて透明な『よろい』でおおわれています。よく見ると、まるでエビのような甲殻類に見えます。

    英名は、『Shrimp(エビ)fish』ですが、まさにエビに見えるからその名がついたものと思います。

    生きて動く小型の動物プランクトンや小型甲殻類を好んで食べていますが、管状の長い口先で吸い込んで捕食します。

    『ヘコアユ』で不思議なのは、その体の構造です。

    普通のお魚は、一番後ろに尾ビレがあり、その手前の背上に背ビレ、手前下側(お腹側)に尻ビレがあるのですが、『ヘコアユ』の場合は、一番後ろに背ビレの棘(とげ)が長くのびており、お腹側に背ビレ、尾ビレ、尻ビレ、腹ビレと続きます。

    生まれたての稚魚のときは、普通のお魚のように尾ビレが一番後ろにあるのですが、成長とともに各ヒレが下(お腹)の方に移動していきます。

    読んでいて想像つきますでしょうか?

    ナイフの刃のようなに薄い体で、上は背ビレのトゲが真っ直ぐ上にのびて、下は口、の逆立ち姿勢で背中を前にして進んでいくのですが、後ろ(お腹側)の小さな背ビレ、尾ビレ、尻ビレ、腹ビレをいっせいに動かして前に進むのです。

    急ぐときや敵におそわれたときは、水平に近い姿勢で泳いで逃げます。

    『ヘコアユ』は、比較的水のきれいな浅場で、ガンガゼの棘のようなかくれ場にかくれていることが多く、とても神経質なお魚です。敵が近づくと、相手に自分が最も薄く見えるように向きを変えるため、水中での写真は、太めに見える向きでのシャッターチャンスは少ないと思います。松とうちゃんも薄く見えるように写りた~い!(*^_^*)

    オスがメスの横に並ぶようにして求愛している姿は、映画の『シャルウィダンス?』を思い出してしょうがありませんが、松とうちゃんだけでしょうか?

    -お生物講座073-

    投稿者 formosa : 16:05 | コメント (0)

    2006年4月 3日


    沖合いの表層で生活し、比較的きれいで、温暖な海域に生息している『シイラ』はダイバーにはあまりなじみはありませんが、釣り人には、ゲームフィッシュングの対象として人気ではないかと思います。

    今回はそのちょっと珍しいお魚『シイラ』についてお話しましょう!

    『シイラ』は、『スズキ亜目』の『シイラ科』のお魚で北海道を含む日本各地の海から世界の温暖海域に分布し、体長80cm~2mです。

    ちょっと変わった形のお魚で、体は細長くよく側扁し、背ビレは頭部背面から尾の近くまでひとつづきになっています。オスは成長に伴い前頭部(額)がいちじるしく前に張り出しますが、メスは成長しても額は張り出しません。ちょっと変わった頭の形から、『鬼頭魚』とも呼ばれるています。

    『シイラ』を釣り上げた方はお分かりと思いますが、背は濃青色で、体側からお腹のほうにかけては白っぽい金色で、青色の小さな斑点があります。とても美しいお魚ですね!でも釣り上げてまもなくすると、青色は黒く、そして金色はくすんだ山吹色になり生前の美しさは消えていきます。

    『シイラ』は成長がはやく、1歳で70cm、2歳で120cmにもなるようです。最大で2mほどにも成長するのですからビックリです。

    産卵は、日本近海では春から夏にかけて行われ、生まれたての稚魚は、海面の流れ藻について成長し、最初のうちは動物プランクトンを食べ大きくなっていくとともに、他の仔魚、そして、流れ藻についているカワハギやギンポを餌にするようになります。大きくなると、表層のイワシなどを好んで食べますが特にトビウオが好物のようです。

    ところで皆さん、『シイラ漬け』というのをご存知でしょうか?

    『シイラ』の塩漬けにしたものではありません!

    海底に沈めた石俵などにつないだ、長さ3~8mほどの竹数十本を幅1m、高さ60cmほどにたばねて漬木とし沖合いの海面に浮かせ、この竹束の陰に集まってくるシイラを網や釣りなどの方法で捕らえる漁法のことを古くから『シイラ漬け』と言うのです。面白いですね!

    日本では、夏に美味でとりたてをお刺身でいただくようですが、世界各地で塩干物にして保存食とされています。

    台湾の太平洋に浮かぶ『ランイ島』では、このシイラ漁が盛んでほとんどの島民の軒先には、『シイラ』が干してあります。『シイラ』は、背のところがお腹より身が厚く日本のアジの干物などのような腹開きでは、乾く前に腐ってしまいやすいので、台湾では背開きにします。アマダイやエボダイも背開きが多いですよね!

    台湾の島では冬場の食料としてこのシイラの塩干物は重要で、軒下に並ぶシイラの干物の数で、その家の財力を示すと聞いたことがあります。今では島への流通も発達し、そんなことはないかもしれませんが、2~3階立ての奇麗に並ぶ新築の家にも、シイラが干してあるので、松とうちゃんはいつも不思議な感じがしていました。

    沖合いの奇麗な海でしか見れない『シイラ』の美しい姿と、美味といわれるお刺身が恋しくなってきました!(*^_^*)

    -お生物講座072-

    投稿者 formosa : 17:02 | コメント (0)

    2006年4月 2日


    先日テレビでイカ釣りを紹介していました。なので?松とうちゃんの好きな『コウイカ』をテーマにしました。

    頭足類(イカ網)の『コウイカ目』、『コウイカ科』の仲間に、コブシメ、トラフコウイカ(モンゴウイカ)、コウイカなどがいます。

    『コウイカ科』の仲間は、背中に石灰質の舟形の貝殻(甲)を持っているのが特徴です。熱帯から温帯の海域まで広く分布し、沖縄をはじめ亜熱帯海域では、コブシメが良く見られると思います。

    松とうちゃんが、先週末に千葉県明鐘岬の海で見た『コウイカ』は、別名『スミイカ(墨烏賊)』と呼ばれるもので、イカの中でも驚くほど墨を多くはくことからその名がついたようです。

    実際、驚かせるとかなりの量の墨をはきしばらくは海中が黒く濁ってしまいなかなか澄みません。

    『コウイカ』の学名は、Sepia esculenta と言い、その墨が染料として使われているため、それから創り出される色をセピア色(Sepia )と呼ばれるようになりました。『コウイカ』の墨は、インクとしても使われているのです。

    お刺身など食用としても美味しい『スミイカ』ですが染料やインクに使われている、しかもそれがセピア色とは驚きでしょう!

    関東の海などで、春先~初夏にかけて良く見られる『アオリイカ』などの卵は、数珠状というかソーセージみたいにつらなっていますが、『スミイカ』の産卵は、コブシメのように1個づつ卵を海中に落ちている木の葉や枝、漁網などに産みつけます。

    産卵期は、水温が16度くらいになる3月~5月でオスとメスが腕をからめるようにして交接し、オスはメスに精子の入ったカプセルを渡し受精します。1個づつ産みつけられる卵の大きさは、直径約1cmでふ化までおよそ20~40日かかります。

    カニやエビなど生き物が好物で沿岸(浅場)の砂底近くをはうように泳いでいることが多いのも『スミイカ』の特徴です。『スミイカ』の背中は虎斑模様で、体色変化で海底にカモフラージュしていますので、『見つけるゾ!モード』に入っていないとなかなか見つけることは、困難です!

    背中の甲の後ろにはトゲがあり、捕獲者に襲われたりして岩などに衝突すると、そのトゲで自らの胴を傷つけ泳げなくなって死んでしまうこともあるようですから可哀想ですね!

    -お生物講座071-

    投稿者 formosa : 17:38 | コメント (0)

    2006年4月 1日


    『ウミヘビ』をテーマにお話しましょう!

    『ウミヘビ』をお話する前に、『巳年の巳』の意味について考えてみたいのですが、皆さんご存知ですか?

    干支は、時間、方角、月を現す言葉ですね!『巳の刻』と言えば午前10時ごろを、『巳の方向』と言えば南南東の方向、つまり150度方向を、また、『巳の月』は4月の異称でもあります。こんなふうに、昔の人は干支に時間や方角を割り振ったのですね!

    『海蛇座』という南天の星座もあります。『蟹座』の南から『乙女座』の南まで長く伸び、ギリシャ神話ではヘラクレスに退治された九つの頭をもつ海蛇に見立てた星座です。陸の蛇に見立てていないところが面白いです。

    『ウミヘビ』は『ウナギ目』、『ウミヘビ科』に属する海魚の総称で、インド洋、太平洋など熱帯海域に多く分布しますが、関東の海でもよく見られる種があります。ダイナンウミヘビやホタテウミヘビなどがそうです。

    『ウミヘビ』は、円筒状の体で細長く、上あごの縁のあたりに鼻孔があるのが特徴で、砂底から頭だけを出しているものはよく観察できると思います。

    『ウミヘビ科』は、更に『ウミヘビ亜科』と『ニンギョウアナゴ亜科』に大きく別れ、その特徴も若干異なります。

    『ウミヘビ亜科』のウミヘビは、尾ビレがなく堅く強い尾で砂や泥を掘って砂泥底に入っていきます。薄い布程度のものでしたら簡単に尾で破ってすすんでいくというから、その尾の力に驚きです!

    大きいもので体長2mになるというダイナンウミヘビもいますが、ほとんどは1m前後のものが多いと思います。

    『ニンギョウアナゴ亜科』は、体色が一様に褐色で体長も30cmと小型のものが多いのですが、中には面白い生態のグループがいます。

    南太平洋のサモアに住む種のウミヘビ(Glenoglossa wassi )は、アンコウ類のような擬似餌(ぎじえ)を持っているのです。しかも背ビレが発達したものではなく、舌の骨が飛び出し、その先端に甲殻類に似せた肉質の擬似餌が付いているのです。しかも口のまわりには海藻に似たひだがあり、小魚を誘うのは容易です。読者の皆さん、ご自分の舌を出しながらちょっと想像してみて下さい。

    砂に潜って、頭だけを出し、舌先の擬似餌をまるでルアーの達人のように操り小魚を口の中へと誘い込むのですから凄いです!

    陸上の蛇や海生のウミヘビは、乾燥して薬膳や精力剤などに利用している場合がありますが、海魚の『ウミヘビ』は、水産資源としての利用価値はないようです。それでも、水中をくねくねと泳ぐ姿や、砂底から頭を出して餌が近づくのを待っている姿を観察するだけでも我々ダイバーに興味をひかせてくれます。
    (*^_^*)

    -お生物講座070-

    投稿者 formosa : 16:34 | コメント (0)

    2006年3月31日


    ダイバーのフィッシュウォッチングや、水族館で観賞用として人気の『ジョーフィッシュ』は、英語(Jawfish )の名前のとおり、あごのお魚で、大きな顎(あご)が特徴です。

    アゴアマダイ科のお魚で、日本では、アゴアマダイ、カエルアマダイなど6種類が知られていますが、比較的数の少ない珍しいお魚です。

    関東以南の暖かい水深15m以浅の比較的浅い海底に生息し、砂底に自分のあごで掘った穴の中に住んでおり、時折、グリグリとよく動く飛び出た目や頭を穴からのぞかせている姿が、ひょうきんでとても可愛いので、ダイバーに人気のお魚です!

    『ジョーフィッシュ』は、大きなあごをうまく使って巣穴を掘りますが、砂を口に含んで巣穴から離れたところに捨てに行きます。とてもきれい好きで、巣穴にたまった糞なども口にくわえて遠くに捨てに行きます。

    縄張り意識も強く、自分の巣穴に近づく同種のお魚には、『お~い、あごが外れてしまうよ!』というくらい大きく広げて威嚇(いかく)します。

    砂や糞を捨てに行くときは、お互いの縄張りの境界線を越え、他のお魚の縄張りに踏み込んで捨てるというから、どこかで聞いたような自治体同士のゴミ処理紛争を思い出させます。

    『ジョーフィッシュ』は、オスもメスも独自に巣穴を掘って暮らす、独身貴族ですが、産卵時期になるとオスが巣穴から真っ直ぐ上に出て泳ぎ、ヒレを広げてメスに求愛します。

    メスが、この求愛に応じるとオスの巣穴に導かれ、お互い頭を上にし、体を寄せ合い、並んで放卵・放精します。

    産卵が済むとメスはさっさと自分の巣穴に戻りますが、ここからが大変、オスが子育てするのです。しかもネンブツダイと同様、口内保育です。

    メスが帰ったあと、オスは体の向きを変えてオレンジがかった黄色で1mm程度の卵を、あご一杯にくわえます。卵は数千個ありますので、『もうこれ以上入らない!』というくらいにほおばるのです。

    オスは、卵に酸素がいきわたるように時々お口の中で卵たちを回転させて子育てに一生懸命です!偉いですね~!

    ネンブツダイのお父さんは、口内保育中、絶食を余儀なくされますが、『ジョーフィッシュ』のお父さんは、幸い巣穴の中という安全な場所での子育てですので、自分の食事の時間には巣穴の底に卵さんたちをおいて外に出かけます。
    人間の世界で言うと、男やもめのお父さんが赤ちゃんを寝かしつけてから、夜な夜な居酒屋にでも飲みに行くイメージですね!

    ふ化は、いっせいにおこり、4mmくらいの仔魚がお父さんが大きく口を動かすとともに外に飛び出し浮き上がって行きます。

    お父さんの口から飛び去っていく子供たちは、一生懸命子育てをした『ジョーフィッシュ』のお父さんの気持ち分かるのでしょうか?分かんないだろうな!、

    -お生物講座069-

    投稿者 formosa : 16:30 | コメント (0)

    2006年3月30日


    プランクトンの夜光虫とは違いますが、発光生物として有名な『ウミホタル』は、現在の医療などバイオテクノロジーの分野で研究開発に役立っていると聞いています。

    『ウミホタル』は、貝虫類のミオドコーパの1種ですが、体長が2~4mmで、カイミジンコ目と同じ様な機能を持つものです。背甲は透明なものから緑色、褐色のものまであり、心臓が発達していて血液の流れる様子がよく見えます。

    日中は、砂底にひそみ、夜には泳ぎまわり、春から秋にかけては、夜、海岸から海底をのぞくと、青白い光が確認できます。

    『ウミホタル』の発光のメカニズムは、ホタル同様の酵素反応で、発光腺というところにたくわえられた発光物質のルシフェリンと、ルシフェラーゼという酵素が、体の外に放出されたとき、水の中で酵素反応をおこし、光を発します。

    繁殖期のオスはメスに求愛するとき発光しながらメスのまわりを旋回したり、その他、捕食者におそわれたときに強烈な光を発し、相手の目をくらませる発光の目的があります。

    『ウミホタル』の採集は、豚のレバーや魚の肉などを、空き瓶に入れそれを夕暮れ時にひもでつるして海底に沈め、夜中に空き瓶に入った『ウミホタル』を翌朝引き上げる方法がほとんどです。

    全世界の海域に分布している『ウミホタル』は、簡単に繁殖します。メスは成熟して脱皮したあと交尾し、そのときたくわえた精子で卵を受精させます。卵はメスの体の中でふ化し、親と同じ形の幼生が生み出されるのです。

    戦時中は、各地の国民小学校の生徒が、先生に引率され海岸で、ものすごい数の『ウミホタル』の採集を行っていたようです。

    採集した『ウミホタル』を天日で乾燥させ、夜間ドアのノブの目印にしたり、歩行者がぶつからないようにワッペンを作るのに使ったというお話があります。乾燥した『ウミホタル』をしみこませたのものに水や湿気を加えると発光することを利用したものです。すごいですね!

    軍事用にと考えられていたようですが、遠方の戦地に運ぶ間に、湿気により、発光が完了し、使い物にならなかったという記録が残っているようです。うまくいかなかったのですね!

    現在は、部屋のスイッチが夜でもかすかに光って見えるようにしていたり、歩行者や自転車の目印反射板のような安全グッズがありますが、昔は自然から採取した生物の機能を利用していたというのはちょっと面白いですね!

    -お生物講座068-

    投稿者 formosa : 17:27 | コメント (0)

    2006年3月29日


    口から水鉄砲を発射して葉上の昆虫を撃ち落として捕獲する習性を持つお魚として有名で、鑑賞魚としても人気のある『テッポウウオ』について紹介します。

    松とうちゃんは、『テッポウウオ』を見たことはないのですが、10数年前、虫の撮影で有名なある写真家の作品を使ったカレンダーを会社の販促品として作ったことがあり、その時初めてそのお魚が水鉄砲を発射して昆虫を撃ち落としているシーン(写真)を見て、感動したことがあります。その頃から興味をもっているお魚ですが、熱帯~亜熱帯の河川河口や淡水域、汽水域に生息する『テッポウウオ』にはお目にかかったことがありません。

    『テッポウウオ』は、チョウチョウウオ・スズメダイ類に分類される『テッポウウオ科』のお魚で、日本では西表島で見られるようです。

    水面すれすれのところから1~1.5 m 先の枝や木の葉に止まった昆虫を口から発射される水鉄砲で撃ち落とすのですからお魚の習性としてはかなり特化したものですね!すご~い!

    どのようにして口から水鉄砲が発射されるのでしょうか?

    『テッポウウオ』の上あご(口蓋)には体の中心線に沿った形で1本の細い溝があり、口を閉じて舌を上あご(口蓋)に押しつけると細い筒ができます。この状態で鰓蓋(さいがい)を急に閉じると圧力がかかり、わずかに開いた口から水が勢いよく発射されるのです。

    『テッポウウオ』の獲物を狙う射撃の腕(口?)は、かなり正確のようです。川などで私たちが、空気中から水面下のお魚を銛(もり)などで狙う場合、屈折率を考慮しないとなかなかうまくいきません。

    なぜ、『テッポウウオ』は、光が屈折する水中から空気中の獲物を正確に狙えるのでしょうか?

    昼間などふだんは、水面直下を活発に泳いでいる『テッポウウオ』が、枝や木の葉に止まった昆虫を見つけると、まず昆虫の真下まで移動します。その方が屈折の影響が少ないからです。また、眼は水面すれすれに位置していますので屈折の影響はほとんど受けないようです。

    水鉄砲を発射するときは、静止して口の先を水面ぎりぎりに出し、正確に照準を合わせます。発射の準備ができると緊張が高まり背ビレと腹ビレを広げ、次の瞬間に射撃を行います。

    1~1.5m 先の獲物なら百発百中というから凄いですね!

    是非、水鉄砲を発射し獲物を捕らえる瞬間を見てみたいですが、発射する前の姿勢と、背ビレ・腹ビレを広げるのが発射の合図ですね。

    『テッポウウオ』は、この水鉄砲射撃以外、水面に落ちた昆虫や、水面のウミアメンボのような昆虫も食べます。エビなどの水中の小動物も食べます。やはり、水鉄砲を発射しての捕食は、いろんな条件が整わなければなりませんので、水面や水中での捕食の方が多いようです。

    水面や水中で他のお魚のように捕食ができる『テッポウウオ』がなぜ、このような難しい水鉄砲射撃による捕食をするのか謎です。

    『テッポウウオ』の職人芸というこだわりでしょうか?

    全然関係ありませんが、お魚のうろこも内臓も取り去らないで唐辛子味噌をぬってそのまま焼いたものを『鉄砲焼き』と言いますが『テッポウウオ』の『鉄砲焼き』ってあるのかな?と、これを書きながら、変なことを考えてしまいました!(*^_^*)

    水中に住む生物には、まだまだ不思議で面白い生態があり、水中生物生態の探索は飽きませんね!

    -お生物講座067-

    投稿者 formosa : 16:23 | コメント (0)

    2006年3月28日


    関東から南日本、世界の温帯~熱帯域まで広く分布している『ブダイ』の仲間は、その生態が興味深いことばかりです。

    『ブダイ』は、小さな歯が集まってオーム(Parrotパロット)のくちばしのような形をしていることから英語では『Parrot fish パロットフィシュ』と呼ばれています。ちなみに漢字では『武鯛』とか『不鯛』と書きます。

    確かに口の感じはオームに似ていますね!

    そのくちばしを使ってイシサンゴをかじりとり、骨格の表面についた藻類を食べています。関東の海でも岩や石についた藻類を食べている姿をよく見かけます。

    『ブダイ』の歯は一生のあいだ伸び続けますので、水槽などで飼い、かじるものがないと、口の形が変わってしまうというから面白いですね!まるで猫の爪とぎみたいなもんです!

    『ブダイ』は、光の届く浅い海に生息し、さまざまな色で飾るスズメダイ類、チョウチョウウオ類、ベラ類とともに、サンゴ礁の主役とも言えます。

    サンゴ礁の海底には、サンゴ砂と言われるものが敷きつめられている場合がありますが、これは『ブダイ』が死んだサンゴをかじってエサをとり、イシサンゴの骨格が消化されないまま排泄され、海中にばらまかれたものです!

    あの白いサンゴ砂は、なんと『ブダイ』が作ってくれるのです!

    体色は青色、緑色、紫橙色とさまざまでかなりカラフルですが、世界各地で食用として重要な存在です。

    沖縄の居酒屋でカブト煮を注文したところ『アオブダイ』のカブト煮にでてきて驚きながら食べたことがありますが、表面の鮮やかな色といい、特色ある顔といい、食べるにはちょっと勇気がいりました。顔付近の魚肉には、コラーゲンたっぷりといった感じのゼラチン質で、きっとお肌にはとっても良い食べ物ではなかったでしょうか?

    台湾では、『アオブダイ』にネギをたっぷりのせて蒸す料理が、海鮮レストランで良く見かけます。『アオブダイ』は高級魚です!

    冬に水温の下がる佐渡などの日本沿岸には、『コブダイ』が普通にみられ、食用にされているようです。海中でみると弁慶の顔のような、(弁慶はみたことありませんが)そんなお魚を、とても食べる気にはなれません。

    『ブダイ科』は、同じ『ベラ亜目』の『ベラ科』と似たような生態ですが、ベラのように寝るときに砂に潜らず、種によっては夜になると、自分の口から透明で厚い粘膜を出し、体を覆う、まるでカプセル状の寝袋を作ってその中で寝ます。松とうちゃんが初めてその寝姿を見たときはとても不思議でした。

    『ブダイ』で特に興味深いのは、オス・メスによる体色の違いです。成長によっても体色は変わり、親とは似ても似つかない体色の幼魚が、同じサンゴ礁に生息しています。『ブダイ』は、『ベラ』とともに、他のお魚では例を見ないほどオス・メスの体色が異なっています。

    更に興味深いのが、『ブダイの性転換』です。

    小さいときはメスで卵巣をもち、産卵をします。そしてある程度大きくなったころ卵巣は退化し生殖腺は精巣へと変わります。同じ個体が一生の間にメスとオスの両方を経験するのです。なんとも不思議な話です。

    メスから性転換したオスを『二次オス』といい、性転換しないで最初からオスのものもいます。このオスを『一次オス』といいます。

    『一次オス』は『二次オス』よりはるかに大きい精巣をもっているようです。この理由もかなり興味深いです。

    普通、オスは縄張りをもち、産卵時期になるとオス同士は威嚇しあい、メスを自分の縄張りに引き寄せます。メスが求愛に応じると、オス・メスが求愛ダンスをし、放卵・放精がおこり、『ブダイ』の卵は浮遊卵ですので海面に浮かびます。これは『二次オス』が行う『ペア産卵』といいます。『ペア産卵』を終えたオスは、次のメスに求愛をはじめます。なんともご苦労なことです!

    『一次オス』の場合はこの『ペア産卵』を行わず、オスが集団でメスを追尾し、産卵するとオスは一団となっていっせいに放精します。これを『グループ産卵』といいます。『グループ産卵』が行われると海面が一瞬真っ白くなるそうです。

    この『グループ産卵』の場合、卵に受精させ自分の子孫を残す確率を高めるため(オス同士の競争で)『一次オス』の精巣は大きくなったと考えられています。

    数え切れないほどの卵の産卵と、ふ化後、父親として面倒をみるわけでもないのだから、自分の子孫繁栄もあったものではない、と思うのですが、精巣を大きくして他のオスとの競争に勝つ精神は、どこから生まれるのでしょう?自然の理?それとも神の業?

    ちょっと考えてしまう松とうちゃんです!(*^_^*)

    『ブダイ』には失礼ですが、とても可愛いとは言えないこのお魚、不思議な生態は天下一品ではないでしょうか?

    -お生物講座066-

    投稿者 formosa : 17:50 | コメント (0)

    2006年3月27日


    久しぶりにお魚の体・機能についてお話しましょう!

    海水はところによって塩分濃度が異なり、微妙に濃いところやそうでないところがあります。更に河口など淡水で薄まっているところは、大きく異なります。

    海など塩分濃度が高いところで泳いでいると眼が痛くなることでわかるように、私たちの体は塩分濃度で影響を受けます。

    沖合いから沿岸、海から河に移動するお魚たちの塩分調節はどうなっているのでしょうか?

    おわかりの方も多いかと思いますが、生物などが塩分濃度でどのような影響を受けるか基礎生理学が得意な松とうちゃんが説明しましょう!(えっへん!)いや、説明させて下さい!(*^_^*)

    塩分濃度が濃い溶液(海水としましょう)と、薄い溶液(体の中の細胞液としましょう)との間に『半透膜』と呼ばれる水などがゆっくり通過できる膜をおいて2つの塩分濃度の異なる溶液を仕切ると、2つの塩分濃度を同じくしようとする力が働き、薄い方から濃い方に水が膜をとおって濃い塩分濃度の方を薄めようとします。

    電流は電圧の高い方から低い方に流れ、河の水は標高の高い方から低い方に流れていきますが、膜を通過する水は、塩分濃度の低い方から高い方に移動するのです。膜を通じて移動する圧力を『浸透圧』と言います。

    つまり、海水に我々生物の細胞(細胞膜で覆われ中は細胞液)を入れますと、細胞膜を通じて細胞液の水がどんどん海水中に流れ、細胞はやがてしぼんでしまいます。

    逆に、淡水中に細胞を入れるとどんどん細胞の中に水が入り込み、細胞は膨れ上がり、やがてパンクしてしまいます!私たちも長い時間、淡水につかっていると体がむくんでしまいますね!

    赤血球を浸透圧の違う水などに触れさせると、パンクして溶血する現象や、野菜に塩をまぶし漬け物にすると、野菜から水が出る現象などでも説明できますね!あっそうそう『お塩ダイエット』もありました。

    前置きの説明が長くなりましたが、本題のお魚の塩分調節です。

    お魚の細胞や血液には、塩分や栄養分などがとけています。河や湖など淡水にすむお魚は、体の中にどんどん水が入ってきますし、海水にすむお魚は、体からどんどん水が出ていき脱水状態になってしまうことになります。

    そのためにお魚は体の中の塩分調節をしなくてはならないのです。

    海のお魚は体から海水中に水が出てしまいますのでそれを補うために、海水をどんどん飲みます。しかし、海水を飲むと体の中の塩分の量も多くなりますので、鰓(えら)や消化管からとりすぎた塩分をすて、体液の濃さを調節します。

    淡水にすむお魚は逆に体の中に水がどんどん入ってきますので、腎臓が大活躍し水分を尿としてどんどん体外に出します。

    海水のお魚はほとんどおしっこをしませんが、淡水のお魚は、大量のおしっこをするのです。おしっこをしながら泳いでいるのですね。

    海を河を行き来する『サケ』などは、海水のお魚の塩分調節と淡水のお魚の塩分調節を、うまく使い分けていることになります。

    正確に言うと『塩分調節』と言うより『水分調節』ですが、出る分の水を飲んで補う、入ってきた余分の水を尿として捨てるという単純な機能ですね!

    そう言えば、私たちもお酒など飲料を飲み過ぎたらおしっこをし、運動や太陽の日差しなどで汗をかいて脱水したら飲料をとる単純なことしていますよね!
    アルコールを飲み過ぎた時のおしっこは利尿作用ですが、どちら様も飲み過ぎにはご注意を!
    (自分自身へのメッセージ!ですね)(*^_^*)

    -お生物講座065-

    投稿者 formosa : 11:45 | コメント (0)

    2006年3月26日


    今回のテーマは『ギンポ』です。
    ギンポ類は『スズキ目』『ギンポ亜目』に属し日本ではヘビギンポ科、アサヒギンポ科、コケギンポ科、イソギンポ科の4つの科があります。

    『ギンポ』というと岩の穴や貝殻、空きカンなどに住みひょっこりと愛きょうのある顔を出している可愛いお魚というイメージがありますが、その生息環境、鱗(うろこ)や脊椎骨数など形態に違いのあるいろいろな種類・グループに分けられます。それらを詳しく分類し、説明しますと話しがかたくなりますので省略しましょう!

    『ギンポ』は、浮遊生活をしない底生生活にへの適応として、出来るだけ視界を広くするため眼は頭部前方の高い位置にあり、更に頭部を持ち上げるて支えるように腹ビレが胸ビレの前方にあります。
    ギンポに似て同じように腹ビレが前方にあるゲンゲ類を以前は、その分布的特徴から北方系ギンポとして同じくくりのお魚だったようですが、現在は別系統のお魚として分類されています。

    春の季節に美味で特に天ぷらに最高!の江戸前のギンポ、実は、『ゲンゲ亜目』のお魚なのです!もちろん、天ぷらで有名なギンポを知っている方でも海中でギンポをを見て『これがあの江戸前の天ぷら?』とは連想しないはずです!

    『コケギンポ科』のお魚は岩礁にうがたれた穴、オオヘビガイや細長いオオアカフジツボの空殻を利用して穴居生活をするものが多くその穴から出している頭の上には、皮弁と呼ばれる数本の房(ふさ)がついていて、水中カメラマンの絶好の被写体になります。

    この頭の上のふさの本数は、『コケギンポ科』のグループ分けに特徴的なものがあり3~4本のもの、6~7本が2列に並ぶもの、そして『トウシマコケギンポ』のように9~11本で3列にならぶものがあります。
    このふさがついている理由は穴から頭だけ出しかけている時、回りの藻類にまぎれてしまう隠蔽(いんぺい)工作と感覚器官として穴の外の様子をみるアンテナとしての働きをもつため、と言われています。

    穴居生活への適応にともない鱗(うろこ)と側線(感覚器官)は退化していき、その退化の程度によって『コケギンポ科』をグループ分けすることができますが、ダイバーに人気の『トウシマコケギンポ』は、最も退化している『ハダカコケギンポ』の一歩手前のグループに所属しているやや退化が進んでいる(うろこが少ない)お魚です。

    『コケギンポ科』のお魚は、種類により生息場所が異なります。岩礁に生息する場合でも、波当たりの弱い潮だまり、波当たりの強い岩礁、水深がやや深めの岩礁などいろいろな生息場所があります。
    『トウシマコケギンポ』は波当たりの強いやや浅めの岩礁に生息していることが多いので、その辺でやや背の低い藻類がついている岩礁回りを探すのがコツです。

    ギンポで『コケギンポ科』以外のお魚の特徴を簡単に紹介しますと、

    【ヘビギンポ】
    オスは縄張りをもち求愛行動によって導かれたメスが藻類に1個づつ卵を産みつけるたびにオスが放精し、オスは卵を保護します。

    【アサヒギンポ】
    卵胎生で、オスははっきりした交接器をもち交尾を行います。体は橙黄色で暗色横帯があります。

    【イソギンポ科】
    両顎に毒腺をもつものや、他の魚のうろこや皮ふをかじるものがおり、ニセクロスジギンポが有名です。仲間には潮だまりを飛び出し、岩の上をピョンピョン跳ねて他の潮だまりや海中に逃げ込むカエルウオがいます。

    ギンポの仲間は、いろいろな特徴があって面白いですね!

    さて、この『ギンポ』は漢字で『銀宝』と書きますが、その由来は、江戸時代の細長い貨幣(おかね)丁銀(銀宝)に似た形のお魚であることからその名がつきました。銀宝という貨幣、見たこともありませんから、『ギンポ』の形に似たおかねがあったんだな~と思っていましょう!

    『ギンポ』の地方名を調べてみましたら、大阪『カミソリ』、下関・鳥取『ナキリ』、新潟『ウミドジョウ』、仙台『カタナギ』などと、いろいろと呼び名があるものですね!ちなみに、コケギンポの英名は『fringe head 』で、頭の房飾りがついた魚という意味だそうです。

    海中の生物、特にお魚の生態をじっくり観察してみると結構面白いと思いますが、皆さま、いかがでしたでしょうか?

    -お生物講座064-

    投稿者 formosa : 16:40 | コメント (0)

    2006年3月25日


    皆さん!『マツカサウオ』をご存知でしょうか?
    ダイバーの方でしたら馴染みのある名前ではないかと思います。

    『マツカサウオ』は『キンメダイ目』に属するお魚で沿岸の岩礁域に生息しています。オーバーハングのところや、大きな岩の隙間など比較的日差しの当たらない暗影のところにいることが多いようです。

    大きいものでは全長15cmくらいに達しますが、体は側偏しただ円形で体色はほとんど黄色です。やや大きめな堅い鱗(うろこ)が松笠状に覆うところからその名がついています。
    各うろこは、黒色でふちどられており編み目模様のはっきりしたデザインで絵を描いて特徴を表すのは容易ですね。

    背ビレにも腹ビレにもかなり強い棘(とげ)がありますが、かなり臆病なお魚のようで、近づくとすぐ岩のすき間などに入って隠れてしまいます。

    『マツカサウオ』の不思議な生態は、下あごに暗がりで光る発光器を持つことです。発光はあまり強くないので、なかなか確認するのは難しいと思いますが、充分に暗いところで良くみると青白く光るのがわかります。

    『マツカサウオ』の発光器は発光細菌(バクテリア)の共生によって発光し、黒の色素斑の収縮により点滅させていると言われています。
    夜間に発光物質をもつ小動物を食べて発光器を機能させている考え方もあるようですが、実際のところは良く分かっていないようです。

    お魚の光を出す仕組みはキンメモドキのように発光エビやウミホタルなどを食べ、その小動物が持っている発光物質を使って光るものと、光を出すバクテリアを体内に飼って(共生して)光るもの、またハダカイワシなどお魚自身が自力で光るものの3種類があります。
    それぞれのお魚で詳しくは分かっていませんが、『マツカサウオ』は、発光バクテリアの共生ということですね。

    そう言えば、松とうちゃんは以前、ある製薬会社に勤めていたころ、会社で化学発光物質の反応を使った臨床診断薬の開発に関わったことがあります。その時の反応系と比べてみるのは興味深いです。どうもお魚たちの光る仕組みは、『ルシフェリン』という物質と『ルシフェラーゼ』という物質を一緒にすると反応して光を出すもののようです。
    陸の生物で言えばホタルですね!

    なぜ『マツカサウオ』が下あごを光らせているのかが分かりません。まるで金色のよろいをまとっているかのようなごつい顔ですが、更に光を出して敵を威嚇しているのか?暗がりで小さな光で餌を探しているのか?それとも、オス・メスの求愛に使うシグナルなのか?どちらでしょうね?

    いろいろ考えながら『マツカサウオ』を観察してみるのも、楽しいかも知れません!皆さんも今度注意深く見て下さい。

    松とうちゃんは『マツカサウオ』を食べたことありませんが、聞くところによるとかなり美味とのことです!地方では、『よろいうお』、『よろいふぐ』と呼ばれカマボコの材料にしているようです。東シナ海では群れでまとまって捕獲され、やはり練り製品の材料になるようです。いつも伊豆の海で1匹でいる『マツカサウオ』を見慣れているせいか、群れでいる様子を想像しただけで圧倒されそうです。

    なぜ光を出すのかその役割は分かりませんが海中の生物には不思議な生態を持つものが多いですね!

    -お生物講座063-

    投稿者 formosa : 17:36 | コメント (0)

    2006年3月24日


    あんこう(鮟鱇)はお鍋が美味しいですね。唐揚げもなかなかです。
    そこで?今回は、アンコウの仲間で、奇妙な生態をもつ『チョウチンアンコウ亜目』のお話です。

    『アンコウ目』は、一般的に丸みをおびた大きな頭部で、背ビレが変化した釣り竿のような擬餌(ぎじ)状体を持ち、それで小魚をおびき寄せ、丸呑みする特異な生態であると以前にお話しましたが、更に不思議な生態をもつ『チョウチンアンコウ亜目』たちです。

    日本産の『チョウチンアンコウ亜目』には、

    ヒレナガチョウチンアンコウ科、
    ミツクリエナガチョウチンアンコウ科、
    シダアンコウ科、オニアンコウ科、
    ラクダアンコウ科、クロアンコウ科、
    フタツザオチョウチンアンコウ科、
    チョウチンアンコウ科

    の8科23種が知られていますが、ほとんど沖合いから外洋域の数百~数千mの深場に生息しています。

    チョウチンアンコウ類は、一般に体形が丸く浮遊生活に適した形で、浮遊したまま餌(えさ)を待つ『待ち伏せ型』の摂餌方法です。

    メスはオスより大きく頭部背面の擬餌状体は特に発達していて、一部を除き発光部をそなえています。大きなお魚を丸呑みするため、大きな口としっかりとした歯を持っています。更に食道と胃は、拡張性に富み、呑み込んだあとは、異様にお腹が膨らみヘビが獲物を丸呑みしたときのようです。

    メスは捕食・摂餌に関しては貪欲といった感じです!

    特に不思議なのが『チョウチンアンコウ亜目』の中の、ヒレナガチョウチンアンコウ科、オニアンコウ科、ミツクリエナガチョウチンアンコウ科などのオスの寄生です。

    メスよりかなり小さいオスが、メスの体表に食いつくように寄生するのです。オスがメスの体に寄生するのは脊椎動物では他に例をみないそうです。なんか恐いというか異様ですね!

    成魚のメスが120cmにも達する『ビワアンコウ』のオスは、8~16cmの小さなもので、メスの体表(皮ふ)からの突起物に両顎が食いつくように癒合(ゆごう)し寄生します。

    メスが浮遊しているときも、餌を捕っているときも、食事しているときも、そして排泄しているときも、いつでもオスがくっついているのです!

    寄生したオスは、心臓や鰓は退化していないので自分で呼吸はできますが、メスの体表と顎(あご)が癒合していますので、歯と消化管は退化して食事はできないのです。

    一説によるとメスとオスの癒合部分でメスの血管とつながってオスが栄養をもらうとありますが、はっきりしません。寄生しないグループのオスが摂餌せず幼期にたくわえた栄養でメスの産卵時期まで生きつづけられることが知られていますからひょっとしたら寄生したオスもメスから栄養をもらっていないかもしれません。どちらにしても凄いですね!

    メスの体にオスがず~っと着いていたら、うっとうしいと松とうちゃんは思うのですが、なぜ、このようにオスがメスに寄生するのでしょうか?不思議ですよね~?

    その理由は、産卵時期まで確実にオス・メスが一緒にいるためと言われています。
    つまり、子孫繁栄のため『許嫁(いいなずけ)』のそばについているということでしょうか!

    オスに寄生されているメスが可哀想なのか?それとも、ただ子孫繁栄のために自分の生活を持たないオスが可哀想なのか?はたしてどちらだろうと松とうちゃんは考えてしまいます。

    チョウチンアンコウ類のオスがメスに寄生する生態は、人間社会の、女性の稼ぎを頼りに暮らしている『ひも』とは、ちょっと意味が違うようですね!

    -お生物講座062-

    投稿者 formosa : 17:29 | コメント (0)

    2006年3月23日


    今回は、『ゴマモンガラ』をお話します。

    『ゴマモンガラ』は、フグ目、モンガラカワハギ科に属するお魚です。
    モンガラカワハギ科とその仲間カワハギ科のお魚は、腹ビレが1対あるふつうのお魚と異なり、腹ビレが単一です。魚類はふつう三角形をした腰骨をもって底辺の端に腹ビレがつながり1対ですが、モンガラカワハギ科の仲間は、棒状の腰骨で腹ビレが一つしかつかないのです。

    『ゴマモンガラ』の多くは体長30~40cmですが、大きいもので60cmに達するものもいます。観賞用に飼われていることもあるようですが、上あごの左右にある黒いヒゲ状の模様は口ヒゲのように見え、大きく長い顔は、いかにも手入れをしていない無精なおじさんの顔のようでこっけいです。

    『ゴマモンガラ』は、別名『ツマグロモンガラ』とも呼ばれますが、その和名の由来は、幼魚のとき、体表に胡麻のような黒い点々があることから『ゴマモンガラ』、そして成魚になると各ヒレの縁(ふち)に黒い帯びがあることから『ツマグロモンガラ』と呼ばれています。
    なぜツマグロかといいますと、和服で縁の部分をツマと呼び、黒いツマですのでツマグロとなったようです。

    ちなみにモンガラは、模様の柄『紋柄(もんがら)』をイメージする方もいると思いますが、正解は『紋殻(もんから)』です。

    『ゴマモンガラ』は、サンゴ礁に生息し、海底やサンゴの間の小動物を食べています。ときには、サンゴをかみ砕きその隙間の小動物を食べることもありますが、『ガリガリ』とかみ砕く音でベラなどが集まってきます。
    海底の餌は、カワハギ科のお魚同様水を強く吹きかけ砂や小石をどかして見つけ食べています。

    人相のわりには、臆病で警戒心の強い『ゴマモンガラ』は、ダイバーが近づくと離れてしまいますが、夏の産卵期になると、ひょう変し凶暴とも言えるようになります。

    比較的深めのサンゴ礁や岩の上に産卵床を作り、卵を産みつけ雌が卵を守っていますが、そのような時期に近づくと、小さな口の歯をむき出しにしたような感じで追いかけてきます。

    サンゴをもかみ砕く強い歯とあごですから、咬まれたら大変です!しつこく追いかけてくることもあります。

    松とうちゃんがパラオの海水深20mくらいで潜っているとき『ゴマモンガラ』の存在を知らず、不用意に近づいたとき彼女が私めがけて突進してきました。あわてて逃げましたが、かなりしつこく追いかけてくるので仕方なく浅場まで移動したことがあります。
    すごい形相で追いかけてくるんですよ!咬まれたら肉までそぎおとされそうです。
    恐かったな~!(*^_^*)

    『ゴマモンガラ』を見かけたとき、なにくわぬ顔でスーと離れていくときは大丈夫です。海底近くで縄張りを守っている感じでちょっとでもダイバーに向かってくるように思えたら浅場に戻ることです。卵を守っているほとんどの『ゴマモンガラ』は、海底を離れることはありません!でもしつこく近づくとわかりませんからご注意を!

    ふだん警戒心が強く臆病な『ゴマモンガラ』の母も子孫繁栄のためには、ひょう変し強くなるのですね!

    人間のおしとやかで遠慮深い女性も子供が産まれると『母つよし!』となりますから一緒ですかね~!

    -お生物講座061-

    投稿者 formosa : 15:23 | コメント (0)

    2006年3月22日


    イソギンチャクとの共生で、有名なのは『クマノミとイソギンチャク』と『ヤドカリとイソギンチャク』ですが、今回は、『ヤドカリとイソギンチャク』を取り上げて見ましょう!

    『イソギンチャク』は、イシサンゴ目のように足盤と呼ばれるものを海中の岩など基質にしっかりと付着しているものが多いですが、スナイソギンチャクのように砂泥中に棲管を埋め、その中に入っているものもあります。

    砂泥中の棲管も、岩など基質に付着したものも基本的に移動は可能ですが、お魚のように自由に動き回ることは困難ですね!

    『ヤドカリとイソギンチャク』の共生はどんな暮らしでしょうか?

    巻き貝の殻など『ヤドカリ』が背負う(入る)貝殻の上に『イソギンチャク』が付着しているものを『ヤドカリとイソギンチャク』の共生と言っています。

    貝殻より大きな『イソギンチャク』が着いたものを、『ヤドカリ』は背負って移動するのです。海中で観察するとなんとなく重労働を強いられているような気がして可哀想になります。

    『ベニヒモイソギンチャク』は『サメハダヤドカリ』などと共生しますが、『ヤドカリ』は『イソギンチャク』を1個から複数個着け、貝殻を替えるときは『イソギンチャク』も一緒に移し替えます。

    『ヤドカリ』と『イソギンチャク』は住み慣れた貝殻から別の貝殻に一緒に引っ越しをするのです。仲が良いんですね!(*^_^*)

    また、時には、別の『ヤドカリ』が背負っている『イソギンチャク』が気に入ると、その『イソギンチャク』を奪い取って自分の貝殻に着ける場合もあります。つまりより強い『ヤドカリ』はたくさんの『イソギンチャク』を貝殻に着けることになります。

    人間社会で言うと『あいつの同棲している彼女、可愛いから奪っちゃえ!』というようなもんで、許されませんよね。厳しいですね、ヤドカリの世界は…
    『ヤドカリイソギンチャク』は『ケスジヤドカリ』と共生しほとんどの場合貝殻には1個の『イソギンチャク』しか着けません。こちらは、1対1のきれいなお付き合いのようです。

    さて、『ヤドカリ』がどのようにして『イソギンチャク』を貝殻に着けたり、他の貝殻に移したりするのでしょう?

    そのテクニックは見事です!

    『ヤドカリ』の歩脚(足)で『イソギンチャク』の体を力強くマッサージすると、イソギンチャクの足盤筋や他の筋肉がゆるみ、触手が開かれます。その時、『ヤドカリ』は鋏脚(はさみ)を使って付着基質(岩や貝殻)から『イソギンチャク』を引っ張ってはがします。
    そして自分の貝殻に押しつけると、この時の『イソギンチャク』の足盤や触手は粘着性が高まっており、簡単に貝殻に着いてしまいます。その後は、『イソギンチャク』自身がしっかりと貝殻に着いていられるように、自らの運動で調整します。

    どうですか?本当に見事でしょう!

    ところで『ヤドカリとイソギンチャク』は共生によってどんなメリットがあるのでしょうか?

    まず『イソギンチャク』の立場ですが、岩などの付着基質に着く種は、岩場のない砂泥底では貝殻が貴重な付着基質になりますし、『ヤドカリ』と一緒に移動することで天敵のヒトデの捕食から免れられますね。

    一方『ヤドカリ』は、貝類を好む『タコ』などの捕食者たちに『イソギンチャク』を着けることにより身を隠したりして、それらから身を守ることが出来ます。

    お互いにメリットがあるのですから両者の関係は『相利共生』ですね!

    不足しているところを補いながらお互い助け合って生きる『ヤドカリとイソギンチャク』のような相利共生、人間社会でも是非見習いたいものです!

    -お生物講座060-

    投稿者 formosa : 15:18 | コメント (0)

    2006年3月21日


    今回は、毒をもつ生物シリーズ最終回です!
    海の星『海星』と書いてヒトデを意味しますが、ヒトデの中で強い毒を持つ『オニヒトデ』を含めお話します。

    『ヒトデ』はなぜヒトデ?かご存知ですか?いたって単純明快、人の手のような形であるところからそう呼ばれています!

    ヒトデ類に属する棘皮動物の総称を『ヒトデ』と言いますが、人間の手のように(指ではありませんが)腕が5本のものを中心に、6本から十数本に至るものまであります。

    ほとんどが、中央盤と腕とからなり、上面は石灰質で覆われ、つぶ状突起あるいは棘が密生しているのです。口は下側中央にあり、肛門もふつう背面にあります。

    腕にある多くの管足によって動き回り、貝類など食べるのが特徴です。雌雄異体で、個々の再生力はきわめて強く、切れた腕から他の腕が生えていく様子はまるでエイリアンを見ている感じです!また丸い形の『マンジュウヒトデ』は、手で触るとどんどん形が変わっていきますから驚きです!

    『アカヒトデ目』の『オニヒトデ科』に属する『オニヒトデ』は大型で有毒、ミドリイシ類(珊瑚)を食い荒らすことで有名ですね!大きく丸い中央盤に、十数本の杉の葉状の(イバラのような)腕が比較的短く伸びており、全身にサポニンという毒を持つ棘(とげ)で覆われています。

    『オニヒトデ』に触れ、毒棘に刺されると激痛がはしり、刺傷部分が腫れあがります。とっても痛いのです!

    棘が残っていることが多く、激痛が続くようでしたらレントゲン撮影をして、切開し取り除く必要があります。また、破傷風予防のトキソイド注射も必要になるかもしれません。

    万が一、私たちダイバーが『オニヒトデ』にやられたら、まずは40~50度のお湯につけ応急手当をし、毒を変成させ痛みを和らげさせます。

    『ヒトデ』はサザエ・アワビ・トリ貝・ホッキ貝・ホタテ貝など貝類が好物で(贅沢ですね!)、水産資源の維持のため放流した稚貝を食べられる被害が各地で起こっているようです。

    これらの被害から水産資源を守るため、『ヒトデ』の天敵『ニチリンヒトデ』や『エゾニチリンヒトデ』を放流して退治させる方法が試されています。

    『ニチリンヒトデ』は貝類の好きな他のヒトデが好物なのです!奇妙な話しですね!ヒトデが他のヒトデを好物にするというのは…まるで『人喰い人種みたい?』

    『ヒトデ』は珊瑚を食い荒らしたり、水産資源を減らしたり、時には人間を刺して傷をつけたりで、人間界の恨みをかう海洋生物のように思うかもしれませんが、これらの現象は、人工的な自然環境の変化による異常繁殖によるものかも知れません!

    また、我々ダイバーが受ける被害も、彼らを触るなどの攻撃をしかけなげればおこり得ませんし、彼らがおそってくることはありません!

    『ヒトデ』にすれば、子孫繁栄(種の保存)という言うごく当たり前の自然の摂理かも知れませんね!

    毒をもつ生物シリーズ、9回まで続けましたがいかがでしたでしょうか?楽しんでいただけましたでしょうか?

    次のテーマは何にしようかな!

    -お生物講座059-

    投稿者 formosa : 17:12 | コメント (0)

    2006年3月20日


    毒をもつ生物シリーズも回を重ね、そろそろ次のテーマと考えながら、『イソギンチャク』をシリーズ第8回目のテーマとしました。

    『イソギンチャク』は、六放サンゴ類に属するミドリイソギンチャク、タテジマイソギンチャク、ウメボシイソギンチャクなどの総称で、体は柔らかい円筒状が多く、浅海の岩石や砂底などについて生息しています。

    『ウメボシイソギンチャク』は、梅干しのようなまん丸い体から紅い菊の花のように咲いた触手がとてもきれい(可愛い)なので、鑑賞用に水槽で飼われていることが多いと思います。

    ほとんどの『イソギンチャク』は中央に口があり、周囲にふさ状をした多くの触手があります。獲物が触手にふれると体の中に包み込み、きんちゃくの口を締めたようになります。

    このことから『イソギンチャク』は、『磯巾着』と漢字で書きます。(いしぼたんともいいます)誰が命名したのでしょうね!

    『イソギンチャク』の体壁には刺胞群があり、自分を守ったり獲物を捕獲するのに毒針を発射するのです。

    『イソギンチャク』の敵はミノウミウシ類やヒトデ類で、『イソギンチャク』を餌として捕食するのでたまりません!その他九州の方では、食用にする地方もあると言いますから、人間も『イソギンチャク』にとって敵ですね!

    色彩変異が激しく砂底に生えるようにしている奇麗な『スナイソギンチャク』は、好んで水中カメラマンの被写体になりますが、触手には強力な刺胞がたくさんあり、刺されると激しく痛みます。

    特にグローブをはめた手で不用意に触ると刺胞がグローブに張り付き、陸に上がってから知らずにグローグで顔をこすったりすると、大変なことになります。ナイロンジャージ生地のウエットスーツなどでも同様ですので注意が必要です。

    本来捕食の手段や自衛のための毒針(刺胞)装備ですが、天敵と言われるミノウミウシ類やヒトデ類には、なぜ効かないのでしょうか?

    ミノウミウシ類は摂食した『イソギンチャク』の刺胞を未発射の状態で自分の刺胞のうに貯蔵し他の外敵に対する武器として貯め込みます。これを『盗刺胞』と言うそうですが、なぜ未発射の状態で『イソギンチャク』の刺胞を貯蔵できるかは、よく分かっていません!

    敵から盗んだ武器で、他の外敵と戦うのですからゲリラのようなミノウミウシ類は手ごわいですね!

    しかし『イソギンチャク』もただやられているばかりではありません!

    ウミウシに攻撃されると触手を引っ込めて身をかため(体をおおい)防御します。さらに『ウメボシイソギンチャク』の仲間ではある部分がやられて損傷を受けるとアンソプリウリン(アンモニウム化合物)という警報フェロモンを海水中に流し、周囲の個体に知らせます。

    また、『フウセンイソギンチャク類』は、ヒトデが接触すると、アルカロイド化学物質が関与(反応)し、なんとジャンプして逃げるそうです!

    一見植物のように見える『イソギンチャク』は、間違いなく動く生物なのですね!

    そう思うと、『イソギンチャク』を見る度、ツンツン棒で突っついて触手を引っ込めているひどい人はいませんか?ん、私?

    『イソギンチャク類』は基本的には雌雄異体ですが、同体の種もあり、単為生殖するものがあります。生殖巣から胃空内に排卵や放精が行われ、中央の口から卵の形で放出されるものが多いですが、『ウメボシイソギンチャク』の場合は胃空内で小さなイソギンチャクの形になるまで育ってから親の口から出ていきます。小梅ちゃんが、出てくるのです!

    海中では、あちらこちらにいる『イソギンチャク』も、じっくり観察したり、その生態を知ると大変興味深いですね!

    -お生物講座058-

    投稿者 formosa : 16:08 | コメント (0)

    2006年3月19日


    ダイバーが危険なお魚として先に覚えるのが『ミノカサゴ』ではないでしょうか?松とうちゃんもダイビング講習の時には、必ず危険な生物の一つとして『ミノカサゴ』を紹介しています。

    この『ミノカサゴ』がシリーズ第7回目のテーマです。

    『ミノカサゴ』があたかも、我々ダイバーにとって脅威な存在と思われるかも知れませんが、彼らの住みかに侵入する人間が本当の意味で彼らの脅威ではないでしょうか?

    『ミノカサゴ』の仲間には、『カサゴ目』、『フサカサゴ科』に属し、ハナミノカサゴ、キリンミノ、ネッタイミノカサゴなどがいます。

    いずれも背ビレには棘条(きょくじょう)が多く、ひらひらした皮弁やひれを広げると、なんとも優雅で美しいお魚です。鑑賞用としての価値も高いと思います。

    この奇麗で大きく広がるひれは、海藻などへのカモフラージュと敵を驚かせるフラッシングの効果があるようです。

    特に『ミノカサゴ』の仲間は、警告色といわれる目立つ派手な体色で、『食べても美味しくないよ!それに毒もあるよ!』と捕食者に知らせているようです。

    本当に美味しくないかは疑問があります。松とうちゃんの知り合いに、『刺されて頭にきたので捕獲して食べた!』というやつがいますが、白身でたんぱく、美味しかったそうです!(負け惜しみかも?)

    『ミノカサゴ』の背ビレの棘(とげ)には強い毒があり、敵が接近すると尾ビレの方を持ち上げるようにして威嚇します。(人間は怒ると顔が紅くなりますが、ミノカサゴは白くなります。)背ビレの棘が何か(敵)に刺さると、背ビレの皮ふにある毒腺が物理的に破壊されて毒が傷口から流れ込むという仕組みです。

    刺す毒魚に刺された場合の応急手当ですが、海から上がって傷口をきれいに洗い40~50度のお湯につけて下さい。お湯が熱くてやけどする場合がありますので、刺されていない感覚ある手でお湯の熱さを確かめると良いと思います。痛みが和らぎ血管収縮を防ぎ効果がありますので、お湯を交換しながら1時間くらいは続けた方が良いです。(松とうちゃんの経験にもとづく応急手当です。)

    『ミノカサゴ』は卵生によって繁殖しますが、オス・メスの求愛行動では、メスをめぐってのオス同士の激しい戦いがあります。

    オス(メスより大きい)を注意深く観察すると、背ビレの棘が途中で折れていたり、1~2本なくなっているものがいます。これは、オス同士の戦いによる戦闘キズによるものです。お互いに尾ビレを持ち上げ背ビレを向けて戦います。

    ここで不思議なのが、『ミノカサゴ』は同種の毒に対して耐性がないのかということです。

    どうも生物学者の研究結果によると、『ミノカサゴ』は同種の毒に対して耐性がないそうです。つまり戦う同種のオスにやられると一時的に弱ってしまうようです!

    『ミノカサゴ』の世界も他の動物世界と同様、メスをめぐっての戦いには厳しいものがありますね!

    最近の人間社会では女性をめぐっての男性同士の激しい戦いは、女性同士の戦いに比べると少ないのではと考えるのは、松とうちゃんだけでしょうか?

    -お生物講座057-

    投稿者 formosa : 16:02 | コメント (0)

    2006年3月18日


    毒をもつ生物の中でも、知らないで触ると大変危険なイモ貝『アンボイナ』がシリーズ第6回目のテーマです。

    イモ貝は『イモガイ科』に属する巻き貝の総称、全体に逆円錐形(片方が細い樽形)で里芋に似ていることからその名で呼ばれています。

    『アンボイナ』は殻の表に褐色の地図のような模様があり奇麗なので、装飾や観賞用に手にしようとする人がいますが、貝から発射される毒矢は、非常に強い毒で沖縄では『はぶ貝』と呼び恐れられています。

    また、沖縄北部の本部町では『ハマナカー』と呼びますが、『アンボイナ』に刺されると岸にたどり着くまでに浜の中程で倒れることに、由来しているようです。

    『アンボイナ』の多くは、南西諸島以南の熱帯サンゴ礁や岩礁に生息しています。

    奄美・沖縄地方でこれまでに分かっているだけで13人刺され、そのうち7人が死亡しており、アメリカ合衆国の生物学者の集計でも79人の事故のうち22人が死亡しているというから驚きです!

    恐いですね!知らないで貝殻コレクターが触っているのですね!

    『アンボイナ』は生きるための戦略として、毒矢を使ってお魚を捕まえますが、不用意に近づいた人間がやられることがあるのです。
    毒矢の発射されるしくみは見事と言か、すごいです!
    毒矢は歯舌歯という歯のようなものですが、体の中で作られたばかりの歯は中が空洞になっています。

    敵や餌が近づくと貝の先端から管状の吻鞘(ふんしょう)をラッパのように広げ、口の中でバラバラになっている歯が、口先に運ばれます。口先に運ばれる間に毒腺から歯の空洞に毒が注入され毒矢になって、発射されるのです。

    しかも毒矢を顕微鏡で拡大してみると、矢先が銛(もり)先のようにかぎ針状になっているのです。生物が作り上げるものとは思えない程精巧な形です。

    『アンボイナ』に刺されたあとの症状はほとんど痛みもないのですが、数分後には神経毒によって呼吸筋の麻痺が起こり呼吸停止に陥ります。

    刺されたな?と思ったらその部分を素早く切開し毒を吸いだしタオルなどで圧迫し安静にします。もし、呼吸停止や心停止に陥った場合は心肺蘇生法(CPR )を行いながら、医療施設への搬送を考えます。とにかく回復するまで呼吸管理が大切です。

    海には、攻撃的な生物はほとんどいないと言われています。ましてや『アンボイナ』のような動きの少ない貝類は人間が手を出さなければおそってはきません。

    浜辺や海中で、貝とみるとすぐ拾ってしまうアナタ!お気をつけあそばせ!!

    -お生物講座056-

    投稿者 formosa : 16:53 | コメント (0)

    2006年3月17日


    毒のあるお魚の代表選手はなんと言っても高級魚として有名な『フグ(河豚.鰒)』ですね!
    シリーズ第5回目は、『フグ』です。

    フグの仲間は、『フグ目』の『モンガラカワハギ亜目』と『フグ亜目』に属し、更に『フグ亜目』はウチワフグ科、フグ科、ハリセンボン科、マンボウ科に分かれます。

    フグ毒の正体は、『テトロドトキシン』という物質ですが、このフグ毒を持つものは、『フグ目』の中ではフグ科のお魚だけです。

    『フグ科』にはトラフグ(属)、クサフグ、カラス、マフグサザナミフグ、キタマクラなどがあり、魚肉や精巣には毒がなく肝臓など内臓や卵巣に強い毒があるものが多いと言われています。

    ダイバーが海中でよく見る『カワハギ』や『ハリセンボン』にはフグ毒はなく、『キタマクラ』には毒があるのですね!

    フグは一般に、体は長卵形でよく太り、鱗(うろこ)はなく柔らかく、口は小さく突き出ており、強い歯を持ちます。肉食性です。外敵に襲われると食道の一部にある袋をふくらませます。温・熱帯の海に分布し、沿岸性で内湾に多く、河口までのぼるものもあるようです。

    フグ毒の『テトロドトキシン』を持つお魚や生物はフグ以外にも幾つかおりますが、この『毒をもつ生物シリーズ』で取り上げた『ヒョウモンダコ』もその一つです。

    フグは生まれながらにしてフグ毒の『テトロドトキシン』を持っているのでしょうか?

    実は、人工的に生けすで養殖したフグには毒がないのです。人間が与えた餌だけで育てると、フグは毒を持たないことが判明しています。

    海底には、『テトロドトキシン』をつくりだす海洋細菌があります。それら有機物を含む泥を『デトリタス』と言いますが、海中の『デトリタス』を食べる小動物を最後にフグが食べる。つまり、食物連鎖を通じてフグがフグ毒を体内に蓄積しているのです。

    なぜ、フグだけが『テトロドトキシン』を体内に蓄積できるのかは、未だ謎につつまれています。本当に不思議です!

    更に不思議なのは、食物連鎖によりフグ毒がより大きなお魚に移っていくのであれば、どうして大型魚にはフグ毒がないのか?

    大型魚はフグを食べてみればフグ毒にやられるので学習できますが、フグにしてみれば食べられてから分かってもらってもたまりません!

    フグは、敵におそわれるなどストレスがかかると、体表からフグ毒を放出します。大型魚はこのフグ毒を感知してフグを避けると言われています。賢い大型魚はフグを食べないのです。

    フグ毒は熱を加えても分解しませんし、解毒剤もありませんので素人のフグ調理は、大変危険です!『あたると死ぬ!』と言う意味から、フグのことを『てっぽう(鉄砲)』と言いますね!

    家を出ると帰ってこない亭主を『てっぽう玉』と言いますが、これは関係ないですね!(*^_^*)

    『食(く)う無分別(むふんべつ)河豚食(く)わぬ無分別 』ということわざがありますが、河豚(フグ)に毒があるのにむやみに食うのは無分別であるが、やたらにその毒を恐れてその美味を味わわないのも無分別である!という意味らしいです。それほどフグは恐いけど美味しいということでしょう!

    秋から春にかけては、フグ料理の美味しい季節です!
    でも、庶民的な松とうちゃんのお財布では、手が届きません!どなたか食べさせて下さい~!(*^_^*)

    -お生物講座055-

    投稿者 formosa : 17:04 | コメント (0)

    2006年3月16日


    夏の海水浴シーズンはまだまだですので、ちょっとずれたテーマかも知れませんが、シリーズ第4回目は、『クラゲ』です。

    『クラゲ』は、以前、も取り上げましたので、今回、毒についてお話しましょう!

    『クラゲ』のほとんどは、体の下側中央から柄に相当する長い口柄がたれており、その先端に口があります。その口で主にプランクトンを食べるのですが、中には甲殻類の幼生や幼魚なども捕えて食べます。

    体(傘)の周縁部から触手が並び、触手には多くの刺胞があり、中から毒針が発射され、餌を捕まえるのですね!

    クラゲ毒は、いろいろですがほとんどは、蛋白毒またはペプチド毒で、中枢神経系に作用し重傷の場合、呼吸障害やショックを起こして死亡することもあります。

    『クラゲ』にやられたあと、激しい痛みと共に赤く腫れあがりかゆくなりますよね!松とうちゃんは、クラゲに弱いのです!アレルギー体質ではありませんが、どうも何度となくやられアナフィラキシー反応を起こしているのではないかと思っています。

    『クラゲ』には、刺すものと、刺さないものがありますが、刺さないもの(毒はあります。)で代表的なのは普通にみられる『ミズクラゲ』(松とうちゃんはこれにも弱い。)、ガラス鉢のような『ギヤマンクラゲ』、傘の下に8本の太めの口腕が見える『タコクラゲ』などです!ちなみに『ギヤマンクラゲ』の学名は『Tima formosa』で、当店の会社名『フォルモサ』と同じです。

    刺さないといっても弱い毒があり、体質によってはピリピリ痛むこともありますので、触らない方が無難ですね!松とうちゃんは絶対触りません!

    刺す『クラゲ』の代表は、『カツオノエボシ』と、『アンドンクラゲ』ですね!

    『カツオノエボシ』は、悪名高い猛毒クラゲで大人が死ぬこともあるそうです。『blue bottle 』という英名通り体色はキレイな青色です。

    『カツオノエボシ』の毒の主なものはペプチド毒で、やられると、激痛と触手の絡んだあとにミミズ腫れの紅斑や水疱ができます。頭痛・吐き気・呼吸困難・脈拍の変化なども起こる場合があります。日本近海では5月ごろが最も多いので気をつけましょう!

    『アンドンクラゲ』は無色で有毒刺細胞をもつ4本の触手が立方体の傘の四すみから1本ずつのびています。刺されると感電したような強いショックを全身に受け、赤くミミズ腫れになります。夜や天気の悪い日は海底にいますが、天気の良い日などは浅瀬を泳いでいますのでご用心です。

    これら『クラゲ』毒にやられたら、砂や水でこすらないで下さい。刺胞が皮膚に食い込み、更に毒針が発射されます。

    なるべく早めに海から上がり、刺された部分に食用酢をかけると効果的です。かけた時、ピリっと痛みますが、効いている証拠です。そのあと、冷やすと治りが早いです。

    中には、酢が悪影響を及ぼす毒の種類があると学会などで発表されていますが、一般的な『クラゲ』の毒については、ほとんど食用酢が有効と思います。

    酢をかけたあとは抗ヒスタミン剤または副腎皮質ホルモン軟膏を塗ると完璧です!クラゲに刺された部分は、ヒスタミン様物質が形成されるのでそれを分解するために抗ヒスタミン剤か副腎皮質ホルモン等の軟膏を塗るといいのです。(アレルギー体質の方はご注意下さい!)

    ところで、9月初め伊豆の大川温泉の海で傘の直径が30~40cmもある『オワンクラゲ』を見ました。細い口柄が扇のように拡がっていましたが、その大きさは1.5mくらいでした。成魚と思われる、5cmくらいの可愛いお魚1匹と1cmくらいの幼魚数十匹が、傘の内側、たくさんの口柄の間に共生していました。

    その光景はとっても美しく、つい一緒にいるお客様を忘れて見入ってしまいました!『クラゲ』のゆっくりと泳ぐ姿と、不思議な魅力が、鑑賞用として水槽で飼っている人たちのブームになったのでしょうね!

    松とうちゃんは、『クラゲ』に刺されるのはイヤですが、見るのと食べるのは好きです!
    -お生物講座054-

    投稿者 formosa : 17:59 | コメント (0)

    2006年3月15日


    シリーズ第3回目は、『ゴンズイ』です。『ゴンズイ』、知っていますよね?

    『ゴンズイ』は、群れをなして『ゴンズイ玉』をつくることで有名と言うより日本人にもなじみのあるお魚と思います。

    『ナマズ目』『ゴンズイ科』の『ゴンズイ』はインド・西太平洋域に分布し、日本南部沿岸のタイドプールなどでも見られるポピュラーなお魚です。

    ナマズに似たお魚だけあって、オーストラリアなどには、淡水に住む純淡水性のゴンズイ種もいます。

    『ゴンズイ』は全長約30センチメートルに達するものもありますが、だいたいは成魚で20センチメートルくらいです。体はナマズ型で、黄色い口ひげが八本あります。体色は黒褐色で体側に2本の黄色縦帯が走ってます。

    第二背びれ・しりびれ・尾びれとつながったウナギのような長いひれを持ちます。本当に見る印象はタイガースのウナギといった感じです。

    第一背びれと胸びれには毒腺につながる鋭いとげがあり、これに刺されると激しく痛みます!かなり痛いです!

    『ゴンズイ』はこの鋭いとげをこすって摩擦音を出すことができますので、ダイバーの皆さんは安全な範囲でそっと近づきこの音を聞いて見て下さい。ある地方では『ゴンズイ』のことを『うみぎぎ』と呼ぶところがあるそうですので、ひょっとしたら『ぎぎ』と摩擦音が聞こえるかも知れません!

    6~8月に繁殖し、幼魚のときから、『ゴンズイ玉』の群れを成し、群れをつくることで敵から身を守ります。

    ダイビングでは手で合図するハンドシグナルというものを使いますが、握りこぶしをつくった『グー』の形は『危険!』を意味します。松とうちゃんが『ゴンズイ玉』を見つけて、お連れしたダイバーに『危険だよ!』と知らせるために、『ゴンズイ玉』に握りこぶしを向けて、合図すると、決まって勘違いし、『ゴンズイ玉』に手を突っ込もうとする人がいますので困ってしまいます。

    そういう時はダイビングを終えて陸に上がってから、『さっきは危なかったね!あれは危険な生物ゴンズイだよ!』と教えてあげています。

    『ゴンズイ玉』もいろいろな形があり、上下に高くつくるもの、4~5段で水平に拡がるものなど様々です。まるで、運動会で次々に変化する組体操を見ているようで楽しいです。一つの『ゴンズイ玉』の形が変化する様子は、一つの生き物のように見える群れの理想な形でしょうか!

    『ゴンズイ』は、毒を持ち、群れを作るばかりではありません!

    かゆいところに手が届かないお魚は、クリナーによって、体についた寄生虫を食べてもらうのですが、『ゴンズイ』もクリーナーとして、クリーニングをします。

    『小さなゴンズイ』の群れが、ウツボやハコフグ、ミギマキなどのお魚にクリーニングしていることがあります。もちろん、きれいにしてもらうお魚たちは、『ゴンズイ』の毒にやられることもないですし、『ゴンズイ』も餌の寄生虫を食べれて大喜びの作業です。

    海中の生物たちも、お互いが助け合い、また、一致団結して群れをつくり自分たちを守る共同作業をしています。

    『ゴンズイ』は私たちに『協力と団結』の大切さを教えてくれている気がします。
    -お生物講座053-

    投稿者 formosa : 17:54 | コメント (0)

    2006年3月14日


    シリーズ第2回目は、『ヒョウモンダコ』です。

    タコは、外敵に出会ったり、刺激されると黒い墨(メラニン色素)を吐き出し、煙幕をはって逃げようとしますが、『ヒョウモンダコ』は、墨の袋が退化して墨を吐き出すことがありません。吐き出すことがないと言うより、墨そのものがないのです。

    それはきっと墨を使わなくてもよい強力な武器を持っているからです。口の唾液腺から毒が分泌され、咬まれるとお魚だけでなく、人も死亡させることができるのです!

    『ヒョウモンダコ』は全長10~20cmの小さなものですが、オーストラリア北部沿岸の浅瀬などに生息し、夏によく見られる美しいマダコ科のタコです。

    日本でも沖縄、鹿児島、伊豆、千葉、八丈島など各地で見ることが出来ます。特に小さくて奇麗なタコですのでペットとして飼われていることも多いようです。先日も伊豆海洋公園というところで見ましたが、とっても奇麗でした!

    ふだんは褐色ないし黄褐色の帯状の模様があり、その上にリングの小さな青い斑紋が散在しています。刺激すると、あっと言う間に体が黒ずみ、青い斑点がクジャクのように鮮やかな青色に変化することから、英名では『blue ringed octpus』と呼ばれています。

    特にオーストラリアのサンゴ礁では『猛毒ブルーリングオクトパス』として恐れられています。

    この『ヒョウモンダコ』は美しいうえに墨を吐かないのでダイバーや海水浴客に簡単に捕獲されますが、手に取ったりして咬まれて中毒死した例がオーストラリアなどで報告されています。日本では、まだ死亡例がないようですが、海岸で見つけたらその美しさを観察するだけにとどめておいた方がいいと思います。

    『ヒョウモンダコ』の毒はフグ毒のテトロドトキシンと同じ神経毒で、ハパロドトキシンと名付けられています。唾液腺から出る、毒を含む唾液5gが致死量というから恐ろしいですね!もちろん、食べるのは禁物です。

    『美しいバラには棘がある!』とはよく言ったものです。世の中には、美しいものほど内に毒をひそませている場合があるのです。あなたの興味をひく美しい方は、大丈夫ですか?
    -お生物講座052-

    投稿者 formosa : 17:52 | コメント (0)

    2006年3月13日


    今回から毒をもつお魚や他の海洋生物についてシリーズでお届けします。

    毒をもつことでそのほとんどが、食用に適さないわけですが、美味いもの通の松とうちゃんとしては、ちょっと辛いテーマが続きます。

    お魚たちが、体の表面や内部に毒をもって敵から身を守り、必死に生き続けている姿をお伝えしたいと思います。

    シリーズ第1回目は、『ヌノサラシ』です。

    皆さん、『ヌノサラシ』というお魚ご存知ですか?『ヌノサラシ』は、体長30cmくらいの黒の体表に黄色のはっきりとした縦縞(たてじま)模様のお魚で、スズキ・ハタ類の『ヌノサラシ科』に属します。南日本からインド洋まで温帯~熱帯域に分布します。

    沖縄などの海でも浅場の岩礁域でよく見かけると思います。

    『ヌノサラシ』は、グラミスチンという皮ふ毒をもっていますが、グラミスチンは表皮中の特殊な粘液細胞と真皮中の粘液腺の中に含まれております。筋肉中や内臓には含まれていません。

    狭いところに入れたり、触ったりなどのストレスを与えると体表から大量の粘液と共にこの毒素グラミスチンを分泌します。
    毒には強い苦みがあり、魚毒性と溶血性があります。

    海水を入れた水槽で『ヌノサラシ』を飼うと他のお魚を殺してしまうので注意が必要です。毒を分泌し、海水を石鹸水のように泡立てますので英語では、『ヌノサラシ』の仲間を『ソープフィッシュ』と呼んでいるそうです。石鹸魚?面白いですね!

    薬品で白くした布(ヌノ)を『さらし』とか、白くする薬品を『さらし粉』といいますが、白く泡立てるから『ヌノサラシ?』とこじつけるのは、松とうちゃんだけですかね!

    『ヌノサラシ』の仲間に『ルリハタ』、『アゴハタ』、『キハッソク』などがあります。それぞれ持つ毒の科学的性質は異なるようですが、いずれも敵から身を守る上では極めて有効です。

    黒と黄色の縦縞という派手な模様も他のお魚に『毒のある魚』として学習させるための知恵だと思います。

    『ヌノサラシ』同士は共食いすることも知られていますが、『ヌノサラシ』にとっては自らが持つ毒と同じグラミスチンを食べても支障がないのです。他種のお魚は敵とならないが、同種は敵になるということでしょうか?なんとも非情なお話です。

    それでも、ダイバーたちのフィッシュウォッチングの対象になったり、鑑賞海水魚として飼われたりするくらいで人間の食用にされないだけましですかね?いや、鑑賞用として水槽に飼われる方が、残酷な気がします。

    皆さんは、どうお思いになりますか?
    -お生物講座051-

    投稿者 formosa : 17:45 | コメント (0)

    2006年3月12日


    夏が旬の『ホタテ貝』は、東北地方以北、特に青森・北海道に分布しますが、松とうちゃんの生まれ故郷青森でも地元の海産物として親しまれています。

    今回は、前回に引き続き2枚貝類で、北の幸として代表的な『ホタテ貝』をテーマとして取り上げましょう!

    殻の長さは20cmくらいで2枚貝類の中では大きく殻高も20cm、殻幅は5cmくらいです。そうそうです!2枚貝の場合、2枚の殻の付け根とも言うべき蝶番(ちょうつがい)歯の連結部分の靱帯(じんたい)を下にして上下方向を高さ、2枚の殻の厚さを幅と表現します。
    つまり、片方の殻を底にして反対側の殻を直角に大きく開いた状態を(柔軟体操をやっていないと、ちょっと厳しいですね!)想像して、その時の高さを殻高と呼ぶのです。

    『ホタテ貝』の形は、スーパーなどの海鮮コーナーやお魚屋さんに並ぶことが多いのでよくわかると思いますが、Shell を象った以前のシェル石油の看板は、まさに『ホタテ貝』の形です。

    殻の表面には殻頂から放射状に伸びた放射肋が24~26本線(溝)模様で扇のように見え、『海扇』という異名もあります。殻頂には前後に三角形の耳状部があるのが『ホタテ貝』の特徴ですね。

    白色で深く大きい方が右殻で、こちらの殻を下にして海底に横たわります。左殻は、右殻よりやや平らで小さく紫褐色です。養殖ものは、右殻が天然ものほど白くありませんので区別が容易につきます。

    活きた『ホタテ貝』を殻ごと焼く『浜焼き』や『殻付きバター焼き』は、とっても美味しいですが、焼くときに白い方の右殻を下にして焼かないと、貝柱が上に持ち上がったり、美味しいスープがこぼれてしまったりしますので注意が必要です!

    『ホタテ貝』を我が郷土の産物と思っている松とうちゃんなど青森県人にとっては、『ホタテ貝』を焼く作法は常識ですが、居酒屋で注文するだけの機会しかない方は、新鮮な情報ですよね!

    水深10~30mの砂地の海底に住み、波の影響でできる海底のリップルマーク(海岸線に平行にできる砂紋)の山に、右殻を下にして潮の流れる上の方向に口(腹縁)を向けて好物の餌がやってくるのを待ちます。

    『ホタテ貝』は『ウグイスガイ目』の『イタヤガイ科』に属し、『板屋貝』の異名があります。

    2枚の殻を閉める方向に働く閉殻筋(貝柱)は、前側の閉殻筋が退化して、後閉殻筋が極端に発達して、『ホタテ貝』の身のほとんどは、貝柱といった印象です。貝柱のまわりには、消化器などの内臓と、俗にいう『ひも』と呼ばれる膜縁があります。この『ホタテ貝のひも』の干物も味があってとても美味しいです!

    『ホタテ貝』は、天敵のヒトデなどにおそわれると、靱帯と発達した閉殻筋(貝柱)で、2枚の殻を急激に開閉し、水を噴射することによって遊泳移動して逃げます。遊泳は無方向ですが時には2ヶ月くらいで30kmも移動すると言われています。貝の泳ぐ姿、想像できますか~?

    右殻を船のボディに、大きく開いた左殻を帆として海面を走ると言う俗説から『帆立貝』の名前がついた由来がありますが、実際は、両殻を強く開閉して、その反動で移動しています。

    水温8~9度の4~5月に産卵時期を迎え、12~14cmの市場に出回るまでには3~4年はかかるという『ホタテ貝』も天然ものは少なくなり、ほとんど養殖もので私たちの食卓を補っていると言われていますが、海中で泳ぐ『ホタテ貝』を是非、見てみたいものですね!
    -お生物講座050-

    投稿者 formosa : 17:38 | コメント (0)

    2006年3月11日


    生での海産物をあまり好まない西洋人も、『牡蠣(カキ)』には目がないようですね!
    イタリア料理やフランス料理にも、フライなど熱を加えたものばかりではなく、むきたての生ガキにレモンをしぼって食べるものがあります。

    カキを使った『オイスターソース』が有名ですが台湾料理にはカキをたっぷり入れた卵焼き『牡蠣餅』というものがあります。

    松とうちゃんは、あまり品のいい食べ方はできませんが、海で採れたばかりのカキをそのまま何もつけずに食べたり、殻のまま焼いて食べるのが好きです!

    そうです!松とうちゃんは何を隠そう『カキ』にはうるさいのです!うるさいと言うより、大好きなのです!

    遊び盛りのころ、『天然岩牡蠣』で有名な秋田県由利郡象潟町で育ち、小学生のころ、母親に言いつけられ夕飯のおかずに『天然岩牡蠣』を採りに行っていました。

    西洋人も日本人も、海産物の中では、『カキ』を美味と評価する人が多いと思います。中には、『カキ』は苦手!恐い!と言われる方も、いると思いますが、『カキ』は海のミルクとも言うべき『美味しいもの』にランクされるのではないでしょうか!

    日本の養殖ガキは、『マガキ』が主流で、『イボタガキ科』に分類されます。

    普通、2枚貝類では『アカガイ』のように赤い血液のものが少なく、ほとんど無色に近い血液をもっています。『カキ』も血液は、無色に近く、体色は黒ずんだ灰色(黒銀色に近い)と白色です。

    『カキ』も2枚貝で左右の殻が蝶番(ちょうつがい)状の歯でお互い連結し、しっかりと殻をつなぐ靱帯(じんたい)と左右の殻の内側についている閉殻筋(貝柱)と呼ばれるものがあります。

    『カキ』は、呼吸・お食事時、少し開きますが、生きている貝を無理矢理開けようとしても頑固に閉まって開かないはずです。

    2枚の殻を開こうとする動きは、殻をつなぐ靱帯(じんたい)が行います。また閉じる力は閉殻筋(貝柱)の筋力で働きます。この貝柱は筋肉に富、美味しい部分でもありますね!

    『マガキ』は比較的塩分の低い湾内の岩や海中構造物に左殻で付着し、一生そこを離れることは有りません!
    つまり、稚貝のころ付着場所を探しいったん付着したら自分ではその場を移動することはないのです。生涯をそこで暮らすのですから凄いです!

    二十歳前の2年間で7回も引っ越しをした松とうちゃんには、とても真似が出来ないことです。本当に凄い!(*^_^*)

    現在、日本の食卓に出されているのは、『養殖マガキ』がほとんどで、その水揚げの半分が広島県、4分の1が宮城県です。瀬戸内海と三陸で約9割が水揚げされています。

    特に有名なのが、広島産ガキで冬の季節に市場に出回ります。各地で成長率や放卵の時期、風味など味が異なり地方品種があります。広島産ガキと宮城産ガキでは、味も主に食べる時期も異なるのです。

    水温が比較的高い19度~27度の夏が放卵・放精に適した時期で、日本海の『岩ガキ』はこの時期グリコーゲンたっぷり、ミルクたっぷりのまっ白い部分が発達しとても美味です!

    三陸に、『カキ』の大きさを売り物にしているブランドがあります。高値で取引されているのですが、生産者はかなりの工夫と苦労をしているようです。

    養殖いかだの下に吊した『養殖カキ』を、ある大きさの時期が来たらグループ内のカキの数を減らし、そして更に、吊す位置を替える配置替えを行うのです。それによって『養殖カキ』は、餌であるプランクトンを均等にそして豊富に取ることができ大きく成長できるそうです。それらの作業は本当に大変そうですね!

    天然で育つ『岩ガキ』は河口近くの岩にまるで畳み敷きのように狭くひしめき合っていることが多く、小型で平べったいですが泥深いところにできる『カキ』は長大となり俗に『ながかき』と呼ばれています。

    『カキ』は、美味しいばかりではなく栄養価も高く健康維持に役立つ食材です。美味しさや高品質を求めて養殖業者や研究者たちの努力により、その生態が解明されていく中、生涯を一ヶ所で過ごす『カキ』の忍ぶ人生(カキ生)に感銘を覚える松とうちゃんでした!
    -お生物講座049-

    投稿者 formosa : 17:14 | コメント (0)

    2006年3月10日


    食材の王様は、『カニ』ではないかと松とうちゃんは秘かに思っています。『カニが食べた~い!』、『カニ大好き!』と思っている方、多いのではありませんか?

    北海道をはじめ、カニを販売し海産物をあつかうネットショップでも、『カニオークション』は大人気ですね!

    実は、松とうちゃん、カニには目がないのです!(*^_^*) もちろん、カニ本人にはかなり特殊な目がありますが…毛ガニ、ズワイガニ、タラバガニなど、どれも大好きです!

    今回は英名で『a king crab 』と言われる、まさにカニの王様、『タラバガニ』について紹介します。

    いや、待て、カニの王様は、味も大きさも良い『ハナサキガニ』ではないか?と言われる方がいるかも知れません。

    『ハナサキガニ』は、『タラバガニ科』で同科のお仲間なのです。

    駿河湾を産地とする世界一大きいカニ、『タカアシガニ』も見逃せません!確かに『タカアシガニ』は、大きいし味も良いですが、今回は、『タラバガニ』をカニの王様としておきましょう!

    『タラバガニ』は、お魚の『鱈(タラ)』が取れる場所に多く生息することから、鱈の場のカニ、『鱈場ガニ(タラバガニ)』と呼ばれるようになりました。

    『松とうちゃんのお生物講座』をご愛読の皆さん!この命名の由来を覚えておくだけで、居酒屋で『タラバガニ』を食べながら後輩や恋人にタラバガニのうんちくが語れるのです!(ちょっと大げさかな?)

    『タラバガニ』は、北海道以北に生息し、オホーツク海からアラスカ沿岸に多いカニです。水深30~300mに生息します。甲の幅は、約25cmで脚を伸ばすと1.5mくらいにもなるといわれています。甲の部分を頭とすると6頭身ですが、実際は甲の部分が体の本体ですから、それに比べて、ずいぶん脚の長いスタイルの良い動物ですね!松とうちゃんは、脚の長い『タラバガニ』が羨まし~い!!

    甲は丸みを帯びた三角形で背面にはH字形のくぼみがあります。前にウニやヒトデなどの棘皮動物には、『数字の5』に関係する構造があると紹介しましたが、この『タラバガニ』のH字形のくぼみも『宇宙からのメッセイージ』に思えてしまうのは、『アルマゲドン』の影響でしょうか?

    名前も『カニ』、形も一見カニのように見える『タラバガニ』は歩脚と言われる脚(皆さんが好んで食べるところです。)が3対、つまり6本しかないことから、歩脚が4対ある『カニ』とは分類学上異なり、ヤドカリの仲間とされています。

    『ホンヤドカリ上科』の『タラバガニ科』に属します。『タラバガニ』が、留守になった貝殻を失敬してお家にするヤドカリの仲間とは驚きの方もおられると思います。

    インターネットで北海道のカニ屋さんからカニを注文し、4人で『カニ食べるぞ!』パーティをするとしましょう!毛ガニを2匹注文すると、4対の歩脚と1対の鋏脚(はさみ)で1匹当たり10本の脚ですから合計20本の脚が手に入ります。一人5本は食べれます。

    しかし『タラバガニ』を注文するときは、3対の歩脚と、1対の鋏脚(しかも1本はほとんど食べるところがない。)しかありませんので食べられる本数が少なくなること注意しなければなりません。(でも身がたくさんありますから量は多いですね!)

    1対の鋏脚は、必ず右が大きいのです。今度、食べる機会があったら是非確かめて見て下さい。

    『タラバガニ』は4~6月の繁殖期に浅海に移動し、繁殖行動に入ります。オスは鋏(ハサミ)でメスの鋏脚をはさんで保持し、メスはその状態で脱皮したあと産卵します。

    腹肢に産みつけられた卵は約1年間もの間保育されふ化します。浮遊幼生は2ヶ月後には底生生活に入り、ふ化後約6年で甲幅がほぼ10cmくらいに性成熟します。最大で28cmで体重11Kgにもなるようですが、底刺網(そこさしあみ)などで漁獲されるのは甲幅20cm程度のものと思います。ここまで成長するのには長い年月がかかるのですね!

    かつては、『カニ缶』としての主要な水産資源だった『タラバガニ』も、近年はその水揚げも著しく低下したようです。大好きな『タラバガニ』がますます高級な食材になっていきます。

    そんな高級な『タラバガニ』を、その生態を語りながら食べるのもお食事に華が咲いていいのではないでしょうか?
    -お生物講座048-

    投稿者 formosa : 17:08 | コメント (0)

    2006年3月 9日


    夏から秋にかけてハゼ釣りを楽しむ人たちが河口や岸沿いに並ぶ光景がよく見られますが、このハゼ釣りのハゼは、体長20cmくらいの『マハゼ』がほとんどです。

    取れたてのハゼを天ぷらでいただくと、なんとも言えない美味しさを与えてくれるハゼですが、釣り人から見る『ハゼ』と、我々ダイバーから見る『ハゼ』とは、目に映る姿が異なるのではないでしょうか?

    昭和天皇が、ハゼの御研究をされておられたのは有名ですね!
    侍従の生物学研究者から立派なハゼの図鑑をいただいておりますが、松とうちゃんは、あまりの種類の多さに驚くばかりでほとんど区別がつかないのです。その侍従の方のダイビング講習を担当し神奈川県の江の浦と言う小さな漁港そばのビーチにご案内したとき、海から上がるなり、『こんなハゼもいた』、『あんなハゼもいた』と30~40分のダイビングで見たハゼ、数10種類の名前をあげられたときは、ビックリ仰天しました!(*^_^*)

    ハゼは種類も多く奥深いと思います!

    ダイバーの間では、最近その可愛さから人気なのが、海底に沈んだ空き缶の飲み口から頭を覗かせている黄色の『ミジンベニハゼ』です!『ミジンベニハゼ』は、体長3cmの小さなとっても可愛いハゼです。見ているだけで微笑みたくなる可愛さです!
    西伊豆の安良里近くの黄金崎ビーチで見た『ミジンベニハゼ』は、恥ずかしげもなく、全身を缶の外に出し、カメラをむけると『撮って!撮って!』とばかりにポーズをとっていました。それでも可愛かったです。

    そんな小さなハゼよりもっと小さいハゼがいます。

    世界最小と言われるのがインド洋から西太平洋の熱帯海域に分布する『シマイソハゼ(の1種)』です。最大でも体長11.7mmと12mmに満たないのです。松とうちゃんの小指の太さより体長が小さいのですから凄いです!

    水に住む動物で一番大きいのは『ジンベイザメ』、一番小さいのは、『メダカ』と思っている方おりませんか?

    実は、最小のハゼは、ハゼ科魚類内のみならず、全脊椎動物の中でも最小のサイズと言えます。驚きでしょう!

    フィリピンに生息する『コビトゴマハゼ』も非常に小さく、最大でも体長が15mmに達しないといわれています。

    日本においても、南日本の汽水域に生息する『ゴマハゼ属』は小さなハゼの代表で、『ミツボシゴマハゼ』は最大でも14mmくらいと、世界最小にぐ~んと近づきます。

    『ゴマハゼ』は、九州以北のものは南方のものよりやや大型で、琉球列島では、むしろ『ゴマハゼ』のほうが、『ミツボシゴマハゼ』より小さいようです。それぞれのハゼの体長に地理的変異がみられるのでしょうね。

    『ゴマハゼ属』が多く見かけられるのは、四国や九州地方では、桟橋下の杭やテトラポットのかげなどで群れており、マングロープの発達している西表島では、ヒルギ類の根の間に『ミツボシゴマハゼ』などが群がって浮遊生活をしているようです。

    日本に生息する小さなハゼは、『ゴマハゼ属』だけではありません!『マメイソハゼ』や『オビイソハゼ』など『イソハゼ属』の中にも、、18mm以下の小さなものがいくつか知られています。

    宮古島でも水深30mくらいのところにある大きなウミウチワに群れでついているハゼ、『ガラスハゼ』、『タレクチウミタケハゼ』それとも他のハゼかは同定はできませんが、ものすごい数の群れでハゼが動くと、ウミウチワの模様が変化するような感じがしたのを記憶しています。

    世界最小種を含む『シマイソハゼ』の仲間も、日本に分布することが明らかになっています。

    15~20mmと小さなハゼもマイクロレンズなどの水中撮影機材の普及と撮影技術の向上によって、いろいろな種類が図鑑に掲載されるようになりました。

    『ゴマハゼ』や、『ミツボシゴマハゼ』などの群れは、水深50cmくらいのところで見れますので、スノーケリングでも観察できると思います。

    皆さんも、スクーバダイビングやスノーケリングで世界最小のハゼを見つけてみませんか?お魚図鑑に載っていない新顔のものも見つかるかもしれません!
    -お生物講座047-

    投稿者 formosa : 17:02 | コメント (0)

    2006年3月 8日


    キジ科の鳥や、山にすむ鳥を総称してヤマドリと言いますが、海の中にも『ヤマドリ』というお魚がいます。

    ダイバーの間でも人気のお魚ですが、西伊豆黄金崎ビーチでも、あちらこちらで観察ができます。

    尾ビレがやや長く、背ビレや腹ビレをひろげた姿がキジに似ていることからこの名がついたのでしょうか?

    『ヤマドリ』は日本近海から世界の温帯海域に分布しており、『スズキ目』、『ネズッポ亜目』、『ネズッポ科』に属するお魚です。

    主に、砂底や岩の上ではうようにしておりますが、前回の『コチ』とは異なり、体は縦扁しており、うろこがなく粘液でおおわれヌルヌルとしています。

    背ビレの棘(とげ)が長く、これらを立てて背ビレを広げるととてもきれいです。面白いのは、口が小さく前の方に突出させることができることです。つまり、口が前下方に伸びていくのです。

    砂の中の小型の貝類や底生小動物を餌とし、この伸びる口を使って、捕食するのです。

    『ヤマドリ』は、雌雄異体で性転換しませんが、オスとメスでは見た目が著しく違います。

    オスは背ビレ、尻ビレ、尾ビレが大きく、斑紋(はんもん)が美しく派手です。申し訳ありませんがメスよりきれいです。メスは各ヒレがオスほど大きくなく斑紋も派手ではありません。

    なぜ、オスが派手かというと産卵行動に関係してきます。

    オスはメスに近づき各ヒレをめいっぱい広げてアピールします。特に第一背ビレを広げたり閉じたりして、メスに求愛するのです。美しいほど求愛に成功するのでしょうか?

    『ヤマドリ』の産卵行動のパターンは、とても興味深いものです。オスの求愛にメスが応じると、オスとメスは寄り添って海底を速く泳ぎまわり、やがてオスは大きな腹ビレをメスの腹ビレの下にいれ、メスを海底から持ち上げるようにして2mくらい上昇し、お互い腹部を近づけて放卵・放精をします。

    放卵・放精が終わると素早く海底に戻るのが『ヤマドリ』の産卵行動の特徴です。

    『ヤマドリ』に縄張り意識はないようですが、産卵行動の前にメスを奪いあって、オス同士が第一背ビレを大きく広げて威嚇しあうことが知られています。

    『ヤマドリ』のオスがきれいな姿でメスに求愛するのは、人間社会で言えば、格好いい男性ほどナンパに成功するということでしょうね!松とうちゃんは、未だかつて、ナンパ行動をしたことがありません!決してナンパに成功した経験がないのではなく、したことがないことをお間違えなく…

    -お生物講座046-

    投稿者 formosa : 17:58 | コメント (0)

    2006年3月 7日


    夏に、天ぷらなどで食べると美味しいのが、あの白身の『コチ』です。ワンちゃんのような名前の『コチ』ですが、キスの天ぷらより、身が厚く味が濃いような感じで松とうちゃんは大好きです!

    ところでみなさん!『コチ』というお魚、ご存知ですか?メゴチ、イネゴチなどを含めていうこともありますね!

    前回の『ホウボウ』と同様、『カサゴ目』に属する『コチ科』のお魚は、上下に著しく扁平で頭が大きく尾部は細くなっています。頭部に多くの棘(とげ)をもち、体表には鱗(うろこ)があります。

    口は大きく、下あごが上あごより突き出ており、2つの背びれはヨットの帆のように真っ直ぐ上に立てて泳ぐことが多いですね!砂底をはって泳ぎ中層を泳いでいる姿は見たことがありません!『コチ』には浮き袋がないのです!

    高級魚として、釣りをやられる方には、親しみがあると思いますが、スーパーなどでは全身が想像できない切り身の姿が多いので、どんな形をしているか分からない方もおられるのではと思います。

    本州関東からインド洋まで温帯の海にひろく分布しており、沿岸の砂底に住んでエビやカニなどを捕食しています。

    ベラやハタの仲間は、メスからオスに性転換することで有名ですが、『コチ科』のお魚は、性成熟型の性転換、つまりオスからメスに変身するのです。不思議ですね!

    5~7月ごろ、浅海の砂場で産卵、1歳で全長が約12cmくらい、5歳で約45cm、7歳で約54cmに成長されると言われ、35~40cmのときに、一生で一度だけの性転換をおこないます。

    他の性転換するお魚と違って、オスもメスも大きさや体色など外見上違いは見られないのですが、なぜ性転換するのか知られていません!

    どの動物学(お魚)の文献にも見あたらないのです。松とうちゃんは知りた~い!

    一生の半分をオスで、残りの半分をメスで!両方の人生(魚生)を楽しみたいと、欲張った考えからかも知れませんね!

    『コチ科』の不思議な生態は、性転換以外にも眼の虹彩皮膜というものがあります。瞳をおおっている皮膜ですが、細長く枝分かれしているきれいな模様がついているのです。

    『コチ科』の眼になったことがありませんのでわかりませんが、たぶん、色のついた皮膜が瞳をおおっているので、本人は見にくいと思います。なぜ、このような模様を眼に描いているのでしょうか?

    お魚にとって眼は大変気になる器官で、本当の眼以外の場所に目玉模様をもったお魚もいます。これは、いろんな方向で相手を威嚇したり、目玉模様を本物の眼と思わせて混乱させる目的があります。

    砂底をはうように泳ぐ『コチ科』のお魚は、やはり泳ぎが苦手で待ち伏せ型の捕食方法です。目立つ眼をカモフラージュし、安心して餌が近づくことを狙ったもの思います。

    すごいですね!眼に絵を描いてカモフラージュし、『これは、眼じゃないよ!私はここにいないよ!』と言っているのでしょうか?

    人間が、自分の眼の鋭さをサングラスで隠すようなものでしょうか?色のついたサングラスはかえって他人を威嚇したり、眼の表情を見せない怖さがありますよね!

    人間のサングラスと『コチ』の虹彩皮膜、どっちがすごいですかね?

    松とうちゃんは『コチ』の虹彩皮膜に軍配をあげたいです!

    -お生物講座045-

    投稿者 formosa : 17:54 | コメント (0)

    2006年3月 6日



    白身で美味であり、お刺身、お吸物、塩焼きなどで食べる『ホウボウ』を海中で見ると、その泳ぐ姿はとても奇怪です!

    胸びれを大きく、まるで翼を広げたようにして砂地の海底をすれすれに泳ぎます。更に、胸びれの3本の鰭条が変化した昆虫の足のようなもので海底を歩くように移動しますので泳ぐというより歩くですね!

    『ホウボウ』に似たお魚に『セミホウボウ』がありますが、『セミホウボウ』は、胸びれが大きく長く尾びれまで達し、広げた姿はとても美しく、ダイバーたちのフィッシュウォッチングの絶好の対象となっています。

    背びれの前方には、2本の長い遊離棘が真っ直ぐ上に伸びています。
    昆虫の蝉(セミ)を思わせますので、この名がついたようです。

    『セミホウボウ』の成魚は、水深200m以深の砂泥底に住みますが、幼魚はときどき浅海にもあらわれます。

    我々、ダイバーが見るのは、水深15~30mの海底をはう『セミホウボウ』の成魚がほとんどですが、ときには、体長30cmくらいの成魚を見ることもあります。

    こんな深場に生息する『セミホウボウ』が、胸びれをもちいて海上を飛ぶという話もあります。真偽は明らかではありません。地方では、『せみ』、『つばくろ』、『そことびうお』などと呼ぶところがあるようです。

    『ホウボウ』も『セミホウボウ』も、頭が角張った骨板でおおわれていますが、いずれも『カサゴ目』に分類されているものの、それぞれ、『ホウボウ科』と『セミホウボウ科』と独立しており、類縁関係は遠いものとされています。

    ところで、『ホウボウ』は漢字で『竹麦魚』と書きますが、浮き袋の内側の筋肉を収縮・振動されて音を出し、その音が、『ホウボウ』と聞こえるからその名がついた!という説と、頭が角張った方形だから『方頭(ほうとう)』がなまって『ホウボウ』になったという説があります。

    山陰の地方名『コトヒキ』は、『ホウボウ』の発音が、琴の音に似ていることによると言いますが、水中を潜る漁師さんがつけたのでしょうか?

    九州地方では、海底を歩く習性から『ホコノウオ(歩行の魚)』と呼ぶそうです。

    いずれの地方でも、その生態・構造が変わっているので、その特徴をとらえた呼び名がついたものと思います。

    松とうちゃんは、東伊豆『富戸』というダイビングスポットで、必ずと言っていいくらい、砂地の海底で『ホウボウ』を見ていますので、お連れしたお客さんに『方々(ほうぼう)にいるからホウボウ!』と説明すると『おやじギャグ』と言って馬鹿にされています!(*^_^*)

    話は変わりますが、カサゴの仲間『サツマカサゴ』のように胸びれが鮮やかな黄色をして、いざというときに胸びれを広げ、その黄色を見せて敵を驚かせる『フラッシング効果』というのがあります。
    『ホウボウ』や『セミホウボウ』は、ほとんどの時間胸びれを広げており、まるでその美しさを見せびらかすように泳いでいますが、『サツマカサゴ』たちと違う機能や目的があるのでしょうか?

    鮮やかで美しい胸びれを広げて威嚇、美しい姿を見せてうっとりさせ捕食!が目的なのかもしれないと松とうちゃんは思いました。

    皆さんが、お魚の泳ぐ姿をどの様にイメージされているでしょうか?海中世界には、皆さんの想像と違ったお魚の生態がも多いと思います。是非、多くの方に海中世界を覗いてもらいたいな!と松とうちゃんはいつも思っています。


    -お生物講座044-

    投稿者 formosa : 17:35 | コメント (0)

    2006年3月 5日



    『大瀬崎にマンボウがでたゾー!』と聞こえると車を飛ばし大瀬崎に向かう人も多いほど、ダイバーに人気の『マンボウ』をこの『松とうちゃんのお生物講座』で書いていないことに気がつきました。(一つネタをゲットして喜んでいる松とうちゃんです。)

    松とうちゃんは、ご対面のチャンスが少ないと言われているこの『マンボウ』に、伊豆半島の網代沿岸で8~10匹の群れと対面した貴重な体験があります。普段は外洋にいる『マンボウ』が沿岸の水面近くで見られるものや、定置網に入って捕獲され、地元のスーパーに並ぶ『マンボウ』ははぐれマンボウと呼ばれ1~2匹で確認されることが多いのです。

    松とうちゃんが、『マンボウ』に遭遇したときは、たまたまお客様を連れて水中カメラのニコノスⅤ(20mm)を持っておりその群れを写真におさめました。その写真が、ダイビング専門各紙に掲載され、ちょっとした話題になったこともありました!

    泳ぐ姿はゆったりとしてダイバーの目をくぎづけにし、じっくり見ていると、なるほどマンガチックな形で、可愛いキャラクターグッズのモデルにぴったりのお魚です。

    『マンボウ』は『フグ目』、『フグ亜目』のマンボウ科です。フグ科、ハリセンボン科のお仲間です。

    普通のお魚には、左右一対の腹ビレがありますが、『マンボウ』の腹ビレは完全に消失してありません。また形の上での大きな特徴として尾ビレがないことです。体は著しく側扁した卵円形です。

    水族館や写真で見たことがある方も多いと思いますが、じつに奇妙な形をしたお魚ですよね!
    体をバッサリと切断したような形になっており、背ビレと尻ビレが後方に伸びて体の後縁をぐるりと取りまいたようになっています。後方のひだ状の構造は、背ビレと尻ビレが伸びた舵(かじ)ヒレと呼ばれ、舵の役目をしています。

    なぜに、このような奇妙とも言える形になったのか、不思議でたまりませんね!でも、小さな口もととまん丸い目がとっても可愛いです!

    『マンボウ』は世界に3属4種おり、沖合いの表層から中層に生息し、春から夏には日本各地沿岸に出現します。インド洋には、体長3m・体重1トンを超えるものもいるというから驚きです。

    『マンボウ』の一度に産む卵は億単位で、お魚の中では一番の多さと思います。精子と卵子を体外で受精させる『分離浮遊卵』で繁殖します。稚魚は『フグ目』らしく、体表に短い棘(とげ)があり、成魚の『マンボウ』を想像させません。

    体表は、ゴム様で厚いコラーゲンで覆われておりやや固い感じですが、お肉は白身で軟らかいです。主にクラゲや小型魚類を食べているようです。

    伊豆半島では、西伊豆の安良里や東伊豆の網代などのスーパーで、定置網に入った『マンボウ』が、食用で売られていることがあります。主にお刺身でいただくのですが、肝(きも)を細かく切りつぶしたものとお刺身を一緒に食べるとイカとホタテの貝柱を一緒にしたようなお味で美味です。地方によっては酢味噌でいただくところもあるようです。

    あんな愛きょうのある可愛い『マンボウ』を食べるの?とお叱りをいただきそうですが、可愛いくないから食べる!可愛いから食べない!と言う議論にはお付き合い出来ませんのでよろしくね!世の中の全ての生物を食さない方のご意見なら別ですが…

    『マンボウ』は、漢字で、『翻車魚』と書きますが、その語源由来はわかっていません。また英語ではa head fish とかan ocean sunfishと呼びます。なるほど!おかしら魚、太平洋の太陽魚という意味ですかね?『うきき』、『まんぼうざめ』と呼ぶ地方があるようですが、沖合いの表層を横になって泳ぐ姿を見た漁師さんが、そのように呼び始めたのかも知れません。

    このように呼んでいる地方の方、ご連絡いただけますか?

    結局、『マンボウ』はなぜ『バッサリと切断したような形』になっているのか?疑問は解けませんが、神様は不思議なお魚を造ったのものですね!


    -お生物講座043-

    投稿者 formosa : 17:29 | コメント (0)

    2006年3月 4日


    初夏は、群泳する『キビナゴ』を追いかける大物のお魚を見ることがしばしばで、海中は楽しく賑やかです。その『キビナゴ』の群れは、時には体育館に張り巡らした大きなカーテンのようにスケールの大きい壮大な景色になることがあり、その光景を見ているだけでダイビングの醍醐味を感じます。

    『キビナゴ』というと、『キビナゴのから揚げ』などや『釣りえさ』でお馴染みの方も多いと思いますが、意外とその生態は知られていません。

    『キビナゴ』は、『ニシン目』の『ニシン科』に属します。キビナゴとニシン?お仲間とは思えませんね!でも共通してうきぶくろが気道により消化管とつながっており、その幼生は普通『シラス』と呼ばれています。

    スーパーなどに並んでいる『シラス』は、いろいろな種類のお魚の幼生で、『○○の子供』という訳ではないこと、知っていました?

    『ミナミキビナゴ』は、日本では主に琉球列島などで分布の北限として出現しています。『キビナゴ』は、関東以南からインド洋まで広く出現しますが、いずれも沿岸から外洋の表層を群れをつくって遊泳し、動物プランクトンや植物プランクトンを主に食べています。

    『キビナゴ』は可哀想ですがより大型のお魚やイルカなど多くの動物の餌(えさ)として重要な資源です。

    体側に幅広い銀色の1本の縦帯があり、海中で群れが近づいてきた時、はっきりと確認できます。漁獲されスーパーに並んでもその銀色の縦帯は、消えませんのでよく見かけていると思います。体長10cmくらいの小型種で寿命も1年から2年と言われています。

    産卵期は5~8月で、粘性の沈着卵を海藻などに産みつけます。この時期に湾内などに大群をなしていることが多いのです。天気のいい日に海底から眺めると、キラキラと光りながら小走りに群れで泳ぐ姿は、本当にきれいです!
    時には天の川のように『この群れの最後はどこ?』と思うほど、大きな群れになっていることがあります。海中を覗いたことのない方には、あの光景、是非見せてあげたいな~!

    『キビナゴ』は、漢字では『吉備奈仔』とか『黍魚子』と書きますが、岡山県と広島県東部の、昔の『吉備』の国と関係したものか、歌枕の『吉備』からきたものか、その由来を松とうちゃんは知りません。読者の中で、この漢字を当てた由来をご存知の方おられましたら教えてくれませんか?

    松とうちゃんが約20年前、九州五島列島福江島を訪れた時、地元のおばさんが、『キビナゴは取りたての新鮮なうちに刺し身が一番』と、指で器用にさいて出してくれたキビナゴの刺し身の味が忘れません!

    『こんなちっちゃなお魚の刺し身、なんて美味しいんだろう!』と思ったものです。お刺し身の他、一夜干し焼き、生のキビナゴを鉄板でバター焼き、そして天ぷらや揚げ物と料理方法は多彩です。

    釣りのえさにはもったいない美味しさです。美味しいからより大きいお魚の好物になるのでしょうか?生物界の食物連鎖のしくみとはいえ、1~2年の寿命しかない『キビナゴ』に哀れみを感じますが、でも、松とうちゃんは大好きです!

    お魚の群れ同様、リーダーを持たない、新人類といわれる現代の若人たちの『群れ』、何か生きる目的をお持ちのことと思います。『キビナゴ』の群れも、子孫繁栄という目的を持って群泳しているもの、と松とうちゃんは思いますが、皆さんいかが思います?

    -お生物講座042-

    投稿者 formosa : 15:48 | コメント (0)

    2006年3月 3日


    今回は、庶民の味覚として親しまれているお魚『サンマ』をテーマにしようと思います。春にはふつりあいなテーマかもしれませんが…

    『サンマ』の特に変わった生態を紹介できる訳ではありませんが、普段からこの大衆的でその漁獲高は最大級と言われる『サンマ』、なじみは深いですが、ダイバーとしては『いったい何処にいるの?』とか『サンマは何の仲間?』と思われる方もいるのではないかと思い、書いてみました。

    『サンマ』は、全国で親しまれているお魚と思いますが、和歌山では『サイラ』、新潟では『バンジョ』、淡路島では『サエラ』といろいろな呼名で呼ばれています。

    以前に『トビウオ』でもお話しいたしましたが、『サンマ』は、『ダツ目』の『トビウオ亜目』に属し、サヨリ科、トビウオ科、ダツ科、サンマ科、と並びます。確かに、サヨリやダツ、トビウオにイメージ的に似ていますね!
    分類学的に面白いのは、『ダツ目』の中で海から淡水に進出したのが『メダカ』で、外洋に進出したのが『サンマ』や『トビウオ』です。サンマとメダカは縁遠いですが、同じ『ダツ目』です。

    『サンマ』は、世界の温帯から熱帯海域に広く分布していますが、日本では1属1種(世界でも4種しかない)しかありません。

    町のお魚屋さんやスーパーの鮮魚コーナーにならぶことも多いので、体型はよく知っていると思いますが、体は側偏して細長く刀状、両あごはくちばしのようにとんがっているものが多く、下あごがやや長いようです。サヨリもダツも下あごが長いですが、『サンマ』は差ほど目立ちません。背びれ、しりびれは体の後方に対在している特徴もあります。

    この刀状で思い出しましたが、『サンマ』は『秋刀魚』と書きます。秋が旬で刀の形に似ていることからこの『秋刀魚』という漢字をあてたのだと思います。よく芝居や映画などで、木に銀紙を貼った粗末な刀を『さんま』と呼ぶそうです。時代劇で演出家が小道具係に『おい、さんま持ってこい!』と声をかけ、小道具係の小僧が魚屋さんに走ったという笑い話があります。(全然笑えない?失礼しました!)

    海面下を泳ぐお魚の特徴として、やはり体色は暗青色で腹部は白く、下からも上からも見えにくくなっています。下の大きな魚からは細長く逆光で見えにくく、海上の渡り鳥たちからは青く、海の色にとけこんで見えにくいのは彼らの生きる知恵ですね!

    英語では『a Pacific saury 』というほど太平洋に広く分布しますが、秋に産卵のために千島列島付近から南下し、冬に伊豆諸島や紀伊半島などの沿岸の海藻に産卵するそうです。秋の『サンマ』は脂(あぶら)もほどほどで美味ですが、この時期に夜間集魚燈をつけた棒受網(ぼううけあみ)漁で大量に漁獲されます。

    『サンマ』は大群で回遊するようですが、なかなか海中では確認できません。

    釣をやられる方、『サンマ釣』というのはあるのでしょうか?エビ類の動物性プランクトンをよく食べるようですが…沖合いや湾内の海面近くを群れで泳いでいるはずです。

    『サンマ』は、何といっても塩焼きが美味!その他お刺し身やみりん干し、蒲焼きなどの料理法がありますね。秋刀魚の塩焼きはおもてのしちりんで焼くのが一番です!

    ここで『秋刀魚飯』のレシピをお一つ。三枚におろした秋刀魚を蒲焼きにし、白いご飯の上にのせたもの!も『秋刀魚飯』と言いますし、お酒、醤油、お塩などで味を調えたお米と、骨を抜いて3cmくらいに切り薄塩をあてた秋刀魚を炊き合わせたご飯も『秋刀魚飯』と言います。

    この『秋刀魚飯』、一度お試し下さい!松とうちゃんは、夏の脂ののった秋刀魚のお刺し身、大好きですが…

    ネタ切れの末、苦し紛れに書いた『サンマ』いかがでしたか?

    -お生物講座041-

    投稿者 formosa : 16:42 | コメント (0)

    2006年3月 2日


    今回は、寿司ネタでお馴染みの『ウニ』のお話です。前回の『ホヤ』と違って『ウニはどうも…』とか『ウニは苦手!』と言う方は少ないのではと思っています。むしろ『ウニは大好き!』と言う方が多いのでは…

    『ウニ』は、棘皮動物門に属し、『ヒトデ』や『ナマコ』の同門です。世界に約900種とその種類も多く、浅場から海底7000mくらいまで広く分布しています。

    皆さんがお馴染みなのは、食用の『バフンウニ』や『ムラサキウニ』ではないかと思いますが、我々ダイバーがよく目にするのが針(棘)が長く毒をもつ、『ガンガゼ』や、長いラッパ状の管で覆われている『ラッパウニ』、触ると激痛がはしる『イイジマフクロウニ』などがあります。

    『ウニ』に限らずほとんどの棘皮動物は5方向に放射状に伸びた体形です。殻付きの『ウニ』を見る機会がありましたら、今度よく見て下さい。『ウニ』の上部中心には、5つの生殖孔があり、その中心から体表を5つに区分する線が5本放射状に伸びているはずです。

    『ヒトデ』も『クモヒトデ』も5本、『ナマコ』も垂直に立てて輪切りにすると見事5つに区分されていることが分かります。円形で、平らな『タコノマクラ』まで上から見下ろすと、5枚の花びらのようなデザインが見えます。この数字『5』の持つ意味はいろんな説があるようですが、松とうちゃんにはよく分かりません。何か不思議な法則があるような気がします。そう言えばアジアの果物『スターフルーツ』も星形は5つかな?

    『ウニ』は雌雄異体で、体外受精し受精卵や幼生は普通浮遊性、幼生の体は左右対称で棘がありません。

    『ウニ』の下側の中心には口があり、その中心部には5本の歯が配置されており、それで岩の上の付着生物、特に海藻を好んで食べます。

    体表には、ご存知の針(棘)が多数ありますね!その間には、先端に吸盤がついた管足というのがあり、この管足は足として移動に用いられています。不思議なのは、直径約1mm以下の管足は、数mmから数cmくらいまで収縮自在なのです。移動の他、呼吸や触角、嗅覚の機能も果たします。

    代表的な日本産種の『ムラサキウニ』と『キタムラサキウニ』は、紫色のいが栗のような外観でお互いの識別は難しいと言われています。『ムラサキウニ』の繁殖期は5月~8月で太平洋側では茨城県以南、日本海側では秋田県以南から九州まで分布し、奄美・沖縄にはほとんど見られず、とんで台湾にも分布します。

    松とうちゃんが台湾駐在中よく採取・食したのがこの『ムラサキウニ』です。以前は台湾の児童たちは、生ウニを食べる習慣がなく(お刺身好きの大人でも生ウニは食べませんでした。)、『これ食べるの?』とよく聞かれたものでした。
    私たちが食べている『部分』は生殖巣で卵巣と精巣のところです。『粒ウニ』というウニの加工品がありますので、ウニの卵と勘違いされておられる方も多いようですが、決して卵の塊ではありません。

    『ウニ』を割ってみるとたくさんの消化管と殻の内側にへばりついたオレンジ色の生殖巣があります。この食べれる生殖巣も、5つあるのです。『ウニ』を含め棘皮動物には、この『5』と言う数字はつきまとうのです。本当に不思議ですね!

    同じく、日本産種の代表『バフンウニ』は、棘が短く馬糞のような外観をしています。繁殖期は、12月~3月で北海道南部から九州まで分布します。北海道の『エゾバフンウニ』は日本で最も生産量が多く人気も高いですが、現在では『キタムラサキウニ』に首位の座を明け渡したかも知れません。

    日本人のウニ好きは、世界に知れ渡る周知の事実ですが、日本人が食する『ウニ』の8割以上が海外からの輸入品で占められているというから驚きです。輸出国はアメリカ、韓国、カナダ、ロシアなどがありますが、その輸入量はアメリカが最も多いようです。

    寿司ネタで高級なこの『ウニ』、漢字では『海胆』と書きますが、台湾の中国語(北京語)でも同じです。瓶詰めなどの加工品には『雲丹』と漢字を当てていますね。英語ではギリシャ語の『echinodermata 』を用い、海のハリネズミと言う意味らしいです。

    この海のハリネズミの生殖巣、何故、日本人は好むのでしょうか?

    -お生物講座040-

    投稿者 formosa : 15:36 | コメント (0)

    2006年3月 1日


    東北生まれの松とうちゃんは三陸名産の『ホヤ』のお刺身や酢の物が大好きです!いつも大好きなものばっかりですいませ~ん!

    『ホヤ』は初夏の頃が旬(しゅん)で俳諧では夏の季語とされていますが、松とうちゃんはなぜか冬のイメージがあります。調べてみると古くは冬の季語ともされていたようで、まんざら的はずれのイメージでもないかも知れません。

    『ホヤ』と言うとくせのある味で苦手!と言う方も多いと思いますが、慣れるとその食感や美味しさにはまってしまいます。お刺身や酢の物の他、塩辛や薫製(くんせい)、最近では焼き物やグラタンなど、料理法が工夫されています。

    脊索動物門の『ホヤ網』の『マホヤ科』に属し食用とされているのは、『マボヤ』や『アカボヤ』です。『マボヤ』は単に『ホヤ』と呼ばれていますが、津軽海峡、陸奥湾を含む日本海全域沿岸、そして三陸海岸以南に広く分布します。

    『ホヤ網』は食用の『ホヤ』ばかりではなく、世界に2300種以上の種類がありいろいろな形があります。『え、これもホヤの仲間?』と言うものもたくさんあります。

    名前で面白い?美味しそうなものが、『マンジュウ(饅頭)ボヤ』、利尻島以南に分布し、直径20cmで赤橙色に見え饅頭の形をしています。『イチゴ(苺)ボヤ』、奄美諸島以南で見られ、2cmくらいのきれいなオレンジ色をした半球形のものです。『コモチ(子持ち)ボヤ』、亜寒帯海域に分布し、群体が枝分かれし多数見られることからか、子持ちボヤと呼ばれています。

    その他伊豆や日本全域の沿岸で見られ青っぽく透明な群体できれいな『クロスジツツボヤ』や白に青点が多数の『チャツボボヤ』、クラゲと見間違える浮遊性の『オオサルバ』、発光しやはり浮遊性の『ヒカリボヤ』など多種多様です。

    我々ダイバーが潜っている海域で、ほとんど『ホヤの仲間たち』を見ることができます!食用にする『マボヤ』は、なかなか温暖海域では見れませんが…

    『マボヤ』は、地雷のような突起をもち、硬めの被のうで覆われていますが、中には消化管を含む筋膜体があります。普通、この筋膜体を食べますが、九州地方ではハルトボヤなどの被のうを味噌漬けにして薄切りを祝膳に供する習慣があるそうです。

    海中での様子は体を直立させ被のうの根状突起を岩など他物にしっかりと付着させています。お魚屋さんでホヤをみると、根っこのようなものがありますよね。その根が岩などに付いているのです。

    天然の『マボヤ』の採取は、小さな船の上から先端に鉤(かぎ)のついた7~10mの長い棒を使って海中を覗かずに行います。海底までおろした棒を船の上からツンツンと突っつき移動しながら『マボヤ』を探します。
    漁師さんは独特の感触を覚えており『マボヤ』に当たったと感じたら、岩などに付着している根もとに鉤を引っかけ、海面に引き上げます。熟練を要するはなれ技です。この天然ホヤ漁を出来る漁師さんは、数少ないと聞いたことがあります。

    やはり、『ホヤ』は、養殖より天然ものが身が多く美味しいです!

    『ホヤ』には、入水孔と出水孔の2つの孔があり、入水孔で水と共に餌のプランクトンを取り込みます。雌雄同体ですが、自家受精をしません。無性生殖によって群体が形成されるのです。

    『マボヤ』は放卵・放精が11月の午前中に起こる朝型、12~4月の昼に起こる昼型、10~11月の夕方に起こる夕刻型の3タイプがあります。生息する海域によって異なるようです。

    さて『ホヤ』を代理母として利用する不思議な生態のお魚がいますので紹介します。『クダヤガラ』と『アナハゼ』です。『クダヤガラ』は、ホヤの表面の出水孔付近直上に卵を生みそれを口で加えて出水孔に体を突っ込み、産み立ての卵をホヤの体に中に置きます。
    一方『アナハゼ』は、産卵管を直接、ホヤの出水孔に差し込んで産卵します。ホヤは、刺激すると入水孔・出水孔を閉じますが、『クダヤガラ』と『アナハゼ』の産卵の時ばかりは、両孔を閉じないで代理母を買ってでるのですから不思議です。

    『ホヤ』にとって代理母は何の得になるのか分かりませんが、自然は、食物連鎖以外の不思議な営みや助け合いがあるようですね!

    松とうちゃんの好物の海中生物やお魚を観察し調べていくとどんどん不思議なことや面白いことが発見され、楽しくなります。

    最後に、『ホヤ』は英語で『a sea squirt』、直訳すると『海のほとばしり』の意味だそうです。海の様子ほとばしりました?

    -お生物講座039-

    投稿者 formosa : 16:29 | コメント (0)

    2006年2月28日


    初鰹(カツオ)は、脂は比較的少ないもののあっさりとした美味で珍重されていますね!

    松とうちゃんのお仲間から、とれたてで新鮮な『カツオ』が届き、あまりの美味しさに今回、このお生物講座のテーマにとりあげることにしました。

    春から夏にかけて、ダイビング中でも沿岸で『カツオ』の群れを見ることがありますが、その泳ぐ姿は迫力がありますね!

    『カツオ』は『スズキ目』の『サバ科』に属し、マサバ、イソマグロ、サワラ、ソウダガツオなどの仲間です。世界の温帯・熱帯の沿岸や、外洋の表層海域に生息して、いつも急がしそうに泳ぎまわっています。

    サバ科のマグロ類と同様、高速で泳ぎ、口から取り込んだ海水から鰓(えら)で酸素を取り入れますが、航空機のジェットエンジンの空気の取り入れ方式と同じことから、ラム・ジェット換水法と呼ばれています。
    また、マグロ類と同じく泳ぐのを止めると呼吸が出来なくなりますので、休息・睡眠は泳ぎながら行います。大変ですね!

    『カツオ』のまるまるとしたボディはご存じと思いますが、やや側扁した紡錘形の肥満体型です。ふつう全長50~80cmで、背は暗青色、腹は銀白色、死後まもなく数本の薄い黒色縦帯が現われます。

    『カツオ』を含めマグロ類の高速泳法の秘密は、紡錘形の体型と背びれ・胸びれ・腹びれの収納機能にあります。胴体に収納溝があり速く泳ぐときはそこに収納し水の抵抗を抑えます。更に、強力で持続的遊泳力を生みだす丈夫な尾びれが力を発揮します。尾びれは上下に大きく分かれ、鰭条(棘のような骨)がたくさん並んでいます。

    前述の新鮮カツオを届けてくれたお仲間が教えてくれましたが、この鰭条(きじょう)面白い使い道があるようです。

    ■■一口メモ■■
    みなさんカツオのシッポ(尾びれ)を一度お湯につけて煮立ててみて下さい。あら不思議、きれいにタワシで掃除をすると、オシャレな爪楊枝が出来上ります。

    教えのとおり松とうちゃん、やってみました!根もと側は先が鋭く、ちょっと膨らみを持ち、反対側は数本に分かれ刷毛のような不思議な爪楊枝ができました。おもしろ~い!!(作業は寿司やさんの板さんがやってくれました。)

    さて『カツオ』の摂食方法ですが、高速で泳いでイワシなどの群れに数匹又は群れでアタックする襲撃型摂餌法です。捕まえた餌はやはり泳ぎながら食べますが、彼らの消化吸収力は他のお魚に比べて、はるかに高く、高速遊泳しながらでも問題ありません!

    そして、不思議なのは生きている間は普段みることができない体側の縦縞がこの食事中だけに、はっきりと表れることです。『只今お食事中』の看板をなぜに出すのか理由はわかりませんが、『カツオ』の社会ではお食事中のマナーかも知れません。

    以前に、『クラゲ』のテーマで紹介しました『カツオノエボシ』は、鰹の烏帽子と書きますが、このクラゲは鰹の群と共に見つかれことが多いのでこの名がついたと言うこと、皆さん!知っていました?

    『カツオ』は我々人間にとっても重要な食用魚で、刺身、照焼きなどのほか、鰹節、なまり節の材料となりますね!内臓は塩辛にする『カツオの塩辛』は、西伊豆田子でよく見かけます。

    これから夏は『カツオ』が旬です!美味しい季節です!血あいの多い『カツオ』はニンニクと共に食べると夏ばて防止に良いことも知られていますね!

    それにしてもカツオ、美味しかったな~『プレゼントカツオ』だから、なお一層!!

    -お生物講座038-

    投稿者 formosa : 15:46 | コメント (0)

    2006年2月27日


    焼き魚の定番と言えば『サンマ』や『タチウオ』です。『タチウオ』はそれぞれ生息海によって産卵時期が異なりますが産卵時期の『タチウオ』は、塩焼きで食べるととても美味しいですね!

    『タチウオ』は、東シナ海では6月、紀伊の海では4~6月、熊野灘では5月と11月にピーク、駿河湾では9月がピークというように、それぞれ産卵時期が違いますが越冬時期に入る手前の初夏から11月くらいまでが漁の最盛期です。

    塩焼きやバターで焼いた『タチウオ』はたまりません!大好きです!
    ダイビングの帰り東伊豆伊東の魚屋さん『ふじいち』で焼き魚を頼む時は必ず『タチウオ』を注文します。(ごっくん!あ~食べたい。)

    『タチウオ』は北海道以南の日本各地の沿岸で生息しますがダイバーの方でも、海中で見かけた経験の持ち主は少ないと思います。産卵の時期でも水深50~70mのところを遊泳する深海性の魚ですので、めったに我々ダイバーが見かけることはありません。

    西伊豆の雲見という海でナイトダイビング中、珍しく浅場を泳ぐ『タチウオ』を見かけました。
    太刀魚と言う名前のとおり、からだは側扁して細長く、太刀状の形をしています。頭は、背びれから斜めにカットしたような三角の形で、背びれの基底は長く頭の後方から尾端までつづき、尾びれと腹びれはありません。尾が細長く伸びているのですが尾びれが無いのは不思議な形です。

    焼き魚で登場の時はほとんど四角い切り身状態ですから、全身の姿をご覧になったことがない方も多いと思います。でも、切り身の『タチウオ』も体の表面がギラギラと銀白色をしているのが分かりますよね。

    この銀白色は、粉状物質グアニンでプリン誘導体の一つです。『タチウオ』から取れるグアニンは模造真珠の光沢をつけるのに用いられていますが、知っていましたか?偽真珠を見たら、『タチウオ』を連想して下さいね!

    『タチウオ』は基本的には魚食性ですが、成長の過程(仔稚魚)では動物性プランクトンを食べ、待ち伏せ型の摂餌(せつじ)行動をとります。

    分類上では、『スズキ目』の『サバ亜目』に属し、『サバ亜目』の中には、タチウオ科の他、仲間にサバ科、カマス科がいます。カマスと仲間と言うのは想像つきますが、サバの仲間とは思えませんね!

    ところで、『タチウオ』は、『太刀魚』と書きますが、頭を上にし、尾を下にする『立ち姿』で休息・睡眠をとることから、『立ち魚』と思っている方、おりませんか?(確かに休息時はそうです。)
    また、泳ぐ姿も『立ち姿』と思っている方、おりませんか?

    少なくても松とうちゃんが海中で『タチウオ』の泳ぐ姿を見た時は、水平に普通のお魚のように泳いでいました。

    やはり『タチウオ』はその体の形から『太刀魚』で、『立ち魚』ではないと思います。ちなみに『タチウオ』は英語で
    a cutlass fish→短剣魚
    a scabbard fish →さや魚
    と呼びます。英語圏でも、『太刀魚』に軍配が上がりそうです。

    普段、身近に食卓やレストランに並ぶお魚もその生態や形に目を向けると不思議なことが多く、お魚の観察やお勉強はとっても楽しいです。皆さんはいかがですか?

    -お生物講座037-

    投稿者 formosa : 16:37

    2006年2月26日


    機嫌が悪くなったり怒ったりするとすぐ顔を膨らませたり、口をとがらせる人がいますが、海中にも皆さんご存じの怒ると膨らむ『フグ』がいますね!

    おっとりと泳いだり、体をプルプル振るわせながら逃げ泳ぐ愛嬌ある姿がダイバーに人気の『ハリセンボン』についてお話しましょう!

    『ハリセンボン』は居酒屋などでもちょうちんのようにぶら下がっている場合がありますね。皆さん見たことありますか?松とうちゃんはゴールデンウィークの台湾ツアーでも海中で沢山の『ハリセンボン』を見てきました。

    名前の通り、体の表面に針のように鋭い棘(とげ)を持ち、普段は、棘先を後ろの方に向けて体にぴったりとたたんでいますが、いったん、刺激されると威嚇(いかく)のためと敵の攻撃から逃れるために体を丸い風船のように膨らませ、棘が立ち上がります。普段の卵型の体型から丸い体型への変化はとっても面白いです!

    『ハリセンボン』は胃に特殊な弁(可変式の一方向弁)があり海水や空気を胃の中に取り込み、体を通常の約2倍に膨らませることが出来ます。膨らむのには約1秒くらいの速さで出来ますが、中の水を吐き出して元の大きさになるのには2~3秒かかります。

    体が膨らんで棘が立ち上がると敵(我々?)は、その鋭い針のためにどうすることも出来ませんが、その膨らんだ『ハリセンボン』の顔や丸い体型は、とっても可愛いです。その可愛さが嬉しくてついつい、いたづらしてしまいますが、読者から生物虐待と怒られそうです!

    しかし、『ハリセンボン』の棘は、うろこが変形してできたもので、膨らんだり触られたりすることで前回の『エソ』のように弱ることはないと思います。しかし仲間のカワハギなどは背びれが変化した棘にわずかな毒を持ち、不用意にお魚に触れるのはいろんな意味で慎まなければなりません!

    『ハリセンボン』は、フグ料理で有名な『トラフグ』のように、毒はありませんので、沖縄では普通に食用にする場合があります。

    体表面の棘と、胃に特殊な弁を持つお魚は、『フグ科』と『ハリセンボン科』だけに見られます。

    『ハリセンボン』は『フグ目』の『フグ亜目』に属しますが、『フグ亜目』には、フグ科、ハリセンボン科、マンボウ科があります。あの、人気のマンボウとお仲間と言うからおどろきです!
    また、『フグ目』には、カワハギ科、モンガラカワハギ科、ハコフグ科などがありますので、カラハギやハコフグとも仲間筋と言えます。

    海中で体を膨らませる時は、海水を取り込み浮力変化はありませんが、水面で空気を取り込み膨らんだ時は、当然空気の入った風船ですから水面をぷかぷか浮くことになります。
    日本海などの冷たい海に大量に移動した『ハリセンボン』が、水面に浮いたり岸に打ち上げられたりしているのは、冷たさのため越冬できなかったものです。もともと、温帯~熱帯海域のお魚です。

    各地方で『ハリセンボン』は、はりふぐ、すずめふぐ、ばらふぐなどと呼ばれていますね!好物の方おられますか?

    すぐ膨れて怒ってしまう方も『ハリセンボン』のように愛嬌があって可愛いといいですね!そんな可愛く、怒ったようにすねるお嬢さんを、ついついからかいたくなる松とうちゃんです!?
    -お生物講座036-

    投稿者 formosa : 15:28 | コメント (0)

    2006年2月25日


    さつま揚げやかまぼこなどに使われる原料の魚肉は『タラ』が主流とお考えの方が多いのではと思いますが、古くからのこだわりをもって作る美味しいさつま揚げには近海のお魚『エソ』を主原料にしていることが多いようです。

    今回は、このさつま揚げなどに使われるお魚『エソ』についてお話します。

    エソと名のつくお魚の種類は多く、その分類は複雑で極めてわかりにくいのですが、『ヒメ目』の『エソ科』に属する、マエソ、アカエソ、オキエソについて紹介します。

    『エソ』は、一部汽水域に住むものもいますが、ほとんど関東以南の温暖海域の沿岸に生息しています。

    我々ダイバーが、海中の岩などの上でよく見かける褐色模様のものがアカエソで、砂底の上や砂底にもぐっていることの多いのがオキエソです。
    オキエソは、冬~春の水が冷たいときほど、やや深場の砂底にもぐっていることが多いような気がします。寒いので砂にもぐっているのかな?と思いきや、他のお魚が近づくとものすごい勢いで飛びかかっていく光景を目にします。

    『エソ』はいずれも体が円筒形で細長く、頭部は太く口が大きい構造です。小さな歯は非常にするどくハゼや自分と同じくらいの大きさのお魚を丸飲みして捕食します。

    『エソ』の不思議な生態は、岩の上や、砂底の上で、そして砂底に潜って、餌の小魚(時には同格の大きいお魚)を待ち伏せて飛びかかる捕食方法です。普段、微動だにもしないので、一見鈍そうに見えるのですが、一旦獲物が近づき飛びかかる時は、かなり俊敏です。砂に埋もれてどうしてそんなに速く飛び出せるのか不思議です!

    完全に待ち伏せ型の魚食性のお魚でその貪食ぶりは有名です。捕まえたお魚を丸飲みします。そのため、食後はお腹が大きく膨らみます。
    一部の種を除き体表はざらざらしたしつ鱗(りん)におわれており、普通のうろこがないのがほとんどです。なぜなら、お腹いっぱいになったとき、うろこがあると腹部の伸縮に不便だからです。

    また『エソ』の構造で特徴的なのが中層を泳ぐ機会がないので『うきぶくろ』が発達していないことです。そう言えば松とうちゃんも海底を沿うように泳ぐのは見慣れていますが、中層を泳いでいる『エソ』を見たことがありません。

    やや深海の砂底に生息しているのがマエソですが、マエソは練り製品など、水産資源上重要なお魚です。さつま揚げの原料に使われている『エソ』もほとんどこのマエソです。

    鹿児島近海で、このマエソを練り製品の原料にするために漁獲されますが、その漁法で簡単なのが底引き網です。しかし、こだわりのあるさつま揚げ屋さんは、漁師に1本釣りを要求します。網ではマエソがすぐ弱り、鮮度の良い状態で製品に使えないからです。
    マエソは普通のウロコもなく、人間が手で触れただけで弱ります。1本釣りで釣り上げた後も手で触って釣り針をはずしたりしません。特殊な技法で、触らず釣り針をはずします。そこまでこだわって鮮度の高い厳選された『エソ』を使うから鹿児島のさつま揚げは美味しいのでしょうね!

    ここまで書き上げたら、鹿児島の知り合い『味のべっぴん!揚立屋』さんのさつま揚げで一杯やりたくなりました!

    松とうちゃんの美味しいもの好きはやまいでしょうか?(*^_^*)
    -お生物講座035-

    投稿者 formosa : 18:55 | コメント (0)

    2006年2月24日


    夏になると旅客船で島などに渡る時、船のデッキから海面を飛ぶトビウオをよく見かけますね!

    トビウオは、世界の温帯~熱帯の海域に広く分布し、その種約52種、日本では本州中部以南に多く分布しています。

    トビウオは、『ダツ目』、『トビウオ亜目』に属し、同じ仲間にこの時期寿司ネタで美味しいサヨリ、海面を泳ぐことで知られているダツ、そして庶民的なお魚と言えるサンマがいます。サンマの仲間と言うとおどろきの方もいると思います。

    これらの仲間はいずれも海水面直下の表層域で遊泳生活をおくるのがほとんどです。お魚にとって安心して住める快適な環境は沿岸の岩礁周辺や砂泥底と言えますが、海水面直下は上からも下からも敵から襲われる、あまり快適な場所とは言えません。これらの仲間が、細長く速い泳ぎをするのと、腹が白く背が青いのは、下からも上からも見えにくくするための共通な知恵と工夫です。

    スーパーの鮮魚コーナーで、お刺身用としてトビウオがならぶことがありますのでお分かりと思いますが、トビウオの体は、前後に細長い紡錘形で速く泳げて、空中を飛ぶときも抵抗の少ない形と言えます。サヨリのように下あごが極端に長くはなく、上あご・下あご同じ長さのものが多いと思います。

    九州地方などではトビウオを『あご』と呼び、干物として売り出していることが多いです。『あご』は軽くあぶって食べると美味でお酒のおともには最高です!

    海面すれすれを飛ぶときに広げる翼は胸びれで大きく、胸びれだけが翼になる2翼型と腹びれも翼になる4翼型があります。飛行中は、大きく2つに分かれた長い尾びれが舵取りの役目をします。1回の飛行時間は、10~20秒、飛行距離は時には200~400mに達することもあるというから、これまたビックリです!

    なぜ、トビウオは海面を飛ぶのでしょう?

    不思議ですよね!

    イワシの群れがカツオなどの群れに襲われた時、海水面を飛びはねて逃げまとっている光景を見ますが、トビウオはマグロやカツオなどの大型回遊魚から逃れるため積極的に海面に出て飛ぶ能力を身につけたものと思います。
    トビウオの仲間たちがなぜ不利な海水面直下で遊泳生活をおくっているのか分かりませんが、それぞれがその環境で生きる知恵と能力を身につけているのでしょうね!

    トビウオは、沿岸の大型植物や浮遊物に卵を植え付け繁殖します。

    夏場に多くとれるトビウオはお刺身としても美味ですが、トビウオの卵の美味しい食べ方を今回特別に松とうちゃんがお教えしましょう!

    トビウオの卵は体に合わせて細長い袋にかずのこと同じくらいの大きさの卵がびっしり入っています。お腹から取り出した卵の袋を一晩、日本酒につけ込みます。次ぎに全体に薄く塩をまぶし、冷蔵庫に(蓋やラップをかけず)48時間くらいねかせて乾燥させた卵を網の上にのせ、中火で焼きあげて仕上げます。

    形は違いますがハタハタの『ぶりこ』のような食感でとってもクリーミーな、洒落たお味です。かなり高級な食べ物と言えます。

    お魚たちの多様な繁殖戦略(生き残り作戦)のひとつとして今回トビウオを紹介しましたがいかがでしたか?

    えっ、食べ物の話しか印象にない!それは困りました!(*^_^*)
    -お生物講座034-

    投稿者 formosa : 16:49 | コメント (0)

    2006年2月23日


    夏の終わりのクラゲのシーズンにはまだまだですが、南の暖かい海などで見ることができるいろいろな種類のクラゲ、そして、中国料理の前菜に出てくるクラゲのお話です。

    クラゲというと海で泳いでいる私たちを刺す恐いイメージと、クラゲ料理の美味しさを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
    皆さんのクラゲに対するイメージは、どちらです?『痛い!』?それとも『美味しい』?
    松とうちゃんは、どっちもです。クラゲの毒にはとっても敏感ですし、クラゲに対する恐怖感もありますが、クラゲ料理も大好きです。

    クラゲのほとんどは、本体部分から伸びた触手を持ち、こちらには、刺胞という小さな毒のカプセルを発射する機能があります。
    触手で、動物プランクトンや稚魚などの獲物を射止めたり、巻き付きそれらを食べます。クラゲのほとんどは肉食というから、驚きです。
    どのような構造になっているのでしょうか?

    見た目では、白っぽく透明のような感じですが、ちゃんと消化器官があります。本体の触手に取り囲まれた中央には、口があり、そこから内部の消化器へ獲物を取り込みます。甲殻類などの消化できない殻は再び口から吐き出されます。なんとクラゲの口は肛門と兼用なのです!

    クラゲのほとんどは、海中に漂っているかのように見えますが、結構すばやく泳ぐのです。円盤状の傘のように見えるクラゲは、傘口から海水を勢いよく噴射して泳ぎます。その時の様子は、クラゲの傘が膨らんだり扁平したりしますのでよく分かりますよね!

    さてクラゲはいろいろな種類がありますが、幾つかのクラゲの特徴をお話しましょう!

    別名『電気クラゲ』と呼ばれるカツオノエボシは、たくさんの触手が数m以上に伸びていることがあり、形のハッキリしないものです。裸で泳いでいる人がこれにやられると強いショックを受け、時には溺死することもある恐いクラゲです。
    松とうちゃんも約20年前、伊豆半島の松崎近くの海水浴でやられ、水深5mくらいのところで下半身が麻痺し、泳げなくなり、危うく溺死するあぶない経験があります。

    やや深い箱形の傘を持つ、立方クラゲ類と言われるものは、傘の縁に4本(群)の長い触手を持ち刺胞毒が強いものが多いです。悪名高いのが、オーストラリアのサーファーや海水浴客に『海のスズメバチ』と呼ばれ恐がれているクラゲがありますが、沖縄でも『ハブクラゲ』と呼ばれる強い毒を持つものがあります。

    北海道から沖縄まで日本沿岸で広く分布し、ごく普通に見られるのがアンドンクラゲで夏の終わりに海水浴場に多く発生します。皆さんが怖がっているのはほとんどこのクラゲで、傘本体は3~5cmと小さいですが、4本の触手が長く伸びていて、ほとんど無色透明ですので、その姿に気がつく前にやられてしまうことが多いのです。また、このアンドンクラゲは泳ぎが時速300~400mと比較的速いことでも知られています。

    もともと、アンドンクラゲの長い触手は、我々人間を襲うためのものではありませんが、動物プランクトンや稚魚を捕らえる大切な道具なのです。これらにやられると鞭(むち)で打たれたようなみみずばれになり、かなり痛いですよね!

    松とうちゃんは、海で多くのダイバーを案内する機会が多く、大概、先頭を後ろむきで水面を泳ぎます。その時首筋をやられるのでたまりません!

    クラゲに直接肌を刺された場合は、こすらずに、なるべく早くに水道水で洗い流してから『食用酢』などを数回かけるのがいいです。酢をかけた時はちょっと痛みますが、治りはかなり早いです。念のために、その後『抗ヒスタミン剤』『副腎皮質ホルモン剤』を薄く塗るのも、いいと思います。これらは予め、お医者さんから本人用にいただいたものを使用しましょう!他の方からいただくのは止めましょうね!

    ちょっと横道にそれましたので話を戻しまして、次にクラゲとは思えないアサガオクラゲです。

    アサガオクラゲは、北海道から四国まで広く分布しているクラゲで、海藻やスガモなどにぶら下がるように付着しアサガオが咲いたような形をしています。やはり触手で小動物を捕らえて食べているのですが、その移動の仕方がユニークです。触手ようの先の丸い突起が強い粘着性で、少しづつ隣のほうにその突起をペタリとくっつけ、まるでシャクトリムシがはうように移動するのです。面白い動きです。

    典型的なクラゲの形をしているミズクラゲは、もっとも馴染みの多いものではないでしょうか?丸みをおびた円盤状の傘の周囲に触手を持ち、中央にはリボンのような口腕が垂れ下がっています。よく海面にぷかぷか浮いている白っぽいのがこのクラゲで、異常発生で発電所などの冷却取水口を詰まらせたり、定置網などに大きな被害をもたらすこともあります。
    松とうちゃんも、取水口に集まるミズクラゲの予防工事の潜水作業に従事したことがあります。あまり気持ちのいいものではなかった記憶があります。

    ミズクラゲの仲間で、傘に赤い筋の入ったアカクラゲや、長い4本の口腕が美しいヤナギクラゲなど水中写真の被写体としても人気の高いクラゲもいます。

    癒し系として水族館や水槽で飼われることが多くなったクラゲですが、水中でのその動きや美しさが、人の心をいやすのに役立つのでしょうね!確かに、海中でクラゲの動きを見ていて、美しいと感じることがあります。
    クラゲは漢字で『水母』とか『海月』と書きます。松とうちゃんは、その名前からは、ロマンさえ感じられます。

    最後は大型種のエチゼンクラゲです。日本海、九州、朝鮮半島に生息する大型で、傘が円盤状で、一般に寒天質が厚く硬いのが特徴です。
    触手はなく吸口と呼ばれる小さな穴から小型の動物プランクトンなどを吸い込み食べ物を摂取します。仲間にはタコを連想するタコクラゲがありますが、水族館ではお馴染みではないでしょうか?
    パラオの塩水湖にすむタコクラゲは、夜の間湖底近くの栄養塩類を摂取し、昼は水面を泳ぎ光合成量を増加させていると言われています。

    大型で肉厚のエチゼンクラゲは食用とされ、お馴染みの中国料理の食材となります。原形のまま干した食用のクラゲを日本で見かけることは少ないですが、松とうちゃんの台湾駐在中、市場ではよく見かけました。直径50~60cmのぶ厚いクラゲが並んでいました。

    クラゲ料理は、てんぐさから作る寒天同様、ヘルシーでその食感がたまりませんよね!松とうちゃんは大好きです。ところで、日本料理ではクラゲ料理はないのでしょうか?この生物講座を書きながら、ふと疑問がわいてきました。

    海でその美しさを見て楽しみ、食べてよし、のクラゲのお話でした。
    (刺されなければ…いいのにね!)
    -お生物講座033-

    投稿者 formosa : 16:41 | コメント (0)

    2006年2月22日


    引き続き、イカ類のお話です。

    イカの運動や呼吸に漏斗(ろうと)という管が働いていることをお話しましたが、その構造で面白いのが、消化と排泄です。

    食道を通過した食べ物は、消化器で消化吸収され残りは直腸を通過し、漏斗近くの肛門から排泄されます。漏斗では、運動や呼吸によって常に海水が吐き出されていますので排出物はただちに体外に海水とともに洗い流されます。あら不思議!イカのトイレは水洗式なんですね!

    ほとんどのイカ類はきわめて成長が早く、寿命も約1年と短いものが多いのです。美イカ短命?そしてその一生にたった一回産卵し、死んじゃうのです。ちょっと短く悲しい人生(イカ生?)ですね!

    お魚のほとんどは、産卵の際にオス・メスが卵と精子を海中に放出し、受精しますが、イカの場合はちょっと変わった方法をとります。

    オスは体内で精子をカプセルに詰め、そのカプセルを交接腕と言われるオス独特の腕で、メスの体に付着させます。この交接腕は、特徴がありオスを見分けたり種を分類できるのです。この交接方法はメスに付着したまま保存が可能で、産卵場所まで移動して受精もでき非常に効率的ですね!
    イカ類も子孫を残すために、様々な工夫と努力をしているのです。

    コウイカなどコブシメは、卵を1個づつ硬い卵膜に包み、サンゴのすきまに産み付けて、捕食者から守ります。全ての腕の先をつぼめて、その中で大きな卵を送り出しテーブル珊瑚などに、腕の先を突っ込み1個づつ、ていねいに産みつけていく姿は、とても神聖に見え感動的です。松とうちゃんは沖縄ケラマや台湾で何度もそのシーンを観察し、その度に感動を覚えました!

    ヤリイカやアオリイカは、数十個の卵をゼラチン質の袋に入れ、数珠状にまるでソーセージを何本もぶら下げたように、岩の下などに産みつけます。やはりゼラチン質の袋が卵を守るんですね。海中では結構目立つのですが食べにくいのかお魚にはやられません。ちょうどこの季節、あちらこちらの海中でソーセージようの卵の袋がぶら下がっているのを観察できます。

    コブシメの卵は、ゴルフボールくらいの大きさがあり、これは出来るだけ子供がその中で大きく強く育つ工夫です。またヤリイカやアオリイカは、ふ化してすぐ墨を吐いて逃げる機能を備えています。ふ化を待ち構えている捕食者から逃げる工夫をしているのですね!ふ化してまもなく、ちっちゃなイカがいっちょまえに墨を吐く姿はとても可愛らしいです。

    ふ化した小さなイカは、動物プランクトンやエビ類の幼生や魚の稚魚などを食べて成長しますが、それぞれの海域で、それらの餌が豊富な時期を狙ってふ化させます。

    少しでも多くの子孫を残そうと努力しているのですね!

    生まれたばかりのハイハイできない人間の赤ちゃんをその子が自立し、社会で生きていけるように我々人間の親は愛情を持って子育てしますよね!

    イカたちの親は、生まれる子供が、ふ化して間もなくひとりで(1匹で?)生きていけるよう、自分の生涯の終わりをかけて最善の条件・環境を整え、子孫繁栄を願うのでしょうね!そして、ふ化したイカの子供はただちに約1年という短い人生(イカ生)を強く生きていくのですね!

    ここで松とうちゃんの大好きなスルメイカの生涯について簡単に紹介します。

    比較的温暖な海域でふ化したイカは、関東近海などで春から初夏に、10cmくらいのムギイカと呼ばれる大きさに成長しそのあと海流に乗って北上します。
    餌の豊富な北の海で大きく成長し、秋にはオス・メスともに南下。南下途中で交接が行われ、オスはいづことなく姿を消し、メスだけが産卵場へ到着産卵します。そのあとは、短い一生を終えます。本当にはかないんですね!

    食べて美味しいスルメイカも、近年水揚げ量も横ばいのようですが、末永く共に生きるため漁業調整の他に生物学的研究に基づいた増やす工夫を人間もしなければならないのかも知れません。
    松とうちゃんの大好きなスルメイカが少なくなっていくのは悲しすぎます!

    この生物講座を書きながら、生まれてすぐ『強く生きろ!』と願いを込めて産みつけるイカの親の愛情を感じました。読んでくれている皆さんはいかがでした?
    -お生物講座032-

    投稿者 formosa : 16:18 | コメント (0)

    2006年2月21日


    タコの八ちゃん、イカのとうちゃん、と言われるように、足の本数をイメージしている方が多いと思いますが、それぞれ何本かお分かりですよね?漫画にでてくるイカやタコの顔は、胴体部分に眼や口が描いていることが多いですが、実際の構造は違うようです。

    今回は、世界のイカ漁獲量の1/3、タコの漁獲量の1/2を消費するという日本人の好きなイカ・タコ類のうち、特に烏賊(いか)についてお話します。松とうちゃんは、寿司屋さんに行ってイカを頼まない時はない!と言うほどのイカ好きです。

    春先は、富山県の『ホタルイカ』が旬ですね!ふだんは、沖合の水深200~500mの深海に生息している『ホタルイカ』のメスが産卵のために浅場に移動し、産卵を終えたメスが定置網で捕獲されます。この時期にいただく『ホタルイカ』はほとんどメスということになります。

    温帯海域のイカは、春から初夏が産卵時期のものが多く、ダイバーが入る海中でもイカの産卵やふ化でにぎあいます。

    イカ・タコ類は巻貝などと同様、『軟体動物』ですが『オウムガイ類』を除き体の外に貝殻がありません。
    イカ・タコ類は、『コウイカ目』『ツツイカ目』『コウモリダコ目』『八腕形目』の4つのグループに分かれ、更に『コウイカ目』の『コウイカ科』には、『コウイカ』『モンゴウイカ』『コブシメ』などがあります。

    『ツツイカ目』は、『ヤリイカ科』『ホタルイカモドキ科』『アカイカ科』など幾つかのグループに細分され、食卓でお馴染みのヤリイカ、ケンサキイカ、アオリイカは『ヤリイカ科』に、美味で日本のイカ消費量の1/3を占めるイカの代表スルメイカはアカイカの仲間です。
    スルメイカは松とうちゃんの故郷、青森県内の八戸が水揚げ量を誇ります。小さい頃から食卓のお刺身と言うとスルメイカか、馬刺、鯨刺でした。(いずれも安かった時代です。)

    イカが好物な松とうちゃんは、どうしても食べる方に行ってしまいます!失礼しました!(*^_^*)

    さて、8本足、10本足で区別されるイカとタコですが、餌(えさ)を捕まえたり、抱きかかえたりする機能からすると、足というより、『腕』と言った方がよさそうです。

    基本的にはイカも8本の腕をもち、それ以外に伸縮自在で機敏な二本の触腕(しょくわん)を加え10本腕ということになります。

    次にイカの独特な体の構造です。イカの耳とか、イカの足と言うように、何となく三角の部分が頭で上、腕が足側で下のように見え、そのように漫画では描かれていることが多いと思います。実際は、腕の根もと側が頭で、頭から直接腕が生えている感じです。頭部には、腕を広げた中央に口が、その後方に大きな一対の眼があります。

    消化器は、口から食道・消化管とつづくのですが、我々人間と違って頭の中を通って後方の内臓塊(わた)の方につながっています。生命機能に重要な頭を通る部分は細い管になっていますので、お魚などを捕食した後は、強いくちばし(からす)と歯の生えた舌で、充分にかみ砕き消化液で流動食状にして奥に流し込みます。この効率的な摂取方法がイカの速い成長を助けるのかも知れません。

    胴体部分の内臓塊は筋肉質の外とう膜(お刺身で食べる部分)で包まれ、その先端にはひし形や丸みをおびた三角の鰭(ひれ)があります。

    イカは、腕を広げた中央の口側が『前』、ひれ側が『うしろ』になります。水中で観察すると前にもうしろにも進むことができるのが分かります。

    自分と同じくらいの大きさのお魚を捕食するとき、前に進んで、伸縮自在な触腕(しょくわん)を素早く伸ばし、獲物を捕らえ引き寄せ、他の腕でガッチリ押さえます。

    敵から逃れるときは、ものすごい速さでうしろに後退し泳ぎ去ります。

    前にもうしろにも、どうやって泳ぐのでしょうか?

    その秘密は、呼吸の役割をもつ身(外とう膜)のポンプ機能にあります。呼吸は、体を大きく膨らませ、頭部と身(外とう膜)の隙間から海水を吸い込みえら部分でガス交換をしますが、吐き出すときは頭の腹側にあり、わずかに外に伸びた管状の漏斗(ろうと)というノズルから勢いよく出し、その推進力(反動)で進みます。その管状の漏斗(ろうと)は、前側にもうしろ側にも自由に向けられますので、どちらにも泳ぐことができるのです。身(外とう膜)を収縮して真っ直ぐ吐き出す前方向の反対が一番効率の良い推進力があるため、うしろ向きに泳ぐのが速いのです。

    我々人間は運動すると酸素の消費が激しくなり、呼吸が間に合わなくなりますが、イカは速く泳げば泳ぐほどポンプ機能を活発にすることになり、同時にたくさんの海水の出し入れをしますので呼吸の効率もよくなる訳です。きっと、速く泳いでも『ハーハーぜいぜい』いうことはないのですね!

    今回は、お話が長くなりますのでこの辺にしておいて、引き続き次回、イカのオス・メスや交接行動、産卵・ふ化などについてお話します。
    -お生物講座031-

    投稿者 formosa : 16:54 | コメント (0)

    2006年2月20日


    少し、季節はずれですが、『ナマコ』の酢の物は東北地方のお正月料理に欠かせないと思っています。
    そう思っているのは松とうちゃんの感違いでしょうか?

    松とうちゃんは『ナマコ』が大好きです。魚屋に並んでいるものや、海中で横たわっているグロテスクな『ナマコ』をご覧になって身震いする方、ナマコは嫌い!食べれない!と拒否する方も多いですよね!

    確かにあれを先に食べたご先祖さまはすごいですね!外見は、とても食べれそうに見えませんが、食べてみると歯ごたえ、歯ざわりが良く、あのコリコリ感が何とも言えません。

    食べるだけではなく、海中でおにぎりを握るようにしてやると、真ん丸くなるので可愛くなってしまいます。

    日本で『ナマコ』は漢字で海鼠(うみねずみ)と書きますが、中国では、海参と書き滋養食品とされています。別名、『海男子』と呼び強精剤としても珍重されています。英語では『海のきゅうり』という表現ですが、国が違えば見方も違うようですね。

    『ナマコ』は世界に約1500種もいると言われていますが、北海道から本州にかけて多く分布し、食用としてもなじみが深いのが『マナマコ』です。体長20~30cmで、水深30mくらいまでの比較的浅海にすみます。

    体色の変異が大きく、岩礁にすむものの多くは濃淡の褐色の斑紋があるもので俗に『アカコ』と呼びます。青緑色から黒っぽい色のものを『アオコ』、極端に黒いものを『クロコ』と言います。水温が16度以上になると餌を食べず、夏眠状態に入りますが、北海道や東北地方北部ではそのようなことはないと思います。

    さて、『ナマコ』の生理学的に面白いのが構造と呼吸器です。口から食道、細長い腸、直腸、排出腔の肛門につづきます。砂泥とともに有機物を食べるため、その消化管は非常に長く、縦に切ってみると良く分かります。切ったときは、筒状の中心に消化管があり、まわりは肉厚でキュウリというより、熟れた長ウリといった感じです。腸には、砂泥がそのまま入っている様子が分かると思います。

    口から食べて肛門から排泄するのは理解できますが、私たち人間のように口や鼻で呼吸するものにとっては、その呼吸法が予想もつかないと思います。
    呼吸樹(水肺)といわれる特殊な呼吸器が、肛門(排出腔)にあり、肛門から海水を流入し呼吸樹で酸素を取り入れます。口ではなく肛門で呼吸するというのは変な感じですね!

    『ナマコ』は消化管などの再生能力が強く、敵に襲われた時は、消化管や呼吸樹、触手冠を体外に放出し、餌(えさ)として敵にささげ、そのすきに逃げようとします。我が身をささげて逃げようとするのですから凄いですね!

    『ナマコ』の仲間で有名なものは、刺激を受けると肛門から強い粘液性と毒性のあるキュビエ管を出す『ジャノメナマコ』、カクレウオのすみかとなる『ゾウナマコ』、敵に襲われると簡単に自切する『イシコ』などがあります。

    熱帯・亜熱帯に多い『マナマコ科』は採取後に筋肉が粘液化するので、食用には向きません。中には、アメーバ状に溶けてから融合再生するものもあるというから不思議です。そのメカニズムはどうなっているのでしょう?

    日本では、古くからナマコを『こ』と呼び、生のものが『なまこ』、火にかけたものが『いりこ』、日に干したものが『ほしこ』、卵巣を生干したものが『こ』の子供で『このこ』と言います。安直のようですが本当です!腸(わた)の塩辛『このわた』は珍味で高級ですね!

    『このわた』造り方で面白い(可哀相な)のが、『ナマコ』の再生の能力と我が身をささげる習性を利用した方法です。数十匹の『アカコ』を桶に入れ、他のナマコの腸を入れると刺激され全部の『アカコ』が腸を吐き出します。数ヶ月後に再生してから『このわた』を再びとり、繰り返し何度でもとることができます。

    『ナマコ』は、海底の砂泥に含まれる有機物をせっせと取り込んで、環境浄化に大きな役割を果たしていると言うのに、我々人間さまは、感謝もせずに、『このわた』で一杯やっててもいいのでしょうか?
    -お生物講座030-

    投稿者 formosa : 15:35 | コメント (0)

    2006年2月19日


    前回の『アンコウ』に引き続き、同じく『アンコウ目』に属する『イザリウオ亜目』の『イザリウオ』を紹介します。

    『イザリウオ』は、『アンコウ』同様、頭近くの背に竿のような擬似(ぎじ)状体をもち、待ち伏せ型の捕食方法をとりますが、『アンコウ』と違って鍋にする話は聞いたことがありません。(もし、そのような風習や食生活をする地方がありましたら是非教えて下さい。)

    『イザリウオ』は、お魚と思えない動きや可愛らしさ、そしてその数も少なく見つけにくいことからダイバーたちのフィッシュウォッチの対象としてアイドル的な存在です。

    『イザリウオ科』には体表に小さな棘(とげ)で覆われている『イザリウオ』と、棘がなく体表がなめらかで流れ藻などについて生活する『ハナオコゼ』があります。
    いずれも体色はいろいろあり変異が多いのが特徴です。特にカラフルな体色が多く水中写真家の人気の被写体とも言えます。

    日本国内で『イザリウオ』は、南日本中心に分布し関東から沖縄まで広く見ることができます。カイメンなどに保護色の体色でじっとしていることが多く、その生態と生息場所の特徴を知っていないと、なかなか見つけることができません。

    胸びれや腹びれが前足(手)のように発達しており、岩の上や砂地の海底を歩くようにして移動します。泳ぎは比較的下手で、めったに泳いでいる姿は見られません。
    無理矢理ダイバーの手にのってもらうと、前足のようなひれで落ちないように、ふんばったり、歩いたりの仕草がとっても可愛いのです。いっきに水を飲み込むことができる『イザリウオ』はその水の腹からの排出でダイバーの手の上でヘリコプターのように真上に浮上することもできるのです。

    さて特徴的な捕食方法ですが、目の前方、口との間に背びれの棘が発達した竿のような擬似(ぎじ)餌でベラなどの小さなお魚を誘います。『イザリウオ』では、ゴカイのような擬似餌が、『ベニイザリウオ』では、子エビのような擬似餌が多いのですがそれらを泳いでいるように動かすのです。そして擬似餌に近づいてくるお魚をじっと見つめてチャンスを狙います。

    ここでちょっと皆さんも真似てみて下さい!ご自分の(左右の)目の前に人指し指の先を置き、少しづつ左右の目の間に近づけて見続けて下さい。目が寄ってちょっと疲れますよね!『イザリウオ』が捕食する瞬間はそんな光景です。近づいたお魚を、素早く大きな口を開け、水ごと吸い込むのです。
    お魚といっても、『イザリウオ』自身の体長(5~30cm)からすれば、同じ体長の大きなお魚を飲み込むのですから凄いです!完全に飲み込むまでは暴れて逃げようとするお魚を前足のような腹びれと胸びれで、必死にふんばります。普段、動作のにぶい『イザリウオ』も捕食の瞬間だけは機敏な行動でビックリです。

    この可愛いイメージの『イザリウオ』から、お魚をまるごと飲み込む捕食シーンは想像できないと思います。

    『イザリウオ』は単独でいることが多いのですが、産卵の時期だけはオス・メスがなかよくペアをつくります。しかし、このような産卵のためのペアはほとんどがその場かぎりのものでアッサリした付き合いです。

    『イザリウオ』の名前の由来について、松とうちゃんの想像を書いて見ます。(あくまでも想像ですので間違っていたらご指摘下さい。)

    イザリとは、『膝行る』『居さる』からきた『いざり』でその意味はすわったままで移動する。ひざをついたり、しりを地につけたままの姿勢で進む。膝行(しっこう)する。または、船が浅瀬に船底をすらせながら、のろのろ進む。というものです。即ち、このような動作とにているお魚を『居さる』+『魚』で、『イザリウオ』と命名したのではないでしょうか?

    『イザリウオ』のように、可愛い顔して(凶暴なほど)貪食で色恋に極めてアッサリした人、皆さんのそばにいません?
    -お生物講座029-

    投稿者 formosa : 16:25 | コメント (0)

    2006年2月18日


    春も近づいてきました。が…まだ寒い季節。あんこう鍋なんていいですね!

    『アンコウ(鮟鱇)』の身と皮、そして内臓をいっしょに鍋に入れ、焼き豆腐、ねぎ、うどなどに割醤油(わりしたじ)を加えて煮た鍋料理ですね。ゼラチン質でコラーゲンも豊富のような気がして健康にも良さそうです。冬が美味ですね!

    いきなり、食べ物の話になり失礼しました!(*^_^*)

    頭でっかちで頭近くの背に竿のような擬似(ぎじ)状体をもつ『アンコウ目』は、世界に約315種いるといわれていますが、更に『アンコウ亜目』、『イザリウオ亜目』、『チョウチンアンコウ亜目』の3グループからなり今回は『アンコウ』をとりあげてみたいと思います。

    『アンコウ』は北海道以南の日本各地に分布し、体長は20~120cmくらいで、種により異なりますが、水深25~500mの深場の海底(砂泥底)に生息しています。砂中になかば埋もれている状態で、餌(えさ)を待ち伏せしていることが多いようです。

    鍋用に調理している切り身がスーパーやデパートに並んでいることが多く全身をながめることができる機会は少ないと思います。ダイバーも冬から春にかけて産卵のため浅場にやってくる時しか見るチャンスが少なく、『アンコウ』の全身を見たことのない方も多いのではないでしょうか?

    体は頭部中心に縦扁平し、円盤状の大きな頭が体のほとんどを占めています。下あごが上あごより出ている『いかりや型』で、口は左右に大きくめいっぱい開けるとそうとう大きなお魚でも呑み込めそうです。
    上下のあごには、喉の方向にだけ倒れる(内側だけに倒れる可倒歯)犬歯があり、お魚を簡単に呑み込める不思議な構造です。全体はちょっとグロテスクな感じです。

    不思議といえばお魚の捕まえ方です。頭部の近くの背びれが発達した擬似(ぎじ)状体でまるで竿の先に餌(えさ)をつけて動かすことによって、お魚をおびき寄せます。『アンコウ』自体は、砂泥底に似た色合いなので、うっかり近づいたお魚は、飛びかかった『アンコウ』の大きな口の中に水と一緒に…!完全に待ち伏せ型の摂餌(せつじ)行動です。

    『アンコウ』は動作がにぶいですが、きわめて貪食です。その捕食の仕方などから、良くも悪くもいろいろな例えになっています。

    お相撲で、太って腹の出ている力士を『あんこがた』と言いますね。

    『あんこうの餌待(えまち)』というのは、口をあいて、ぼんやりしているさまのたとえです。

    『あんこうあみ(網)』は方錐形の大きな袋網。潮流の速い漁場で、潮流に向かって網の口を開き魚類を捕らえるものですが、アンコウを捕まえるものではありません。

    『あんこう武者』は口では大きなことを言うが、実際は臆病な武士をののしっていう言葉で、あんごうざむらいともいいますね。

    ぼんやりと仕事を待っている日雇労務者、立ちんぼうを『あんこう』と言います。

    あら、日本の例えは悪い例が多そうですね!『アンコウ』が可哀想!でも、高級魚で美味です!

    『アンコウ』の英名は、goosefish →ガチョウフィッシュ。そして英和辞典には、an angler →策を用いてうまく手に入れる人(釣り師)a fishing frog→魚釣りカエルとあります。お国が違うと見方も違うようです。

    『アンコウ』よりやや浅場にいる『キアンコウ』は鍋料理に多く用いられますが高額で取引されます。和歌山や沖縄に多い『ミノアンコウ』は幼魚の時、体全体に長い皮弁と言われるものが多く、簑(みの)を着ているように見えることから、その名がつきました。
    その他、高知などに多いの体長20~30cmの『ヒメアンコウ』がいます。『アンコウ』や『キアンコウ』の代用にされるのが、『ミノアンコウ』のようですので、今度スーパーなどで見かけたら価格で判断してみて下さい。ダイバーの方は海中で見かけたらお魚図鑑で確認しましょう!

    『アンコウ』は、自分の特性を良く理解して今の待ち伏せ捕食方法をとっていると思いますが、松とうちゃんは、待ちの人生より積極的に前に出る人生を選択したいと思っています。でも『アンコウ』大好きです!皆さんはいかがですか?
    -お生物講座028-

    投稿者 formosa : 15:18 | コメント (0)

    2006年2月17日


    『親と子(卵)のシリーズ』も終わって再び不思議な海中生物の生態のお話です。

    今回は、ダイバーに大人気の『ウミウシ』のお話です。待ってました!と思われた方も多いのではないですか?

    ダイバーのみならず、デザイン界でも『ウミウシ』は注目されているようです。それだけ、斬新で多彩なデザインをもつ生物ということでしょうね!

    『ウミウシ』は、軟体動物に属し、貝殻は普通ありませんが巻き貝の仲間です。貝殻は体の外に持つものや、退化して体内に埋もれているものなどがあります。へ~え~ですね♪

    『ウミウシ』をご存知ない方のために紹介しておきますが体長は3~8cmくらいのおもながの形で、お菓子のグミのような感触、そしてきれいに彩りしたゼリーのような生物です。想像つきますか?

    『ウミウシ』の仲間は、日本でも650種以上もありその色彩や斑紋の美しいものばかりで、海の中で美しい生物であること、豊富なデザインがあることが、人気の秘密ではないかと思います。その美しさをこのお生物講座では、お伝えできないのが残念です。

    最近でも『ウミウシ』の新種発見が相次ぎ、発見者である身近な方のお名前が和名となることもあるかも知れません。

    ところで、なぜ『ウミウシ』というのか、お分かりですよね!『ウミウシ』は、頭部に一対の角(つの)のような触角を持っておりまるで牛の角のように見えることから、そう呼ばれています。

    『ウミウシ』は寒冷の海から熱帯の海まで広く分布し藻食性と肉食性のものがあります。
    海中で観察している時の『ウミウシ』は、触角を伸ばし体も軟らかく岩や藻類に着いて貴賓ある姿ですが、ダイバーが触れると体を丸みをおびるように硬直させ、岩などから離れてしまいます。『ウミウシ』は触れない方が、その美しさを楽しめます。

    温帯の岩礁域(能登半島や伊豆半島)で確認されている不思議な『ウミウシ』で、『エダウミウシ』というのがいます。『エダウミウシ』は、ナイトダイビングなど暗いところで、ダイバーが触れて刺激すると背面の5対の樹状突起の先がネオンのようにきれいに光り輝きます。
    樹状突起の先には発光細胞があり、まるで近代の臨床検査技術で採用されている『化学発光反応』のように見えます!彼らのいかく行動なのでしょうが、すごいですね!

    『ウミウシ』のすばらしさをお伝えするには、その美しい色彩や斑紋(デザイン)を見ていただかないといけないと思いますが数多い名前の中から、『え~ほんと?』と言うような面白い名前(一部仮称)を紹介します。笑って読んでください!

    『マタミルウミウシ』…また見るから?いいえ海藻マタミルに付着。
    『モンペミドリガイ』…もんぺって知っている?
    『ハツユキミドリガイ』…いつも初雪?
    『センヒメウミウシ』…千姫ってどこのお姫様?
    『オバキューウミウシ』…オバQ、こんなところにも!
    『パンダツノウミウシ』…パンダもいた!
    『シロボンボンウミウシ』…確かに白ぼんぼん!
    『ネコジタウミウシ』…お熱いのが苦手?
    『エリザベティーナ』…誰のこと?
    『シモフリカメサンウミウシ』…どんなウミウシ?
    『イガグリウミウシ』…いが栗ね~?
    『レンゲウミウシ』…れんげに見える?
    『カグヤヒメウミウシ』…どこから来たのかな?
    『シンデレラウミウシ』…12時過ぎたらどうなる?
    『フルーツポンチウミウシ』…美味しそう!
    『マイチョコウミウシ』…バレンタインに作った下手なチョコだよ!
    『ショクパンウミウシ』…食パンの切れ端に似ている?
    『インターネットウミウシ』…インターネット網の模様!
    『カメセンニンウミウシ』…亀が千人?
    『コンペイトウウミウシ』…コンペイトウって美味しいね!

    650種もの『ウミウシ』の名前を覚えるのは至難の業ですが、上の20種は覚えられそうですね!いくつ覚えましたか?

    海中で『ウミウシ』を見つけて観察するのも楽しいですが、図鑑でながめているのも楽しいと思います。特にファッション関係のお仕事をされている方にはおすすめです。きっと良いデザインのヒントになると思います。

    松とうちゃん実は「和菓子」も結構好きです!
    きれいな『ウミウシ』のデザインで、和菓子をつくったら美味しそう・楽しそうだろうなと思うのは、松とうちゃんだけかな?
    -お生物講座027-

    投稿者 formosa : 15:54 | コメント (0)

    2006年2月16日


    シリーズで読める『親と子(卵)シリーズ』今回、最終回です!

    筋子(すじこ)はサケの卵巣卵であることは、皆さんご存知ですよね。
    完熟前の卵をサケの腹から取り出した筋子を、主に手で丁寧にほぐした卵を『いくら』といいますが、そのほぐす方法はいくつかあるようです。例えば、蛋白分解酵素を使ってほぐすとか、ぬるま湯につけてほぐすなどの方法を聞いたことがあります。

    筋子より手のかかるこの『いくら』は、値段が高く、別物と認識している方もおられるようですが、同一のものですよね!『いくら』の語源はロシヤ語の『魚卵』の意味からきています。前回のキャビア同様、ロシアでは魚卵といったらサーモンの卵をイメージするのでしょうね!

    筋子のうまみは新鮮なものを薄塩でつけないと壊れてしまいます。松とうちゃんの田舎『青森』では、高級で高い筋子ほど薄塩です。母親が美味しい筋子を食べさせようと、この新鮮で薄塩の筋子をよく東京に住む松とうちゃんに送ってくれました。一度、その大好きな筋子にあたり、七転八倒の苦しみを感じながら病院に担ぎ込まれた経験があります。筋子に限らず、魚卵は栄養豊富ですぐ細菌が増殖する温床みたいなものなのです。美しいもの、美味しいものほど気をつけないといけないということでしょうか?

    さて、『いくら』の親、『サケ』ですが、サケ目→サケ亜目→サケ科に分類されます。サケ亜目には、アユ科、シラウオ科がサケ科と並んでいるというから驚きです!

    サケ科のお魚は、以前お話した『ボラ』を形象した航空機DC10のように紡錘形で一般に側篇しています。ほとんど幼魚にはパーマークと呼ばれる小判形の黒斑があり、同定に役立ちます。

    サケ科のお魚でもっとも大きくなるのは、キングサーモンと呼ばれる『マスノスケ』で全長150cmにもなると言われています。北海道
    東部の河川にも2m級の『イトウ』がいたと言われていますが、今は、1mを超えるのを見つけるのは難しいようです。

    『サケ』と言うと、そ河(そか)回遊魚つまり回帰性の代表とされていますが、その多彩な生活史は不思議そのものです。卵から幼魚までの時期は淡水ですごし幼魚期から成魚期は海域で成長したのち生まれ故郷の川へ戻って産卵します。
    秋から冬にかけて生まれた仔魚は、『フライ』と呼ばれ体内の卵黄を栄養として育ちますので餌をとらず、水底の砂利に横たわっていることが多いようです。卵黄を吸収しきる春先、仔魚が砂利のあいだから川の流れに泳ぎでるようになりますがこれを『浮上』と言うそうです。
    ダイビングで言う『浮上』と似ていますね!

    これから海へ旅立つわけですが、このころ劇的な変化が起こります。それは、淡水から海という塩分の強い環境へ移るための、『浸透圧』の機能を変えると言うことと、スリムになり前述のパーマークが消え、全身が銀白色となり、群れをなして泳ぐと言うことです。

    沖合いに出たサケははるかかなたの北洋に向かい1~4年、海で過ごしたあと、生まれ故郷の川に産卵のために戻ってきます。
    この母川回帰は、川に近づくまでの外洋では『太陽コンパス』と『体内時計』や『地磁気』を感じて帰ると言われていますが、実際のところは分かりません。川に近づいてからは、幼魚期に感じ記憶していた臭いを頼りに遡上(そじょう)するようです。何度となくテレビなどのサイエンス番組で見ていると思いますが本当に不思議なメカニズムです。

    産卵場についたメスは、体を横倒しにして尾びれで川底の砂利を掘り、産卵床をつくります。オスは配偶者をめぐって激しく争い勝ち残ったオスはメスの産卵と同時に放精します。その時間わずか10秒と言うから、そのための、かれらの何千kmと言う旅に敬服します。
    産卵を終えたメスは、受精した卵を守るが約1週間ほどで力尽きて流され死に至ります。オスはそのあとどうしたのかは男性である松とうちゃんの口からは言えません!

    子孫繁栄のためとは言え、すごいサケの生活史です!

    最近、お寿司屋さんでは決まって『サーモン』のにぎりがありますが、本来、秋から冬にかけてのそ上の時期に捕獲されるため。脂は差ほどのっていなく、特に産卵で脂を使い果たすメスよりオスの方が、脂があるのでスモークサーモンにはオスがメインです。
    スモークサーモンといえば、いつぞやのサミットで日本のスモークサーモンが美味しいと絶賛されたのは兵庫県神戸市有馬町の老舗が作ったものと記憶しています。

    サケの利用は幅広いですよね!正月に欠かせない『新巻鮭』、頭の軟骨を用いた『ナマス』、半解冷凍の『ルイベ』あげるときりがない食材です。松とうちゃんは田舎の『なた割漬け』に入ったルイベと岩手の『いくら』『ルイベ』の入ったナマスが大好きでした!

    こんななじみのある高級食材の『サーモン』『筋子』『いくら』も、無尽蔵ではないと思うと居酒屋や寿司屋さんで簡単に注文はできないと思う松とうちゃんでした。

    『親と子(卵)シリーズ』いかがでしたでしょうか?

    気まぐれで始めたシリーズ、正直言って、6回も続くとは思いませんでした。このシリーズ1回目からご愛読の皆様!最後までお付き合いいただきありがとうございました。次回からは再び、お魚の不思議な生態を中心にお伝えしたいと思います。
    -お生物講座026-

    投稿者 formosa : 16:32 | コメント (0)

    2006年2月15日


    シリーズで読める『親と子(卵)シリーズ』の第5回目です!

    前回は『黄色いダイヤ』かずのこでしたが、今回は、世界の三大珍味『黒い真珠』と言われる西洋料理の高級珍味『キャビア』の親である『チョウザメ』について書いてみました。

    松とうちゃんは、あまりハイカラな西洋料理やおつまみを食べることが少ないので『キャビア』もめったにいただきません。『キャビア』は英語でCAVIAR(E)と言うようですが、なぜだかは分かりません。

    『チョウザメ』は漢字で蝶鮫と書きますがうろこの形がチョウに似ていることから、そのように呼ばれています。全般にうろこは少なく、肌はぬるっとしており、他のサメのようにザラザラはしていません。
    口先(実際は吻と言います)がとがって、口は大きく下を向き、尾は下葉より上葉が大きく外見はまさにサメそのものです。

    サメは全体の骨が軟骨で出来ている特徴がありますが『チョウザメ』は、完全に軟骨だけで出来ているわけではなくあごや肩の骨など硬骨で出来ている部分があります。また、サメにはないはずの浮き袋が発達しており、それが消化管につながっているなど、原始的な硬骨魚を思わせるところがあります。

    水族館では、『チョウザメ』を古代魚の代表として展示しているところも多いようです。

    『チョウザメ』は基本的には淡水魚で、東北地方以北の日本海側の川などにそ上していましたが今はほとんどみられずサハリンやアムール川流域などに生息しています。

    プランクトンなどを食べるものが多く性格はおとなしく川に4~5月ごろ産卵のためそ上し、水草などに産卵し、また、海に戻ります。産卵数は80万から240万くらいと言われますが、産卵前に捕獲され取り出された卵が『キャビア』となる訳ですね!

    日本ではほとんど見られることはなく、本来、温水魚の淡水魚であるはずのものがどんどん寒冷地(北)へ追いやられ衰退の一途をたどっています。人間の環境汚染説や淡水魚の新参者のコイに追いやられたという説などがあります。

    『チョウザメ』の乱獲などがたたって、絶滅の危機にさらされている種がいると言うのに、『キャビア』の需要はどんどん高まり、さらに『チョウザメ』は貴重なお魚になっていきます。

    『チョウザメ』がなぜ衰退していくのかははっきりしませんが動物愛護や生息数の減少などを理由に、日本のクジラ漁を批判する欧米人が多い中、なぜ、『チョウザメ』のことは考えず世界の三大珍味としての『キャビア』を求めるのでしょうか?

    今回はお魚の不思議な生態と言うより、人間の不思議に感心してしまうのではないでしょうか?

    次回は『親と子(卵)シリーズ』ラストかも知れません!
    -お生物講座025-

    投稿者 formosa : 16:59 | コメント (0)

    2006年2月14日


    シリーズで読める『親と子(卵)シリーズ』の第4回目です!

    今では『黄色いダイヤ』と呼ばれる貴重な卵『かずのこ』は、ご存知『ニシン』の子(卵)ですね!
    『ニシン』は、別名『かど(鰊)』と言い、その卵『かどの子』が変化して『かずのこ』となりました。この語源(由来)は、お魚通と言えども知っている方は少ないのではないかと思います。

    『ニシン』のお腹を開けて出した『かずのこ』は、私たちの肌の色と同様に白っぽいものもあれば、くすんだ色もあります。一般に市販されている『かずのこ』は、過酸化水素水に浸して3日間、さらに酸素入りの飽和塩水3日間浸し、きれいに漂白されて輝くような黄色をしています。少々の臭いや血がついたものも脱色されてきれいに仕上りますが、うまみ分、養分も逃げ出してしまいます。食感も悪くなると言われています。でも一般的に販売されているものの高級かずのこのほとんどがこれです。松とうちゃんの田舎の青森では、名物『ねぶた漬け』や『松前漬け(北海道名産)』などに漂白しない自然の『かずのこ』をたっぷり入れているのが自慢です。あったかい白いご飯の上にのせて食べると最高ですね!あ~ぁ、食べたくなってきちゃった!
    (*^_^*)

    『かずのこ』の美味しさは、味と食感。つぶつぶと絶妙の歯ざわりは、日本のお正月の子孫繁栄を願う縁起物です。現在、北海道の沿岸でとれる『ニシン』はごくわずかで、すでに幻の春告魚となっています。

    この親の『ニシン』はニシン目に属し、ニシン目には、ニシン科、カタクチイワシ科、オキイワシ科に分類されます。さらにニシン科には、ウルメイワシ、キビナゴ、マイワシ、ニシンなどがあります。

    なんと『ニシン』はイワシの仲間なのです!一般的な食卓にのる大衆的なこのイワシは、日常的に耳にしますが、分類について理解している方は少なく、『キビナゴ?あ、それイワシの子供』とか『シラス?それはイワシの幼魚』などと理解している人も多いと思います。

    キビナゴはニシン科の独立したお魚で、シラスはニシン目全体のお魚の幼生を言います。つまりニシンの幼生で有る場合もあればマイワシやカタクチイワシの幼生であることもあるのです。ここまで、理解していただけると、居酒屋でシラス・イワシ・ニシンなどのメニューを見て、同席のお友達や後輩に教えてあげるとにわかお魚通として評価されることは間違いないと思いま~す。(^_^)

    『ニシン』は、北太平洋から北極海に広く分布し、日本周辺では三陸沖以北に多いと言われています。外洋域を回遊するタイプと、沿岸に生息し、汽水湖などで産卵する地方系群タイプの2種類があります。
    ふつう産卵期は3~6月で沿岸の浅いところに夜間やってきて海藻に産みつけるのです。そして、その抱卵数は3万~10万個です。春にやってきて産卵するから『春告魚』、たくさん産むから『子孫繁栄の縁起物』とされてきたのです。

    『ニシン来たかとカモメに問えば~♪』と民謡で歌われた北海道西岸やサハリンの間を回遊していたタイプは、1950年ごろまでは捕獲量が増減を繰り返しながらも豊漁の時には『ニシン御殿』、『かずのこ御殿』と言われたように、漁師さんが財をなすほどだったようです。しかし、毎日のように食卓に出され飽きるようになったニシンとかずのこも松とうちゃんが小学生に入るころには、めっぽう少なくなり、今では、日本のニシン漁はほとんど地方系群タイプです。原因は水温上昇と環境変化などがあるようです。寿司屋さんで食べる『子持ち昆布』も今はほとんど人工的製法によって作られているのにはちょっと残念です。

    イワシやニシンは、大型魚の餌として、又、肥料として使われていたものが、今や高級な食材です。

    高度成長と近代化がもたらした環境汚染によって、『子孫繁栄の縁起物』であったはずの『ニシン』が大衆的であったはずの『かずのこ』が希薄となり、『黄色いダイヤ』に化した現実を見つめながら、今、私たちに何ができるのか?と考えながら居酒屋でいつも『ニシンの焼き魚』をつまみに飲んでいる松とうちゃんは、ちょっと変?

    次回も『親と子(卵)シリーズ』がんばります!
    -お生物講座023-

    投稿者 formosa : 16:32 | コメント (0)

    2006年2月13日


    シリーズで読める『親と子(卵)シリーズ』の第3回目です!

    松とうちゃんは、明太子も大好きです。
    九州物産展に行ってきましたが、さすが明太子の本場。いろいろな明太子屋さんの看板があり目移りしちゃいました!(*^_^*)

    明太子は、『スケトウダラ』(一般にスケソウダラと呼ばれる)の卵ですが、その名の由来は、韓国で『スケトウダラ』のことを『明太』(ミョンテ)と言いその明太の子供(卵)だから『明太子』と『ふくや』の創業者である川原俊夫氏が名付けたようです。

    産卵前に捕獲された『スケトウダラ』のメスのお腹には卵のうが2つくっついて入っており、2つ合わせて『一腹(ひとはら)』と呼ぶのはご存じですよね!
    取れたての卵は柔らかく、それを着色された塩水に漬け6、7時間ゆっくりかきまぜた後、一晩寝かせて明太子を作ります。漬け物の浅づけの要領ですが、この製法で、卵の中から水分を排出し、更にたんぱく質の卵膜が変化して固くなりあの明太子独特のプチプチ感が生まれるのです。明太子は、塩からの一種と言えます。
    美味しいですよね!(^_^)

    松とうちゃんは辛目の『辛子明太子』が大好きで、だいこんおろしにそのままのせ、細かくつぶしながら混ぜて食べるのが特に好きです!

    さて、『明太子』の親『スケトウダラ』ですが、タラ目タラ科に属し、タラ科には大型魚の『マダラ』、資源量が最も多い『スケトウダラ』、やや小型の『コマイ』の3種があります。
    タラは山口県以北の日本海、茨城県以北の太平洋、オホーツク海など水温の低い海域に生息しています。松とうちゃんの生まれ故郷の青森県十和田市(三本木)では気温の低いしばれる冬になるとよく庭先で『スケトウダラ』を干して、それをおやつに食べたものでした。
    子供の頃は、お酒のつまみにはしていません!大人たちとこたつでお茶を飲みながら食べました。おっと脱線しました。(*^_^*)

    タラは北日本で雪の降る冬に産卵のため沿岸にやってくることから、魚へんに雪と書いて、『鱈』と読みます。知っていましたか?『マダラ』は沿岸の浅場で産卵し、幼魚はある程度育つと回遊し、4~5年後に再び親となって帰ってくる回帰性が強いお魚です。幼稚魚の時は、プランクトンを食べていますが、成長して海底深くの生活に入ると、食欲が旺盛になり、お魚、イカなど大型動物をどん欲にお腹いっぱいに食べます。そのため『たらふく(鱈腹)食う』と言う語源になったのです。すごいですね!

    『マダラ』は、白身で淡泊なため、様々なお料理に使われますが、松とうちゃんは『たらちり』や『湯豆腐』にコンブと一緒に入れるのが好きです。卵は『真子』と呼ばれ『明太子』よりやや臼黒く、オスの精巣は『キク』と呼ばれ珍重されています。産卵前の『マダラ』は、メスよりオスが高いことからも、『キク』の人気が高いことが分かります。
    『マダラ』の卵は、直径1mmくらいの粘着性のある沈性卵ですが、産卵後数分で粘着性は消え海底にばらまかれるようです。卵巣の卵数は200~500万個で、その全てが1回の産卵で放出されると言うからおどろきです!

    『スケトウダラ』は日本の水産たんぱく質資源としては重要な役割があり、かまぼこ、ソーセージなど広く利用されています。アメリカなどでも好評で、すり身は英語で『surimi』と言います。『マダラ』よりやや小さく、回遊性のお魚です。
    『スケトウダラ』も幼稚魚の時はプランクトンを食べていますが、成魚になると幼稚魚を食べる『共食い』でも有名です。

    『スケトウダラ』の産卵はオスメス1対で行われオスがメスの腹の下に回り込み腹びれでメスを抱く恰好です。これを腹面マウンティングと呼び、このためオスの腹びれはメスより大きくなっています。

    『スケトウダラ』の特徴で不思議なのは、頭に近い部分に浮き袋の発音筋があり、鳴くことができることです。
    産卵時期、オス同士の威嚇では単発的に『グッ・グッ・グッ』と強く鳴き、メスへの求愛は軽く愛らしく『ググググググ』と鳴くそうです。松とうちゃんは『スケトウダラ』から求愛されたことがないので、その鳴き声は聞いた経験がありません!(*^_^*)

    最後に『コマイ』ですが『氷下魚』と書いてコマイと読みます。水温2~5度の冷たい海域に生息し『スケトウダラ』より更に小さい小型のタラです。ほとんどは固くなるまで干したものが出回っていますが、一夜干しを軽くあぶって食べるのも絶品です。冬になると松とうちゃんの田舎から送ってきますので、それで一杯やるのがたまりません!

    親である『スケトウダラ』と、その子(卵)である『明太子』がそれぞれ違う人生(魚生?)を歩むようにしたのは、人間ですよね!でも、違う歩みでも、どっちも美味しいな~

    この『親と子(卵)シリーズ』になってから、お魚の生態というより、食べることに趣(おもむき)をおいた生物講座になったと感じるのは、松とうちゃんだけでしょうか?

    次回も『親と子(卵)シリーズ』いけるかな?
    -お生物講座022-

    投稿者 formosa : 16:17 | コメント (0)

    2006年2月12日


    シリーズで読める『親と子(卵)シリーズ』の第2回目です!

    長崎野母、壱岐、五島や台湾南部の名産に、珍味の『からすみ』がありますが、この『からすみ』何の子供(卵)かお分かりでしょうか?

    『からすみ』は、『ボラ』の卵で、中国では良質の墨『唐墨』に形が似ていることから、そのような名前で呼ばれるようになりました。
    松とうちゃんが駐在していた台湾では、『烏魚子』と呼ばれ、中国語の『唐墨』が日本語読みの『からすみ』になり、日本人の影響を受けた台湾では『カラス』が『烏(からす)』になり、魚の子供であることから『烏魚子』になったのではと松とうちゃんは思っています。

    前回の『ハタハタの卵ぶりこ』と違って『からすみ』は、産卵時期に親の『ボラ』の腹をさいて取り出した卵を水で血抜き、水きりした後、食塩をつけて1週間位寝かせ、そのあと真水につけ塩抜きし乾干して出来上がります。

    『からすみ』は薄皮をむいてお酒につけ軽くあぶり薄切りして『葉にんにく』や『だいこん』にはさんで食べると絶品です!知り合いで、台湾人のご老人に『からすみを食べながら飲むと悪酔いしないぞ!』と、どんどん紹興酒をすすめられ、よく二日酔いをしていました。

    ついつい大好きな『からすみ』のことになると話が長くなりますが、親の『ボラ』の生態についてお話しましょう!

    『ボラ』は、スズキ目に属し世界に17属72種、北海道以南の日本沿岸、世界の温暖海域に生息しています。日本以外にも広く分布しています。

    『ボラ』は、泳ぎが速く非常に機敏なお魚で汽水域などの浅瀬で海底表面の藻類や水中昆虫、小型魚類を餌にしています。
    泳ぎの速さと機敏さの秘密は、体型と背びれ、そしてうろこにあります。体型はやや紡錘形でまるで大型旅客機DC10のようです。それと、2基ある背びれは離れており、速く泳ぐ時は、体に沿って背びれをたたみ、たたんだ後のでっぱりが水の抵抗を受けるため、たたむ部分の両端のうろこは三角の形をしており、ちょうど背びれをたたむと体表がスムーズな形状になります。
    すごいですね~!
    また、一般的なお魚の側面にある側線(水の動きなどをキャッチする器官でその部分のうろこは穴があいている)でまわりの気配を感じますが、『ボラ』には側線がなく、全身のうろこに穴があいて、まさに全身で気配をキャッチすることができます。まるで、体表全面がセンサーですね!『ボラ』は、『マグロ』に匹敵する機敏性を持つお魚と知っている方は少ないのではないでしょうか!

    浅瀬で見る『ボラ』が時々頭を振るようにしている場合がありますが、これはヤスリのような細かい歯で海底の餌を切り取っている行動です。
    海底の泥と一緒に餌を食べることが多く『ボラ』は泥臭さがあるので日本ではあまり賞味されません。しかし冬に漁獲される寒ボラは刺身で食べると、これまた絶品で、たまりません!松とうちゃんが、八王子のある研究所に勤めていた時は、冬になると近くの居酒屋でよく好んで『ボラ』の刺身をいただいていました。美味しかったな~

    普段浅瀬で群れをなして泳いでいる『ボラ』が産卵の時期、どこに移動して産卵するのか、謎につつまれています。産卵時期の10月から翌年1月までは、どこか産卵場所に旅立つため、沖の黒潮や対馬暖流などの大きな潮の流れがあるところまで、とんでもなく大きな群れで移動するようです。
    伊豆半島のダイビングのメッカ『伊豆海洋公園』では海面から水深20mが群れで真っ黒(ボラは黒くありません)になるくらい大群の移動がみられるようです。まさか、産卵場に移動する前に漁獲し『からすみ』にしてしまうから産卵場所がいまだに分からない訳ではないと思います。

    『からすみ』は、デパートなどでひとはら2万5千円の値がつくほど高級な珍味ですが、その親『ボラ』は、日本では差ほど珍重されていません。海中でもダイバーは『あ~あの大きいの、ボラ!』というくらいで、あまり珍しい魚でもありません。しかし、ハワイでは高級魚扱い、タイでは有名なスープ『トムヤムプラー』に利用されています。

    日本沿岸の『ボラ』は、子供の才能価値は認めるけれど、その子を産んだ親の価値は軽視される!そんな現代の人間社会を現わすような気がしてなりません!
    本当は、素晴らしい子供(卵)を産んだ『ボラ』なのです。今度水中で見たら、しっかり観察してあげて下さい。
    -お生物講座022-

    投稿者 formosa : 16:04 | コメント (0)

    2006年2月11日


    シリーズで始まる『親と子(卵)シリーズ』の第1回目です!

    『秋田名物、八森ハタハタ、男鹿で男鹿ぶりこ♪~』と歌われた、秋田・山形の名産『ハタハタ』は『しょっつる鍋』で有名ですね!

    『ハタハタ』は、『しょっつる鍋』の他、干物を焼いて食べる、米こうじとお酢で漬けたハタハタ寿司、身が崩れないようにさっと煮付けた煮物などで、その独特の味を楽しめます。身は薄く、白身の淡泊な味です。

    松とうちゃんは小学低学年から中学までの多感の時期に秋田県由利郡の象潟町で暮らしていましたが、その当時は、『ハタハタ』が豊漁で浜を歩くと、海辺に生きている『ハタハタ』とその子供(卵)『ぶりこ』が潮で打ち上げられ、それらを拾って歩いたほど、豊漁な時期が続きました。
    あまりの豊漁に値は下がり漁業関係者の頭を悩ませていたと思います。

    『ハタハタ』は、スズキ目のワニギス亜目に分類され世界に2属2種しかありません。日本では1属1種のみです。日本海沿岸(秋田県・山形県)、アラスカ、韓国沿岸などその生息範囲は狭いと言われています。

    『ハタハタ』の体表はうろこがなく、背びれは2基でいちじるしく離れている特徴があります。また、口を開くとほぼ直角になり、結構笑える顔です。ふだんは、水深100~400mの比較的深い砂泥底の泥の中にもぐって生息しています。しかし、11月~12月の産卵時期になりますと、群れで移動し浅瀬(2~10m)の海藻に卵を産みつけるのです。
    この浅瀬に移動する時が漁の時期で、このころになると、お腹に卵がいっぱいの『ハタハタ』がスーパーなどの鮮魚コーナーにならびます。

    メスの『ハタハタ』は、直径3mmくらいの卵とゼラチン状の粘液で浅瀬の海藻に、まるでゴルフボールのようにまん丸く産みつけます。
    海藻にボールがぶら下がって、実がなっているような恰好です。この直径5cmくらいの卵のボールは潮の流れやうねりで海藻からはずれ、海底をころがり海岸に打ち上げられるわけです。これが、秋田地方で言う『ぶりこ』です。
    打ち上げられた『ぶりこ』は、表面がやや硬くなっており、個々の卵がバラバラになることはありません。

    たらこ、かずのこ、すじこ、からすみ、などは産卵前に漁獲し、腹をさいて加工しますが、『ハタハタ』の帝王切開により取り出した卵は、『ぶりこ』と呼びません。あくまでも自然に打ち上げられた産卵後の固まり(ボール状)のものをいいます。お腹の中の卵と『ぶりこ』は硬さも味も異なります。

    『ぶりこ』は、酢醤油などで軽く炒めるのが一般的な料理方法でこの調理した『ぶりこ』を20分かかる通学路でガムのようにかみながら登校したものです。かむと、プチプチと卵から身が飛び出し口の中でその美味しさがひろがります。学校に到着するころにはかみ終わった『ぶりこ』が真っ白な発砲スチロールのようになります。
    あ~ぁ~懐かしいな~

    この大好きな『ハタハタ』も、めっきり漁獲高が減り、おらが郷土の名物を、民謡に歌われた『ハタハタ』を守ろうと漁師の思いきった決断が、数年前から3年間休漁という形で行われました。
    結果は休漁の前と比較し、解禁後は6倍にもその数が復元されたという成功です。
    この休漁策の成功は、全国の漁業関係者に波紋を呼び各地の漁で検討されているようです。

    お魚自身の子孫繁栄のための努力と人間(漁師)の理性と知恵が、その種を絶滅させることなく生息数を維持させることになると思います。
    今回は懐かしき35年前の暮らしを思い出しながら書いてみました!
    (*^_^*)
    -お生物講座021-

    投稿者 formosa : 16:43 | コメント (0)

    2006年2月10日


    ウツボと聞くと、『怖い!』という方が多いようですが、水中で見るウツボは多種多彩で、可愛らしさを感じることがあります。

    ウツボは中国・台湾では中国料理の食材として好まれ、日本でも四国高知県大月町では干物を生産し、出荷している話を聞きます。
    他のお魚同様、頭の部分にはDHA、皮と身の間はコラーゲンが豊富で健康と美容に良さそうです!

    ウツボは『ウナギ目』に属し、ウナギ同様、仔魚(しぎょ)期には、レプトケファルスと呼ばれる成魚とは異なる形で幼生期を過ごす謎めいたところがあります。岩やサンゴの割れ目など、同じところに住む定着性のあるお魚ですが、産卵の時期には遠く外洋に出かけるのかも知れません。

    皮ふが頑丈で厚くウロコがないため、ぬるっとした感触で胸ヒレがありません。臭覚の強いお魚で、目の上に一対の後鼻孔と口(上顎)の先には管状の前鼻孔の突起があります。(にゅっと口先から伸びている突起です。)

    ほとんどのウツボの顔つきは怖そうですが、臆病で、おとなしい種が多く、ウツボ科のお魚は世界に約200種(日本でも約50種)とかなりの種の数です。

    沖縄などに生息する『ドクウツボ』は、体長2m近くにもなる大型のお魚でシガテラ毒を持ちますが、餌付けされたものがダイバーの指をかみ切った例や、松とうちゃん自身、追いかけられ恐怖を覚えた経験もあります。しかしこれらは人間の餌付けと言う行為に反応したもので本来凶暴さを持つものではないと思います。

    虎のような派手な模様の『トラウツボ』は、目の上の後鼻孔が突起しており、口先の前鼻孔も伸びているウツボで普通の岩礁で見られます。
    カメラ派には派手模様で角(つの)があるいい被写体になりますね!

    四国高知県で食用とされる『コケウツボ』や『ウツボ』は、伊豆地方など関東の海では、捕獲されることはほとんど無く、夜行性で普段は岩の割れ目などに身を隠しているはずのものが全身をあらわにしているウツボがごろごろ見かけられます。採られない安心感でしょうか?

    肉食で歯が鋭く怖そうなウツボも、『ハナヒゲウツボ』にいたっては全く印象が違います。沖縄など亜熱帯から熱帯に多く生息するウツボですが、前鼻孔が扇状にひろがって、まるでハナビラのひげがついたように見えることからその名が付いたのでしょうか?
    全身を出して、泳いでいる姿はまるでプレゼント包装に使うリボンのように見えます。この『ハナヒゲウツボ』は、幼魚期に体色が黒色、成魚期はコバルトブルー(背と腹が黄色の帯)、そして雄性先熟つまりオスからメスに
    性転換する不思議なウツボでダイバーに人気のお魚です。
    オスはコバルトブルー、メスはイエローと言われていますが、体全体がイエローの『ハナヒゲウツボ』は見たことがありません!どのタイミングで、性転換するのか興味深いところです。

    これらのウツボが、お口のまわりをエビやホンソメワケベラなどにクリーニングされ気持ちよさそうにしている姿を見ると、『気持ちいいかい?』と声をかけたくなります。また、いつも口が半開きでまぬけさを感じることもあり、顔を近づけると後ずさりしていくウツボが憎めません!怖いというイメージではなく、可愛らしいと思うのは、松とうちゃんだけでしょうか?

    今回は『怖い!』『気持ち悪い!』などと外見のイメージだけで判断されてしまうウツボを、水中でその身振りや表情を観察しそれぞれの性格を判断していただけたらと思い取り上げてみました!
    怖そうで、付き合いにくい方も向き合ってにらめっこしていたら、相手の気持ちが分かるかも知れませんね!(*^_^*)
    -お生物講座020-

    投稿者 formosa : 16:34 | コメント (0)

    2006年2月 9日


    松とうちゃんは辰年です。辰年と言うと、龍、即ち『海の龍』タツノオトシゴを連想するのではありませんか?

    タツノオトシゴは、ヨウジウオ科のお魚で、体長は7~8cm、海藻やヤギなどの刺胞動物にしっぽ(尾部)を巻き付けることで有名です。
    肉食のタツノオトシゴは、頭から口先が長くのびており、甲殻類や稚魚を、まるで掃除機のように長くのびた口で吸引し捕食します。
    体色は、褐色、赤色、白色、黄色、黒色と多彩ですが藻類をバックにカモフラージュがうまく見つけにくいお魚です。それだけにダイバーのフィッシュウォッチングの対象として人気が高いものです。
    泳ぐ姿は、体を垂直に立てて馬のように長くのびた顔を前に突き出しており、お魚の仲間とは思いがたい格好です。

    日本では、地方によってタツノオトシゴの呼び名もいろいろで、タツノコ、リュウノコマ、と言うぐあいに龍に見立てた呼び名やウミウマ、ウマノカオなどのように馬の顔に似ていることから、そのような呼び方をされているところもあるようです。英名は『シーホース』すなわち『海の馬』ですからやはり欧米人も馬の顔に見えるのでしょうか?

    タツノオトシゴの不思議な生態としてその繁殖方法にあります。ヨウジウオ科のお魚がオスの腹部に卵を着けてふ化まで育てることは有名ですが、タツノオトシゴの場合、メスがオスの腹部にある育児のうと言う完全に袋になっている部分に卵を注入し産卵、受精した卵はオス育児のうで2~3週間でふ化し、育児のうの開口部からほとんど親と同じ姿で体長約5mmの稚魚を出産します。その数、200匹以上と言うからオスはそうとう大変です。

    松とうちゃんは、幼いころ、叔母の自宅での出産の様子をおぼろげに覚えており、その後中学に入りまもなく、自分が出産で苦しんでいる夢を見たことがあります。夢から覚めた時は、『あんな苦しい思いはいやだ!』『男に生まれて良かった!』と胸をなで下ろしたものです。
    体をくねらせ、一生懸命出産しているタツノオトシゴのオスも苦しい思いをしているのではと、気の毒に思います。(世のお母さん方、ごめんなさい。)

    卵を捕食者に食べられないように、稚魚までオスの体内で育てる姿は、テンジュクダイの口内保育に似ていますが、オスの子育てには、頭が下がる思いです。

    普通タツノオトシゴを食用にはしませんが、中国では乾燥させ漢方や薬膳料理に使われ、日本ではたくさんの子供を産むことから、安産のお守りに使われています。

    出産と子育ては母親の仕事ときめつけている世の男性諸君!タツノオトシゴのオスを見習い子育てに励みましょうか!クローン技術で生物が誕生する時代です。
    人間も男性が出産する時代が訪れるかも知れません!?そんな時に戸惑わないようにしましょう!
    -お生物講座019-

    投稿者 formosa : 16:23 | コメント (0)

    2006年2月 8日


    皆さん!ゴンベ科のお魚をご存知でしょうか?まるで置物のように、岩や珊瑚などの海洋生物にひょこんと乗っかっていることが多いお魚で、日本では13種ぐらい知られています。その中で、口が細長く、背ビレの先がリボンで結んだような糸状突起をもち、体全体がチェック模様のとてもお洒落なお魚で『クダゴンベ』と言うのがいます。

    『クダゴンベ』は、熱帯・亜熱帯に生息するお魚で関東の海では大変珍しいお魚ですが、日本では25年ごろ前に伊豆海洋公園で初めて発見されその和名がついたと聞いています。

    この『クダゴンベ』は、わりと深場の水深20から30mにいることが多く、また、オオイソバナなどヤギ類に同化したような色合いで着いています。赤い格子模様で、バックのオオイソバナと区別がつきにくく見つけるのが厄介ですが、その珍しさ、奇麗さからいって見つけた時の感激もひとしおです。

    松とうちゃんが初めて見たのは、沖縄ケラマの海でかなりの感動がありました。続いてパラオ、台湾、網代、大瀬崎、熱川と見る機会も増えていきましたがチェック模様が微妙に違うような気がしています。
    ほとんどのチェック摸様は、赤色中心ですが、少しオレンジがかっているもの、褐色がかっているものなどの違いがあります。

    これらの色や摸様の違いは生息する地域によるものではなく、個体によるものと考えられます。例えば、住み着いているヤギ類の色に合わせているのかも知れません。
    それにしても、体の摸様が赤いチェックとは不思議です。陸上の動物や海中のお魚には、縞模様というのはありますが、チェック摸様は聞きませんよね!

    最近、伊豆の熱川というところで大小の『クダゴンベ』を見たのですが、先がどんどん枝別れしている赤いウミウチワに着いており、よく見るとバックのウミウチワも格子摸様に見え、カモフラージュの効果を高めるためのチェック摸様ではないかと思いました。

    何人かの水中カメラ小僧のダイバーに追い回されたのか松とうちゃんが撮影しようとした時は、すぐ後ろに飛ぶように回り込み、こちらも回り込むと、また反対に飛び移ってしまいなかなか撮影を許してくれませんでした。『クダゴンベ』は、英名『ロングノーズホークフィッシュ』と言います。飛び移る姿を見て、ホーク(鷹)の意味が初めて分かりました!

    チェック摸様というと、英国のマフラーなどで有名な『タータンチェック』がありますが、中世のスコットランドのハイライド地方で敵・味方の見分けに、タータンデザインができ生地が丈夫で身を守る目的もあったようです。ファミリーは、独特なタータンデザインを持っており、日本で言う家紋のようなもので、あるグループと他を区別する
    目的に使われたのが『タータンチェック』です。

    『クダゴンベ』のチェック摸様も身を守る目的がありひょっとしたら個体特有の形・色の違いではなく、彼らの種族をあらわしているものかもしれない!と思うのは、ちょっと無理がありますよね!
    -お生物講座018-

    投稿者 formosa : 16:14 | コメント (0)

    2006年2月 7日


    カミソリウオとかノコギリヨウジと言うと、いかにも切れそうで物騒ですが、これらはヨウジウオ目に分類されるお魚たちです。見たことのない方には、想像しにくいかも知れませんが、カミソリウオの仲間に『ニシキフウライウオ』と言うお魚がいます。

    口が馬のように長く、背びれ、腹びれ、尾びれは数本の串が薄いひれ膜でつながり扇状になっているものが多く、全く奇妙な形をしたお魚です。体表は縞模様で内蔵が透けて見え、名前のとおり、いつも口を下にした姿勢でふ~らふ~らと漂っています。

    もともと『ニシキフウライウオ』は熱帯~亜熱帯の暖かい海に分布し関東の海では、珍しいお魚でダイバーのフィッシュウォッチの対象として人気があります。水中写真家にとっても魅力的なお魚です。

    このお魚は、泳ぎが下手とされており、いつもヤギやウミシダなど海中生物の色そっくりにカモフラージュして身を隠しています。海藻が漂うような感じなので、慣れないと見つけるのにかなり苦労します。

    『ニシキフウライウオ』の属するカミソリウオ科のお魚は擬態の達人とも言え、個体ごとに色は多彩、形もいろいろ異なります。これは、泳ぎが下手なので、捕食者から餌として学習されないためと言われています。みんなが同じような体色や形をしていると、『あのては、泳ぎの下手なお魚(えさ)』と覚えられてしまうのでしょうね!

    ヨウジウオ目のお魚のほとんどは、産卵後、卵をオスの体に産みつけ、オスが育児・ふ化させますが、この『ニシキフウライウオ』たちは、メス自身の、腹ビレを袋状にした育児のうと言うところに卵を生み、ふ化させます。ヨウジウオ目の中では、変わった子育てです。

    この『ニシキフウライウオ』は、大変珍しいのですが、見つけるとほとんどオス・メスのペアでいることが多いのです。メスは先程の説明のとおり、腹ビレを袋状にした育児のうを持ち、普通はペアの大きい方です。オスは育児のうがなく、腹ビレは左右2つに分かれていますし、小さい方ですのですぐ分かります。

    黒潮などに乗って流れ着いた少数の彼らが、なぜ同種でペアを作れるのでしょうか?全く持って不思議です。一緒に流れ着いたとは思えませんし、彼らの体からは、同種の異性を呼ぶフェロモンでも出ているのでしょうか?

    海中で見つけると、このペアは、いつ、どうやって出会ったのだろうと松とうちゃんは考えてしまいます。地方から上京し、田舎と異なる厳しい都会の雰囲気に飲み込まれそうになった時、ふと出会った同郷の異性に親しみを覚える感じでしょうか?

    故郷から遠く離れた場所で出会った『ニシキフウライウオ』のペアが子孫を残すために必死でがんばっている様子に、田舎生まれの松とうちゃんは、声援を送ります!
    -お生物講座017-

    投稿者 formosa : 15:54 | コメント (0)


    磯や沿岸で気軽に楽しめ釣りの対象魚としての『メバル』は、美味で漁業上でも重要なお魚とされています。この高級魚の『メバル』は、日本各地(特に北日本に多い)に生息しており、どこの魚屋さんでも見かけることができると思います。

    煮付けが美味しいですよね!

    『メバル』は、大きな目がお魚独特の球状に張り出しており、その特徴から『目張る』と書いて『メバル』と