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    2006年2月28日


    初鰹(カツオ)は、脂は比較的少ないもののあっさりとした美味で珍重されていますね!

    松とうちゃんのお仲間から、とれたてで新鮮な『カツオ』が届き、あまりの美味しさに今回、このお生物講座のテーマにとりあげることにしました。

    春から夏にかけて、ダイビング中でも沿岸で『カツオ』の群れを見ることがありますが、その泳ぐ姿は迫力がありますね!

    『カツオ』は『スズキ目』の『サバ科』に属し、マサバ、イソマグロ、サワラ、ソウダガツオなどの仲間です。世界の温帯・熱帯の沿岸や、外洋の表層海域に生息して、いつも急がしそうに泳ぎまわっています。

    サバ科のマグロ類と同様、高速で泳ぎ、口から取り込んだ海水から鰓(えら)で酸素を取り入れますが、航空機のジェットエンジンの空気の取り入れ方式と同じことから、ラム・ジェット換水法と呼ばれています。
    また、マグロ類と同じく泳ぐのを止めると呼吸が出来なくなりますので、休息・睡眠は泳ぎながら行います。大変ですね!

    『カツオ』のまるまるとしたボディはご存じと思いますが、やや側扁した紡錘形の肥満体型です。ふつう全長50~80cmで、背は暗青色、腹は銀白色、死後まもなく数本の薄い黒色縦帯が現われます。

    『カツオ』を含めマグロ類の高速泳法の秘密は、紡錘形の体型と背びれ・胸びれ・腹びれの収納機能にあります。胴体に収納溝があり速く泳ぐときはそこに収納し水の抵抗を抑えます。更に、強力で持続的遊泳力を生みだす丈夫な尾びれが力を発揮します。尾びれは上下に大きく分かれ、鰭条(棘のような骨)がたくさん並んでいます。

    前述の新鮮カツオを届けてくれたお仲間が教えてくれましたが、この鰭条(きじょう)面白い使い道があるようです。

    ■■一口メモ■■
    みなさんカツオのシッポ(尾びれ)を一度お湯につけて煮立ててみて下さい。あら不思議、きれいにタワシで掃除をすると、オシャレな爪楊枝が出来上ります。

    教えのとおり松とうちゃん、やってみました!根もと側は先が鋭く、ちょっと膨らみを持ち、反対側は数本に分かれ刷毛のような不思議な爪楊枝ができました。おもしろ~い!!(作業は寿司やさんの板さんがやってくれました。)

    さて『カツオ』の摂食方法ですが、高速で泳いでイワシなどの群れに数匹又は群れでアタックする襲撃型摂餌法です。捕まえた餌はやはり泳ぎながら食べますが、彼らの消化吸収力は他のお魚に比べて、はるかに高く、高速遊泳しながらでも問題ありません!

    そして、不思議なのは生きている間は普段みることができない体側の縦縞がこの食事中だけに、はっきりと表れることです。『只今お食事中』の看板をなぜに出すのか理由はわかりませんが、『カツオ』の社会ではお食事中のマナーかも知れません。

    以前に、『クラゲ』のテーマで紹介しました『カツオノエボシ』は、鰹の烏帽子と書きますが、このクラゲは鰹の群と共に見つかれことが多いのでこの名がついたと言うこと、皆さん!知っていました?

    『カツオ』は我々人間にとっても重要な食用魚で、刺身、照焼きなどのほか、鰹節、なまり節の材料となりますね!内臓は塩辛にする『カツオの塩辛』は、西伊豆田子でよく見かけます。

    これから夏は『カツオ』が旬です!美味しい季節です!血あいの多い『カツオ』はニンニクと共に食べると夏ばて防止に良いことも知られていますね!

    それにしてもカツオ、美味しかったな~『プレゼントカツオ』だから、なお一層!!

    -お生物講座038-

    投稿者 formosa : 15:46

    2006年2月27日


    焼き魚の定番と言えば『サンマ』や『タチウオ』です。『タチウオ』はそれぞれ生息海によって産卵時期が異なりますが産卵時期の『タチウオ』は、塩焼きで食べるととても美味しいですね!

    『タチウオ』は、東シナ海では6月、紀伊の海では4~6月、熊野灘では5月と11月にピーク、駿河湾では9月がピークというように、それぞれ産卵時期が違いますが越冬時期に入る手前の初夏から11月くらいまでが漁の最盛期です。

    塩焼きやバターで焼いた『タチウオ』はたまりません!大好きです!
    ダイビングの帰り東伊豆伊東の魚屋さん『ふじいち』で焼き魚を頼む時は必ず『タチウオ』を注文します。(ごっくん!あ~食べたい。)

    『タチウオ』は北海道以南の日本各地の沿岸で生息しますがダイバーの方でも、海中で見かけた経験の持ち主は少ないと思います。産卵の時期でも水深50~70mのところを遊泳する深海性の魚ですので、めったに我々ダイバーが見かけることはありません。

    西伊豆の雲見という海でナイトダイビング中、珍しく浅場を泳ぐ『タチウオ』を見かけました。
    太刀魚と言う名前のとおり、からだは側扁して細長く、太刀状の形をしています。頭は、背びれから斜めにカットしたような三角の形で、背びれの基底は長く頭の後方から尾端までつづき、尾びれと腹びれはありません。尾が細長く伸びているのですが尾びれが無いのは不思議な形です。

    焼き魚で登場の時はほとんど四角い切り身状態ですから、全身の姿をご覧になったことがない方も多いと思います。でも、切り身の『タチウオ』も体の表面がギラギラと銀白色をしているのが分かりますよね。

    この銀白色は、粉状物質グアニンでプリン誘導体の一つです。『タチウオ』から取れるグアニンは模造真珠の光沢をつけるのに用いられていますが、知っていましたか?偽真珠を見たら、『タチウオ』を連想して下さいね!

    『タチウオ』は基本的には魚食性ですが、成長の過程(仔稚魚)では動物性プランクトンを食べ、待ち伏せ型の摂餌(せつじ)行動をとります。

    分類上では、『スズキ目』の『サバ亜目』に属し、『サバ亜目』の中には、タチウオ科の他、仲間にサバ科、カマス科がいます。カマスと仲間と言うのは想像つきますが、サバの仲間とは思えませんね!

    ところで、『タチウオ』は、『太刀魚』と書きますが、頭を上にし、尾を下にする『立ち姿』で休息・睡眠をとることから、『立ち魚』と思っている方、おりませんか?(確かに休息時はそうです。)
    また、泳ぐ姿も『立ち姿』と思っている方、おりませんか?

    少なくても松とうちゃんが海中で『タチウオ』の泳ぐ姿を見た時は、水平に普通のお魚のように泳いでいました。

    やはり『タチウオ』はその体の形から『太刀魚』で、『立ち魚』ではないと思います。ちなみに『タチウオ』は英語で
    a cutlass fish→短剣魚
    a scabbard fish →さや魚
    と呼びます。英語圏でも、『太刀魚』に軍配が上がりそうです。

    普段、身近に食卓やレストランに並ぶお魚もその生態や形に目を向けると不思議なことが多く、お魚の観察やお勉強はとっても楽しいです。皆さんはいかがですか?

    -お生物講座037-

    投稿者 formosa : 16:37

    2006年2月26日


    機嫌が悪くなったり怒ったりするとすぐ顔を膨らませたり、口をとがらせる人がいますが、海中にも皆さんご存じの怒ると膨らむ『フグ』がいますね!

    おっとりと泳いだり、体をプルプル振るわせながら逃げ泳ぐ愛嬌ある姿がダイバーに人気の『ハリセンボン』についてお話しましょう!

    『ハリセンボン』は居酒屋などでもちょうちんのようにぶら下がっている場合がありますね。皆さん見たことありますか?松とうちゃんはゴールデンウィークの台湾ツアーでも海中で沢山の『ハリセンボン』を見てきました。

    名前の通り、体の表面に針のように鋭い棘(とげ)を持ち、普段は、棘先を後ろの方に向けて体にぴったりとたたんでいますが、いったん、刺激されると威嚇(いかく)のためと敵の攻撃から逃れるために体を丸い風船のように膨らませ、棘が立ち上がります。普段の卵型の体型から丸い体型への変化はとっても面白いです!

    『ハリセンボン』は胃に特殊な弁(可変式の一方向弁)があり海水や空気を胃の中に取り込み、体を通常の約2倍に膨らませることが出来ます。膨らむのには約1秒くらいの速さで出来ますが、中の水を吐き出して元の大きさになるのには2~3秒かかります。

    体が膨らんで棘が立ち上がると敵(我々?)は、その鋭い針のためにどうすることも出来ませんが、その膨らんだ『ハリセンボン』の顔や丸い体型は、とっても可愛いです。その可愛さが嬉しくてついつい、いたづらしてしまいますが、読者から生物虐待と怒られそうです!

    しかし、『ハリセンボン』の棘は、うろこが変形してできたもので、膨らんだり触られたりすることで前回の『エソ』のように弱ることはないと思います。しかし仲間のカワハギなどは背びれが変化した棘にわずかな毒を持ち、不用意にお魚に触れるのはいろんな意味で慎まなければなりません!

    『ハリセンボン』は、フグ料理で有名な『トラフグ』のように、毒はありませんので、沖縄では普通に食用にする場合があります。

    体表面の棘と、胃に特殊な弁を持つお魚は、『フグ科』と『ハリセンボン科』だけに見られます。

    『ハリセンボン』は『フグ目』の『フグ亜目』に属しますが、『フグ亜目』には、フグ科、ハリセンボン科、マンボウ科があります。あの、人気のマンボウとお仲間と言うからおどろきです!
    また、『フグ目』には、カワハギ科、モンガラカワハギ科、ハコフグ科などがありますので、カラハギやハコフグとも仲間筋と言えます。

    海中で体を膨らませる時は、海水を取り込み浮力変化はありませんが、水面で空気を取り込み膨らんだ時は、当然空気の入った風船ですから水面をぷかぷか浮くことになります。
    日本海などの冷たい海に大量に移動した『ハリセンボン』が、水面に浮いたり岸に打ち上げられたりしているのは、冷たさのため越冬できなかったものです。もともと、温帯~熱帯海域のお魚です。

    各地方で『ハリセンボン』は、はりふぐ、すずめふぐ、ばらふぐなどと呼ばれていますね!好物の方おられますか?

    すぐ膨れて怒ってしまう方も『ハリセンボン』のように愛嬌があって可愛いといいですね!そんな可愛く、怒ったようにすねるお嬢さんを、ついついからかいたくなる松とうちゃんです!?
    -お生物講座036-

    投稿者 formosa : 15:28

    2006年2月25日


    さつま揚げやかまぼこなどに使われる原料の魚肉は『タラ』が主流とお考えの方が多いのではと思いますが、古くからのこだわりをもって作る美味しいさつま揚げには近海のお魚『エソ』を主原料にしていることが多いようです。

    今回は、このさつま揚げなどに使われるお魚『エソ』についてお話します。

    エソと名のつくお魚の種類は多く、その分類は複雑で極めてわかりにくいのですが、『ヒメ目』の『エソ科』に属する、マエソ、アカエソ、オキエソについて紹介します。

    『エソ』は、一部汽水域に住むものもいますが、ほとんど関東以南の温暖海域の沿岸に生息しています。

    我々ダイバーが、海中の岩などの上でよく見かける褐色模様のものがアカエソで、砂底の上や砂底にもぐっていることの多いのがオキエソです。
    オキエソは、冬~春の水が冷たいときほど、やや深場の砂底にもぐっていることが多いような気がします。寒いので砂にもぐっているのかな?と思いきや、他のお魚が近づくとものすごい勢いで飛びかかっていく光景を目にします。

    『エソ』はいずれも体が円筒形で細長く、頭部は太く口が大きい構造です。小さな歯は非常にするどくハゼや自分と同じくらいの大きさのお魚を丸飲みして捕食します。

    『エソ』の不思議な生態は、岩の上や、砂底の上で、そして砂底に潜って、餌の小魚(時には同格の大きいお魚)を待ち伏せて飛びかかる捕食方法です。普段、微動だにもしないので、一見鈍そうに見えるのですが、一旦獲物が近づき飛びかかる時は、かなり俊敏です。砂に埋もれてどうしてそんなに速く飛び出せるのか不思議です!

    完全に待ち伏せ型の魚食性のお魚でその貪食ぶりは有名です。捕まえたお魚を丸飲みします。そのため、食後はお腹が大きく膨らみます。
    一部の種を除き体表はざらざらしたしつ鱗(りん)におわれており、普通のうろこがないのがほとんどです。なぜなら、お腹いっぱいになったとき、うろこがあると腹部の伸縮に不便だからです。

    また『エソ』の構造で特徴的なのが中層を泳ぐ機会がないので『うきぶくろ』が発達していないことです。そう言えば松とうちゃんも海底を沿うように泳ぐのは見慣れていますが、中層を泳いでいる『エソ』を見たことがありません。

    やや深海の砂底に生息しているのがマエソですが、マエソは練り製品など、水産資源上重要なお魚です。さつま揚げの原料に使われている『エソ』もほとんどこのマエソです。

    鹿児島近海で、このマエソを練り製品の原料にするために漁獲されますが、その漁法で簡単なのが底引き網です。しかし、こだわりのあるさつま揚げ屋さんは、漁師に1本釣りを要求します。網ではマエソがすぐ弱り、鮮度の良い状態で製品に使えないからです。
    マエソは普通のウロコもなく、人間が手で触れただけで弱ります。1本釣りで釣り上げた後も手で触って釣り針をはずしたりしません。特殊な技法で、触らず釣り針をはずします。そこまでこだわって鮮度の高い厳選された『エソ』を使うから鹿児島のさつま揚げは美味しいのでしょうね!

    ここまで書き上げたら、鹿児島の知り合い『味のべっぴん!揚立屋』さんのさつま揚げで一杯やりたくなりました!

    松とうちゃんの美味しいもの好きはやまいでしょうか?(*^_^*)
    -お生物講座035-

    投稿者 formosa : 18:55

    2006年2月24日


    夏になると旅客船で島などに渡る時、船のデッキから海面を飛ぶトビウオをよく見かけますね!

    トビウオは、世界の温帯~熱帯の海域に広く分布し、その種約52種、日本では本州中部以南に多く分布しています。

    トビウオは、『ダツ目』、『トビウオ亜目』に属し、同じ仲間にこの時期寿司ネタで美味しいサヨリ、海面を泳ぐことで知られているダツ、そして庶民的なお魚と言えるサンマがいます。サンマの仲間と言うとおどろきの方もいると思います。

    これらの仲間はいずれも海水面直下の表層域で遊泳生活をおくるのがほとんどです。お魚にとって安心して住める快適な環境は沿岸の岩礁周辺や砂泥底と言えますが、海水面直下は上からも下からも敵から襲われる、あまり快適な場所とは言えません。これらの仲間が、細長く速い泳ぎをするのと、腹が白く背が青いのは、下からも上からも見えにくくするための共通な知恵と工夫です。

    スーパーの鮮魚コーナーで、お刺身用としてトビウオがならぶことがありますのでお分かりと思いますが、トビウオの体は、前後に細長い紡錘形で速く泳げて、空中を飛ぶときも抵抗の少ない形と言えます。サヨリのように下あごが極端に長くはなく、上あご・下あご同じ長さのものが多いと思います。

    九州地方などではトビウオを『あご』と呼び、干物として売り出していることが多いです。『あご』は軽くあぶって食べると美味でお酒のおともには最高です!

    海面すれすれを飛ぶときに広げる翼は胸びれで大きく、胸びれだけが翼になる2翼型と腹びれも翼になる4翼型があります。飛行中は、大きく2つに分かれた長い尾びれが舵取りの役目をします。1回の飛行時間は、10~20秒、飛行距離は時には200~400mに達することもあるというから、これまたビックリです!

    なぜ、トビウオは海面を飛ぶのでしょう?

    不思議ですよね!

    イワシの群れがカツオなどの群れに襲われた時、海水面を飛びはねて逃げまとっている光景を見ますが、トビウオはマグロやカツオなどの大型回遊魚から逃れるため積極的に海面に出て飛ぶ能力を身につけたものと思います。
    トビウオの仲間たちがなぜ不利な海水面直下で遊泳生活をおくっているのか分かりませんが、それぞれがその環境で生きる知恵と能力を身につけているのでしょうね!

    トビウオは、沿岸の大型植物や浮遊物に卵を植え付け繁殖します。

    夏場に多くとれるトビウオはお刺身としても美味ですが、トビウオの卵の美味しい食べ方を今回特別に松とうちゃんがお教えしましょう!

    トビウオの卵は体に合わせて細長い袋にかずのこと同じくらいの大きさの卵がびっしり入っています。お腹から取り出した卵の袋を一晩、日本酒につけ込みます。次ぎに全体に薄く塩をまぶし、冷蔵庫に(蓋やラップをかけず)48時間くらいねかせて乾燥させた卵を網の上にのせ、中火で焼きあげて仕上げます。

    形は違いますがハタハタの『ぶりこ』のような食感でとってもクリーミーな、洒落たお味です。かなり高級な食べ物と言えます。

    お魚たちの多様な繁殖戦略(生き残り作戦)のひとつとして今回トビウオを紹介しましたがいかがでしたか?

    えっ、食べ物の話しか印象にない!それは困りました!(*^_^*)
    -お生物講座034-

    投稿者 formosa : 16:49

    2006年2月23日


    夏の終わりのクラゲのシーズンにはまだまだですが、南の暖かい海などで見ることができるいろいろな種類のクラゲ、そして、中国料理の前菜に出てくるクラゲのお話です。

    クラゲというと海で泳いでいる私たちを刺す恐いイメージと、クラゲ料理の美味しさを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
    皆さんのクラゲに対するイメージは、どちらです?『痛い!』?それとも『美味しい』?
    松とうちゃんは、どっちもです。クラゲの毒にはとっても敏感ですし、クラゲに対する恐怖感もありますが、クラゲ料理も大好きです。

    クラゲのほとんどは、本体部分から伸びた触手を持ち、こちらには、刺胞という小さな毒のカプセルを発射する機能があります。
    触手で、動物プランクトンや稚魚などの獲物を射止めたり、巻き付きそれらを食べます。クラゲのほとんどは肉食というから、驚きです。
    どのような構造になっているのでしょうか?

    見た目では、白っぽく透明のような感じですが、ちゃんと消化器官があります。本体の触手に取り囲まれた中央には、口があり、そこから内部の消化器へ獲物を取り込みます。甲殻類などの消化できない殻は再び口から吐き出されます。なんとクラゲの口は肛門と兼用なのです!

    クラゲのほとんどは、海中に漂っているかのように見えますが、結構すばやく泳ぐのです。円盤状の傘のように見えるクラゲは、傘口から海水を勢いよく噴射して泳ぎます。その時の様子は、クラゲの傘が膨らんだり扁平したりしますのでよく分かりますよね!

    さてクラゲはいろいろな種類がありますが、幾つかのクラゲの特徴をお話しましょう!

    別名『電気クラゲ』と呼ばれるカツオノエボシは、たくさんの触手が数m以上に伸びていることがあり、形のハッキリしないものです。裸で泳いでいる人がこれにやられると強いショックを受け、時には溺死することもある恐いクラゲです。
    松とうちゃんも約20年前、伊豆半島の松崎近くの海水浴でやられ、水深5mくらいのところで下半身が麻痺し、泳げなくなり、危うく溺死するあぶない経験があります。

    やや深い箱形の傘を持つ、立方クラゲ類と言われるものは、傘の縁に4本(群)の長い触手を持ち刺胞毒が強いものが多いです。悪名高いのが、オーストラリアのサーファーや海水浴客に『海のスズメバチ』と呼ばれ恐がれているクラゲがありますが、沖縄でも『ハブクラゲ』と呼ばれる強い毒を持つものがあります。

    北海道から沖縄まで日本沿岸で広く分布し、ごく普通に見られるのがアンドンクラゲで夏の終わりに海水浴場に多く発生します。皆さんが怖がっているのはほとんどこのクラゲで、傘本体は3~5cmと小さいですが、4本の触手が長く伸びていて、ほとんど無色透明ですので、その姿に気がつく前にやられてしまうことが多いのです。また、このアンドンクラゲは泳ぎが時速300~400mと比較的速いことでも知られています。

    もともと、アンドンクラゲの長い触手は、我々人間を襲うためのものではありませんが、動物プランクトンや稚魚を捕らえる大切な道具なのです。これらにやられると鞭(むち)で打たれたようなみみずばれになり、かなり痛いですよね!

    松とうちゃんは、海で多くのダイバーを案内する機会が多く、大概、先頭を後ろむきで水面を泳ぎます。その時首筋をやられるのでたまりません!

    クラゲに直接肌を刺された場合は、こすらずに、なるべく早くに水道水で洗い流してから『食用酢』などを数回かけるのがいいです。酢をかけた時はちょっと痛みますが、治りはかなり早いです。念のために、その後『抗ヒスタミン剤』『副腎皮質ホルモン剤』を薄く塗るのも、いいと思います。これらは予め、お医者さんから本人用にいただいたものを使用しましょう!他の方からいただくのは止めましょうね!

    ちょっと横道にそれましたので話を戻しまして、次にクラゲとは思えないアサガオクラゲです。

    アサガオクラゲは、北海道から四国まで広く分布しているクラゲで、海藻やスガモなどにぶら下がるように付着しアサガオが咲いたような形をしています。やはり触手で小動物を捕らえて食べているのですが、その移動の仕方がユニークです。触手ようの先の丸い突起が強い粘着性で、少しづつ隣のほうにその突起をペタリとくっつけ、まるでシャクトリムシがはうように移動するのです。面白い動きです。

    典型的なクラゲの形をしているミズクラゲは、もっとも馴染みの多いものではないでしょうか?丸みをおびた円盤状の傘の周囲に触手を持ち、中央にはリボンのような口腕が垂れ下がっています。よく海面にぷかぷか浮いている白っぽいのがこのクラゲで、異常発生で発電所などの冷却取水口を詰まらせたり、定置網などに大きな被害をもたらすこともあります。
    松とうちゃんも、取水口に集まるミズクラゲの予防工事の潜水作業に従事したことがあります。あまり気持ちのいいものではなかった記憶があります。

    ミズクラゲの仲間で、傘に赤い筋の入ったアカクラゲや、長い4本の口腕が美しいヤナギクラゲなど水中写真の被写体としても人気の高いクラゲもいます。

    癒し系として水族館や水槽で飼われることが多くなったクラゲですが、水中でのその動きや美しさが、人の心をいやすのに役立つのでしょうね!確かに、海中でクラゲの動きを見ていて、美しいと感じることがあります。
    クラゲは漢字で『水母』とか『海月』と書きます。松とうちゃんは、その名前からは、ロマンさえ感じられます。

    最後は大型種のエチゼンクラゲです。日本海、九州、朝鮮半島に生息する大型で、傘が円盤状で、一般に寒天質が厚く硬いのが特徴です。
    触手はなく吸口と呼ばれる小さな穴から小型の動物プランクトンなどを吸い込み食べ物を摂取します。仲間にはタコを連想するタコクラゲがありますが、水族館ではお馴染みではないでしょうか?
    パラオの塩水湖にすむタコクラゲは、夜の間湖底近くの栄養塩類を摂取し、昼は水面を泳ぎ光合成量を増加させていると言われています。

    大型で肉厚のエチゼンクラゲは食用とされ、お馴染みの中国料理の食材となります。原形のまま干した食用のクラゲを日本で見かけることは少ないですが、松とうちゃんの台湾駐在中、市場ではよく見かけました。直径50~60cmのぶ厚いクラゲが並んでいました。

    クラゲ料理は、てんぐさから作る寒天同様、ヘルシーでその食感がたまりませんよね!松とうちゃんは大好きです。ところで、日本料理ではクラゲ料理はないのでしょうか?この生物講座を書きながら、ふと疑問がわいてきました。

    海でその美しさを見て楽しみ、食べてよし、のクラゲのお話でした。
    (刺されなければ…いいのにね!)
    -お生物講座033-

    投稿者 formosa : 16:41

    2006年2月22日


    引き続き、イカ類のお話です。

    イカの運動や呼吸に漏斗(ろうと)という管が働いていることをお話しましたが、その構造で面白いのが、消化と排泄です。

    食道を通過した食べ物は、消化器で消化吸収され残りは直腸を通過し、漏斗近くの肛門から排泄されます。漏斗では、運動や呼吸によって常に海水が吐き出されていますので排出物はただちに体外に海水とともに洗い流されます。あら不思議!イカのトイレは水洗式なんですね!

    ほとんどのイカ類はきわめて成長が早く、寿命も約1年と短いものが多いのです。美イカ短命?そしてその一生にたった一回産卵し、死んじゃうのです。ちょっと短く悲しい人生(イカ生?)ですね!

    お魚のほとんどは、産卵の際にオス・メスが卵と精子を海中に放出し、受精しますが、イカの場合はちょっと変わった方法をとります。

    オスは体内で精子をカプセルに詰め、そのカプセルを交接腕と言われるオス独特の腕で、メスの体に付着させます。この交接腕は、特徴がありオスを見分けたり種を分類できるのです。この交接方法はメスに付着したまま保存が可能で、産卵場所まで移動して受精もでき非常に効率的ですね!
    イカ類も子孫を残すために、様々な工夫と努力をしているのです。

    コウイカなどコブシメは、卵を1個づつ硬い卵膜に包み、サンゴのすきまに産み付けて、捕食者から守ります。全ての腕の先をつぼめて、その中で大きな卵を送り出しテーブル珊瑚などに、腕の先を突っ込み1個づつ、ていねいに産みつけていく姿は、とても神聖に見え感動的です。松とうちゃんは沖縄ケラマや台湾で何度もそのシーンを観察し、その度に感動を覚えました!

    ヤリイカやアオリイカは、数十個の卵をゼラチン質の袋に入れ、数珠状にまるでソーセージを何本もぶら下げたように、岩の下などに産みつけます。やはりゼラチン質の袋が卵を守るんですね。海中では結構目立つのですが食べにくいのかお魚にはやられません。ちょうどこの季節、あちらこちらの海中でソーセージようの卵の袋がぶら下がっているのを観察できます。

    コブシメの卵は、ゴルフボールくらいの大きさがあり、これは出来るだけ子供がその中で大きく強く育つ工夫です。またヤリイカやアオリイカは、ふ化してすぐ墨を吐いて逃げる機能を備えています。ふ化を待ち構えている捕食者から逃げる工夫をしているのですね!ふ化してまもなく、ちっちゃなイカがいっちょまえに墨を吐く姿はとても可愛らしいです。

    ふ化した小さなイカは、動物プランクトンやエビ類の幼生や魚の稚魚などを食べて成長しますが、それぞれの海域で、それらの餌が豊富な時期を狙ってふ化させます。

    少しでも多くの子孫を残そうと努力しているのですね!

    生まれたばかりのハイハイできない人間の赤ちゃんをその子が自立し、社会で生きていけるように我々人間の親は愛情を持って子育てしますよね!

    イカたちの親は、生まれる子供が、ふ化して間もなくひとりで(1匹で?)生きていけるよう、自分の生涯の終わりをかけて最善の条件・環境を整え、子孫繁栄を願うのでしょうね!そして、ふ化したイカの子供はただちに約1年という短い人生(イカ生)を強く生きていくのですね!

    ここで松とうちゃんの大好きなスルメイカの生涯について簡単に紹介します。

    比較的温暖な海域でふ化したイカは、関東近海などで春から初夏に、10cmくらいのムギイカと呼ばれる大きさに成長しそのあと海流に乗って北上します。
    餌の豊富な北の海で大きく成長し、秋にはオス・メスともに南下。南下途中で交接が行われ、オスはいづことなく姿を消し、メスだけが産卵場へ到着産卵します。そのあとは、短い一生を終えます。本当にはかないんですね!

    食べて美味しいスルメイカも、近年水揚げ量も横ばいのようですが、末永く共に生きるため漁業調整の他に生物学的研究に基づいた増やす工夫を人間もしなければならないのかも知れません。
    松とうちゃんの大好きなスルメイカが少なくなっていくのは悲しすぎます!

    この生物講座を書きながら、生まれてすぐ『強く生きろ!』と願いを込めて産みつけるイカの親の愛情を感じました。読んでくれている皆さんはいかがでした?
    -お生物講座032-

    投稿者 formosa : 16:18

    2006年2月21日


    タコの八ちゃん、イカのとうちゃん、と言われるように、足の本数をイメージしている方が多いと思いますが、それぞれ何本かお分かりですよね?漫画にでてくるイカやタコの顔は、胴体部分に眼や口が描いていることが多いですが、実際の構造は違うようです。

    今回は、世界のイカ漁獲量の1/3、タコの漁獲量の1/2を消費するという日本人の好きなイカ・タコ類のうち、特に烏賊(いか)についてお話します。松とうちゃんは、寿司屋さんに行ってイカを頼まない時はない!と言うほどのイカ好きです。

    春先は、富山県の『ホタルイカ』が旬ですね!ふだんは、沖合の水深200~500mの深海に生息している『ホタルイカ』のメスが産卵のために浅場に移動し、産卵を終えたメスが定置網で捕獲されます。この時期にいただく『ホタルイカ』はほとんどメスということになります。

    温帯海域のイカは、春から初夏が産卵時期のものが多く、ダイバーが入る海中でもイカの産卵やふ化でにぎあいます。

    イカ・タコ類は巻貝などと同様、『軟体動物』ですが『オウムガイ類』を除き体の外に貝殻がありません。
    イカ・タコ類は、『コウイカ目』『ツツイカ目』『コウモリダコ目』『八腕形目』の4つのグループに分かれ、更に『コウイカ目』の『コウイカ科』には、『コウイカ』『モンゴウイカ』『コブシメ』などがあります。

    『ツツイカ目』は、『ヤリイカ科』『ホタルイカモドキ科』『アカイカ科』など幾つかのグループに細分され、食卓でお馴染みのヤリイカ、ケンサキイカ、アオリイカは『ヤリイカ科』に、美味で日本のイカ消費量の1/3を占めるイカの代表スルメイカはアカイカの仲間です。
    スルメイカは松とうちゃんの故郷、青森県内の八戸が水揚げ量を誇ります。小さい頃から食卓のお刺身と言うとスルメイカか、馬刺、鯨刺でした。(いずれも安かった時代です。)

    イカが好物な松とうちゃんは、どうしても食べる方に行ってしまいます!失礼しました!(*^_^*)

    さて、8本足、10本足で区別されるイカとタコですが、餌(えさ)を捕まえたり、抱きかかえたりする機能からすると、足というより、『腕』と言った方がよさそうです。

    基本的にはイカも8本の腕をもち、それ以外に伸縮自在で機敏な二本の触腕(しょくわん)を加え10本腕ということになります。

    次にイカの独特な体の構造です。イカの耳とか、イカの足と言うように、何となく三角の部分が頭で上、腕が足側で下のように見え、そのように漫画では描かれていることが多いと思います。実際は、腕の根もと側が頭で、頭から直接腕が生えている感じです。頭部には、腕を広げた中央に口が、その後方に大きな一対の眼があります。

    消化器は、口から食道・消化管とつづくのですが、我々人間と違って頭の中を通って後方の内臓塊(わた)の方につながっています。生命機能に重要な頭を通る部分は細い管になっていますので、お魚などを捕食した後は、強いくちばし(からす)と歯の生えた舌で、充分にかみ砕き消化液で流動食状にして奥に流し込みます。この効率的な摂取方法がイカの速い成長を助けるのかも知れません。

    胴体部分の内臓塊は筋肉質の外とう膜(お刺身で食べる部分)で包まれ、その先端にはひし形や丸みをおびた三角の鰭(ひれ)があります。

    イカは、腕を広げた中央の口側が『前』、ひれ側が『うしろ』になります。水中で観察すると前にもうしろにも進むことができるのが分かります。

    自分と同じくらいの大きさのお魚を捕食するとき、前に進んで、伸縮自在な触腕(しょくわん)を素早く伸ばし、獲物を捕らえ引き寄せ、他の腕でガッチリ押さえます。

    敵から逃れるときは、ものすごい速さでうしろに後退し泳ぎ去ります。

    前にもうしろにも、どうやって泳ぐのでしょうか?

    その秘密は、呼吸の役割をもつ身(外とう膜)のポンプ機能にあります。呼吸は、体を大きく膨らませ、頭部と身(外とう膜)の隙間から海水を吸い込みえら部分でガス交換をしますが、吐き出すときは頭の腹側にあり、わずかに外に伸びた管状の漏斗(ろうと)というノズルから勢いよく出し、その推進力(反動)で進みます。その管状の漏斗(ろうと)は、前側にもうしろ側にも自由に向けられますので、どちらにも泳ぐことができるのです。身(外とう膜)を収縮して真っ直ぐ吐き出す前方向の反対が一番効率の良い推進力があるため、うしろ向きに泳ぐのが速いのです。

    我々人間は運動すると酸素の消費が激しくなり、呼吸が間に合わなくなりますが、イカは速く泳げば泳ぐほどポンプ機能を活発にすることになり、同時にたくさんの海水の出し入れをしますので呼吸の効率もよくなる訳です。きっと、速く泳いでも『ハーハーぜいぜい』いうことはないのですね!

    今回は、お話が長くなりますのでこの辺にしておいて、引き続き次回、イカのオス・メスや交接行動、産卵・ふ化などについてお話します。
    -お生物講座031-

    投稿者 formosa : 16:54

    2006年2月20日


    少し、季節はずれですが、『ナマコ』の酢の物は東北地方のお正月料理に欠かせないと思っています。
    そう思っているのは松とうちゃんの感違いでしょうか?

    松とうちゃんは『ナマコ』が大好きです。魚屋に並んでいるものや、海中で横たわっているグロテスクな『ナマコ』をご覧になって身震いする方、ナマコは嫌い!食べれない!と拒否する方も多いですよね!

    確かにあれを先に食べたご先祖さまはすごいですね!外見は、とても食べれそうに見えませんが、食べてみると歯ごたえ、歯ざわりが良く、あのコリコリ感が何とも言えません。

    食べるだけではなく、海中でおにぎりを握るようにしてやると、真ん丸くなるので可愛くなってしまいます。

    日本で『ナマコ』は漢字で海鼠(うみねずみ)と書きますが、中国では、海参と書き滋養食品とされています。別名、『海男子』と呼び強精剤としても珍重されています。英語では『海のきゅうり』という表現ですが、国が違えば見方も違うようですね。

    『ナマコ』は世界に約1500種もいると言われていますが、北海道から本州にかけて多く分布し、食用としてもなじみが深いのが『マナマコ』です。体長20~30cmで、水深30mくらいまでの比較的浅海にすみます。

    体色の変異が大きく、岩礁にすむものの多くは濃淡の褐色の斑紋があるもので俗に『アカコ』と呼びます。青緑色から黒っぽい色のものを『アオコ』、極端に黒いものを『クロコ』と言います。水温が16度以上になると餌を食べず、夏眠状態に入りますが、北海道や東北地方北部ではそのようなことはないと思います。

    さて、『ナマコ』の生理学的に面白いのが構造と呼吸器です。口から食道、細長い腸、直腸、排出腔の肛門につづきます。砂泥とともに有機物を食べるため、その消化管は非常に長く、縦に切ってみると良く分かります。切ったときは、筒状の中心に消化管があり、まわりは肉厚でキュウリというより、熟れた長ウリといった感じです。腸には、砂泥がそのまま入っている様子が分かると思います。

    口から食べて肛門から排泄するのは理解できますが、私たち人間のように口や鼻で呼吸するものにとっては、その呼吸法が予想もつかないと思います。
    呼吸樹(水肺)といわれる特殊な呼吸器が、肛門(排出腔)にあり、肛門から海水を流入し呼吸樹で酸素を取り入れます。口ではなく肛門で呼吸するというのは変な感じですね!

    『ナマコ』は消化管などの再生能力が強く、敵に襲われた時は、消化管や呼吸樹、触手冠を体外に放出し、餌(えさ)として敵にささげ、そのすきに逃げようとします。我が身をささげて逃げようとするのですから凄いですね!

    『ナマコ』の仲間で有名なものは、刺激を受けると肛門から強い粘液性と毒性のあるキュビエ管を出す『ジャノメナマコ』、カクレウオのすみかとなる『ゾウナマコ』、敵に襲われると簡単に自切する『イシコ』などがあります。

    熱帯・亜熱帯に多い『マナマコ科』は採取後に筋肉が粘液化するので、食用には向きません。中には、アメーバ状に溶けてから融合再生するものもあるというから不思議です。そのメカニズムはどうなっているのでしょう?

    日本では、古くからナマコを『こ』と呼び、生のものが『なまこ』、火にかけたものが『いりこ』、日に干したものが『ほしこ』、卵巣を生干したものが『こ』の子供で『このこ』と言います。安直のようですが本当です!腸(わた)の塩辛『このわた』は珍味で高級ですね!

    『このわた』造り方で面白い(可哀相な)のが、『ナマコ』の再生の能力と我が身をささげる習性を利用した方法です。数十匹の『アカコ』を桶に入れ、他のナマコの腸を入れると刺激され全部の『アカコ』が腸を吐き出します。数ヶ月後に再生してから『このわた』を再びとり、繰り返し何度でもとることができます。

    『ナマコ』は、海底の砂泥に含まれる有機物をせっせと取り込んで、環境浄化に大きな役割を果たしていると言うのに、我々人間さまは、感謝もせずに、『このわた』で一杯やっててもいいのでしょうか?
    -お生物講座030-

    投稿者 formosa : 15:35

    2006年2月19日


    前回の『アンコウ』に引き続き、同じく『アンコウ目』に属する『イザリウオ亜目』の『イザリウオ』を紹介します。

    『イザリウオ』は、『アンコウ』同様、頭近くの背に竿のような擬似(ぎじ)状体をもち、待ち伏せ型の捕食方法をとりますが、『アンコウ』と違って鍋にする話は聞いたことがありません。(もし、そのような風習や食生活をする地方がありましたら是非教えて下さい。)

    『イザリウオ』は、お魚と思えない動きや可愛らしさ、そしてその数も少なく見つけにくいことからダイバーたちのフィッシュウォッチの対象としてアイドル的な存在です。

    『イザリウオ科』には体表に小さな棘(とげ)で覆われている『イザリウオ』と、棘がなく体表がなめらかで流れ藻などについて生活する『ハナオコゼ』があります。
    いずれも体色はいろいろあり変異が多いのが特徴です。特にカラフルな体色が多く水中写真家の人気の被写体とも言えます。

    日本国内で『イザリウオ』は、南日本中心に分布し関東から沖縄まで広く見ることができます。カイメンなどに保護色の体色でじっとしていることが多く、その生態と生息場所の特徴を知っていないと、なかなか見つけることができません。

    胸びれや腹びれが前足(手)のように発達しており、岩の上や砂地の海底を歩くようにして移動します。泳ぎは比較的下手で、めったに泳いでいる姿は見られません。
    無理矢理ダイバーの手にのってもらうと、前足のようなひれで落ちないように、ふんばったり、歩いたりの仕草がとっても可愛いのです。いっきに水を飲み込むことができる『イザリウオ』はその水の腹からの排出でダイバーの手の上でヘリコプターのように真上に浮上することもできるのです。

    さて特徴的な捕食方法ですが、目の前方、口との間に背びれの棘が発達した竿のような擬似(ぎじ)餌でベラなどの小さなお魚を誘います。『イザリウオ』では、ゴカイのような擬似餌が、『ベニイザリウオ』では、子エビのような擬似餌が多いのですがそれらを泳いでいるように動かすのです。そして擬似餌に近づいてくるお魚をじっと見つめてチャンスを狙います。

    ここでちょっと皆さんも真似てみて下さい!ご自分の(左右の)目の前に人指し指の先を置き、少しづつ左右の目の間に近づけて見続けて下さい。目が寄ってちょっと疲れますよね!『イザリウオ』が捕食する瞬間はそんな光景です。近づいたお魚を、素早く大きな口を開け、水ごと吸い込むのです。
    お魚といっても、『イザリウオ』自身の体長(5~30cm)からすれば、同じ体長の大きなお魚を飲み込むのですから凄いです!完全に飲み込むまでは暴れて逃げようとするお魚を前足のような腹びれと胸びれで、必死にふんばります。普段、動作のにぶい『イザリウオ』も捕食の瞬間だけは機敏な行動でビックリです。

    この可愛いイメージの『イザリウオ』から、お魚をまるごと飲み込む捕食シーンは想像できないと思います。

    『イザリウオ』は単独でいることが多いのですが、産卵の時期だけはオス・メスがなかよくペアをつくります。しかし、このような産卵のためのペアはほとんどがその場かぎりのものでアッサリした付き合いです。

    『イザリウオ』の名前の由来について、松とうちゃんの想像を書いて見ます。(あくまでも想像ですので間違っていたらご指摘下さい。)

    イザリとは、『膝行る』『居さる』からきた『いざり』でその意味はすわったままで移動する。ひざをついたり、しりを地につけたままの姿勢で進む。膝行(しっこう)する。または、船が浅瀬に船底をすらせながら、のろのろ進む。というものです。即ち、このような動作とにているお魚を『居さる』+『魚』で、『イザリウオ』と命名したのではないでしょうか?

    『イザリウオ』のように、可愛い顔して(凶暴なほど)貪食で色恋に極めてアッサリした人、皆さんのそばにいません?
    -お生物講座029-

    投稿者 formosa : 16:25

    2006年2月18日


    春も近づいてきました。が…まだ寒い季節。あんこう鍋なんていいですね!

    『アンコウ(鮟鱇)』の身と皮、そして内臓をいっしょに鍋に入れ、焼き豆腐、ねぎ、うどなどに割醤油(わりしたじ)を加えて煮た鍋料理ですね。ゼラチン質でコラーゲンも豊富のような気がして健康にも良さそうです。冬が美味ですね!

    いきなり、食べ物の話になり失礼しました!(*^_^*)

    頭でっかちで頭近くの背に竿のような擬似(ぎじ)状体をもつ『アンコウ目』は、世界に約315種いるといわれていますが、更に『アンコウ亜目』、『イザリウオ亜目』、『チョウチンアンコウ亜目』の3グループからなり今回は『アンコウ』をとりあげてみたいと思います。

    『アンコウ』は北海道以南の日本各地に分布し、体長は20~120cmくらいで、種により異なりますが、水深25~500mの深場の海底(砂泥底)に生息しています。砂中になかば埋もれている状態で、餌(えさ)を待ち伏せしていることが多いようです。

    鍋用に調理している切り身がスーパーやデパートに並んでいることが多く全身をながめることができる機会は少ないと思います。ダイバーも冬から春にかけて産卵のため浅場にやってくる時しか見るチャンスが少なく、『アンコウ』の全身を見たことのない方も多いのではないでしょうか?

    体は頭部中心に縦扁平し、円盤状の大きな頭が体のほとんどを占めています。下あごが上あごより出ている『いかりや型』で、口は左右に大きくめいっぱい開けるとそうとう大きなお魚でも呑み込めそうです。
    上下のあごには、喉の方向にだけ倒れる(内側だけに倒れる可倒歯)犬歯があり、お魚を簡単に呑み込める不思議な構造です。全体はちょっとグロテスクな感じです。

    不思議といえばお魚の捕まえ方です。頭部の近くの背びれが発達した擬似(ぎじ)状体でまるで竿の先に餌(えさ)をつけて動かすことによって、お魚をおびき寄せます。『アンコウ』自体は、砂泥底に似た色合いなので、うっかり近づいたお魚は、飛びかかった『アンコウ』の大きな口の中に水と一緒に…!完全に待ち伏せ型の摂餌(せつじ)行動です。

    『アンコウ』は動作がにぶいですが、きわめて貪食です。その捕食の仕方などから、良くも悪くもいろいろな例えになっています。

    お相撲で、太って腹の出ている力士を『あんこがた』と言いますね。

    『あんこうの餌待(えまち)』というのは、口をあいて、ぼんやりしているさまのたとえです。

    『あんこうあみ(網)』は方錐形の大きな袋網。潮流の速い漁場で、潮流に向かって網の口を開き魚類を捕らえるものですが、アンコウを捕まえるものではありません。

    『あんこう武者』は口では大きなことを言うが、実際は臆病な武士をののしっていう言葉で、あんごうざむらいともいいますね。

    ぼんやりと仕事を待っている日雇労務者、立ちんぼうを『あんこう』と言います。

    あら、日本の例えは悪い例が多そうですね!『アンコウ』が可哀想!でも、高級魚で美味です!

    『アンコウ』の英名は、goosefish →ガチョウフィッシュ。そして英和辞典には、an angler →策を用いてうまく手に入れる人(釣り師)a fishing frog→魚釣りカエルとあります。お国が違うと見方も違うようです。

    『アンコウ』よりやや浅場にいる『キアンコウ』は鍋料理に多く用いられますが高額で取引されます。和歌山や沖縄に多い『ミノアンコウ』は幼魚の時、体全体に長い皮弁と言われるものが多く、簑(みの)を着ているように見えることから、その名がつきました。
    その他、高知などに多いの体長20~30cmの『ヒメアンコウ』がいます。『アンコウ』や『キアンコウ』の代用にされるのが、『ミノアンコウ』のようですので、今度スーパーなどで見かけたら価格で判断してみて下さい。ダイバーの方は海中で見かけたらお魚図鑑で確認しましょう!

    『アンコウ』は、自分の特性を良く理解して今の待ち伏せ捕食方法をとっていると思いますが、松とうちゃんは、待ちの人生より積極的に前に出る人生を選択したいと思っています。でも『アンコウ』大好きです!皆さんはいかがですか?
    -お生物講座028-

    投稿者 formosa : 15:18

    2006年2月17日


    『親と子(卵)のシリーズ』も終わって再び不思議な海中生物の生態のお話です。

    今回は、ダイバーに大人気の『ウミウシ』のお話です。待ってました!と思われた方も多いのではないですか?

    ダイバーのみならず、デザイン界でも『ウミウシ』は注目されているようです。それだけ、斬新で多彩なデザインをもつ生物ということでしょうね!

    『ウミウシ』は、軟体動物に属し、貝殻は普通ありませんが巻き貝の仲間です。貝殻は体の外に持つものや、退化して体内に埋もれているものなどがあります。へ~え~ですね♪

    『ウミウシ』をご存知ない方のために紹介しておきますが体長は3~8cmくらいのおもながの形で、お菓子のグミのような感触、そしてきれいに彩りしたゼリーのような生物です。想像つきますか?

    『ウミウシ』の仲間は、日本でも650種以上もありその色彩や斑紋の美しいものばかりで、海の中で美しい生物であること、豊富なデザインがあることが、人気の秘密ではないかと思います。その美しさをこのお生物講座では、お伝えできないのが残念です。

    最近でも『ウミウシ』の新種発見が相次ぎ、発見者である身近な方のお名前が和名となることもあるかも知れません。

    ところで、なぜ『ウミウシ』というのか、お分かりですよね!『ウミウシ』は、頭部に一対の角(つの)のような触角を持っておりまるで牛の角のように見えることから、そう呼ばれています。

    『ウミウシ』は寒冷の海から熱帯の海まで広く分布し藻食性と肉食性のものがあります。
    海中で観察している時の『ウミウシ』は、触角を伸ばし体も軟らかく岩や藻類に着いて貴賓ある姿ですが、ダイバーが触れると体を丸みをおびるように硬直させ、岩などから離れてしまいます。『ウミウシ』は触れない方が、その美しさを楽しめます。

    温帯の岩礁域(能登半島や伊豆半島)で確認されている不思議な『ウミウシ』で、『エダウミウシ』というのがいます。『エダウミウシ』は、ナイトダイビングなど暗いところで、ダイバーが触れて刺激すると背面の5対の樹状突起の先がネオンのようにきれいに光り輝きます。
    樹状突起の先には発光細胞があり、まるで近代の臨床検査技術で採用されている『化学発光反応』のように見えます!彼らのいかく行動なのでしょうが、すごいですね!

    『ウミウシ』のすばらしさをお伝えするには、その美しい色彩や斑紋(デザイン)を見ていただかないといけないと思いますが数多い名前の中から、『え~ほんと?』と言うような面白い名前(一部仮称)を紹介します。笑って読んでください!

    『マタミルウミウシ』…また見るから?いいえ海藻マタミルに付着。
    『モンペミドリガイ』…もんぺって知っている?
    『ハツユキミドリガイ』…いつも初雪?
    『センヒメウミウシ』…千姫ってどこのお姫様?
    『オバキューウミウシ』…オバQ、こんなところにも!
    『パンダツノウミウシ』…パンダもいた!
    『シロボンボンウミウシ』…確かに白ぼんぼん!
    『ネコジタウミウシ』…お熱いのが苦手?
    『エリザベティーナ』…誰のこと?
    『シモフリカメサンウミウシ』…どんなウミウシ?
    『イガグリウミウシ』…いが栗ね~?
    『レンゲウミウシ』…れんげに見える?
    『カグヤヒメウミウシ』…どこから来たのかな?
    『シンデレラウミウシ』…12時過ぎたらどうなる?
    『フルーツポンチウミウシ』…美味しそう!
    『マイチョコウミウシ』…バレンタインに作った下手なチョコだよ!
    『ショクパンウミウシ』…食パンの切れ端に似ている?
    『インターネットウミウシ』…インターネット網の模様!
    『カメセンニンウミウシ』…亀が千人?
    『コンペイトウウミウシ』…コンペイトウって美味しいね!

    650種もの『ウミウシ』の名前を覚えるのは至難の業ですが、上の20種は覚えられそうですね!いくつ覚えましたか?

    海中で『ウミウシ』を見つけて観察するのも楽しいですが、図鑑でながめているのも楽しいと思います。特にファッション関係のお仕事をされている方にはおすすめです。きっと良いデザインのヒントになると思います。

    松とうちゃん実は「和菓子」も結構好きです!
    きれいな『ウミウシ』のデザインで、和菓子をつくったら美味しそう・楽しそうだろうなと思うのは、松とうちゃんだけかな?
    -お生物講座027-

    投稿者 formosa : 15:54

    2006年2月16日


    シリーズで読める『親と子(卵)シリーズ』今回、最終回です!

    筋子(すじこ)はサケの卵巣卵であることは、皆さんご存知ですよね。
    完熟前の卵をサケの腹から取り出した筋子を、主に手で丁寧にほぐした卵を『いくら』といいますが、そのほぐす方法はいくつかあるようです。例えば、蛋白分解酵素を使ってほぐすとか、ぬるま湯につけてほぐすなどの方法を聞いたことがあります。

    筋子より手のかかるこの『いくら』は、値段が高く、別物と認識している方もおられるようですが、同一のものですよね!『いくら』の語源はロシヤ語の『魚卵』の意味からきています。前回のキャビア同様、ロシアでは魚卵といったらサーモンの卵をイメージするのでしょうね!

    筋子のうまみは新鮮なものを薄塩でつけないと壊れてしまいます。松とうちゃんの田舎『青森』では、高級で高い筋子ほど薄塩です。母親が美味しい筋子を食べさせようと、この新鮮で薄塩の筋子をよく東京に住む松とうちゃんに送ってくれました。一度、その大好きな筋子にあたり、七転八倒の苦しみを感じながら病院に担ぎ込まれた経験があります。筋子に限らず、魚卵は栄養豊富ですぐ細菌が増殖する温床みたいなものなのです。美しいもの、美味しいものほど気をつけないといけないということでしょうか?

    さて、『いくら』の親、『サケ』ですが、サケ目→サケ亜目→サケ科に分類されます。サケ亜目には、アユ科、シラウオ科がサケ科と並んでいるというから驚きです!

    サケ科のお魚は、以前お話した『ボラ』を形象した航空機DC10のように紡錘形で一般に側篇しています。ほとんど幼魚にはパーマークと呼ばれる小判形の黒斑があり、同定に役立ちます。

    サケ科のお魚でもっとも大きくなるのは、キングサーモンと呼ばれる『マスノスケ』で全長150cmにもなると言われています。北海道
    東部の河川にも2m級の『イトウ』がいたと言われていますが、今は、1mを超えるのを見つけるのは難しいようです。

    『サケ』と言うと、そ河(そか)回遊魚つまり回帰性の代表とされていますが、その多彩な生活史は不思議そのものです。卵から幼魚までの時期は淡水ですごし幼魚期から成魚期は海域で成長したのち生まれ故郷の川へ戻って産卵します。
    秋から冬にかけて生まれた仔魚は、『フライ』と呼ばれ体内の卵黄を栄養として育ちますので餌をとらず、水底の砂利に横たわっていることが多いようです。卵黄を吸収しきる春先、仔魚が砂利のあいだから川の流れに泳ぎでるようになりますがこれを『浮上』と言うそうです。
    ダイビングで言う『浮上』と似ていますね!

    これから海へ旅立つわけですが、このころ劇的な変化が起こります。それは、淡水から海という塩分の強い環境へ移るための、『浸透圧』の機能を変えると言うことと、スリムになり前述のパーマークが消え、全身が銀白色となり、群れをなして泳ぐと言うことです。

    沖合いに出たサケははるかかなたの北洋に向かい1~4年、海で過ごしたあと、生まれ故郷の川に産卵のために戻ってきます。
    この母川回帰は、川に近づくまでの外洋では『太陽コンパス』と『体内時計』や『地磁気』を感じて帰ると言われていますが、実際のところは分かりません。川に近づいてからは、幼魚期に感じ記憶していた臭いを頼りに遡上(そじょう)するようです。何度となくテレビなどのサイエンス番組で見ていると思いますが本当に不思議なメカニズムです。

    産卵場についたメスは、体を横倒しにして尾びれで川底の砂利を掘り、産卵床をつくります。オスは配偶者をめぐって激しく争い勝ち残ったオスはメスの産卵と同時に放精します。その時間わずか10秒と言うから、そのための、かれらの何千kmと言う旅に敬服します。
    産卵を終えたメスは、受精した卵を守るが約1週間ほどで力尽きて流され死に至ります。オスはそのあとどうしたのかは男性である松とうちゃんの口からは言えません!

    子孫繁栄のためとは言え、すごいサケの生活史です!

    最近、お寿司屋さんでは決まって『サーモン』のにぎりがありますが、本来、秋から冬にかけてのそ上の時期に捕獲されるため。脂は差ほどのっていなく、特に産卵で脂を使い果たすメスよりオスの方が、脂があるのでスモークサーモンにはオスがメインです。
    スモークサーモンといえば、いつぞやのサミットで日本のスモークサーモンが美味しいと絶賛されたのは兵庫県神戸市有馬町の老舗が作ったものと記憶しています。

    サケの利用は幅広いですよね!正月に欠かせない『新巻鮭』、頭の軟骨を用いた『ナマス』、半解冷凍の『ルイベ』あげるときりがない食材です。松とうちゃんは田舎の『なた割漬け』に入ったルイベと岩手の『いくら』『ルイベ』の入ったナマスが大好きでした!

    こんななじみのある高級食材の『サーモン』『筋子』『いくら』も、無尽蔵ではないと思うと居酒屋や寿司屋さんで簡単に注文はできないと思う松とうちゃんでした。

    『親と子(卵)シリーズ』いかがでしたでしょうか?

    気まぐれで始めたシリーズ、正直言って、6回も続くとは思いませんでした。このシリーズ1回目からご愛読の皆様!最後までお付き合いいただきありがとうございました。次回からは再び、お魚の不思議な生態を中心にお伝えしたいと思います。
    -お生物講座026-

    投稿者 formosa : 16:32

    2006年2月15日


    シリーズで読める『親と子(卵)シリーズ』の第5回目です!

    前回は『黄色いダイヤ』かずのこでしたが、今回は、世界の三大珍味『黒い真珠』と言われる西洋料理の高級珍味『キャビア』の親である『チョウザメ』について書いてみました。

    松とうちゃんは、あまりハイカラな西洋料理やおつまみを食べることが少ないので『キャビア』もめったにいただきません。『キャビア』は英語でCAVIAR(E)と言うようですが、なぜだかは分かりません。

    『チョウザメ』は漢字で蝶鮫と書きますがうろこの形がチョウに似ていることから、そのように呼ばれています。全般にうろこは少なく、肌はぬるっとしており、他のサメのようにザラザラはしていません。
    口先(実際は吻と言います)がとがって、口は大きく下を向き、尾は下葉より上葉が大きく外見はまさにサメそのものです。

    サメは全体の骨が軟骨で出来ている特徴がありますが『チョウザメ』は、完全に軟骨だけで出来ているわけではなくあごや肩の骨など硬骨で出来ている部分があります。また、サメにはないはずの浮き袋が発達しており、それが消化管につながっているなど、原始的な硬骨魚を思わせるところがあります。

    水族館では、『チョウザメ』を古代魚の代表として展示しているところも多いようです。

    『チョウザメ』は基本的には淡水魚で、東北地方以北の日本海側の川などにそ上していましたが今はほとんどみられずサハリンやアムール川流域などに生息しています。

    プランクトンなどを食べるものが多く性格はおとなしく川に4~5月ごろ産卵のためそ上し、水草などに産卵し、また、海に戻ります。産卵数は80万から240万くらいと言われますが、産卵前に捕獲され取り出された卵が『キャビア』となる訳ですね!

    日本ではほとんど見られることはなく、本来、温水魚の淡水魚であるはずのものがどんどん寒冷地(北)へ追いやられ衰退の一途をたどっています。人間の環境汚染説や淡水魚の新参者のコイに追いやられたという説などがあります。

    『チョウザメ』の乱獲などがたたって、絶滅の危機にさらされている種がいると言うのに、『キャビア』の需要はどんどん高まり、さらに『チョウザメ』は貴重なお魚になっていきます。

    『チョウザメ』がなぜ衰退していくのかははっきりしませんが動物愛護や生息数の減少などを理由に、日本のクジラ漁を批判する欧米人が多い中、なぜ、『チョウザメ』のことは考えず世界の三大珍味としての『キャビア』を求めるのでしょうか?

    今回はお魚の不思議な生態と言うより、人間の不思議に感心してしまうのではないでしょうか?

    次回は『親と子(卵)シリーズ』ラストかも知れません!
    -お生物講座025-

    投稿者 formosa : 16:59

    2006年2月14日


    シリーズで読める『親と子(卵)シリーズ』の第4回目です!

    今では『黄色いダイヤ』と呼ばれる貴重な卵『かずのこ』は、ご存知『ニシン』の子(卵)ですね!
    『ニシン』は、別名『かど(鰊)』と言い、その卵『かどの子』が変化して『かずのこ』となりました。この語源(由来)は、お魚通と言えども知っている方は少ないのではないかと思います。

    『ニシン』のお腹を開けて出した『かずのこ』は、私たちの肌の色と同様に白っぽいものもあれば、くすんだ色もあります。一般に市販されている『かずのこ』は、過酸化水素水に浸して3日間、さらに酸素入りの飽和塩水3日間浸し、きれいに漂白されて輝くような黄色をしています。少々の臭いや血がついたものも脱色されてきれいに仕上りますが、うまみ分、養分も逃げ出してしまいます。食感も悪くなると言われています。でも一般的に販売されているものの高級かずのこのほとんどがこれです。松とうちゃんの田舎の青森では、名物『ねぶた漬け』や『松前漬け(北海道名産)』などに漂白しない自然の『かずのこ』をたっぷり入れているのが自慢です。あったかい白いご飯の上にのせて食べると最高ですね!あ~ぁ、食べたくなってきちゃった!
    (*^_^*)

    『かずのこ』の美味しさは、味と食感。つぶつぶと絶妙の歯ざわりは、日本のお正月の子孫繁栄を願う縁起物です。現在、北海道の沿岸でとれる『ニシン』はごくわずかで、すでに幻の春告魚となっています。

    この親の『ニシン』はニシン目に属し、ニシン目には、ニシン科、カタクチイワシ科、オキイワシ科に分類されます。さらにニシン科には、ウルメイワシ、キビナゴ、マイワシ、ニシンなどがあります。

    なんと『ニシン』はイワシの仲間なのです!一般的な食卓にのる大衆的なこのイワシは、日常的に耳にしますが、分類について理解している方は少なく、『キビナゴ?あ、それイワシの子供』とか『シラス?それはイワシの幼魚』などと理解している人も多いと思います。

    キビナゴはニシン科の独立したお魚で、シラスはニシン目全体のお魚の幼生を言います。つまりニシンの幼生で有る場合もあればマイワシやカタクチイワシの幼生であることもあるのです。ここまで、理解していただけると、居酒屋でシラス・イワシ・ニシンなどのメニューを見て、同席のお友達や後輩に教えてあげるとにわかお魚通として評価されることは間違いないと思いま~す。(^_^)

    『ニシン』は、北太平洋から北極海に広く分布し、日本周辺では三陸沖以北に多いと言われています。外洋域を回遊するタイプと、沿岸に生息し、汽水湖などで産卵する地方系群タイプの2種類があります。
    ふつう産卵期は3~6月で沿岸の浅いところに夜間やってきて海藻に産みつけるのです。そして、その抱卵数は3万~10万個です。春にやってきて産卵するから『春告魚』、たくさん産むから『子孫繁栄の縁起物』とされてきたのです。

    『ニシン来たかとカモメに問えば~♪』と民謡で歌われた北海道西岸やサハリンの間を回遊していたタイプは、1950年ごろまでは捕獲量が増減を繰り返しながらも豊漁の時には『ニシン御殿』、『かずのこ御殿』と言われたように、漁師さんが財をなすほどだったようです。しかし、毎日のように食卓に出され飽きるようになったニシンとかずのこも松とうちゃんが小学生に入るころには、めっぽう少なくなり、今では、日本のニシン漁はほとんど地方系群タイプです。原因は水温上昇と環境変化などがあるようです。寿司屋さんで食べる『子持ち昆布』も今はほとんど人工的製法によって作られているのにはちょっと残念です。

    イワシやニシンは、大型魚の餌として、又、肥料として使われていたものが、今や高級な食材です。

    高度成長と近代化がもたらした環境汚染によって、『子孫繁栄の縁起物』であったはずの『ニシン』が大衆的であったはずの『かずのこ』が希薄となり、『黄色いダイヤ』に化した現実を見つめながら、今、私たちに何ができるのか?と考えながら居酒屋でいつも『ニシンの焼き魚』をつまみに飲んでいる松とうちゃんは、ちょっと変?

    次回も『親と子(卵)シリーズ』がんばります!
    -お生物講座023-

    投稿者 formosa : 16:32

    2006年2月13日


    シリーズで読める『親と子(卵)シリーズ』の第3回目です!

    松とうちゃんは、明太子も大好きです。
    九州物産展に行ってきましたが、さすが明太子の本場。いろいろな明太子屋さんの看板があり目移りしちゃいました!(*^_^*)

    明太子は、『スケトウダラ』(一般にスケソウダラと呼ばれる)の卵ですが、その名の由来は、韓国で『スケトウダラ』のことを『明太』(ミョンテ)と言いその明太の子供(卵)だから『明太子』と『ふくや』の創業者である川原俊夫氏が名付けたようです。

    産卵前に捕獲された『スケトウダラ』のメスのお腹には卵のうが2つくっついて入っており、2つ合わせて『一腹(ひとはら)』と呼ぶのはご存じですよね!
    取れたての卵は柔らかく、それを着色された塩水に漬け6、7時間ゆっくりかきまぜた後、一晩寝かせて明太子を作ります。漬け物の浅づけの要領ですが、この製法で、卵の中から水分を排出し、更にたんぱく質の卵膜が変化して固くなりあの明太子独特のプチプチ感が生まれるのです。明太子は、塩からの一種と言えます。
    美味しいですよね!(^_^)

    松とうちゃんは辛目の『辛子明太子』が大好きで、だいこんおろしにそのままのせ、細かくつぶしながら混ぜて食べるのが特に好きです!

    さて、『明太子』の親『スケトウダラ』ですが、タラ目タラ科に属し、タラ科には大型魚の『マダラ』、資源量が最も多い『スケトウダラ』、やや小型の『コマイ』の3種があります。
    タラは山口県以北の日本海、茨城県以北の太平洋、オホーツク海など水温の低い海域に生息しています。松とうちゃんの生まれ故郷の青森県十和田市(三本木)では気温の低いしばれる冬になるとよく庭先で『スケトウダラ』を干して、それをおやつに食べたものでした。
    子供の頃は、お酒のつまみにはしていません!大人たちとこたつでお茶を飲みながら食べました。おっと脱線しました。(*^_^*)

    タラは北日本で雪の降る冬に産卵のため沿岸にやってくることから、魚へんに雪と書いて、『鱈』と読みます。知っていましたか?『マダラ』は沿岸の浅場で産卵し、幼魚はある程度育つと回遊し、4~5年後に再び親となって帰ってくる回帰性が強いお魚です。幼稚魚の時は、プランクトンを食べていますが、成長して海底深くの生活に入ると、食欲が旺盛になり、お魚、イカなど大型動物をどん欲にお腹いっぱいに食べます。そのため『たらふく(鱈腹)食う』と言う語源になったのです。すごいですね!

    『マダラ』は、白身で淡泊なため、様々なお料理に使われますが、松とうちゃんは『たらちり』や『湯豆腐』にコンブと一緒に入れるのが好きです。卵は『真子』と呼ばれ『明太子』よりやや臼黒く、オスの精巣は『キク』と呼ばれ珍重されています。産卵前の『マダラ』は、メスよりオスが高いことからも、『キク』の人気が高いことが分かります。
    『マダラ』の卵は、直径1mmくらいの粘着性のある沈性卵ですが、産卵後数分で粘着性は消え海底にばらまかれるようです。卵巣の卵数は200~500万個で、その全てが1回の産卵で放出されると言うからおどろきです!

    『スケトウダラ』は日本の水産たんぱく質資源としては重要な役割があり、かまぼこ、ソーセージなど広く利用されています。アメリカなどでも好評で、すり身は英語で『surimi』と言います。『マダラ』よりやや小さく、回遊性のお魚です。
    『スケトウダラ』も幼稚魚の時はプランクトンを食べていますが、成魚になると幼稚魚を食べる『共食い』でも有名です。

    『スケトウダラ』の産卵はオスメス1対で行われオスがメスの腹の下に回り込み腹びれでメスを抱く恰好です。これを腹面マウンティングと呼び、このためオスの腹びれはメスより大きくなっています。

    『スケトウダラ』の特徴で不思議なのは、頭に近い部分に浮き袋の発音筋があり、鳴くことができることです。
    産卵時期、オス同士の威嚇では単発的に『グッ・グッ・グッ』と強く鳴き、メスへの求愛は軽く愛らしく『ググググググ』と鳴くそうです。松とうちゃんは『スケトウダラ』から求愛されたことがないので、その鳴き声は聞いた経験がありません!(*^_^*)

    最後に『コマイ』ですが『氷下魚』と書いてコマイと読みます。水温2~5度の冷たい海域に生息し『スケトウダラ』より更に小さい小型のタラです。ほとんどは固くなるまで干したものが出回っていますが、一夜干しを軽くあぶって食べるのも絶品です。冬になると松とうちゃんの田舎から送ってきますので、それで一杯やるのがたまりません!

    親である『スケトウダラ』と、その子(卵)である『明太子』がそれぞれ違う人生(魚生?)を歩むようにしたのは、人間ですよね!でも、違う歩みでも、どっちも美味しいな~

    この『親と子(卵)シリーズ』になってから、お魚の生態というより、食べることに趣(おもむき)をおいた生物講座になったと感じるのは、松とうちゃんだけでしょうか?

    次回も『親と子(卵)シリーズ』いけるかな?
    -お生物講座022-

    投稿者 formosa : 16:17

    2006年2月12日


    シリーズで読める『親と子(卵)シリーズ』の第2回目です!

    長崎野母、壱岐、五島や台湾南部の名産に、珍味の『からすみ』がありますが、この『からすみ』何の子供(卵)かお分かりでしょうか?

    『からすみ』は、『ボラ』の卵で、中国では良質の墨『唐墨』に形が似ていることから、そのような名前で呼ばれるようになりました。
    松とうちゃんが駐在していた台湾では、『烏魚子』と呼ばれ、中国語の『唐墨』が日本語読みの『からすみ』になり、日本人の影響を受けた台湾では『カラス』が『烏(からす)』になり、魚の子供であることから『烏魚子』になったのではと松とうちゃんは思っています。

    前回の『ハタハタの卵ぶりこ』と違って『からすみ』は、産卵時期に親の『ボラ』の腹をさいて取り出した卵を水で血抜き、水きりした後、食塩をつけて1週間位寝かせ、そのあと真水につけ塩抜きし乾干して出来上がります。

    『からすみ』は薄皮をむいてお酒につけ軽くあぶり薄切りして『葉にんにく』や『だいこん』にはさんで食べると絶品です!知り合いで、台湾人のご老人に『からすみを食べながら飲むと悪酔いしないぞ!』と、どんどん紹興酒をすすめられ、よく二日酔いをしていました。

    ついつい大好きな『からすみ』のことになると話が長くなりますが、親の『ボラ』の生態についてお話しましょう!

    『ボラ』は、スズキ目に属し世界に17属72種、北海道以南の日本沿岸、世界の温暖海域に生息しています。日本以外にも広く分布しています。

    『ボラ』は、泳ぎが速く非常に機敏なお魚で汽水域などの浅瀬で海底表面の藻類や水中昆虫、小型魚類を餌にしています。
    泳ぎの速さと機敏さの秘密は、体型と背びれ、そしてうろこにあります。体型はやや紡錘形でまるで大型旅客機DC10のようです。それと、2基ある背びれは離れており、速く泳ぐ時は、体に沿って背びれをたたみ、たたんだ後のでっぱりが水の抵抗を受けるため、たたむ部分の両端のうろこは三角の形をしており、ちょうど背びれをたたむと体表がスムーズな形状になります。
    すごいですね~!
    また、一般的なお魚の側面にある側線(水の動きなどをキャッチする器官でその部分のうろこは穴があいている)でまわりの気配を感じますが、『ボラ』には側線がなく、全身のうろこに穴があいて、まさに全身で気配をキャッチすることができます。まるで、体表全面がセンサーですね!『ボラ』は、『マグロ』に匹敵する機敏性を持つお魚と知っている方は少ないのではないでしょうか!

    浅瀬で見る『ボラ』が時々頭を振るようにしている場合がありますが、これはヤスリのような細かい歯で海底の餌を切り取っている行動です。
    海底の泥と一緒に餌を食べることが多く『ボラ』は泥臭さがあるので日本ではあまり賞味されません。しかし冬に漁獲される寒ボラは刺身で食べると、これまた絶品で、たまりません!松とうちゃんが、八王子のある研究所に勤めていた時は、冬になると近くの居酒屋でよく好んで『ボラ』の刺身をいただいていました。美味しかったな~

    普段浅瀬で群れをなして泳いでいる『ボラ』が産卵の時期、どこに移動して産卵するのか、謎につつまれています。産卵時期の10月から翌年1月までは、どこか産卵場所に旅立つため、沖の黒潮や対馬暖流などの大きな潮の流れがあるところまで、とんでもなく大きな群れで移動するようです。
    伊豆半島のダイビングのメッカ『伊豆海洋公園』では海面から水深20mが群れで真っ黒(ボラは黒くありません)になるくらい大群の移動がみられるようです。まさか、産卵場に移動する前に漁獲し『からすみ』にしてしまうから産卵場所がいまだに分からない訳ではないと思います。

    『からすみ』は、デパートなどでひとはら2万5千円の値がつくほど高級な珍味ですが、その親『ボラ』は、日本では差ほど珍重されていません。海中でもダイバーは『あ~あの大きいの、ボラ!』というくらいで、あまり珍しい魚でもありません。しかし、ハワイでは高級魚扱い、タイでは有名なスープ『トムヤムプラー』に利用されています。

    日本沿岸の『ボラ』は、子供の才能価値は認めるけれど、その子を産んだ親の価値は軽視される!そんな現代の人間社会を現わすような気がしてなりません!
    本当は、素晴らしい子供(卵)を産んだ『ボラ』なのです。今度水中で見たら、しっかり観察してあげて下さい。
    -お生物講座022-

    投稿者 formosa : 16:04

    2006年2月11日


    シリーズで始まる『親と子(卵)シリーズ』の第1回目です!

    『秋田名物、八森ハタハタ、男鹿で男鹿ぶりこ♪~』と歌われた、秋田・山形の名産『ハタハタ』は『しょっつる鍋』で有名ですね!

    『ハタハタ』は、『しょっつる鍋』の他、干物を焼いて食べる、米こうじとお酢で漬けたハタハタ寿司、身が崩れないようにさっと煮付けた煮物などで、その独特の味を楽しめます。身は薄く、白身の淡泊な味です。

    松とうちゃんは小学低学年から中学までの多感の時期に秋田県由利郡の象潟町で暮らしていましたが、その当時は、『ハタハタ』が豊漁で浜を歩くと、海辺に生きている『ハタハタ』とその子供(卵)『ぶりこ』が潮で打ち上げられ、それらを拾って歩いたほど、豊漁な時期が続きました。
    あまりの豊漁に値は下がり漁業関係者の頭を悩ませていたと思います。

    『ハタハタ』は、スズキ目のワニギス亜目に分類され世界に2属2種しかありません。日本では1属1種のみです。日本海沿岸(秋田県・山形県)、アラスカ、韓国沿岸などその生息範囲は狭いと言われています。

    『ハタハタ』の体表はうろこがなく、背びれは2基でいちじるしく離れている特徴があります。また、口を開くとほぼ直角になり、結構笑える顔です。ふだんは、水深100~400mの比較的深い砂泥底の泥の中にもぐって生息しています。しかし、11月~12月の産卵時期になりますと、群れで移動し浅瀬(2~10m)の海藻に卵を産みつけるのです。
    この浅瀬に移動する時が漁の時期で、このころになると、お腹に卵がいっぱいの『ハタハタ』がスーパーなどの鮮魚コーナーにならびます。

    メスの『ハタハタ』は、直径3mmくらいの卵とゼラチン状の粘液で浅瀬の海藻に、まるでゴルフボールのようにまん丸く産みつけます。
    海藻にボールがぶら下がって、実がなっているような恰好です。この直径5cmくらいの卵のボールは潮の流れやうねりで海藻からはずれ、海底をころがり海岸に打ち上げられるわけです。これが、秋田地方で言う『ぶりこ』です。
    打ち上げられた『ぶりこ』は、表面がやや硬くなっており、個々の卵がバラバラになることはありません。

    たらこ、かずのこ、すじこ、からすみ、などは産卵前に漁獲し、腹をさいて加工しますが、『ハタハタ』の帝王切開により取り出した卵は、『ぶりこ』と呼びません。あくまでも自然に打ち上げられた産卵後の固まり(ボール状)のものをいいます。お腹の中の卵と『ぶりこ』は硬さも味も異なります。

    『ぶりこ』は、酢醤油などで軽く炒めるのが一般的な料理方法でこの調理した『ぶりこ』を20分かかる通学路でガムのようにかみながら登校したものです。かむと、プチプチと卵から身が飛び出し口の中でその美味しさがひろがります。学校に到着するころにはかみ終わった『ぶりこ』が真っ白な発砲スチロールのようになります。
    あ~ぁ~懐かしいな~

    この大好きな『ハタハタ』も、めっきり漁獲高が減り、おらが郷土の名物を、民謡に歌われた『ハタハタ』を守ろうと漁師の思いきった決断が、数年前から3年間休漁という形で行われました。
    結果は休漁の前と比較し、解禁後は6倍にもその数が復元されたという成功です。
    この休漁策の成功は、全国の漁業関係者に波紋を呼び各地の漁で検討されているようです。

    お魚自身の子孫繁栄のための努力と人間(漁師)の理性と知恵が、その種を絶滅させることなく生息数を維持させることになると思います。
    今回は懐かしき35年前の暮らしを思い出しながら書いてみました!
    (*^_^*)
    -お生物講座021-

    投稿者 formosa : 16:43

    2006年2月10日


    ウツボと聞くと、『怖い!』という方が多いようですが、水中で見るウツボは多種多彩で、可愛らしさを感じることがあります。

    ウツボは中国・台湾では中国料理の食材として好まれ、日本でも四国高知県大月町では干物を生産し、出荷している話を聞きます。
    他のお魚同様、頭の部分にはDHA、皮と身の間はコラーゲンが豊富で健康と美容に良さそうです!

    ウツボは『ウナギ目』に属し、ウナギ同様、仔魚(しぎょ)期には、レプトケファルスと呼ばれる成魚とは異なる形で幼生期を過ごす謎めいたところがあります。岩やサンゴの割れ目など、同じところに住む定着性のあるお魚ですが、産卵の時期には遠く外洋に出かけるのかも知れません。

    皮ふが頑丈で厚くウロコがないため、ぬるっとした感触で胸ヒレがありません。臭覚の強いお魚で、目の上に一対の後鼻孔と口(上顎)の先には管状の前鼻孔の突起があります。(にゅっと口先から伸びている突起です。)

    ほとんどのウツボの顔つきは怖そうですが、臆病で、おとなしい種が多く、ウツボ科のお魚は世界に約200種(日本でも約50種)とかなりの種の数です。

    沖縄などに生息する『ドクウツボ』は、体長2m近くにもなる大型のお魚でシガテラ毒を持ちますが、餌付けされたものがダイバーの指をかみ切った例や、松とうちゃん自身、追いかけられ恐怖を覚えた経験もあります。しかしこれらは人間の餌付けと言う行為に反応したもので本来凶暴さを持つものではないと思います。

    虎のような派手な模様の『トラウツボ』は、目の上の後鼻孔が突起しており、口先の前鼻孔も伸びているウツボで普通の岩礁で見られます。
    カメラ派には派手模様で角(つの)があるいい被写体になりますね!

    四国高知県で食用とされる『コケウツボ』や『ウツボ』は、伊豆地方など関東の海では、捕獲されることはほとんど無く、夜行性で普段は岩の割れ目などに身を隠しているはずのものが全身をあらわにしているウツボがごろごろ見かけられます。採られない安心感でしょうか?

    肉食で歯が鋭く怖そうなウツボも、『ハナヒゲウツボ』にいたっては全く印象が違います。沖縄など亜熱帯から熱帯に多く生息するウツボですが、前鼻孔が扇状にひろがって、まるでハナビラのひげがついたように見えることからその名が付いたのでしょうか?
    全身を出して、泳いでいる姿はまるでプレゼント包装に使うリボンのように見えます。この『ハナヒゲウツボ』は、幼魚期に体色が黒色、成魚期はコバルトブルー(背と腹が黄色の帯)、そして雄性先熟つまりオスからメスに
    性転換する不思議なウツボでダイバーに人気のお魚です。
    オスはコバルトブルー、メスはイエローと言われていますが、体全体がイエローの『ハナヒゲウツボ』は見たことがありません!どのタイミングで、性転換するのか興味深いところです。

    これらのウツボが、お口のまわりをエビやホンソメワケベラなどにクリーニングされ気持ちよさそうにしている姿を見ると、『気持ちいいかい?』と声をかけたくなります。また、いつも口が半開きでまぬけさを感じることもあり、顔を近づけると後ずさりしていくウツボが憎めません!怖いというイメージではなく、可愛らしいと思うのは、松とうちゃんだけでしょうか?

    今回は『怖い!』『気持ち悪い!』などと外見のイメージだけで判断されてしまうウツボを、水中でその身振りや表情を観察しそれぞれの性格を判断していただけたらと思い取り上げてみました!
    怖そうで、付き合いにくい方も向き合ってにらめっこしていたら、相手の気持ちが分かるかも知れませんね!(*^_^*)
    -お生物講座020-

    投稿者 formosa : 16:34

    2006年2月 9日


    松とうちゃんは辰年です。辰年と言うと、龍、即ち『海の龍』タツノオトシゴを連想するのではありませんか?

    タツノオトシゴは、ヨウジウオ科のお魚で、体長は7~8cm、海藻やヤギなどの刺胞動物にしっぽ(尾部)を巻き付けることで有名です。
    肉食のタツノオトシゴは、頭から口先が長くのびており、甲殻類や稚魚を、まるで掃除機のように長くのびた口で吸引し捕食します。
    体色は、褐色、赤色、白色、黄色、黒色と多彩ですが藻類をバックにカモフラージュがうまく見つけにくいお魚です。それだけにダイバーのフィッシュウォッチングの対象として人気が高いものです。
    泳ぐ姿は、体を垂直に立てて馬のように長くのびた顔を前に突き出しており、お魚の仲間とは思いがたい格好です。

    日本では、地方によってタツノオトシゴの呼び名もいろいろで、タツノコ、リュウノコマ、と言うぐあいに龍に見立てた呼び名やウミウマ、ウマノカオなどのように馬の顔に似ていることから、そのような呼び方をされているところもあるようです。英名は『シーホース』すなわち『海の馬』ですからやはり欧米人も馬の顔に見えるのでしょうか?

    タツノオトシゴの不思議な生態としてその繁殖方法にあります。ヨウジウオ科のお魚がオスの腹部に卵を着けてふ化まで育てることは有名ですが、タツノオトシゴの場合、メスがオスの腹部にある育児のうと言う完全に袋になっている部分に卵を注入し産卵、受精した卵はオス育児のうで2~3週間でふ化し、育児のうの開口部からほとんど親と同じ姿で体長約5mmの稚魚を出産します。その数、200匹以上と言うからオスはそうとう大変です。

    松とうちゃんは、幼いころ、叔母の自宅での出産の様子をおぼろげに覚えており、その後中学に入りまもなく、自分が出産で苦しんでいる夢を見たことがあります。夢から覚めた時は、『あんな苦しい思いはいやだ!』『男に生まれて良かった!』と胸をなで下ろしたものです。
    体をくねらせ、一生懸命出産しているタツノオトシゴのオスも苦しい思いをしているのではと、気の毒に思います。(世のお母さん方、ごめんなさい。)

    卵を捕食者に食べられないように、稚魚までオスの体内で育てる姿は、テンジュクダイの口内保育に似ていますが、オスの子育てには、頭が下がる思いです。

    普通タツノオトシゴを食用にはしませんが、中国では乾燥させ漢方や薬膳料理に使われ、日本ではたくさんの子供を産むことから、安産のお守りに使われています。

    出産と子育ては母親の仕事ときめつけている世の男性諸君!タツノオトシゴのオスを見習い子育てに励みましょうか!クローン技術で生物が誕生する時代です。
    人間も男性が出産する時代が訪れるかも知れません!?そんな時に戸惑わないようにしましょう!
    -お生物講座019-

    投稿者 formosa : 16:23

    2006年2月 8日


    皆さん!ゴンベ科のお魚をご存知でしょうか?まるで置物のように、岩や珊瑚などの海洋生物にひょこんと乗っかっていることが多いお魚で、日本では13種ぐらい知られています。その中で、口が細長く、背ビレの先がリボンで結んだような糸状突起をもち、体全体がチェック模様のとてもお洒落なお魚で『クダゴンベ』と言うのがいます。

    『クダゴンベ』は、熱帯・亜熱帯に生息するお魚で関東の海では大変珍しいお魚ですが、日本では25年ごろ前に伊豆海洋公園で初めて発見されその和名がついたと聞いています。

    この『クダゴンベ』は、わりと深場の水深20から30mにいることが多く、また、オオイソバナなどヤギ類に同化したような色合いで着いています。赤い格子模様で、バックのオオイソバナと区別がつきにくく見つけるのが厄介ですが、その珍しさ、奇麗さからいって見つけた時の感激もひとしおです。

    松とうちゃんが初めて見たのは、沖縄ケラマの海でかなりの感動がありました。続いてパラオ、台湾、網代、大瀬崎、熱川と見る機会も増えていきましたがチェック模様が微妙に違うような気がしています。
    ほとんどのチェック摸様は、赤色中心ですが、少しオレンジがかっているもの、褐色がかっているものなどの違いがあります。

    これらの色や摸様の違いは生息する地域によるものではなく、個体によるものと考えられます。例えば、住み着いているヤギ類の色に合わせているのかも知れません。
    それにしても、体の摸様が赤いチェックとは不思議です。陸上の動物や海中のお魚には、縞模様というのはありますが、チェック摸様は聞きませんよね!

    最近、伊豆の熱川というところで大小の『クダゴンベ』を見たのですが、先がどんどん枝別れしている赤いウミウチワに着いており、よく見るとバックのウミウチワも格子摸様に見え、カモフラージュの効果を高めるためのチェック摸様ではないかと思いました。

    何人かの水中カメラ小僧のダイバーに追い回されたのか松とうちゃんが撮影しようとした時は、すぐ後ろに飛ぶように回り込み、こちらも回り込むと、また反対に飛び移ってしまいなかなか撮影を許してくれませんでした。『クダゴンベ』は、英名『ロングノーズホークフィッシュ』と言います。飛び移る姿を見て、ホーク(鷹)の意味が初めて分かりました!

    チェック摸様というと、英国のマフラーなどで有名な『タータンチェック』がありますが、中世のスコットランドのハイライド地方で敵・味方の見分けに、タータンデザインができ生地が丈夫で身を守る目的もあったようです。ファミリーは、独特なタータンデザインを持っており、日本で言う家紋のようなもので、あるグループと他を区別する
    目的に使われたのが『タータンチェック』です。

    『クダゴンベ』のチェック摸様も身を守る目的がありひょっとしたら個体特有の形・色の違いではなく、彼らの種族をあらわしているものかもしれない!と思うのは、ちょっと無理がありますよね!
    -お生物講座018-

    投稿者 formosa : 16:14

    2006年2月 7日


    カミソリウオとかノコギリヨウジと言うと、いかにも切れそうで物騒ですが、これらはヨウジウオ目に分類されるお魚たちです。見たことのない方には、想像しにくいかも知れませんが、カミソリウオの仲間に『ニシキフウライウオ』と言うお魚がいます。

    口が馬のように長く、背びれ、腹びれ、尾びれは数本の串が薄いひれ膜でつながり扇状になっているものが多く、全く奇妙な形をしたお魚です。体表は縞模様で内蔵が透けて見え、名前のとおり、いつも口を下にした姿勢でふ~らふ~らと漂っています。

    もともと『ニシキフウライウオ』は熱帯~亜熱帯の暖かい海に分布し関東の海では、珍しいお魚でダイバーのフィッシュウォッチの対象として人気があります。水中写真家にとっても魅力的なお魚です。

    このお魚は、泳ぎが下手とされており、いつもヤギやウミシダなど海中生物の色そっくりにカモフラージュして身を隠しています。海藻が漂うような感じなので、慣れないと見つけるのにかなり苦労します。

    『ニシキフウライウオ』の属するカミソリウオ科のお魚は擬態の達人とも言え、個体ごとに色は多彩、形もいろいろ異なります。これは、泳ぎが下手なので、捕食者から餌として学習されないためと言われています。みんなが同じような体色や形をしていると、『あのては、泳ぎの下手なお魚(えさ)』と覚えられてしまうのでしょうね!

    ヨウジウオ目のお魚のほとんどは、産卵後、卵をオスの体に産みつけ、オスが育児・ふ化させますが、この『ニシキフウライウオ』たちは、メス自身の、腹ビレを袋状にした育児のうと言うところに卵を生み、ふ化させます。ヨウジウオ目の中では、変わった子育てです。

    この『ニシキフウライウオ』は、大変珍しいのですが、見つけるとほとんどオス・メスのペアでいることが多いのです。メスは先程の説明のとおり、腹ビレを袋状にした育児のうを持ち、普通はペアの大きい方です。オスは育児のうがなく、腹ビレは左右2つに分かれていますし、小さい方ですのですぐ分かります。

    黒潮などに乗って流れ着いた少数の彼らが、なぜ同種でペアを作れるのでしょうか?全く持って不思議です。一緒に流れ着いたとは思えませんし、彼らの体からは、同種の異性を呼ぶフェロモンでも出ているのでしょうか?

    海中で見つけると、このペアは、いつ、どうやって出会ったのだろうと松とうちゃんは考えてしまいます。地方から上京し、田舎と異なる厳しい都会の雰囲気に飲み込まれそうになった時、ふと出会った同郷の異性に親しみを覚える感じでしょうか?

    故郷から遠く離れた場所で出会った『ニシキフウライウオ』のペアが子孫を残すために必死でがんばっている様子に、田舎生まれの松とうちゃんは、声援を送ります!
    -お生物講座017-

    投稿者 formosa : 15:54


    磯や沿岸で気軽に楽しめ釣りの対象魚としての『メバル』は、美味で漁業上でも重要なお魚とされています。この高級魚の『メバル』は、日本各地(特に北日本に多い)に生息しており、どこの魚屋さんでも見かけることができると思います。

    煮付けが美味しいですよね!

    『メバル』は、大きな目がお魚独特の球状に張り出しており、その特徴から『目張る』と書いて『メバル』と呼ばれるようになりました。

    ダイビングをしていると磯釣りの人達から『この辺にメバルいる?』とたずねられることがありますが、いつも『たくさんいます!』と答えています。実際、あちらこちらで見かけることができダイビングでは見慣れて気にかける人も少ないかも知れませんが、いつも数尾が決まって上を向いて浮遊しておりなぜ釣れないのか不思議なくらいです。

    『メバル』は、カサゴの仲間でフサカサゴ科に属し、その生態は普通のお魚と違って奇妙なところがあります。夜行性で海底小動物や小魚、甲殻類を夜に食べ、昼は海底から1mくらい離れたところで、数尾かたまって上を向く姿勢をとります。
    なぜそんな姿勢をしているのか、不思議に思い『メバル』に問いかけてみたことがありますが、昼は休息中で休むのに一番楽な姿勢だそうです。人間が横になった方が、楽と思うのは当てはまらないようです。

    さて、お魚は一般的に体外に産卵し体外受精をする卵生が多いのですが、この『メバル』やカサゴの仲間たちは、交尾後体内で受精する卵胎生のお魚です。

    オスの腹部の排出腔に小さな突起がありますが、オス・メスの区別は難しく、特にカサゴに至ってはいつも砂底や岩の上などに乗っている姿勢ですので区別がつきにくいと思います。
    『メバル』同士も区別がつきにくいのか『おまえはホモかい?(差別用語失礼!)』とたずねたくなるように、オスがオスに間違って求愛する場合があるそうです。

    求愛行動は、11月~12月に多く、オスがメスを訪問しメスの上で胸ビレをパタパタとふるわせて誘います。オスはあちらこちらのメスをまわって求愛しますが、メスはほとんど無視!求愛に応じメーキングラブに至るのは、1%以下の確立つまり99%以上は不成功と言うからオスが可哀相な気がします。しかしいったんメスがオスの求愛に応じると今度は立場が逆転です。
    メスは数十センチ体を浮かせオスに近ずきメーキングラブを迫ってきます。その瞬間、オスは『そんなに体柔かいの?』と思うくらいに体をしならせてメスの体に巻きつき、4~5秒のメーキングラブ開始です。(松とうちゃんは、その瞬間を写真でしか見たことありません)交尾後は、オスはただちにその場を立ち去り次のメスへと向かいますがメスはその場でじっとしてお腹の子育てにはいります。

    さらに不思議なのが、ご懐妊後出産までの期間、数週間ですが、出産前のメスの体重はご懐妊直後より減少し、オスも求愛行動を頻繁にとる前は、メスよりお腹が膨らんでおり、徐々に体重が減っていくそうです。これはオスが忙しくまわる求愛行動でエネルギーを使い、メスは体内での子育て(ふ化)のため多くのエネルギーを使いはたすためで、オスもメスも子供を残すための一生懸命の努力をしているということでしょうか?

    『メバル』は3~4mmの仔魚を数千匹から数万匹を出産し、体外に出た仔魚は、いったん浮遊生活をおくった後、藻などに住み着きます。
    翌春の4月ごろには4~5cmに育っていると思います。オスもメスもがんばってたくさんの子供を産まないと子孫繁栄とはならないので努力しているのですね!

    『メバル』のオスがたくさんのメスに誘う姿は街角で若者やおじさんたちがナンパしている姿に似ていますが、人間界のナンパの成功率はどんなもんでしょうか?
    ちょっと『メバル』とは動機が異なるようですが…(*^_^*)
    -お生物講座016-

    投稿者 formosa : 15:43

    2006年2月 6日


    どちらに目が移動するかが決まっていない『ボウズカレイ科』や、生息場所によって異なる『ヌマガレイ』など不思議なものもいます。

    『ヌマガレイ』は、カリフォルニアで、カレイ型とヒラメ型が半々、アラスカに近づくとヒラメ型が70%と多くなり日本近海ではほとんどが外見上ヒラメ型です。つまり『カレイ科』なのに両目が顔の左側にあるのです。

    ここまでくると、両目が左側にあるからヒラメという決めつけが、できなくなります。このヒラメ型に見える『ヌマガレイ』も先に述べた視神経のクロスでは、左目の視神経が上に重なっている『カレイ型』なのです。反対に移動するためにクロスした場所の前方で、ねじれている逆位という現象です。やはり、『ヌマガレイ』はカレイなのです。

    ちょっとややっこしくなりましたが、ヒラメ型かカレイ型かは両目がどちらに有るかではなく、視神経交叉に状態によって決まるようです。

    しかし、不思議です!どうして目が右に移動したり、左に移動して体の半身を上にするのでしょう?生まれながらにしてヒラメ型かカレイ型かは、決まっているのにせよ、生息場所によって、左右の方向を決めるこの『ヌマガレイ』は、カレイ目魚類の進化において、重要なことのようです。この左右性を決定する機構の解明に研究者たちは、人口交雑などの実験で取り組んでいるようです。

    その研究成果を期待しましょう!

    ヒラメは小魚を捕食する比較的どう猛なお魚で、海中で見る形相も凄いです。カレイには穏やかさを感じます。人間も、親から譲り受けた遺伝的な要素以外、育つ環境によって性格形成されますし、顔つきも変わります。きつく意地悪な性格や優しく穏和な性格は、それなりに顔つきに表れますよね!松とうちゃんも気をつけよぉ!

    -お生物講座015-03-

    投稿者 formosa : 15:23

    2006年2月 5日


    ヒラメ科、ダルマガレイ科、ウシノシタ科は両目が左側にあり、『ヒラメ型』と言います。カレイ科、ササウシノシタ科は両目が右側に、あり、『カレイ型』と言います。

    カレイやヒラメは、生まれながらにして片方の顔に両目があるのではなくまた、横になって泳ぐお魚でもありません。卵からふ化したばかりの仔魚(しぎょ)は、普通のお魚のように左右対称の顔をしており、普通に背びれを上にして泳ぎます。

    そして、左右にある目玉につながっている視神経の束は、(背びれの上から見ると)後ろに伸びバッテン印のように交叉しています。つまり、右目から伸びた視神経の束は左に、左目から伸びた視神経の束は右に伸びてクロスします。この時、クロスした場所で右目の視神経が上に重なっているのが、『ヒラメ型』で、左目の視神経が上に重なっているのが、『カレイ型』です。

    そして、ほとんどのヒラメ型のお魚は、仔魚から成長するにつれて、右目が左側に移動し両目が顔の左側に、右側の体色は白くなり左側は斑紋などがデザインされます。ほとんどのカレイ型のお魚は、それと逆で左目が右側に移動し両目が顔の右側になります。そして、横になり泳ぐようになるのです。不思議な生態ですね!

    -お生物講座015-02-

    投稿者 formosa : 13:16

    2006年2月 4日




    えんがわでお馴染みヒラメはお刺身、カレイは煮付に焼き物、唐揚が いいですね!どちらも分類学上は『カレイ目』に属します。

    どうして、 ヒラメはお刺身でカレイは焼き物なのでしょうか?漁獲高の違いによ る高級感がヒラメにあって、焼くのはもったいない!と言うことでし ょうか?どうも生息場所や彼らの食べ物(魚か小動物か)によって、 マッチした料理方法が決まるようです。

    いずれにしても、松とうちゃ んは、ヒラメもカレイも大好きです! カレイは小さくて、ヒラメは大きいというイメージ有りませんか?カ レイ科の中でも『オヒョウ』というカレイは、体長が2.5m、体重 が300Kgに達するものもあれば、『ダルマカレイ』のように、体 長2.5~40cmの小さく可愛らしいものもあります。

    いずれも、岩や砂などの海底に生息していますが、松とうちゃんのイ メージは、カレイは砂底や砂泥底に、ヒラメは平らな岩の上に、とい うものです。特に小さな『ダルマカレイ』は、砂底で可愛らしく動い ていますし、ヒラメは、ほとんど岩色にカモフラージュしながら小魚 の獲物を狙っている感じがします。

    多くの方は、お魚屋さんや小料理店の水槽の底で、カレイやヒラメが 平らに横たわっている姿を見かけていると思います。海中にいる姿も 同じです。ただ、前にもお話したように、カレイやヒラメは体色変化 による砂や岩にカモフラージュがうまくて、なかなか見つけにくい、 お魚です。

    お寿司好きで食いしん坊の松とうちゃんは見つけるとつい、 お刺身を連想し、海中でよだれをたらしてしまいます。

    さて、皆さんも『左はヒラメ、右はカレイ』ということご存知ですよ ね?普通のお魚のように、背びれを上に、出っ張っている下あごを下 にしてヒラメやカレイを見ると、体の左側に両目があるのがヒラメ、 右側にあるのがカレイというものです。

    続きは次回また。

    -お生物講座015-

    投稿者 formosa : 16:08


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