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    スズメダイのお父ちゃん

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    大切に子育てした我が子がどのように成長していくのか、世のお父ちゃんたちの気になるところですよね!子育てというと「スズメダイ」の産卵から保育行動がちょっと面白いです。

    「スズメダイ」は全世界の熱帯-亜熱帯域の岩礁や珊瑚礁にいろどる小-中のお魚で、ダイビングをしていると、ほとんどのところで見ることができます。「スズメダイ」は、320種にも分けられ、種間差が少なく、その分類と区別が非常に難しいお魚です。日本では、南西諸島から青森県の海に住んでおり、港や防波堤で、不本意にも釣られてしまう場合もあると思います。

    スズメダイは、エサの藻類を確保するため、縄張り意識が強く、ダイバー諸君もスズメダイにフィンやウエットスーツに保護された身体をつっつかれた経験があると思います。なぜあんなに攻撃的なのかな?と不思議に思っているダイバーもいるはずです。身体の大きさ省みず、自分の縄張りに来た侵入者を口で攻撃し、縄張りを守るのです。とても勇敢ですよね!

    まず、「スズメダイ」の産卵行動ですが、オスが岩やサンゴの表面を口で一生懸命お掃除をし、産卵のための巣作りをします。そして、オスはU-スイミングと呼ばれる求愛行動を行ってメスを導きます。(U-スイミング:上下にUの字を書くように泳ぎます。)メスはその求愛行動に応えるために、自分の縄張りを離れ無ければなりません。縄張りを離れると、同じ藻類を好むハギやアイゴに荒らされるかも知れません。そこで、ほとんどの縄張り意識の強い「スズメダイ」の産卵時刻は、他のお魚が未だ起きない早朝となっています。卵はオスの作った巣(岩の表面など)に産み付けられ、普通1mmと小さいものです。一つの巣には複数のメスの卵があり、多い場合には数万にも達します。ここでも、オスはたくさんのメスのお相手をし、とってもお疲れです。縄張りの気になるメスは30分くらいで産卵を済まし、さっさと自分の縄張りに戻ります。ふ化するまでの間、オスは卵をしっかりと守ります。卵に新鮮な水を口で送ったり、死んだ卵を取り除いたり、卵を狙う外敵から守ったりで大忙しです。卵はふ化すると数mmの仔魚(しぎょ)は、すぐ巣を離れていきます。ふ化は捕食者が寝静まった日没後暗くなってから起こります。ちょうど私たちダイバーがナイトダイビングを行う時間ですね。

    オスは時々、自分の保護している卵を食べます。なんてひどいことをと思うかも知れませんが、それには理由があります。繁殖期は1~4ヶ月におよぶ場合があり、オスはその間、より多くの子孫を残すため次々とメスを呼び込みます。そしてその間はほとんど、充分なエサにありつけません。卵を守りながら多くのメスに求愛行動をとるには、体力がいります。エサがなくなり体力消耗したオスは、卵を守ることもメスを呼ぶことも出来ません。背に腹は代えられません!自分で保護している栄養豊富な卵を一部食べることで次のメスを呼び、産み付けてもらう卵を増やすことができます。結果的には、子孫を多く増やす目的を達することができるのです。どの程度、卵を食べたら結果的に多くの子孫を残せるか、そのバランスが難しいと思います。それが「スズメダイ」のオスの理性ではないでしょうか?「スズメダイ」のオスが一生懸命育てた子供たちは、どこでどう暮らすかは、オス(父ちゃん)は分かりません。そんな心配は、世のお父ちゃんたちと同じかも知れません!

    -お生物講座007-





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