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    流離いの旅人イボダイとメダイ?

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    幼・稚魚のころに流れ藻、漂流物、クラゲなどに乗って移動するお魚でイボダイ亜目のお魚をご存知でしょうか?

    イボダイ亜目は、イボダイ科、マナガツオ科、エボシダイ科など5科に分類されますが、イボダイ科の『イボダイ』は九州ではシズ、関西ではウボゼ、関東ではエボダイなどと呼ばれますので

    ≪あ~、バター焼き、塩焼き、煮付けなどにして美味しいあの魚ね!≫

    と思い出す方も多いと思います。

    イボダイ亜目のお魚の特徴は、

    咽頭部(のど)と食道の間に食道のうという袋をもつことで、この袋の内壁には肉質または角質の小突起が密集し消化機能があるのです。食べた餌は、この食道のうで完全に粘液化され、それから胃に送られるという不思議な構造をもっています。

    ほとんど成魚は、中・深層にすんでいますが、仔稚魚期には、表層のクラゲや流れ藻に乗って移動しますので、世界の暖海域に広く分布する流離いの旅人なのです。

    エボシダイ科に属する『エボシダイ』は幼魚のとき、強い毒をもつ有名なカツオノエボシの触手の間にすんでいます。成魚になるとカツオノエボシを離れ水深2000~1000mくらいの深場に移りますが、世界中の温帯と熱帯の海域に分布し、日本では夏に幼魚として見られます。

    この『エボシダイ』は、カツオノエボシの触手の間にすみついていながらカツオノエボシの触手を失敬して食べるふとどき者なのです。生まれつきカツオノエボシの毒に強いわけではなく、小さなころから少しづつ触手に接触し、徐々に免疫をつけていくといわれています。

    ながれ藻につくお魚としてはブリの稚魚が有名ですが、イボダイ科の『メダイ』も仔稚魚期にながれ藻につき移動します。

    『メダイ』は、北海道以南の太平洋側に多く生息しますが、伊豆半島、紀伊半島などの沖合い深場に多いことが知られています。

    松とうちゃんは、八丈島を訪れたとき地魚をネタにする島寿司を食べますが、決まってこの『メダイ』が出てきます。深場のお魚にしては、身がしまっていてとっても美味しいお魚です!

    九州南部や四国沖で産卵された『メダイ』の卵や稚仔は、ながれ藻に乗り黒潮によって、北の三陸沖合いに運ばれ、深場生活に入り成長とともに親潮に乗り換え南下し、産卵場所に戻るというパターンでまさに『流離いの旅人』といった感じです。

    ダイバーの方は海面付近でミズクラゲやアカクラゲの触手にイボダイ科の幼・稚魚が群れですみついている光景をみることがあると思います。
    癒し系といわれているクラゲの動きの中で可愛い小魚がすみついている様子をみたら、なんてファンタジックな世界だろうと感じると思います。


    -お生物講座097-





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