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アメフラシは本当に雨を降らす?
例えが悪いですが、中の綿がふんにゃりとした古くなった枕のような、海中生物『アメフラシ』を、ダイバーでしたらご存知と思います。
ぐにゃぐにゃでナメクジのようなこの不気味な『アメフラシ』は、巻貝の仲間で、背中を広げて見ると、薄くて弾力性のある貝殻の痕跡とも思えるものが見えます。 『アメフラシ』の仲間は成長につれて巻貝と同じくねじれて育ちますが、途中から反対方向にねじれが戻るようです。そのため鰓(えら)が心臓の後ろに移るので『後鰓類』と呼ばれています。 ≪だ~れ?こんなところに黄色のソーメン捨てたの?≫ そばやソーメンと見間違えてそう思った方、いませんか? 海藻を食べる『アメフラシ』は、春に『うみそうめん』と呼ばれる卵塊を産みます。 昔から『アメフラシ』をいじめると雨が降ったり、海がしけになるといういい伝えがあるようですが、実際に体を刺激すると紫色の液体を背面から分泌します。『アメフラシ』を見ると、ついついいじめたくなる人、いませんか~? ウミウシも含め後鰓類は、雌雄同体ですが、卵は交尾によって受精します。(自家受精もありますが…) ≪えっえ~~~???雌雄同体で交尾???≫ 混乱する人もいるかも知れません!(^_^;) ふつう交尾というのは、皆さんご存知のようにオスとメスが1対1で行うものですが『アメフラシ』は変わった交尾をすることがあります。 見たことありませんか?アメフラシが3個も4個も連なっているの。実は、これって交尾の最中なのです! ≪えっ?雌雄同体でオス・メスどうなっているの?≫ 例えば、3個の『アメフラシ』が連なったとします。そして先頭がメスとします。そうすると列の一番後ろは、その前の『アメフラシ』に対してオスとして機能し、真ん中の『アメフラシ』は後ろに対してはメスとして、前に対してはオスとしての役割を果たします。 複雑な交尾ですね~(いったいどれが卵を生むのでしょう?) この姿を人間など哺乳動物に例えて想像しないで下さい!あまりにも過激で恥ずかしくなってしまいます!(^_^;) 『アメフラシ』の産む卵塊には、数十万個もの卵が含まれていると言われていますが、今度、海の中で見つけたら、よ~く観察してみて下さい。 必ず『中心から左巻き』に産みつけられています。 『アメフラシ』より更に進化した『ウミウシ』は、リボン状の卵塊を産みつけますが、これらも全て左巻きです。 不思議な規則ですね~ 『アメフラシ』の仲間の『タツナミガイ』は、体が硬くて食用にしている地方があるようですが、『アメフラシ』食べて美味しかった!という話、聞きませんね。 どなたか食べた方、教えて下さい! -お生物講座093- |